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●《元山仁士郎さん…「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わっていない」…言葉には、沖縄にずっとのしかかる負担の重さがにじむ》

2022年05月15日 00時00分13秒 | Weblog

(2022年05月12日[木])
東京新聞の記事【辺野古新基地の断念など求め首相官邸前でハンスト 元山仁士郎さん「沖縄返還50年祝える状況ではない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/176299?rct=tag_movie)。

 《15日の沖縄返還50年を前に、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に伴う名護市辺野古の新基地建設断念などを求め、宜野湾市出身で一橋大大学院生の元山仁士郎さん(30)が9日、東京・永田町の首相官邸前でハンガーストライキを始めた。「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わっていない」。元山さんの言葉には、沖縄にずっとのしかかる負担の重さがにじむ。(望月衣塑子曽田晋太郎)》。

 下記の映像資料にある元山仁士郎さんの訴えを是非ご覧ください。

   『●自民党の武藤貴也衆院議員: 赤紙を送る側の(非)論理、
                     人殺しに加担させる側の(非)論理
    《◆「シールズ」学生ら反発 「みんなの思い」「全体主義見えた
     …「戦争が嫌だというのは、個人の考えだけでなく、みんなの思いでも
     あるのに」。…元山仁士郎さん…があきれる。「個人が重んじられる
     社会が許せないんでしょう。自民党の改憲草案にある全体主義的なものが
     垣間見えた気がする」》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
     《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    《そんな後ろ向きな私の話はこの辺にして、今の勢いのある話をしよう。
     県民投票を求める市民団体の中心に元シールズの元山仁士郎君を
     はじめ若い人たちが入って、疲れた大人たちをしり目に今年の春から
     独自に動き出したのだ。県内大手スーパーが賛同して各店舗の前で
     署名活動ができ、これまで既存の辺野古反対運動の輪には入って
     いなかった市民たちが一票を投じ始めた》

   『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
      息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題
    《そのために、安倍政権が保守系首長たちに反対するように強く圧力
     かけて、県民投票そのものを阻止しようとしているのだ。これに対沖縄県は、
     投票に反対する自治体に成り代わって投票事務を行う方策
     探り始めている。さらに、「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎さんら
     若者たちが、反対自治体の首長に対して県民投票実施のための申し入れを
     行うなどの動きを活発化させている》

   『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
           《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》
   『●ハンスト=非暴力抵抗運動で抗う沖縄の市民に対して、 
             「その方に聞いてください」とはどういう了見か?
    《ハンガーストライキを続ける元山仁士郎さん…と菅義偉官房長官
     のふるまいである…官房長官はあざけるような表情を見せ、
     
その方に聞いてください」と述べるや会見場を後にした》

   『●究極の「1択」をゴリ押ししてきた
     「本土」与党・癒党は辺野古破壊に「賛成」票を投じさせるのですね?
   『●《卑(ミーン)》な「本土」与党・癒党議員らが
      賛成しようが、《安倍政権の辺野古新基地建設は憲法違反》
   『●《あからさまな「県民投票潰し」の策動だ》った…
      「どちらでもない」ではなく、辺野古破壊に「反対」票を
   『●辺野古破壊に「反対に○」が投票資格者総数の
     37.65%、43万4273票…これは、もの凄い数字だ!
   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、都合の悪い質問を
          遮るような、その先に国民がいることを無視…》
    《2月に実施される県民投票に5市が参加拒否を表明したことに対し、
     沖縄県出身の学生である元山仁士郎さんが1月15日からハンストを
     始めました。県民投票実施のために昨年5月頃から10万を超える
     署名を集めた元山さんは、署名してくれた一人ひとりの思いを無にする
     ことはできないという気持ちから、かつて不屈の精神で米軍に抵抗した
     瀬長亀次郎さんの姿勢にならってハンストを決意したそうです。
     県民投票を拒否するということは、憲法14条で保障されている
     「法の下に平等」に違反しています。本来市民に政治参加を呼びかける
     べき政治家たちが正当な理由もなく市民から投票する権利を奪っている
     のです。沖縄には日本の差別の縮図があると感じています。
     みなさんには、ぜひ沖縄の悔しい思いを共有して、沖縄に寄り添い
     ながら、これからのあるべき社会を考えてほしいです》

   『●《この期に及んで、まだ傍観者》? 《憲法を維持するための
          「不断の努力」を怠った…加害者側に立つ人間》
    《このテントで住民投票の話はするな! とまで言われ、1年前は針の筵
     だった元山くんたち。相当悩みながら進めてきたのだろう。現職知事の
     病気と、埋め立て容認撤回と、逝去、知事選……。この激動の1年で、
     住民投票の意味はどんどん変化していった》

 《沖縄にずっとのしかかる負担の重さ》。「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わっていない」。

   『●自公政権やお維に壊され行く沖縄: 沖縄「屈辱の日」を「主権回復
     の日」と言う元首相、沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官…
   『●ニッポン〝復帰〟50年…《沖縄の自然が破壊され、民意が踏みにじ
     られて軍事基地ができていく現実》、辺野古は単なる破壊「損」な現実
   『●番犬様のものじゃない…《基地負担の軽減は遠く、米軍は今も島全体を
      自由使用する。よもや「返したけれど俺のもの」と思ってはいまいか》
    「琉球新報の二つのコラム【<金口木舌>沖縄は住民のもの】…と、
     【<金口木舌>沖縄と日本の関係は対等?】」

 沖縄は、番犬様の《もの》じゃぁない。一方で、ニッポン「本土」は〝生贄〟として、《標的》として、〝植民地〟として、《人柱》として、喜々として沖縄を差し出す。自公政権やお維に壊され行く沖縄…沖縄「屈辱の日」を「主権回復の日」と言う元首相、沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官…。政権の交代無くして、辺野古破壊は止まらないし、沖縄差別は止まらない。でも現実は、オール沖縄の選挙での連敗が続く…。
 《地方自治や行政手続きをゆがめ、環境を破壊する暴挙》がひたすら続く…そして、《標的の島》に。琉球弧の島々が攻撃の《標的》に。
 在りもしない《在日特権》にはバカ騒ぎする人々は、明確に存在する〝在日米軍特権〟には沈黙する卑怯者。沖縄での番犬様の《特権》には沈黙なのね?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/176299?rct=tag_movie

辺野古新基地の断念など求め首相官邸前でハンスト 元山仁士郎さん「沖縄返還50年祝える状況ではない」
2022年5月10日 10時46分


【辺野古新基地の断念など求め首相官邸前でハンスト 元山仁士郎さん「沖縄返還50年祝える状況ではない」】
https://youtu.be/H_Z7KJdKh-s

 15日の沖縄返還50年を前に、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に伴う名護市辺野古の新基地建設断念などを求め、宜野湾市出身で一橋大大学院生の元山仁士郎さん(30)が9日、東京・永田町の首相官邸前でハンガーストライキを始めた。「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わっていない」。元山さんの言葉には、沖縄にずっとのしかかる負担の重さがにじむ。(望月衣塑子曽田晋太郎

     (辺野古新基地建設に反対し、首相官邸前でハンガーストライキを
      始めた元山仁士郎さん=9日、東京・永田町で)


◆「物質的に豊かになっても人権尊重されず」

 「沖縄では15日に施政返還50年の式典が行われるが、とても祝える状況ではない」。9日午前10時、元山さんは官邸前に集まった報道陣に語り出した。

 なぜ祝えないのか。「50年前から何が変わったか。インフラは整い、物質的には豊かになったが(沖縄県民の)基本的人権は尊重されていない。辺野古埋め立ての即時断念と普天間飛行場の数年以内の運用停止、日米地位協定の運用にかかる日米合意の公開と、協定見直しを政府に求める」と元山さん。歩道に置いた椅子に座り続けた。

 官邸前には、元山さんの行動に共感する市民らが駆け付けた。その一人、父親が沖縄出身で都内在住の與儀 (よぎ) 睦美さん(62)は「若者が自分の命を削って訴えなければならない状況はおかしい沖縄以外の人たちも、見て見ぬふりをしないで受け止めてほしい」と力を込めた。


◆県民投票実現に奔走

 2019年、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票が行われ、7割が反対票を投じた。当時、署名活動などを通じて県民投票の実現に奔走した元山さんは、県内の一部自治体が不参加を表明すると、全県民が投票機会を持つべきだとして、ドクターストップを告げられるまでの5日間、県内でハンストを決行。その後、県内の全自治体が県民投票の実施を決めた

 今回のハンストは先月30日、沖縄の県政与党などが主催したオンライン形式の県民大会で、米統治下の琉球政府の元職員らが「50年前と何も状況は変わっていない」と語ったことが契機。「この状況を自分より若い世代に手渡していいのか」と思い立ち、辺野古埋め立ての即時断念などの要求を政府が受け入れるか、ドクターストップがかかるまで続けると決意した。


◆政府はなお「唯一の解決策

 元山さんの訴えに対し、松野博一官房長官は記者会見で「日米同盟の抑止力の維持と、普天間飛行場の危険性の除去を考えれば、辺野古移設が唯一の解決策」と述べるにとどまった。

 元山さんは、自民党本部前(10日)や公明党本部前(11日)など都内のほか、15日は沖縄復帰50周年記念式典会場の沖縄コンベンションセンター(宜野湾市)付近でハンストを継続。並行して新基地建設中止を求めるネット署名を「Change.org」で集め、ハンスト終了後、岸田文雄首相らに提出する。
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●《メディアが名実ともに戦争の道具にされていく》…《日本全土を米軍の鉄砲玉として…日本全土の基地化が進行》黙殺する《全国紙やテレビ》

2022年01月13日 00時00分30秒 | Weblog

[※ ↑ 【「空からの写真は一目瞭然」埋め立て進む辺野古の海 ドローンで監視する技術者の思い】(沖縄タイムス21.12.14、https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/879026)]


/ (20220109[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/自衛隊と米軍の共同作戦計画 あからさまな戦争準備に沈黙の大マスコミ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/299471)。

 《以上は年末23日に共同通信がスクープした動きである。岸信夫防衛相はノーコメントの一手。全国紙やテレビが黙殺しているので騒がれないが、事は住民も国会も憲法も無視した戦争準備に他ならない》。

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった
   『●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤
         できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】
   『●《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、
     電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開》
   『●《SACO合意とは、事件に対する沖縄県民の怒りをはぐらかし、沖縄の
      中で基地をたらいまわしする欺瞞でしかなかった》(目取真俊さん)
   『●本土と沖縄を一緒にするなとでも? 《…燃料タンクと数十センチの
      水筒という落下物によって事故の重大性を比較するのは無意味だ》

 《全国紙やテレビが黙殺》する《日本全土を米軍の鉄砲玉として…日本全土の基地化が進行》。(斎藤貴男さん)《特に沖縄では、沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開されたもよう。複数の民間港も使用された。「沖縄の戦場化が前提にされている」と住人たちの不安は膨らむ。だが、県外ではろくに報じられもしない異様である》。《「沖縄の戦場化が前提にされている」》…沖縄県外の人たちの多くが、それを《異様》と感じないのか? 自衛の枠を遥かに超える〝敵基地攻撃能力〟までも口にするニッポンのリーダーたち。壊憲へまっしぐらだ。

   『●番犬様が《震源地》化…《ところで外務省沖縄事務所と沖縄防衛局は
     何をしているのだろう》、そして、アベ様や最低の官房長官らは何を?
   『●<金口木舌>《コロナ感染再拡大後も米軍は詳細を説明せず、米兵は
     基地の街をマスクをせず闊歩している。これが復帰から半世紀の沖縄》
    「とうとう、6日(木) 時点では981人と、1千人間近だ。もちろん過去最多。
     岩国や三沢でも同様なことが起きている模様…。
     「思いやり」した末の非道…番犬様には《水際作戦》関係なし…
     またしても番犬様が《震源地》化。」

   『●長周新聞《何が「安全保障」だよ! 在日米軍基地から始まったコロナ
     第6波 検査も隔離もなく自由に出入国 沖縄や岩国で感染者過去最多》
   『●《PCR検査もまともにやらず、あぶれた感染者を自宅療養の刑に処す
     とは、為政者としてはいったい国民の生命をなんだと思っているのか》
   『●日本は独立国なの? 岸田文雄首相は「在日米軍が原因と断定するのは
      難しい」と…正気? どう見ても、またしても番犬様が《震源地》化

 《実行されれば南西諸島は戦場と化す。共同の記事には、「申し訳ないが、自衛隊に住民を避難させる余力はないだろう」とする制服組幹部の談話が載った。果たして11月下旬に実施された陸海空の自衛隊統合演習にも米軍は参加して、沖縄を戦場に模していた》そうだ。《標的の島》の市民の皆さんに対して、堂々と「自衛隊に住民を避難させる余力はない」と番犬様や日本軍は言っている訳です。驚愕です。《それにしても、私たちはよくぞ習近平の強権的な軍民融合を嗤えるものだ。今の日本が米国の下でやろうとしているのは、その猿マネ以上でも以下でもないではないか。》…ウヨクの皆さん、恥ずかしくないの?
 ニッポンの市民を〝護る〟気など、番犬様には無し、それは「台湾有事」などの「有事」に於いても、そのような気はさらさらないのです。そして、いま、またしても番犬様が《震源地》化…。デタラメの限りを尽くしています。
 東京新聞のコラム【筆洗/<世界をより安全にすることに貢献してみたいと思いませんか?…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/152812?rct=hissen)によると、《▼政府は市中でも感染が広がる沖縄、山口、広島の三県に、まん延防止等重点措置を適用するようだが、沖縄には国内の米軍専用施設の約七割が集中山口・岩国も基地のまちで、広島県境に接する米兵の基地周辺での飲食も感染拡大の要因の一つらしい▼オミクロン株の流入を防ごうと政府は民間空港での水際対策を強化したが、軍用機で基地に入る米兵の検疫は米側任せ検査は不十分で、休暇を終えて日本に戻った兵士に陽性者が相次いだとも報じられる。沖縄紙によると、基地の感染状況の詳細は県に伝えられず、知事もいらだっている》。

 最後に、アベ様やカースーオジサンによる《メディアコントロール》という頚木。大阪ではもちろん、お維による頚木に喜び勇んで下足番》広報紙が…。その結果の恐ろしさ。帝国ニッポンの破滅と同じ。《読売新聞大阪本社と大阪府が、教育・人材育成、安全・安心、情報発信などの8分野にわたる包括連携協定を結んでもいる御用新聞が売りになる時代なのか。このままでは外道が本流となり、メディアが名実ともに戦争の道具にされていく》。
 (馬奈木厳太郎さん)《基地は人類や環境と共存しえないこと、紛争を軍事的に解決させる時代は終わったこと ―― 私たちはそのことを確信にしていかなければならない。辺野古新基地建設の断念は、その第一歩である》。
 《軍隊は人を守らない大田昌秀さん)》、《軍隊は住民を守らない》《基地を置くから戦争が起こる島袋文子さん)》、《軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる三上智恵さん)》…。《戦争体験の継承はどうして必要》なのか? 大矢英代さんは、《二度と同じ手段で国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》。《「負の歴史こそが、本物の、騙されない強い未来を引き寄せてくれる力につながるということを、この人たちが私に信じさせてくれた」と著者三上智恵は書いている》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/299471

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
自衛隊と米軍の共同作戦計画 あからさまな戦争準備に沈黙の大マスコミ
公開日:2022/01/05 06:00 更新日:2022/01/05 06:00
今だけ無料

     (日米共同訓練で、米軍輸送機から降ろされる海兵隊の
      高機動ロケット砲システム「ハイマース」=青森県八戸市の
      海上自衛隊八戸航空基地(C)共同通信社)

 台湾有事の緊迫度が高まった場合、米海兵隊は中台紛争への介入を視野に入れ、鹿児島から沖縄に至る南西諸島の基地などを拠点に軍事行動を展開する方針だ。小規模なミサイル部隊を離島に分散配置して、移動しながら味方艦隊を支援する。

 自衛隊の参戦も必定。2016年に施行された安全保障法制(公称は平和安全法制)は集団的自衛権の行使を容認しており、約40カ所とされる軍事拠点候補地には、陸自のミサイル部隊が配備済みの奄美大島宮古島、配備予定の石垣島も含まれている。

 自衛隊と米軍が新たに策定した共同作戦計画である。近く開催される日米安全保障協議委員会(2プラス2)で正式な計画策定に向けた作業開始に合意する見通しとされる。

 以上は年末23日に共同通信がスクープした動きである。岸信夫防衛相はノーコメントの一手。全国紙やテレビが黙殺しているので騒がれないが、事は住民も国会も憲法も無視した戦争準備に他ならない

 実行されれば南西諸島は戦場と化す。共同の記事には、「申し訳ないが、自衛隊に住民を避難させる余力はないだろう」とする制服組幹部の談話が載った。果たして11月下旬に実施された陸海空の自衛隊統合演習にも米軍は参加して、沖縄を戦場に模していた

 この国はもはや、中国の脅威さえ持ち出せば何でもアリの状況だ。米中対立激化の背景は言うまでもないけれど、中国とは地理的にも歴史的にも文化的にも近い日本には、米国と異なるアプローチが可能だし、不可欠でもある。米国領土の最西端に位置する不沈空母としてのみ中国と対峙し、戦闘ポーズを取ってみせるほど危険で、人権を無視した振る舞いもない。

 軍事同盟の深化を推進する人々は、やたら「日米は普遍的な価値観を共有している」と叫びたがる。だが、まがりなりにも9条を堅持してきた国と、何かと言えば戦争に訴える国価値観が同じであるわけがないだろう

 折しも昨年末には、読売新聞大阪本社と大阪府が、教育・人材育成、安全・安心、情報発信などの8分野にわたる包括連携協定を結んでもいる御用新聞が売りになる時代なのか。このままでは外道が本流となり、メディアが名実ともに戦争の道具にされていく

 それにしても、私たちはよくぞ習近平の強権的な軍民融合を嗤えるものだ。今の日本が米国の下でやろうとしているのは、その猿マネ以上でも以下でもないではないか。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/152812?rct=hissen

筆洗
<世界をより安全にすることに貢献してみたいと思いませんか?…
2022年1月7日 07時11分

 <世界をより安全にすることに貢献してみたいと思いませんか?>。在日米軍従業員の募集案内に、そう書かれている▼調理や清掃、看護など多くの仕事があり、全国で約二万五千人が働くという。募集案内は従業員たちを<日米両国を結ぶかけ橋であり、両国の未来をつなぐ鎖の輪でもあります>とたたえる▼確かに在日米軍は極東の安全保障に資していようが、働く人たちが最近感じる不安はいかばかりか。日本各地の米軍基地でコロナが流行し、日本人従業員にも感染者が出ている▼政府は市中でも感染が広がる沖縄、山口、広島の三県に、まん延防止等重点措置を適用するようだが、沖縄には国内の米軍専用施設の約七割が集中山口・岩国も基地のまちで、広島県境に接する米兵の基地周辺での飲食も感染拡大の要因の一つらしい▼オミクロン株の流入を防ごうと政府は民間空港での水際対策を強化したが、軍用機で基地に入る米兵の検疫は米側任せ検査は不十分で、休暇を終えて日本に戻った兵士に陽性者が相次いだとも報じられる。沖縄紙によると、基地の感染状況の詳細は県に伝えられず、知事もいらだっている▼基地のフェンスの向こうには力が及ばぬ戦後日本の現実。感染の<鎖の輪>は、基地と向き合ってきた地域の懊悩(おうのう)をも浮き彫りにした。いびつな関係を見直してこそ広がる<両国の未来>であろう。
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●《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開》

2022年01月06日 00時00分05秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


(20211208[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/経済安保」や「SDGs」という言葉が“隠れみの”になる懸念】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/298396)。

 《特に沖縄では、沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開されたもよう。複数の民間港も使用された。「沖縄の戦場化が前提にされている」と住人たちの不安は膨らむ。だが、県外ではろくに報じられもしない異様である》。

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった

 《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開…「沖縄の戦場化が前提にされている」》…沖縄県外の人たちの多くが、それを《異様》と感じないのか? 自衛の枠を遥かに超える〝敵基地攻撃能力〟までも口にするニッポンのリーダーたち。壊憲へまっしぐらだ。
 長周新聞《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】。《「普天間基地の負担軽減」や「辺野古移設の是非」が騒がれ、辺野古問題だけに目を奪われるなかで、本土でもそれを上回る規模で米軍基地強化や自衛隊基地の共同使用が進められてきた》《だが現実を冷静に見るならば、辺野古問題で目先をフェイクしながらその外側で南西諸島を含む日本全土を対中国の鉄砲玉にするという大規模な戦争策動が動いており、沖縄で起きている現実と本土で進行してきた軍事基地化の教訓を互いに共有し、これと対峙する沖縄全島と全国を結んだ力の結集が求められている》。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない
   『●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が
     厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》
   『●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤
         できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】


 再度。デモクラシータイムスのこの映像もご覧ください。
 【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】(https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s)。《デモクラシータイムス》《沖縄タイムスとお届けする11月の沖縄。今月は三上智恵さんを迎えて、いまの沖縄のなまなましい問題を取り上げます。国の辺野古マヨネーズ地盤の埋立設計変更申請に根拠はないと誰でも思うはずなんですが、ごり押しが続きます。実は自衛隊の基地化を考えているのかも…。県内全域が自衛隊の基地化してきた沖縄の現状もお伝えします》。


【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】
https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/298396

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
「経済安保」や「SDGs」という言葉が“隠れみの”になる懸念
公開日:2021/12/08 06:00 更新日:2021/12/08 06:00
今だけ無料

     (陸上自衛隊朝霞駐屯地で訓示を行う岸田首相
      (11月27日)/(代表撮影))

 全国各地で行われていた防衛省統合幕僚監部の自衛隊統合演習(実動演習)が先月末、約2週間の全日程を終了した。2006年度から、ほぼ隔年で実施されてきた陸海空の自衛隊3万人を投入する統合訓練だ。今回は従来にも増して対中国を想定した訓練が主流で、また米軍5800人が初めて参加したという

 特に沖縄では、沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開されたもよう。複数の民間港も使用された。

 「沖縄の戦場化が前提にされている」と住人たちの不安は膨らむ。だが、県外ではろくに報じられもしない異様である

 先月19日には、内閣官房に「経済安全保障法制準備室」が設置された。経済安保とは「国の安全保障を経済の面から実現すること」と説明されるが、要は経済・技術分野での戦時体制を指す用語だ。来年の通常国会に「経済安全保障推進法案」を提出する方針の岸田政権が、その策定に本腰を入れてきた。

 「軍民融合の進軍ラッパで新たな国際秩序の形成に躍起の中国を睨んだ戦略だ。彼らとの対決姿勢を強める米国とのさらなる一体化、という側面は強調するまでもない。

 台湾有事の危機も高まる中で、日本は軍事的にも経済的にも中国を敵国と見なす方向に突っ走ろうとしている。日本版軍民融合」の下では、自衛隊統合演習の様相もさもありなん、ということか。

 経済安保というと、軍事力とは無関係のように映るが、そうではない。こういうことが多すぎる。

 政府のSDGs(持続可能な開発目標)推進本部が昨年12月にまとめた「アクションプラン2021」も、15年の国連サミットで採択されたSDGs本来の趣旨が日米軍事同盟や監視社会化の国策に都合よく換骨奪胎されている。万人に平和と公正をとうたう項の具体的取り組みに「自由で開かれたインド太平洋の推進」や「中東地域・アフリカ地域の平和と安全」を挙げてみたり働きがいと経済成長の両立を掲げる項を「ビジネスとイノベーションを通じた成長戦略」に換骨奪胎して「Society5.0」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を盛り込んだり

 岸田政権は安倍・前々政権のようには国民に戦争をさせたくてたまらないふうではない。口当たりのよいキャッチフレーズを語るが、それがどこまで真意を伝えているのかは、まだまだ闇の中なのである。
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●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】

2022年01月05日 00時00分50秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


(2021年12月07日[火])
長周新聞の記事【解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22215)。

 《沖縄県名護市の辺野古新基地建設予定地について、防衛省は地盤改良工事のための設計変更を沖縄県に提出したが、沖縄県の玉城デニー知事は11月25日、不承認とした。今後、国側は法廷闘争に持ち込む構えを見せているが、沖縄県が不承認とした背景には「新たな米軍基地は沖縄に必要ない」という県民世論だけでなく、建設予定地に横たわる物理的な問題がある。埋め立てに着工できていない大浦湾側の予定海域は「マヨネーズ状」ともいわれる軟弱地盤が大半を占めており、技術的問題も含めて不確実性が高く、見通しの立たない膨大な時間と公費を投入した新基地建設は無意味な工事になる可能性が高い。一方、何十年も人々の視線を辺野古に釘付けにするなかで、それを上回る規模で南西諸島ミサイル基地配備自衛隊や民間施設の米軍使用など日本全土の前線基地化がノンストップで進んでおり、そのなかでの辺野古基地建設の位置づけについても改めて検証する必要がある》。

 この長周新聞の記事は素晴らしい。長いですが、是非、御一読ください。これこそ、調査報道です。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない
   『●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が
     厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》
    「ここでも、アベ様や元・最低の官房長官らのお得意の《隠蔽》。
     マヨネーズ軟弱地盤を知っていたくせに破壊に着工。護岸が崩壊する
     との指摘まである。そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシを
     やろうとしている…《人柱》だ」
    「新基地は完成を見ることはない。おまけに、普天間飛行場の全面返還など
     成されない。まさに、辺野古は単なる破壊「損」だ」

 N値はゼロ、工期と費用は「∞」…今日もひたすらドブガネし、ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている。いまも日々続いているデタラメな《工期も費用も言えない》辺野古破壊。いくらドブガネしても新基地は出来ない、普天間も返還されない。辺野古は単なる破壊「損」にすぎないし、原状回復も不可能。加えて、デタラメ・ヒトデナシをやろうとしている…《人柱》だ。
 さらには《日本全土の基地化が進行》。

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった

 デモクラシータイムスのこの映像もご覧ください。
 【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】(https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s)。《デモクラシータイムス》《沖縄タイムスとお届けする11月の沖縄。今月は三上智恵さんを迎えて、いまの沖縄のなまなましい問題を取り上げます。国の辺野古マヨネーズ地盤の埋立設計変更申請に根拠はないと誰でも思うはずなんですが、ごり押しが続きます。実は自衛隊の基地化を考えているのかも…。県内全域が自衛隊の基地化してきた沖縄の現状もお伝えします。地元の声を詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ
◆島々シンポジウム 第6回
2021年12月18日(土)15時~
琉球新報ギャラリーでの公開+Zoomビデオウェビナー
(入場無料、Zoomウェビナーは先着1000人の事前登録制です)
https://us06web.zoom.us/webinar/regis
収録は2021年11月29日》


【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】
https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22215

解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行
2021年12月6日

 沖縄県名護市の辺野古新基地建設予定地について、防衛省は地盤改良工事のための設計変更を沖縄県に提出したが、沖縄県の玉城デニー知事は11月25日、不承認とした。今後、国側は法廷闘争に持ち込む構えを見せているが、沖縄県が不承認とした背景には「新たな米軍基地は沖縄に必要ない」という県民世論だけでなく、建設予定地に横たわる物理的な問題がある。埋め立てに着工できていない大浦湾側の予定海域は「マヨネーズ状」ともいわれる軟弱地盤が大半を占めており、技術的問題も含めて不確実性が高く、見通しの立たない膨大な時間と公費を投入した新基地建設は無意味な工事になる可能性が高い。一方、何十年も人々の視線を辺野古に釘付けにするなかで、それを上回る規模で南西諸島ミサイル基地配備自衛隊や民間施設の米軍使用など日本全土の前線基地化がノンストップで進んでおり、そのなかでの辺野古基地建設の位置づけについても改めて検証する必要がある。


沖縄県民や日本全国を愚弄し続けた辺野古問題24年

 大浦湾の軟弱地盤については、国は埋め立て着工の数年前から把握していたにもかかわらず、その存在を認めることなく、2018年12月に辺野古沿岸部の海域から土砂投入に踏み切った。県民の情報公開請求で明らかになった防衛省の土質調査報告書(2016年3月作成)では、ボーリング調査によって、この海域の大部分に軟弱地盤があり、その厚さは水深30㍍から最大90㍍までの深さにまで広がっていることが明らかになっている【地図参照】。

 この事実を根拠にして2018年8月、沖縄県は故・翁長前知事の遺志に従い、仲井眞県政時代に出した埋め立て承認を撤回したが、対抗する防衛省は本来は国民の権利を守るためにある行政不服審査法にもとづいて国交省に効力停止を申し立て、国交省が沖縄県の権限を停止。裁判所もそれを「適法」として追認するという問答無用の措置に踏み切った。

 そのさい政府は、軟弱地盤について「一般的で施工実績が豊富な工法で、護岸や埋め立て等の工事を所要の安定性を確保しておこなうことが可能」として土砂投入へと見切り発車したが、その後の2019年1月に「地盤改良工事が必要」(安倍元首相)と認めた。地盤改良をおこなうためには設計変更が必要になり、沖縄県の承認が必要になるため、その前に土砂投入を先行させて既成事実化を図った形だ

 防衛省の調査結果によると、大浦湾の海底地盤には水深90㍍に及ぶ深い谷があり、そこに比較的新しい時代に堆積した砂と粘土の軟弱地盤が形成されている。とくに建設が予定されているV字型滑走路の先端部分に位置する東側護岸では、海面下30~70㍍までの深さで、地盤の強度をあらわすN値」がゼロの地点が多く確認された。

 「N値」とは、63・5㌔のハンマーを75㌢の高さから落下させ、直径51㍉のサンプラー(試掘用の杭)が30㌢貫入するまでに要した落下回数をいう。杭が30㌢下まで到達するのにハンマーを1回打ち下ろした場合は「N値1」、2回なら「N値2」として地盤の強度をあらわし、数字が大きいほど地盤が固いことを意味する。通常、大型構造物の基礎としては「N値50」以上が必要とされているが、防衛省は2013年の埋立承認申請時に、この地点を「N値11」と想定していた。

 実際の調査で連発した「N値ゼロ」とは、ハンマーを使わずとも杭を設置しただけで30㌢以上も下にズブズブと沈んでいったことを意味する。護岸に設置するケーソン(鋼鉄製の箱)は総数38函におよび、大型ケーソンの重量は7000㌧以上にもなる。ケーソンの土台となる基礎捨石も最大200㌔㌘の巨大石材であるため、いずれもN値ゼロの地盤に置くだけでたちまち40㍍下まで沈み込んでしまうことになる。そのため「マヨネーズ状地盤」「豆腐並み」と呼ばれ、「とても構造物を設置できるような地盤ではない」と専門家たちは指摘してきた。

 これらを受けて防衛省が作成した設計変更では、水深30㍍の海底地盤に存在する軟弱地盤の厚さを約40㍍と想定し、水深70㍍までの軟弱地盤(面積66㌶)に3年半かけて砂杭など7万1000本(砂量は東京ドーム5杯分)を打ち込むサンドコンパクションパイル(SCP)工法で地盤を固めるとした。そのため、これまで沖縄県北地域に限定していた土砂の調達先を県内全域に広げ沖縄戦激戦地であった糸満や八重瀬などの県南部からも戦没者の遺骨が未収集のまま眠っている土砂を大量に集める計画になっている。

 ところがその数カ月後に、新たな調査で軟弱地盤の厚さが60㍍であることが判明つまり水深90㍍の深さにまで軟弱地盤が存在していることになるが、防衛省は「調査の精度に信憑性がない」「(70㍍以下は)非常に固い粘土層」などとして、70㍍以下の地盤改良は不要であるとの見解を示している。

 だが、その判断の根底には、日本の作業船の施工深度は最大70㍍までしか届かず、90㍍までになると機械が届かないという現実がある【断面図参照】。水深70㍍であっても難工事であるうえに、水深90㍍の地盤改良は世界に前例がない

 土木工学を専門とする鎌尾彰司日本大理工学部准教授は、今年9月の沖縄県主催シンポジウムで、「わが国が保有する海上での地盤改良船では、数億円を掛けて改装しても海面下70㍍までしか地盤改良をすることができない。すなわち、施工機械が届かない20㍍の部分は未改良のままにするしかない軟弱地盤を未改良のままにして埋立工事をおこなうと、地盤が圧縮して密度が大きくなる(強度が高くなる)までに長い時間を要することになる。さらに改良できない部分は粘土質であるため、埋立工事中の沈下量が大きくなることはもちろんのこと、埋立工事が終了しても長期にわたり未改良の粘土地盤に継続して大きな沈下が発生することになる」と指摘した。

 改良工事は長期間におよび、軟弱地盤の上に設置された滑走路は恒常的に沈下するため、くり返し補修工事が必要になり、沈下によって護岸が倒れる「滑り破壊」によって埋め立てた土砂が海に流れ出る恐れもあると警鐘を鳴らしている。

 しかも政府は、最も深くまで軟弱地盤が堆積している東側護岸の「B27」地点については、別地点のサンプル調査から推測するだけで、地盤強度の調査をおこなっていない。そのため国の設計変更書には、地盤改良工事における砂杭の大きさや打ち込む本数などの具体的な記述がない

 総工費も当初の3500億円の2・7倍となる9300億円としているが、沖縄県は7カ所分の護岸工事だけで政府の資金計画書で示した額の12倍(928億円)となっていることから、埋め立て費用は当初の10倍の2兆5500億円に膨らむと試算している。

 基地建設の工期も当初の8年から12年に延長され、移設を条件とした普天間基地の返還は2030年代半ば以降となり、事実上先の見通せない状況だ。今後も「全体の経費については答えられない」(防衛省)というほど膨大な血税を投入しながら、完了するメドのない工事が延々と続くことになる。


地下には2つの活断層も 地盤調査せず

 さらに辺野古沿岸部から沖合にかけては、辺野古断層と楚久断層という2つの断層が走っており、いずれも活断層と分類されている【地図参照】。

 政府は活断層の存在を否定しているが、軟弱地盤が堆積する大浦湾海底の落ち込みは、これら2つの活断層の交差によって形成されたとみられており、この海域を調査した東北大学講師・遅沢壮一氏(地学)は「大浦湾の海底谷地形成は辺野古断層である。同断層は2万年前以降にくり返し活動した、極めて危険な活断層である」(知事撤回理由書)と指摘している。

 原発建設の場合を見ても、原子力規制委員会は、将来活動する可能性の高い断層を約一2万~13万年前かそれより新しい時期に動いたものと認定しており、2万年前以降に動いたとされる辺野古断層は今後も活発に動く可能性がある比較的新しい活断層とみなされている

 活断層に挟まれた軟弱地盤の上に、弾薬や化学物質などを扱う軍事施設や滑走路を建設すること自体、無謀極まりないもので、直下地震や津波が発生すれば、その被害は想像を絶するものとなる。地質学の専門家は「新基地を建設することは非常に危険である。活断層の存在を否定するならば、国は早急に調査結果を公表すべき」(加藤祐三琉球大学名誉教授)と批判を強めている。

 玉城知事は11月25日、軟弱地盤の改良工事に必要な国の設計変更について、「地盤の安定性等にかかる設計に関して最も重要な地点において必要な調査が実施されておらず、災害防止に十分配慮した検討が実施されていない」「『埋め立ての必要性』について合理性があるとは認められない」として不承認とした

 大浦湾はジュゴンなど絶滅危惧種262種を含む、5334種もの生物が生息する全国有数の地域であり、環境保全についての国の調査や対策がまるでなされていないことも挙げ、「公有水面埋立法に適合しない」と断定。「そもそも今般の変更申請が必要となったのは、本来、沖縄防衛局が事業実施前に必要最低限の地盤調査を実施すべきであったのにもかかわらず、これを実施せず、不確実な要素を抱えたまま見切り発車したことにすべて起因する」と政府側の責任を追及した。

 設計変更の不承認によって大浦湾の該当海域では埋め立て工事ができなくなるが、国はふたたび知事権限の執行停止や法廷闘争に持ち込み、地方自治を蹂躙してはばからない姿勢を見せている。


南西諸島で進む基地化  普天間は改修して恒久化

 1997年に日米政府のあいだで辺野古新基地建設計画が浮上してから24年。はじめは「普天間基地の危険性除去」だった問題が、いつの間にか「辺野古移設」にすり替わり、数十年にわたって沖縄県内では、新基地建設を許さない島ぐるみの世論と政府との激突状況が続いてきた。あいつぐ国政選挙では辺野古新基地を推進する与党が大敗し、県知事選では「辺野古新基地反対」を掲げるオール沖縄陣営が勝利し、辺野古の是非を問う県民投票でも反対票が多数を占めた

 そして、オール沖縄を率いた翁長前知事の死去後も、その遺志を継いで新基地反対を唱えた玉城現知事が過去最多得票で当選するなど、20万県民の命を奪った沖縄戦を経験し、以来70年以上にわたって米軍支配に晒されてきた沖縄県民の揺らぐことのない頑強な意志が幾度となく示されてきた

 だが、それを無視して建設工事が強行される辺野古新基地は、軟弱地盤で沈下や陥没の危険性が高く、完成時期も見通せないうえに基地として使い物になるか否かも定かではない。例え整備されたとしても「普天間の代替機能は果たせないと米側が主張することで返還の約束など簡単に反古になる関係だ。肝心の普天間基地は「閉鎖」どころか、さらに長期使用を可能にするため施設の改修工事が進められている

 先行きの見えない辺野古問題に人々の視線を何十年も釘付けにする一方で、沖縄県内外を問わず、米軍と自衛隊が一体となった基地や港湾の共同運用が進み、さらに与那国石垣宮古などの南西諸島では新たな自衛隊ミサイル基地があいついで建設されてきた。沖縄本島でも、勝連半島で自衛隊のミサイル部隊新設や、米軍の後方支援施設の建設計画が明らかになっている。

 米軍は対中国包囲網として、日本列島から沖縄、フィリピン西部、南沙諸島にかけて「第一列島線」とし、日本からグアム・サイパン・テニアンにかけてを「第二列島線」とする構想を打ち出している。本州、九州、馬毛島奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島にわたって出撃基地やミサイル包囲網をつくり、日本を不沈空母に見立てて中国に圧力を掛け、同時に米本土を防衛するというものだ。軍事費圧縮が迫られている米軍は、日本に軍事費や人員を肩代わりさせ、自衛隊を二軍として自国のアジア戦略に主体的にかかわらせる方針へとシフトしているからだ。この構想に基づけば、有事のさいには沖縄や南西諸島だけでなく、九州や本州も含める日本全土が戦場になり、攻撃対象になる可能性が出てくる。それは基地負担を沖縄が負うか、本土が負うかといった問題ではなく、日本全土を米軍の鉄砲玉として差し出すか否かの問題といえる。


大増強進む岩国や九州の基地  辺野古釘付けの間に

 「普天間基地の負担軽減」や「辺野古移設の是非」が騒がれ、辺野古問題だけに目を奪われるなかで、本土でもそれを上回る規模で米軍基地強化や自衛隊基地の共同使用が進められてきた

 米海軍基地がある長崎県佐世保では、自衛隊水陸機動団が配備され、それにともなって佐賀空港へのオスプレイ配備計画が浮上した。「普天間の負担軽減」を名目にして新田原基地(宮崎県)とともに米軍との共同使用施設へと変わりつつある空自築城基地(福岡県)では、滑走路を普天間基地と同規模(2700㍍)にまで延長するための拡張工事が始まっている。また米軍使用が常態化している福岡空港にも新たな米軍専用施設が建設された。

 新田原基地でもステルス戦闘機F35Bを配備するための新たな駐機場や燃料タンクが建設される。3000㍍級の滑走路を持つ大分空港や、熊本空港でも米軍オスプレイ等の緊急着陸が増えるなど、民間空港の米軍使用が格段に増えたのも近年の特徴だ。

 15年間かけて沖合に1・5倍拡張された米軍岩国基地(山口県)では、埋め立て総工費は2500億円だが、そのために切り崩した愛宕山開発費(米軍住宅建設)を含めると防衛省発注事業は4000億円以上にのぼる。辺野古の埋め立て費用を上回る公費を注ぎ込んで海側にも山側にも米軍基地が拡張され、厚木からの空母艦載機部隊の移駐によって米軍関係者約1万200人、軍用機約120機を擁する極東最大の基地となり、原子力空母、大型強襲揚陸艦、ヘリ空母などを本格展開する出撃拠点へと変貌している。

 また首都圏でも、在日米軍司令部を置く「横田幕府」こと米軍横田基地では、オスプレイ配備を五機から10機に増やすための新駐機場、グアムから飛来する無人偵察機RQ4グローバル・ホークの駐機施設、さらに今後4年間で大型輸送機九機を追加配備できる新駐機場の建設など、大規模な増強工事がおこなわれている。

 さらに政府は、硫黄島でおこなわれてきた米空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)の飛行場として馬毛島(鹿児島県)を買収。奄美大島には陸自ミサイル部隊を配備し、宮古島、石垣島にもミサイル部隊、台湾や尖閣諸島の目と鼻の先にある与那国島には陸自沿岸警備隊を配備した。

 近年、沖縄周辺でおこなわれる自衛隊の統合演習には常に米軍が参加し、民間港や民有地を使用した実戦訓練となっている。12月に米海兵隊と陸上自衛隊が実施する共同訓練は、米軍の「遠征前方基地作戦(EABO)」にもとづき、米海兵隊が遠隔地から最新鋭高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)と陸自の地対艦誘導弾(SMM)を使って中国のミサイル網に対抗するもので、八戸演習場(青森県)や矢臼別演習場(北海道)などを含んでおこなわれる。

 米軍基地問題を「辺野古問題」ないし「普天間問題」へと矮小化して、その是非だけを焦点とすることで、それ以外の地域や本土でそれを上回る基地機能強化がノンストップで進められてきたのがこの数十年の現実であり、この問題についてはオール沖縄が抱える玉城知事も立場をあいまいにしたまま事実上黙認してきた。現在、来年1月に辺野古を抱える名護市長選、秋には県知事選が控えるなかで、「辺野古を選挙の争点にするか否か」「基地問題か経済か」といった図式で政局がとり沙汰され、基地問題では「普天間の負担軽減」だけが叫ばれ、その枠内で革新系も含めて「県内移設か、県外移設か」といった沖縄vs本土の構図が煽られてきた

 だが現実を冷静に見るならば、辺野古問題で目先をフェイクしながらその外側で南西諸島を含む日本全土を対中国の鉄砲玉にするという大規模な戦争策動が動いており、沖縄で起きている現実と本土で進行してきた軍事基地化の教訓を互いに共有し、これと対峙する沖縄全島と全国を結んだ力の結集が求められている
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●五輪貴族の「不要不急は、ご本人が判断」―――《お粗末の限り》な金(カネ)色の五つの輪大臣…「コロナに打ち負けた」責任は?

2021年08月23日 00時00分41秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(2021813[])
日刊スポーツの記事【丸川五輪相、バッハ会長らしき人物“銀ブラ”に「ご本人が判断すべきもの」】(https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202108100000350.html)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/丸川珠代の「不要不急は、ご本人が判断」はお粗末の限り】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108120000136.html)。
水井多賀子さんの、リテラの記事【丸川珠代のバッハ擁護も「五輪構文」に?「コロナに打ち勝った証として帰省する」など菅政権の台詞の「五輪」を「帰省」に変えるパロディ拡散】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5984.html)。

 《バッハ会長とみられる人物が銀座を散策する姿が多数目撃された件について、問題ないといった認識を示した。…「不要不急の外出であるかどうかは、ご本人が判断すべきもの」とだけ話した》。
 《五輪開催までは流れに乗って適当な話で済んだかもしれないが、この程度の言葉選びしかできない元アナウンサー閣僚が国民にものをいう政治にうんざりしていることを自民党や政府はわかっているのか。お粗末の限りだ》。
 《この“バッハの銀ブラ”問題について本日、丸川珠代・五輪担当相が「(入国から)まず14日間しっかりと防疫措置の中で過ごしていただいているというのが重要なポイント」などとした上で、こう言って事実上、容認したのだ。「不要不急かどうかは本人が判断すべきだ」》。

 本日13日[金]の東京の新規感染者数は5773人、過去最高。

   『●無観客開催にすり替え…緊急事態宣言の最中、五輪貴族やその取り巻き
         連中による醜悪な〝バカの祭典〟〝パソナの祭典〟をやる気?
   『●《大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》 ―――
     どこまでも醜悪なバカの祭典、パソナ五輪。一体どちらが《反日的》か?
   『●《人々を苦しめているのは…満足に給付や補償をせずに自粛を強制
     する政権》(町山智浩さん)…一体どちらがバカで、《反日的》か?
   『●《「スガ総理」…内閣支持率の下落が止まらない。その要因は
     コロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に…》
   『●この最悪なCOVID19禍、さらに、酷暑の中、開催強行…皆さん
     ご帰国の折、《反日》アスリートや《反日》ジャーナリスト製造な東京五輪
   『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
     「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)
   『●自公お維トファに投票してはいけない、《普通の国》とするために
     ―― 《普通の国なら何度も政権が吹っ飛ぶ失態が繰り返されてきた》
   『●《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事による五輪招致が間違い
        だった…小池「ト」知事「コロナとの戦いで金メダル取りたい」…
   『●《それでもバカとは戦え/…2021年7月23日は非常に残念ながら
         悪が人類に打ち勝った日として確実に歴史に残ることになる》
   『●アベ様の害交・害遊の大きな成果 ―― 「ゴールまで、ウラジーミル、
        二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。」
   『●アベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出
       …政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》
   『●あぁ、《「復興五輪」「新型コロナに打ち勝った証し」…スローガン》
      の《大会経費は3兆円を超える》…そのおカネで何ができただろう?
   『●自公お維トファを間接的に支持する、投票に行かない〝眠り猫〟な
     皆さん、《パンケーキ政権を毒見》しては危険、猛毒…ついに棄民政策に
   『●倉持仁医師《どうにもならない》…武田砂鉄さん《問われなければ
     いけないことが無数に残っている。…やってよかったとは思えない》
   『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発

      事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】
   『●《「やめることは一番簡単なこと」「挑戦するのが政府の役割だ」と
     発言。意味不明。…日本が再び焦土と化す日も近い》(適菜収さん)

 《パンケーキ政権》はついに棄民です。国民見殺し方針、棄民政策、医療崩壊、医療放棄、自宅死容認、死までも自己責任…。《感染爆発は止まっていないのにもかかわらず検査が追いつかないために新規感染者数は頭打ちとなり、一方で検査を受けられず感染者としてカウントされない患者が急変、重症化して亡くなる》…。
 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない。《こんな亡国政権を次の選挙で絶対に権力の座から引きずり下ろさない限り、この国に未来はない》(水井多賀子さん)。

 《入国時の隔離期間短縮や、ほとんどを日本側が支払う1泊250万円のスイートルーム滞在、迎賓館での歓迎パーティの開催、反対の声があがるなかで自身の政治利用のために強行した広島訪問など、数々の特別待遇を受けてきたバッハ会長だが、最後の最後まで菅政権はこのボッタクリ男爵を治外法権扱いにしたというわけだ》《五輪を強行することを最優先にして、医療や国民の命を危機に晒しただけでなく、閉会したいまもまだ、IOCをかばうためなら、人流を活発化させることもいとわない》(リテラ)。
 《閉会した途端、菅政権はこれまで以上に「移動の自粛」を強調》…我々は自粛ばかりを求められ、一方で、五輪貴族らは「ご本人が判断」…金(カネ)色の五つの輪と感染爆発の密接な関連を認めたようなもの。《お粗末の限り》な金(カネ)色の五つの輪大臣。また、今後は「本人の判断」によって行動容認ということで、感染拡大は必至だな。《自助》しか言わないカースーオジサンらや小池百合子「ト」知事ら、感染爆発を市民のせいにするに決まっていますけれどね。故に、自宅死容認、死までも自己責任と言いかねない…まさに棄民。

 《最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、中から出てきたものは……? 菅パンケーキ政権の実態》…COVID19も自己責任。「コロナに打ち負けた」責任はどうするつもりか?
 東京新聞の記事【東京のコロナ「制御不能、自分の身は自分で守る段階」都モニタリング会議】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/123709)によると、《東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議が12日あり、都内の感染状況について専門家から「制御不能な状況だ。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」と報告された。医療提供体制については「深刻な機能不全に陥っている」とコメントされた。現在のペースで感染増加が続くと、2週間後の25日には、1日当たり5113人となるとの予測を示した。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「もはや災害時と同様に自分の身は自分で守る感染予防のための行動が必要な段階である」と強調した》。
 市民に《自助》ばかりを求めて何もせず、おまけに《スガさんの生命維持装置》としての《バカの祭典》、《パソナ五輪》、《スガ政権の祭典》、《殺人オリンピック》を強行して感染爆発を引き起こしておいて、なんという言い草か! この1年半、何をやっていたのか? 《制御不能な状況…医療提供体制については「深刻な機能不全に陥っている」…災害時と同様に自分の身は自分で守る感染予防のための行動が必要な段階》、あぁぁ…。

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https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202108100000350.html

丸川五輪相、バッハ会長らしき人物“銀ブラ”に「ご本人が判断すべきもの」
[2021年8月10日12時2分]

     (閣議後会見を行った丸川珠代五輪相(撮影・近藤由美子))

 丸川珠代五輪相(50)が10日、閣議後の会見で、国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長とみられる人物が銀座を散策する姿が多数目撃された件について、問題ないといった認識を示した。

 丸川氏は「まず、14日間しっかりと防疫措置の中で過ごされていることが重要なポイント」と強調した。東京都内では緊急事態宣言が発令中で、不要不急の外出が呼び掛けられている。「不要不急の外出であるかどうかはご本人が判断すべきもの」とだけ話した。

 SNSなどで拡散されている写真や動画では、バッハ氏とみられる人物が気軽に記念撮影にも応じていた。大会関係者は入国後14日間経過すれば行動制限はなくなるが、選手に大会中の観光を禁じていただけに、示しがつかないのではといった声が上がるなど、IOCトップの“銀ブラ”に批判が集まっていた。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108120000136.html

コラム
政界地獄耳
2021年8月12日9時27分
丸川珠代の「不要不急は、ご本人が判断」はお粗末の限り

★10日午前、首相・菅義偉は米バイデン大統領と電話会談し、東京五輪について「今回の五輪は新型コロナウイルスという困難な状況の中で開催が1年延期され、さまざまな制約の下での大会となったが、開催国としての責任を果たし、無事に終えることができた」と自画自賛すれば「素晴らしい成功を収めた。日本政府、日本国民に祝意を表したい」と大統領が答えるなどだったという。米国はそこまで言うのに24日の東京パラリンピック開会式にはハリス副大統領の夫ダグラス・エムホフを政府代表として派遣するという。その程度の扱いだが官邸は褒められて大喜びだろう。だが政府は国民の声を聴くべき。

★東京五輪閉幕の翌日、9日には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が銀座を散策。国民から疑問の声が上がると官房長官・加藤勝信は「海外から入国した大会関係者については、プレーブックにおいて、入国後14日間は行動範囲が限定されるとともに、公共交通機関の不使用等が定められている一方で、入国後15日を経過した者については、これらのルールの適用は受けないとなっていると承知している。バッハIOC会長は先月8日に来日をしており、すでに入国後15日を経過していると承知している」と問題ないと強調。いささか詭弁(きべん)だが、政府見解としてはぎりぎり切り抜けた。

★ところがいただけないのは10日の五輪相・丸川珠代の会見での一言。「不要不急であるかどうかは、しっかりご本人が判断すべきもの」と言い出した。この発言は前後の文脈うんぬんではない。国民への言い方、こういったら国民がどう感じるかの話だ。五輪開催までは流れに乗って適当な話で済んだかもしれないが、この程度の言葉選びしかできない元アナウンサー閣僚が国民にものをいう政治にうんざりしていることを自民党や政府はわかっているのか。お粗末の限りだ。(K)※敬称略
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https://lite-ra.com/2021/08/post-5984.html

丸川珠代のバッハ擁護も「五輪構文」に?「コロナに打ち勝った証として帰省する」など菅政権の台詞の「五輪」を「帰省」に変えるパロディ拡散
2021.08.10 08:05

     (本日会見した丸川大臣(政府インターネットテレビより))

 またも菅政権から信じられないような発言が飛び出した。昨日9日、IOCのトーマス・バッハ会長が銀座の街を歩いていた姿がSNS上で拡散され、「IOCは大会中、選手には観光を禁じていたのに」などと批判が殺到していたが、この“バッハの銀ブラ”問題について本日、丸川珠代・五輪担当相が「(入国から)まず14日間しっかりと防疫措置の中で過ごしていただいているというのが重要なポイント」などとした上で、こう言って事実上、容認したのだ。

不要不急かどうかは本人が判断すべきだ

 国民には「不要不急の外出は控えろ」と言っておきながら、五輪貴族には「不要不急かどうかは本人が判断すべき」だと……!? 五輪閉会後に緊急事態宣言が発令されている銀座をぶらつくバッハ会長の行動はどう考えても「不要不急」としか思えないが、言うに事欠いて「本人が判断すべきだ」とは──入国時の隔離期間短縮や、ほとんどを日本側が支払う1泊250万円のスイートルーム滞在、迎賓館での歓迎パーティの開催、反対の声があがるなかで自身の政治利用のために強行した広島訪問など数々の特別待遇を受けてきたバッハ会長だが、最後の最後まで菅政権はこのボッタクリ男爵を治外法権扱いにしたというわけだ

 いや、最大の問題は、この発言が飛び出したタイミングだ。

 周知のとおり、東京五輪の開催によって新型コロナの感染拡大はついに恐れていた医療崩壊を招き、菅政権は「中等症以下は自宅療養」という国民見殺し政策まで打ち出した。だが、これからさらに増加していくことが明らかな重症者や死亡者を減らすためには新規感染者を減らすしか方法はないというのに、菅政権は東京五輪を中止することもなく、医療崩壊の最中にお祭り騒ぎを繰り広げるという異常事態を続行させた。

 そして、閉会した途端、菅政権はこれまで以上に「移動の自粛」を強調。実際、本日もコロナ担当の西村康稔・経済再生相が「帰省をして親族で集まるとか同窓会で集まるとか、絶対に避けていただきたい」と言い、田村憲久厚労相も「新たな脅威と戦っている」「これからお盆になるので、県境を越える移動や帰省は、できるかぎり控えてもらいたい」と訴えた。

 国境を超えたお祭り騒ぎを連日やっておいて、国民には「帰省するな」とはまったく道理が通らないが、その上、多くの国民が我慢に我慢を重ね、家族や親しい人に会いたいというささやかな願いさえ抑え込んでいるなかで、大臣が「不要不急かどうかは本人が判断すべきだ」と言い放ったのだ。当然、「帰省は不要不急じゃないと判断した」「バッハの銀ブラより帰省のほうが必要火急だ」といった反発を生むことは当たり前の話だ。


■こんな五輪構文が…「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む」「コロナに打ち勝った証として帰省する」

 だが、これはいまにはじまった話ではない。前述したバッハ会長の歓迎パーティでも、国民には「会食はできるだけ家族、または4人までにしろ」などと言っておいて、自分たちは総勢40人もの人を集めてパーティを開き、大顰蹙を買った。政府は「東京五輪は感染拡大の原因になっていない」と言い張るが、こうした矛盾した言動のひとつひとつが国民の行動に与えた影響は計り知れない

 しかも、東京五輪を開催するために展開された詭弁を、国民は冷ややかに見抜いてきた。実際、大会期間中には、東京五輪の開催強行を正当化するために為政者らが吐いてきた台詞を、国民目線から「五輪」を「帰省」に置き換えた「五輪構文」が大拡散された。それは、このようなものだ。

国民1「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む」
国民2「バブル方式で帰省する。感染拡大の恐れはないと認識している」
国民3「帰省を中止することは一番簡単なこと、楽なことだ。帰省に挑戦するのが国民の役割だ」
国民4「安心安全な帰省に向けて全力で取り組む」
国民5「コロナに打ち勝った証として帰省する」
国民6「(帰省は)今更やめられないという結論になった」
国民7「『帰省するな』ではなく、『どうやったら帰省できるか』を皆さんで考えて、どうにかできるようにしてほしいと思います」
国民8「もしこの状況で帰省がなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない。それくらい喪失感が大きい。それだけ命かけて帰省する為に僕だけじゃなく帰省を目指す国民はやってきている」
国民9「家族に感動を与えたい。帰省はコロナ禍収束の希望の光」
国民10「我々は帰省の力を信じて今までやってきた。別の地平から見てきた言葉をそのまま言ってもなかなか通じづらいのではないか」
国民11「(帰省中止要請は)自主的な研究の成果の発表ということだと思う。そういう形で受け止めさせていただく」
国民12「言葉が過ぎる。帰省中止を決める立場にない」
国民13「帰省が感染拡大につながったエビデンスはない。中止の選択肢はない」
国民14「(帰省について)政府は反発するだろうが、時間が経てば忘れるだろう」
国民15「帰省することで、緊急事態宣言下でも帰省できるということを世界に示したい」
国民16「帰省について限定的、統一的な定義は困難」
国民17「実家を訪問するという認識。帰省するという認識ではない」


■丸川珠代「不要不急かどうかは本人が判断すべきだ」発言も五輪構文の餌食に?

 なかにはアスリートなどの台詞も入っているが、このようにパロディにされた台詞のほとんどが菅首相や大臣たちが口にしてきたものだ。そして、この東京五輪開催のために菅政権が吐いてきた台詞がいかに独善的で、バカバカしく、ときに大嘘までつき、さらにはくだらない言葉遊びに過ぎないということがあぶり出されている。

 これは秀逸なパロディであり的を射た批判だが、しかし、こうして政治家たちが東京五輪の開催強行のために詭弁を弄してきたことこそが、政治への不信感を強め、緊急事態宣言の効果をかつてなく弱めたのだ。事実、それは「五輪開催はよかったが内閣は支持できない」という最新の世論調査の結果からもあきらかだ。

 にもかかわらず、五輪開催によって強化してしまった「政治に協力できない気持ち」に拍車をかけるように飛び出した、「不要不急かどうかは本人が判断すべきだ」という丸川五輪担当相の発言……。

 おそらくこれも、「五輪構文」の餌食となるのは確実だろうが、しかし、これは笑い話で済ませられるものではない。

 五輪を強行することを最優先にして、医療や国民の命を危機に晒しただけでなく、閉会したいまもまだ、IOCをかばうためなら、人流を活発化させることもいとわないこんな亡国政権を次の選挙で絶対に権力の座から引きずり下ろさない限り、この国に未来はない

水井多賀子

最終更新:2021.08.10 08:06
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コメント
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●《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させる…極秘合意》

2021年02月04日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]


 (2021年01月31日[日])
琉球新報の【<社説>シュワブ共同使用合意 文民統制逸脱する暴挙だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1261432.html)。
沖縄タイムスの【社説[辺野古に陸自部隊]軍事要塞化を拒否する】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/697914)。

 《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年に極秘合意していたことが判明した。防衛省全体の決定を経ておらず、政治が軍事に優越するという民主主義国家の大原則文民統制」(シビリアンコントロールを逸脱する大問題だ》。
 《当時の岩田清文陸幕長と在日米海兵隊のニコルソン司令官(在沖米四軍調整官)が常駐に合意した。報告を受けた安倍政権の中枢から計画の存在が広まったら、沖縄の反発は抑えられなくなると待ったがかかり、凍結されている状態だという。加藤勝信官房長官は25日の記者会見で、「合意や計画があるとは承知していない」と否定した。この種の政府説明後になって覆されるケースを県民は過去何度も味わってきた政府が否定しても、疑念は晴れない》。

 琉球新報の記事【玉城知事「県民感情としても認められない」 陸自が辺野古に離島部隊 米海兵隊と極秘合意】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1261522.html)によると、《玉城デニー知事は25日午前、報道陣の取材に対し「海兵隊が退いていく代わりに陸自が入ってきて海兵隊と基地を共同使用するということは、県民感情としても認められない」と語った。「SACO日米特別行動委員会)そのものを再点検する必要が出てくる」と指摘…日本政府が造っている名護市辺野古の新基地と一体運用が想定されることから「そもそも辺野古に基地は造らせないというのがわれわれの明確な意志だ。その点も踏まえて対応を検討したい」と強調した》。
 《政治が軍事に優越するという民主主義国家の大原則文民統制」(シビリアンコントロールを逸脱する大問題だ》というのに、「本土」はとても静か。《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》問題についても、漸く最近報じられるようになってきた。

   『●《思いやり予算日本要請…必死に米軍を引き留めつつ、沖縄に負担を
     押し付け続ける日本政府の手法はかつての植民地主義をほうふつさせる》
   『●《埋め立てに使う土砂を、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から
      採取することが新たに盛り込まれた…「戦没者に対する冒とくです」》
   『●《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地
      建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》でいいのか?

 これも裏で暗躍していたのは、元・最低の官房長官なのでは? 《安倍政権の中枢》とは、元・最低の官房長官、陰湿悪質陰険強権的な利権漁りカースーオジサンではないのか?

   『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
     そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン

 ニッポン政府が〝防波堤〟《標的の島》を意図した、デタラメな沖縄イジメ。一体どこが、《安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くす》なのか?

   『●新作『標的の島~風かたか~』の監督・三上智恵さん、 
          「あなたが穴をあけた森はもう元には戻らない」!
   『●映画タイトルは、稲嶺進さんが「我々は、
      また命を救う《風かたか》になれなかった」という嘆きの言葉」から
    《三上智恵監督の新作映画『標的の島 風かたか』の試写に行ってきました。
     前作の『戦場ぬ止み』から2年近く。その2年の沖縄の状況が、
     あますことなく描かれた映画》。
    「《稲嶺進・名護市長が口にした「我々は、また命を救う風かたか
     なれなかったという嘆きの言葉から》映画のタイトルは採られたそうだ。
     《沖縄のことばで「風よけ」のこと》だそうです。
      番犬様には何も言えないアベ様ら。一方で、番犬様にシッポを
      振るために沖縄でやっていることは、「沖縄イジメ」そのもの」

   『●「なぜ巨大な権力にあらがえるのか。
      人々は「世代の責任」を語る」「子を守る「風かたか」になる」
   『●中学生を「青田買い」する自衛隊: 
     「体験入隊や防衛・防災講話」という「総合的な学習の時間」も
   『●自衛隊配備で「住民分断」: 
     「自衛隊の配備計画…いずれの島でも人々は分断されている」
    「東京新聞の半田滋さんによるコラム【【私説・論説室から】
     島を分断する自衛隊配備】…。《「賛成派が新たな職を得て
     優遇される一方、反対した人は干され、島を出ている」という。
     …自衛隊の配備計画は与那国に続き、奄美大島、宮古島、
     石垣島でも急速に進む。いずれの島でも人々は分断されている》」

   『●「しかし、沖縄にはいまだ“戦後”は 
     一度たりとも訪れていない」…安倍昭恵氏には理解できたのだろうか?
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態はアメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:
     高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(…)」
    《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。
     …そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えよう
     と映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった
     という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、
     ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊の
     ミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、
     何とかそれを止めようともがく人々にとって、
     高江の人たちは大事な存在になるということだ》

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                     「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
    《島中央部では、陸上自衛隊宮古島駐屯地(仮称)の隊舎などの工事も始まり、
     近い将来、警備部隊やミサイル部隊などが配備される。
     「島では軍隊と『カジノ』がやってくるとささやかれています」。駐屯地前で
     毎朝、抗議活動をしている上里清美さん(62)が皮肉交じりに語る》

   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
    《一方、安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くす」と述べた。嘘だ
     政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。
     石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の
     配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に
     陸自配備受け入れの方針を正式に表明した》

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
    「《石垣島宮古島への陸上自衛隊配備などを念頭に
     「沖縄の基地負担への影響が大きい」》…壊憲が及ぼす影響は、
     沖縄では計り知れない。「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の
     市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。
       沖縄の地で、《「武力によって平和を創造することはできない」とし、
     日本国憲法の精神米軍基地のない平和を求める沖縄の心
     大切にし、真の平和をつくっていくことを掲げた「憲法宣言」を採択》
     にも肯ける」

   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
    《先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れて
     います。蘇るのは戦争による悲劇の記憶です…宮古島には
     七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を
     配備する計画です。地元では…住民の意見は割れているのが実情です。
     …有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する
     声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
     大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
     地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患して亡くなり
     ました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。同じく
     大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に
     攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
     自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    「子どもさへSLAPPSLAPP)する国・ニッポン。こんな国でいいのですか?
     宮古島石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。
     答えは一つだけではない」

   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》
    《進む米軍との一体化、つけは子どもたちの世代へ…弾一発1.6億円する
     巡航ミサイルの導入、護衛艦いずもの「空母化」など、専守防衛を
     逸脱する動きは加速し、沖縄本島には新たにミサイル部隊が配備され、
     宮古島には巨大な弾薬庫をつくることが決まりました》

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた
                    国防のために政府に翻弄されている》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、
     陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろ
               にして、地域の平和を守るといえるの》か?


 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/有志による座り込みと日米共用が策される辺野古新基地】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/8603c35604e92ff992a8003124578b9b)によると、《今朝の県内紙に、キャンプ・シュワブに陸上自衛隊の水陸機動団を常駐させることが、2015年の段階で陸自と米海兵隊との間で極秘に合意されていた、という記事が載っている。辺野古新基地を自衛隊も共同使用することはかねてから言われていた。日本政府が辺野古新基地建設にこだわる主な理由は自衛隊使用にある、ということもだ。それが明確になったことで、沖縄の「負担軽減」どころか、中国に対抗する日米の軍事拠点として、沖縄の軍事負担がさらに増大していくことが明らかとなった…昨年12月25日発行の『越境広場』8号に、「米軍基地問題に関する万国津梁会議」の提言に対する批判を書いた。その最後のところと注釈で、自衛隊についても触れた。その部分を引用して紹介したい。…〈※4 鹿児島県の馬毛島や奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島、与那国島における自衛隊強化、基地建設に対して、故翁長前知事や玉城知事は明確に反対せず、黙認の姿勢をとってきた。中国の海洋覇権拡大を阻止する拠点として、米軍と自衛隊の強化が沖縄全体でなされている現状に対し、万国津梁会議の「提言」や玉城知事の認識は楽観的過ぎる米海兵隊の「移設」に問題を矮小化するのではなく自衛隊の強化と米軍の一体化を含めて、沖縄、日本の軍事強化に反対していかなければ、沖縄県民はこれまで以上に軍事的脅威にさらされる〉》。

 相変わらず、番犬様はやりたい放題ではないか? トンだ《基地負担軽減》。
 琉球新報の記事【高江にヘリ発着場新設か 北部訓練場内に看板 東村】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1261978.html)によると、《東村高江の米軍北部訓練場内の空き地に、25日までに「LZ17A」と表示された看板が設置された。「LZ」は米軍基地内のヘリ発着場を示す略称で、沖縄防衛局は米軍に事実関係を確認している。空き地をヘリ発着場として整備する準備作業の可能性もある。看板が設置されたのは県道70号沿いの空き地の前。ここ数日中に設置されたとみられ、空き地の入り口も幅数メートルにわたって木が伐採されていた。空き地は以前からあったが、木々に覆われ、県道からは見えない状態だった。これまで空き地で米軍ヘリコプターの離着陸などは確認されていないという。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備前の2012年4月に、米海兵隊が公表した環境レビューには、北部訓練場内のヘリ発着場一覧が示されているが「LZ17A」の表記はない。16年の北部訓練場過半返還に伴い新設された発着場にも同地点は含まれていない。當山全伸村長も25日、現場を確認した。當山村長は「全く知らなかった。沖縄防衛局などを通して確認していきたい」と話した。伊佐真次村議は「新設の発着場なのか明らかにしてほしい」と述べた。同訓練場返還地の米軍廃棄物問題などを調査しているチョウ類研究者の宮城秋乃さんは「仮にヘリパッドとして使うのであれば、高江の負担はより重くなる」と訴えた》。

 沖縄タイムスの記事【岸防衛相、検討認める 辺野古の自衛隊常駐 菅首相は将来的な可能性も否定】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/699010)によると、《岸信夫防衛相は陸自内での検討を事実上認めた。施設の計画図案を作成したか問われ、「共同使用についてきちっとした計画があったわけではないが、そういう形での図があったという話はある」と述べた。これに対し立憲民主党の白眞勲氏が「やっと認めていただいた」と返したが、岸氏は、否定しなかった。部隊配備については「今考えていない」と繰り返し強調した》。
 琉球新報の記事【陸自施設の図面認める 岸防衛相 辺野古新基地への常駐計画】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1263158.html)によると、《岸信夫防衛相は27日、同基地への常駐が計画されていた陸自離島防衛部隊「水陸機動団」の関連施設の設計図案について、「そういう形での図があった」と述べた。陸自と海兵隊が調整し作成していたとされる設計図案の存在を認めた。計画について「政府としての合意はない」としたが、陸自と米海兵隊のトップ間で合意が交わされた可能性については否定しなかった》。

 最後に、日刊ゲンダイのコラム【高野孟 永田町の裏を読む/辺野古新基地を造りたいのは米軍よりもむしろ陸上自衛隊】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284435)によると、《米海兵隊のためにと称して日本政府がしゃにむに建設を強行してきた辺野古新基地に、陸上自衛隊の「水陸機動団」を常駐させることで陸自と米海兵隊の間で密約が交わされていたことが発覚した(沖縄タイムス1月25日付)。これは前々から言われていたことで、例えば私自身、昨年9月に那覇で開かれた講演会で「辺野古は、完成した暁には『日米共同管理』の名で自衛隊が入り込み、19年に創設された『水陸機動部隊』もオスプレイを伴って佐世保から移駐するでしょう。辺野古を何が何でも造りたがっているのは米軍よりもむしろ自衛隊」と語っていた。…これに先立って、陸自はすでに与那国、石垣、宮古、奄美などに着々と基地を建設し、それを「南西諸島戦略」と呼んでいるが、その行き着く先が陸自の辺野古移駐である》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1261432.html

<社説>シュワブ共同使用合意 文民統制逸脱する暴挙だ
2021年1月25日 06:01

 陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年に極秘合意していたことが判明した。防衛省全体の決定を経ておらず、政治が軍事に優越するという民主主義国家の大原則「文民統制」(シビリアンコントロール)を逸脱する大問題だ。

 当時、陸自と在沖米海兵隊のトップ同士が合意し、双方で調整して陸自施設計画案などを関係先に提示していた。

 「日本版海兵隊」といわれている水陸機動団の常駐は明らかに基地機能の強化であり、基地の永久固定化につながる。中国との緊張を高め、沖縄が標的として狙われる恐れも一層増す。

 そんな大きな負担を強いる重要な安全保障上の問題を、主権者である国民、その代表で構成される国会が預かり知らないところで、決めていいはずがない。明らかに文民統制から逸脱し、平和国家として再出発した国家の成り立ちを破壊する暴挙である。

 在沖米海兵隊約9千人が20年代にグアムなど国外に移転する。その後に水陸機動団が配備されれば、沖縄の負担軽減策の一つとされる海兵隊グアム移転の意味がなくなる。

 水陸機動団は18年に長崎県に配備された。現在、長崎に二つの連隊があるが、23年度に三つ目を九州に置き、将来はいずれかの連隊を辺野古に移転する考えだという。

 背景には米軍と自衛隊の一体化がある。昨年1~2月に金武町の米軍ブルービーチ訓練場や沖縄近海で行われた日米共同訓練に、水陸機動団が初参加した。今月下旬にもブルービーチで共同訓練を予定する。水陸機動団の沖縄配備に向けた地ならしと言える。

 共同使用は、全国の約7割が沖縄に集中する米軍専用施設を専用から外し、数字の上で沖縄の負担を軽く見せる狙いもあるのではないか。まやかしである。

 そもそも南西諸島への自衛隊配備強化は沖縄にとって新たな基地負担となっている。県内の自衛隊施設面積は18年現在で、沖縄の日本復帰時の約4.3倍に上っており、先島などへの陸自配備が進めば、さらに拡大する。

 政府が言う「沖縄の基地負担軽減」はもはや絵空事である。キャンプ・シュワブでは、政府が新基地建設を強行している。県民投票で投票者の7割が埋め立てに反対し、軟弱地盤のある大浦湾側で着工の見通しも立っていないにもかかわらずにだ。

 辺野古新基地は将来、陸自基地になると陸自幹部は見込む。文民統制を逸脱した合意によって、先の大戦のように沖縄に犠牲を強いることは決して許されない。軍部の暴走を許した昭和史が沖縄戦の悲劇を招いたことを忘れてはならない。沖縄が戦後76年間も過重な基地負担を押し付けられ、危険と隣り合わせの環境に置かれることを拒否する。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/697914

社説[辺野古に陸自部隊]軍事要塞化を拒否する
2021年1月26日 06:29

 政府は例によって否定するが、火のないところに煙は立たない、という。思い当たることがいくつも浮かぶ。

 陸上自衛隊と米海兵隊が2015年、陸自の水陸機動団を辺野古新基地に常駐させると、極秘に合意していたことが日米両政府関係者の証言で明らかになった。

 当時の岩田清文陸幕長と在日米海兵隊のニコルソン司令官(在沖米四軍調整官)が常駐に合意した。

 報告を受けた安倍政権の中枢から「計画の存在が広まったら、沖縄の反発は抑えられなくなる」と待ったがかかり、凍結されている状態だという。

 加藤勝信官房長官は25日の記者会見で、「合意や計画があるとは承知していない」と否定した。

 この種の政府説明が、後になって覆されるケースを県民は過去何度も味わってきた。政府が否定しても、疑念は晴れない。

 ニコルソン司令官は17年11月の記者会見で、水陸機動団について「沖縄に配備されるのが望ましい」「非常に期待している」と述べた。

 在沖米海兵隊トップのエリック・スミス司令官も19年3月、朝日新聞のインタビューに答え「我々にとってすばらしいことだ」と答えている。

 陸自にとって米軍演習場の共同使用は沖縄配備以来の念願だった。

 辺野古新基地とキャンプ・シュワブは、普天間飛行場の代替施設としての機能を超えて、日米の軍事一体化を象徴する多角的拠点、として建設されようとしている。

■    ■

 自衛隊は部隊編成、装備、訓練など、いずれの面でも、中国の動きをにらんで「南西シフト」を鮮明に打ち出している。

 離島防衛を主な任務とする水陸機動団が創設されたのは18年3月。部隊の拠点は長崎県佐世保市の相浦(あいのうら)駐屯地に置かれた。

 水陸機動団はこれまで、沖縄の海兵隊と鹿児島県・種子島で離島奪還の共同訓練を行った。フィリピンや米カリフォルニアなどでも共同訓練を重ねている。

 負担軽減の掛け声とは裏腹に、宮古・八重山、沖縄本島、奄美に至るまで軍事化が急速に進む。

 懸念されるのは沖縄が戦場になることを前提にした作戦計画が立てられ、訓練が重ねられていることだ。

 昨年11月、徳之島で行われた大規模な訓練は、同島の防災センターを「野戦病院」と位置付けた戦時の医療訓練だった。

■    ■

 離島が戦場になったとき、住民にどのような事態が起きるか。戦傷者の発生を想定した何とも生々しい訓練は、沖縄戦の女子学徒隊を想起させるものがある。

 沖縄戦で起きたことを沖縄の人々は戦後76年たっても忘れていない。私たちは沖縄が戦場となることを前提にした軍事要塞化に反対する。

 軍事力偏重の安全保障政策は他国との緊張を高め、思わぬ事態を招きかねない。

 沖縄の歴史経験を真に生かすことができるかどうかが、切実に問われている。
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●《署名活動を担ったのは、島の将来を担う若者たち…石垣市の4割近い有権者の権利救済の役割を放棄…あまりに不当な判決》(琉球新報)

2020年09月13日 00時00分14秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]



沖縄タイムスの【社説[石垣住民投票訴訟]門前払い納得できない】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/623074)。
琉球新報の【<社説>石垣住民投票却下 権利救済を放棄するのか】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1180866.html)。

 《石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施義務付けを、市民らが市に求めた訴訟の判決で、那覇地裁は実施するかどうかは行政処分に当たらないとして、原告の訴えを却下した》。
 《署名活動を担ったのは、島の将来を担う若者たちだ次世代の政治参加の意欲を失望に終わらせてはいけない。住民自治の到達点である市自治基本条例を空文化させてもいけない。1万4263筆の思いに向き合う政治、司法の実現をあきらめてはいけない》。

 市民を分断、地域を分断…そして、どこまで司法も腐敗すればいいのか、特に沖縄では…。沖縄では「司法判断」が下されることはなく、アベ様や最低の官房長官の方を向いた「行政判断」ばかり。裁判長や裁判官は、正義無き自身の判決を省みて、恥ずかしいと思わないのだろうか? 今回の裁判長は、那覇地裁・平山馨裁判長(目取真俊さんの件では、アベ様らに忖度した政治判断乱発な裁判所には珍しく、《捜査当局による人権侵害に一定の歯止めをかける司法判断が示された》と思っていたのですが…)。《人権救済の最後の砦》と言えるのか? 《住民の権利を巡る対立に、毅然(きぜん)と法的見解を示すことが司法の果たすべき役割》ではないのか?
 《「憲法上も極めて重要な政治的意思を表明する権利の実現を図るために、司法権をつかさどる裁判所に救済を求めるものであって、いわば最後の手段」(原告団・弁護団声明)として提訴に踏み切った原告の思いは切実だ》。しかし、《前段の議論で原告の訴えを退け、肝心の中身の判断を投げだした。さらに「救済は、実施の義務付け以外の方法により図られるべきものというほかない」と言い放つに至っては、司法権の放棄以外の何物でもない》。

 《南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応が目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか》。
 日本軍から解き放たれ、今度は、米軍と一体化。《沖縄戦は、軍隊は住民を守らない、という事実》からすれば、自衛隊は、特に沖縄の市民を《守ろ》うとしているか? 市民は分断されゆき、自衛隊と米軍が相まって、《アメリカが中国の軍事的脅威に対抗》するための〝防波堤〟としての役割を押し付けてはいないか。《標的の島》を押し付けていないか。
 《石垣市の中山義隆市長は陸自配備を「国防や安全保障は国の専権事項」と容認する》が、これは本当に市民のことを考えての発言か? 《市民の安全や生命を守る責務がある自治体の長として、生活に影響を及ぼしかねない配備について住民の声を吸い上げ、判断するのがその役割ではないか》?

   『●言いすぎを謝罪・撤回した石嶺香織宮古島市議…
       もはや「見せしめ」、「卑劣」なイジメ、あざとい「狙い」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態アメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:
     高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(…)」
    《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。
     …そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えよう
     と映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった
     という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、
     ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊の
     ミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、
     何とかそれを止めようともがく人々にとって、
     高江の人たちは大事な存在になるということだ》

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                     「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
    《島中央部では、陸上自衛隊宮古島駐屯地(仮称)の隊舎などの工事も始まり、
     近い将来、警備部隊やミサイル部隊などが配備される。
     「島では軍隊と『カジノ』がやってくるとささやかれています」。駐屯地前で
     毎朝、抗議活動をしている上里清美さん(62)が皮肉交じりに語る》

   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
    《一方、安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くすと述べた。嘘だ
     政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。
     石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の
     配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に
     陸自配備受け入れの方針を正式に表明した》

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
    「《石垣島宮古島への陸上自衛隊配備などを念頭に
     「沖縄の基地負担への影響が大きい」》…壊憲が及ぼす影響は、
     沖縄では計り知れない。「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の
     市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。
       沖縄の地で、《「武力によって平和を創造することはできない」とし、
     日本国憲法の精神米軍基地のない平和を求める沖縄の心
     大切にし、真の平和をつくっていくことを掲げた「憲法宣言」を採択》
     にも肯ける」

   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
    《先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れて
     います。蘇るのは戦争による悲劇の記憶です…宮古島には
     七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を
     配備する計画です。地元では…住民の意見は割れているのが実情です。
     …有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する
     声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
     大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
     地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患して亡くなり
     ました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。同じく
     大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に
     攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
     自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    「子どもさへSLAPPSLAPP)する国・ニッポン。こんな国でいいのですか?
     宮古島石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。
     答えは一つだけではない」

   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》
    《進む米軍との一体化、つけは子どもたちの世代へ…弾一発1.6億円する
     巡航ミサイルの導入、護衛艦いずもの「空母化」など、専守防衛を
     逸脱する動きは加速し、沖縄本島には新たにミサイル部隊が配備され、
     宮古島には巨大な弾薬庫をつくることが決まりました》

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた
                    国防のために政府に翻弄されている》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、
     陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろ
               にして、地域の平和を守るといえるの》か?
    《南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応
     目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心を
     ないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか。防衛省への
     住民の不信が噴出しているのが、沖縄県宮古島市だ》

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/623074

社説[石垣住民投票訴訟]門前払い納得できない
2020年8月28日 06:50

 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施義務付けを、市民らが市に求めた訴訟の判決で、那覇地裁は実施するかどうかは行政処分に当たらないとして、原告の訴えを却下した。

 住民投票の実施義務の有無を問わず、訴えの内容が訴訟の対象ではないとして判断を避ける門前払いである。

 原告・弁護団は「人権救済の最後の砦(とりで)としての役割を放棄するもので、あり得ない判決」と声明を出した。結果的に市自治基本条例を軽視する市の姿勢を容認する判決で、納得できるものではない。

 住民投票を巡っては、2018年に「市住民投票を求める会」が有権者の約4割に当たる1万4千筆の署名を集めて住民投票条例の制定を請求した。だが、市議会が否決した経緯がある。

 市自治基本条例には住民投票の請求が明記されている。

 原告は条例を根拠に、市議会で否決されても市長は有権者の4分の1以上の署名があれば住民投票を実施する義務があると訴えた。

 これに対し、市側は自治基本条例ではなく地方自治法に基づく請求で市議会が否決した時点で、手続きは終了したと主張してきた。

 判決は「(条例に)規則が制定されていない段階で実現しようとするには無理がある」との内容だ。救済については「住民投票の実施の義務付け以外の方法で図られるべきもの」と指摘した。

 訴えの却下は約1万4千人もの民意を切り捨てるようなものだ

■    ■

 今回の訴訟は、住民投票条例案が2度市議会で否決されたことを受け、昨年9月に市民らが提起したものだ。

 だが、同年12月には、市自治基本条例の廃止案を与党系議員らが市議会に提案する動きもあった。

 条例は「主権者の市民が地域のことを考え、市民自治によるまちづくりを行う」とうたい、市民の権利や責務、住民投票制度などを規定しているにもかかわらずだ。

 最終的に、廃止案は否決されたが、市民らが条例を基に住民投票の実施を求める訴訟を起こしたことで「投票つぶし」との見方もあった。

 石垣市の中山義隆市長は陸自配備を国防や安全保障は国の専権事項」と容認する。

 市民の安全や生命を守る責務がある自治体の長として、生活に影響を及ぼしかねない配備について住民の声を吸い上げ、判断するのがその役割ではないか

■    ■

 原告・弁護団は判決後の会見で「政治的意思を表明する権利の実現のため、引き続き全力で取り組む」と決意を述べた。石垣市からオンラインで参加した若者たちは「訴えそのものが認められなかった訳ではない。諦めないで考えていく」と語った。

 司法は門戸を閉ざしたが、有権者の約4割もの民意を市や市議会は無視することはできないはずだ

 「自分たちのことは自分たちで決めたい」という市民らの訴えに、正面から向き合い、救済のための別の道を探る必要がある。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1180866.html

<社説>石垣住民投票却下 権利救済を放棄するのか
2020年8月28日 06:01

 石垣市の4割近い有権者の権利救済の役割を放棄した、あまりに不当な判決だ

 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を巡る義務付け訴訟で那覇地裁は27日、石垣市長に投票実施を求めた原告の訴えを却下した。市長に住民投票の実施義務があるのかといった重要な争点への判断は一切示さず、「入り口」論で逃げたとしか言いようがない。

 裁判は、住民投票の実施などを独自に規定した「石垣市自治基本条例」を巡る解釈が大きな争点だった。

 条例28条は、有権者の4分の1以上の署名があれば市民が直接、市長に住民投票の実施を請求できるとする。同条4項は、直接請求を受けた市長は「所定の手続きを経て、住民投票を実施しなければならない」と規定している。

 平得大俣への陸自配備を巡る住民投票については、市の有権者の36・7%にあたる1万4263筆が集まり、条例が求める条件を達成した。一方で、住民の請求を受けて市議会に投票条例案が提案されたが、議会が2度にわたって条例案を否決し、住民投票はいまだ実現していない。

 間接民主制の欠陥を補完し、住民自治や民主主義をよりよくする制度として住民投票を位置付けたのが、自治基本条例の精神だ。投票のテーマにかかわらず、直接請求の権利が認められた住民投票の実施をしっかり担保することこそ、民主的な議会政治の本来あるべき姿だ

 市議会では自治基本条例そのものを廃止しようという提案まで起きており議会自らが住民の権利や自治を後退させかねない危うさがある

 将来に関わる特定の問題に有権者が直接意思を示したいという市民の思いの前に、住民の代表で構成するはずの市議会が立ちふさがっている。住民の権利を巡る対立に、毅然(きぜん)と法的見解を示すことが司法の果たすべき役割だ。

 「憲法上も極めて重要な政治的意思を表明する権利の実現を図るために、司法権をつかさどる裁判所に救済を求めるものであって、いわば最後の手段」(原告団・弁護団声明)として提訴に踏み切った原告の思いは切実だ。

 だが、那覇地裁は訴訟の要件があるかという前段の議論で原告の訴えを退け、肝心の中身の判断を投げだした。さらに「救済は、実施の義務付け以外の方法により図られるべきものというほかない」と言い放つに至っては、司法権の放棄以外の何物でもない

 本質の議論を避け、権利の救済を求める声に向き合わない今回の決定は、決して受け入れられるものではない。

 署名活動を担ったのは、島の将来を担う若者たちだ次世代の政治参加の意欲を失望に終わらせてはいけない。住民自治の到達点である市自治基本条例を空文化させてもいけない。1万4263筆の思いに向き合う政治、司法の実現をあきらめてはいけない。
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●《CH53E大型輸送ヘリ…乗員が飛行場に戻って窓が無いことに気付いた》…機体も整備能力も、乗員もポンコツ

2019年09月12日 00時00分24秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



東京新聞の記事【米軍機の窓落下 重大事故の認識を欠く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019090402000161.html)。

 《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のCH53E大型輸送ヘリがまた、窓を落下させた。大惨事につながりかねない事故だ。政府は同型機の飛行停止を申し入れ、安全管理を徹底させるべきだ。落下した窓は縦五十八センチ、横四十七センチのプラスチック製で重さは約一キロ。被害は報告されていないが、決して軽視してはならない。落下地点は当初「沖縄本島の東沖」とされたが、米軍によれば、乗員が飛行場に戻って窓が無いことに気付いたという。陸上に落ちた可能性も否定できない》。

   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
    「米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリの窓が落下…
     しかも、子供たちの居た小学校の校庭に。沖縄の人々、特に、
     子を持つ親としての願いは、《子どもを園庭で遊ばせたい
     《当然の日常がほしいだけ》。そんなささやかな願いさへ、
     いつまでたっても叶わない、沖縄」

   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
      「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
      日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』: 
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
               アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる

 機体も整備能力も、オマケに乗員もポンコツだった。同様に、ニッポン政府の対応もポンコツ…《被害が確認》されるまで放置する気だ。沖縄の市民に被害が出るまで黙っていろということ。《事故頻発の背景として、米軍と日本政府に「沖縄だからある程度の負担は仕方ない」との誤った考えがあるのなら見過ごせない》。

   『●あの島尻安伊子氏の下、《内閣府副大臣として
      沖縄を担当していた人物》松本文明氏の眼には何にも見えて…

   『●速攻辞任…県民の命は政局の取引材料ではない。
      政府が真剣かどうかは、選挙後に分かる。(阿部岳)
    「リテラの記事【松本内閣府副大臣スピード辞任はただの選挙目当て!
     沖縄米軍機事故に何人死んだんだ!卑劣ヤジは安倍自民の本音だ】
     …によると、《辞任の理由は「不適切発言」だ…松本副大臣は
     あろうことか、第3次安倍第1次改造内閣では島尻安伊子・沖縄及び
     北方対策担当大臣の下、内閣府副大臣として沖縄を担当していた人物だ》…。
       《道理も人間性もない》《無知識、無教養、差別思想、時代錯誤が露呈
     で、速攻で大臣辞任。「不適切発言」何てレベルじゃないし、
     沖縄差別発電であり、議員辞職すべきもの。しかも、
     《沖縄を担当していた人物》だった訳ですので、酷い話です。
     選挙後も、ほとぼりが冷めれば、《卑劣ヤジ》議員は高官へと
     さり気なく復活し、「本土」の与党・癒党支持者は《卑劣ヤジ》・
     デマなんて忘却の彼方」

 ポンコツ「爆買い」にドブガネしてて…気が滅入るよ、全く。それも、アメリカさんのためにね。《イージス・アショアが米国防衛に貢献…「爆買い」…合計すれば、約一兆八千億円もの武器購入費が米政府に》…《米国の対日貿易赤字を減らし、しかも米国防衛に役立つのだから、トランプ氏はさぞお喜びだろう》(半田滋さん)。

   『●《「辺野古とカネ」…見積りを依頼した13社のうち… 
       12社が一斉に辞退》…《単価を5370円》が偶然の一致?
   『●平和憲法・専守防衛の下で、愚かしい過剰な「思いやり」や
         在日米軍特権を差し出してまで…そんな「不公平」は不要
   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…
     住民の調査・監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
   『●「辺野古とカネ」再び…防衛省OB天下り: 
      《公平》《公正》、与党・自公や癒着党・お維から最もほど遠い言葉
   『●新海聡氏《法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は
     出さないという辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ》
   『●翁長雄志前沖縄県知事急逝から1年: 
     イジメられている沖縄側に辺野古破壊阻止の道筋を《見通せ》というのか?
   『●「辺野古とカネ」…「辺野古が唯一」「辺野古ありき」
      とばかりに辺野古破壊に集り、《政官業の癒着ぶり》が醜悪

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019090402000161.html

【社説】米軍機の窓落下 重大事故の認識を欠く
2019年9月4日

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のCH53E大型輸送ヘリがまた、窓を落下させた。大惨事につながりかねない事故だ。政府は同型機の飛行停止を申し入れ、安全管理を徹底させるべきだ。

 落下した窓は縦五十八センチ、横四十七センチのプラスチック製で重さは約一キロ。被害は報告されていないが、決して軽視してはならない

 落下地点は当初「沖縄本島の東沖」とされたが、米軍によれば、乗員が飛行場に戻って窓が無いことに気付いたという。陸上に落ちた可能性も否定できない。

 事故があった八月二十七日夕から県や市への通報が二日もかかったのも重大な問題だ。米側から日本政府への連絡が一日後、防衛省も事実確認などに一日かけていた。日米間には、米軍機からの落下事故は速やかに地元に通報する合意があるにもかかわらずだ

 さらに、事故を受けて県などが同型機の飛行停止と原因究明を求めたのに対し、岩屋毅防衛相は早々に飛行自粛まで要請する考えはないことを表明した。「被害情報がない」との理由だ。米軍、日本政府とも住民の生命と財産を守る使命感、事態の重大さへの認識が著しく欠けている

 沖縄県の統計では、本土復帰後昨年末までに米軍機からの部品や搭載物の落下は七十件に上る。

 CH53Eヘリは二〇一七年十二月、体育の授業中の児童がいた宜野湾市の小学校校庭に重さ八キロ近い金属製の窓を落とした

 その六日前には近くの保育園でも同型機のものらしい部品が見つかり、ことし六月には浦添市の中学のテニスコートにゴム製のテープを落とした。生徒の足元から数十センチの場所だった。同型機は一七年十月、沖縄県東村の牧草地に不時着し炎上、大破している。

 なぜこうも事故が続くのか。CH53Eは一九八一年から運用が始まり、老朽化が進んでいる。今回落ちたのは機体後部に固定されている窓だ。通常は落ちるはずがないと専門家はみる。原因には、米軍内の整備体制の不備も絡んでいるのではないか。

 今回も政府は米軍に実効性のある再発防止策を講じるよう申し入れたというが、形だけに終わらせてはならない。事故頻発の背景として、米軍と日本政府に「沖縄だからある程度の負担は仕方ない」との誤った考えがあるのなら見過ごせない。県民の基地不信は増幅している整備不良の軍用機が頭上を飛ぶことを許してはならない。政府には真摯(しんし)に対応する責務がある。
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●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…

2019年07月21日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>75年前、隠された惨劇】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-950062.html)と、
【<社説>自衛隊の情報保全隊 国民に活動内容の説明を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-950055.html)。

 《▼軍国主義の下で情報は統制され、「女性と子どもも潔く死んだ」と美化されて報じられた。権力が隠そうとしたのは南洋戦の実態だけではない軍隊は住民を守らないという正体も覆い隠された》。
 《宮古島市与那国町への陸上自衛隊の配備で、自衛隊の秘密情報を守るために編成された防衛相直轄の部隊「情報保全隊」が配置されていた。防衛省は住民らに説明していない。隠蔽体質がまたも露呈したとのそしりは免れない…情報公開請求で保全隊の情報を入手した軍事評論家の小西誠氏は部隊について、住民の調査・監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定されると指摘》。

   『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」
      『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき
    「三宅勝久さん【「広報」を通さないと刑務所送り!? 元情報保全隊長
     法廷で漏らした記者監視という任務】、「「働きかけ」を監視」
     「記者も調査対象に」「あらゆる官庁が情報収集」。こんな法案が通ってしまうと
     …(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a38306f4b58e0871400154b303996c38)」

 wikipediaの「情報保全隊」のページ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E4%BF%9D%E5%85%A8%E9%9A%8A)を見てみると……:

 《情報保全隊(じょうほうほぜんたい)とは、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊のそれぞれに置かれていた、情報保全業務のために必要な資料及び情報の収集整理及び配布を行うことを任務とする防衛大臣直轄部隊。「情報保全」は「Intelligence Security」、「Counter-Intelligence」の和訳とされており、防諜を意味する》
 《それまで、各自衛隊には「調査隊」という部隊が置かれていた。…2009年7月31日をもって廃止となり、翌8月1日付で防衛大臣直轄の自衛隊情報保全隊が発足(事実上の改組)した》
 《市民活動監視問題
 《日本共産党による批判…この内部資料は、本来任務たる「自衛隊に対する外部からの働き掛け等から部隊等を保全するために必要な資料及び情報の収集整理等」(内部統制)のためであるとして隊が行っていた情報収集(日本共産党、社会民主党、ジャーナリストなど報道関係者や、市民や聖職者による自衛隊イラク派遣反対の活動や反戦運動、また集会などの調査)を示すものであり、活動日時・場所・内容、活動に携わった団体の名称や活動の規模、活動団体の代表の氏名などについての調査結果、及びそれらの活動が自衛隊関係者または国民世論への影響や活動の今後の見通しの分析などが中心となっていた。
 共産党によれば共産党系を「P」、社民党系を「S」、民主党及び連合系を「GL」、新左翼系を「NL」、その他の市民運動を「CV」、個人その他を「その他」と分類し、その活動を記録するほか、活動内容の種類によっては、反自衛隊活動と分類し、適宜、自衛隊活動の正当性を強調する内容の脚注が付けられていた。
 公明党は調査対象にされていなかったことから、調査対象とされた団体・個人から「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している」と批判される結果となった。調査の対象には消費税や年金の問題、あるいは春闘関連の集会、団体には地方議会までも含まれている、「自衛隊、防衛問題とは無関係でないか」とその正当性を問う批判も出ている》
 《社民党党首の福島瑞穂と同党議員の保坂展人は6月8日に市ヶ谷の防衛省を訪問し、防衛事務次官の守屋武昌に市民活動監視は不当・不法として抗議を行った。その際に守屋がキャンプ・シュワブでの基地移設反対運動についても、海自の情報保全隊が事後の情報収集を行っていると言及したと保坂は自身のブログで報告している。ただし、守屋は其の後の記者団との非公式会見ではこの事を否定しており、各社の報道は両論併記となった》

……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している」と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。《憲法で保障された表現の自由思想・良心の自由侵害するような活動許されない》のに…。

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●米中戦争の「防波堤」:  
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                      「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
    《 “戦争に備える軍隊”は、本当に人々を守るのか。…沖縄戦における
     少年ゲリラ兵、軍が住民を強制移住させた「戦争マラリア」の問題、
     本土から送り込まれた陸軍中野学校出身者の暗躍、そして、
     軍統制下での秘密保持と相互監視のもとで起きた住民虐殺の真相に迫る》

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
    「《いじめそのもの》。《石嶺香織さん(38)は「防衛省は、住民に事実を
     明らかにして説明する義務がある。『住民を守る』と言いながら、
     実際は安心できない生活環境を押し付けている沖縄戦の記憶から
     弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》」

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:  
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、
      陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》


 「情報保全隊」は《情報保全業務》を担うが、《戦前の憲兵政治の再来》という批判もある。
 コラム<金口木舌>は《軍国主義の下で情報は統制され…美化されて報じられた。権力が隠そうとしたのは南洋戦の実態だけではない軍隊は住民を守らないという正体も覆い隠された》。
 いま南西諸島に自衛隊が配備されている…。《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるの? また、《“戦争に備える軍隊”は、本当に人々を守るのか》?

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-950062.html

<金口木舌>75年前、隠された惨劇
2019年7月8日 06:00
タピオカ テニアン 太平洋戦争

 那覇市や福岡市で同じ行列を見かけた。目的はタピオカ入りの甘いドリンク。全国で流行している。もちもちとした食感のタピオカの原材料はキャッサバ。沖縄や熱帯気候の地域で栽培される

▼30年間日本が委任統治した旧南洋群島のサイパン、テニアンなどでも移民した県人が生産していた。パラオにはタピオカ工場もあった。海の幸も含め自然の恵みは豊富で、移民者から南洋は楽園と呼ばれた

▼1944年、戦火が襲い、地獄に変えた。太平洋戦争が起きる3年前、南洋の県人は5万3千人を超え、現地住民の数を上回った。南洋戦の一般邦人死者数は約8千~1万人、このうち県人は約6千人とみられる

▼南洋から本土への引き揚げ船は次々に撃沈された。住民は味方と信じた日本軍から(ごう)を追い出され、食料を奪われた。米軍から辱めを受けるともすり込まれ、住民は崖から飛び降り、家族を手にかけた

▼南洋の組織的戦闘は7月7日に終結した。証言に触れるたびに、がくぜんとする。その後の1年間、同じ惨劇が沖縄や周辺の海で繰り返されたからだ。テニアンからは広島、長崎に原爆を投下する米軍機が飛び立った

軍国主義の下で情報は統制され、「女性と子どもも潔く死んだ」と美化されて報じられた。権力が隠そうとしたのは南洋戦の実態だけではない軍隊は住民を守らないという正体も覆い隠された
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-950055.html

<社説>自衛隊の情報保全隊 国民に活動内容の説明を
2019年7月8日 06:01

 宮古島市与那国町への陸上自衛隊の配備で、自衛隊の秘密情報を守るために編成された防衛相直轄の部隊「情報保全隊」が配置されていた。防衛省は住民らに説明していない。隠蔽(いんぺい)体質がまたも露呈したとのそしりは免れない。

 防衛省は3月、宮古島に新たに陸自駐屯地を開設、約380人の警備部隊を先行配備した。鹿児島県奄美大島にも駐屯地を開設し警備部隊と地対空地対艦ミサイル部隊を配備している。与那国島では2016年に約160人の陸自沿岸監視部隊が発足した。

 これらの部隊の配備に伴い宮古島と与那国で情報保全隊が発足していた。規模は数人程度という。奄美でも発足した。建設中の石垣駐屯地にも配置される可能性がある。だがこうした事実を防衛省は明らかにしてこなかった。地元からは不安や批判の声が出ている。無理からぬことだ。

 情報公開請求で保全隊の情報を入手した軍事評論家の小西誠氏は部隊について、住民の調査・監視のほか、島嶼(とうしょ)戦争の際の対スパイ戦任務も想定されると指摘している。

 情報保全隊は、従来は陸海空3自衛隊にそれぞれ編成されていたが、09年8月に統合された。自衛隊への攻撃に対する事前の情報収集や自衛隊員が外部の不審者と接触していないかといった調査を行うが、自衛隊のイラク派遣反対の活動をした団体や個人を監視していたことが07年に発覚し、大きな問題となった。

 イラク派遣反対活動の監視では16年、東北地方の住民が国に損害賠償などを求めた訴訟で、公表していない本名や勤務先の情報収集はプライバシー侵害で違法だと認めた判決が確定した。

 情報保全隊は那覇を拠点に県内でも活動している。防衛省は離島への配置について「内部管理が任務の部隊で、北海道から沖縄まで配置されている。与那国や宮古島が特別なわけではない」と話した。そうであればなぜ事前に地元に説明しなかったのか

 宮古島駐屯地では、住民に説明がないまま迫撃砲弾や中距離多目的誘導弾などの弾薬が保管されていた。与那国では弾薬保管の「火薬庫」を「貯蔵庫」と説明していた。基地問題や防衛政策に関する防衛省説明への不信や疑念は枚挙にいとまがない。今回も都合の悪い情報を隠していたのではとみられても仕方がない。

 情報保全隊は過去に各地で市民集会や自衛隊、米軍に批判的な団体・個人の活動を監視していたことが報告された。沖縄でも沖縄弁護士会や沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や特高警察を想起させるとの批判が出ていた。

 憲法で保障された表現の自由思想・良心の自由侵害するような活動許されない。今回の配置を含めて、情報保全隊の活動内容をきちんと説明し、県民、国民の十分な理解を得ることは防衛省の最低限の義務である。
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●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》

2019年04月10日 00時00分02秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第90回:島の色が変わった日 ~宮古島に陸上自衛隊がやってきた~】(https://maga9.jp/190403/)。

 《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない。だが軍事基地の島になることを望まない住民らのあらゆる抵抗も状況を止めることはできず、ついに陸上自衛隊始動の日が来てしまった》。

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
    「《いじめそのもの》。《石嶺香織さん(38)は「防衛省は、住民に事実を
     明らかにして説明する義務がある。『住民を守る』と言いながら、
     実際は安心できない生活環境を押し付けている沖縄戦の記憶から
     弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》」

 琉球新報の【<社説>宮古島ミサイル配備 同意なき建設計画撤回を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-898848.html)によると、《陸上自衛隊の警備隊が配備された宮古島市上野野原の宮古島駐屯地に、住民に説明のないまま中距離多目的誘導弾(ミサイル)や迫撃砲が保管されていた。ミサイルを置かないよう求めていた地域住民を欺くだまし討ちであり、決して許されるものではない》。

 《虚偽説明》《だまし討ち》。《軍服》を着た集団が島民を分断、市民の内心をかき乱す。《石嶺香織さん…「…憲法に戦力は持たないと掲げているのに、こんな矛盾を子どもに説明できない。矛盾の最前線に立たされてしまった」》。宮古島に「標的の島」を押し付け。《石嶺香織さん…「…沖縄戦の記憶から弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》。《敵の弾薬庫を狙わない作戦などない》…標的。《火器がある場所は必ず標的になる》。

   『●言いすぎを謝罪・撤回した石嶺香織宮古島市議…
       もはや「見せしめ」、「卑劣」なイジメ、あざとい「狙い」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
   『●米中戦争の「防波堤」:  
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                      「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:  
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》

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https://maga9.jp/190403/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第90回:島の色が変わった日 ~宮古島に陸上自衛隊がやってきた~


https://youtu.be/I3fePYc0WOk

 宮古島には地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊、警備隊、合わせて800人規模になる陸上自衛隊駐屯地が開設される計画だが、3月26日、先発部隊の宮古警備隊380人による「編成完結式」なるものが行われた。この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない。だが軍事基地の島になることを望まない住民らのあらゆる抵抗も状況を止めることはできず、ついに陸上自衛隊始動の日が来てしまった。

 沖縄本島に住んでいると、米兵はもちろん、自衛隊駐屯地のある那覇空港周辺や南部などで、自衛隊員の姿は目に入る。軍服を着た集団を見ることへの免疫はあるほうだと思う。でも、軍事基地と無縁だった宮古島や石垣島の人にとって「迷彩服に軍帽」のいでたちというのは、身じろぐ対象だというのも、これは全くそうだと思う。親戚に自衛隊員がいるご家庭も多い。でも他府県の駐屯地にいるので視覚的にはあまり馴染みはない。島の活性化や災害救助も考えれば、受け入れてもいいのではないかと考えた島民も少なくはないと思うが、いずれにしても3月に港から軍事車両が続々と島に上陸してきたときに、宮古島の人々は度肝を抜かれたという。それらが島の道を走り、迷彩服の青年たちがコンビニにいる風景がいきなり出現してしまった。自衛隊の是非など考えてもいなかった人にも、ついに日常を塗り替える光景が目の前に展開され始めた。島の色が、変わったのだ

 私は意を決して、この前までグリーンのネットに囲まれた「千代田ゴルククラブ」だった敷地に入った。「陸上自衛隊宮古島駐屯地」という立派な看板が掲げられ、入り口付近にはいくつかの監視カメラが目に入る。パリッとした緑色の迷彩服をつけた広報担当の方が「三上さん…ですね?」と迎えてくれた。市ヶ谷から応援できているそうで、物腰も柔らかく頭脳明晰な印象だった。北海道ではヘリのパイロットもしていたというので、陸自に配備されるオスプレイはここにも飛んでくるんですよね? といきなり聞いてみたが、「宮古島に配備される計画はありません」と規定通りの回答。

 「沖縄本島にいるとオスプレイ、嫌いになっちゃうんですけど…。陸自でヘリのパイロットをされているなら、そのうちオスプレイ搭乗ってこともあるんですか?」と聞くと「はい、可能性はあります」と即答した。「シミュレーターで操縦したことはあるんですが…。優秀ないい機材ですよ」と屈託のない笑顔で答えた。

 やがて報道陣はできたての体育館に案内された。そこには「編成完結式」を待つ380人の隊員とゲストがすでに整列していた。式典の目的は、発足する宮古警備隊と諸部隊の士気高揚・団結強化、島民との一体感の醸成だそうだ。そういう割に、島から式典に招待されたのは下地宮古島市長と野津自衛隊協力会会長くらいしか見つけられなかった。たった20分の短い式だったが、独特の号令が叫ばれ、君が代が歌われ、撮影している体の軸が一瞬崩れそうになる。軍ではない、自衛隊だ。軍服ではない、隊服だというかもしれない。でも目の前に広がる光景はどう言い換えたって、日の丸に向かって敬礼し、君が代を歌う数百人の軍服集団。この島で展開される太平洋戦争以来の光景であり、そして彼らは今後、これからずっとこの島に駐留するのだ。眩暈がする。でもそれが現実なら、しっかり伝えなければならない。そのためにプレスの腕章つけてここにいるのだ、個人の感傷などどうでもいい、と自分を叱咤してカメラモニターに集中する。

 お祝いに駆け付けた下地市長が登壇。日の丸にお辞儀をした後、隊員に向かってアドリブだったのか、いきなり敬礼をした。返礼はなく、何となく会場が凍り付いたように感じた。下地市長は「災害に強い、安心・安全な宮古島…」などと祝辞を述べていたが、実はこの日重大な事実が分かった。市長は祝福ではなく怒り狂うべき日だったのだ。この千代田地区に駐屯地が選定され、受け入れるときの条件に「ヘリパッドや弾薬庫など、住民が不安を抱くものここにはおかないという約束があった。2016年9月2日、宮古島市役所を訪れた若宮防衛副大臣のその言葉を受け、「弾薬庫がない、隊員の宿舎や福利厚生施設がメインと聞いて安心しました」と言って受入れたのは下地市長本人だ。しかしこの日、なんと宮古島駐屯地にミサイルを置くということが分かったのだった。

 弾薬庫は置かないと言った2016年の動画を短く再編したので見てほしい。その後、弾薬庫と覆土式の射場は島の南東の端に当たる保良地区に作るということになり、住民が反対しているわけだが、平良市街地に近いこの場所には「弾薬庫は作らない約束は生きていた。



https://youtu.be/1HNNOSYheFM


 ところが、今回の動画にもあるとおり、ピラミッド型の、どう見ても弾薬庫という建造物ができてきて、いやミサイルは置かないが警備隊の所持する89式小銃などを保管する「保管庫」はつくるのだ、と説明は一転した。敵の弾薬庫を狙わない作戦などない火器がある場所は必ず標的になるのだから、弾薬庫の有無に住民はとことんこだわってきたのだ。ところが小銃の保管どころではなかった。この式典の前後に私と数人の記者で担当者にいろいろ聞いている中で、小銃のどんな弾を置くのか? ほかには何か置くのか?と聞いたところ「中距離多目的誘導弾は警備隊が運用するので、その誘導弾は保管します」という。「え? この敷地内ですか?」と思わず聞き返した。今年度中に設置される地対艦・地対空ミサイル部隊の「ミサイル」は保良の弾薬庫に置かれる予定だという。しかし、そのミサイル部隊というのは西部方面隊直轄の大砲も備えた勇ましい部隊で、我々第15旅団配下の、地域密着型の警備隊とは種類がだいぶ違うのです、ということだった。だから彼らの弾は保良に。でも我々の誘導弾はここに置くと。もちろん誘導弾とは、ミサイル

 第15旅団のHPを見ると真っ先に飛び込んでくる「県民のために」というキャッチコピー。そして緊急患者空輸の数、不発弾処理の数が大きく掲示され、沖縄県民の安心と安全に寄与していることが強調されている。確かに離島を抱える沖縄県でドクターヘリがカバーできないところを自衛隊が担ってくれていることに感謝しない県民はいない。不発弾だってまだ莫大な量が地中に眠る中で、自衛隊の皆さんの専門知識があって初めて安全に処理されている。自然災害にとどまらず、自衛隊の沖縄県内での活動に期待される部分は大きい。しかしそれと、南西諸島の軍事要塞化ははっきり分けて考えなければならない。かたや完全に県民の安全のため、しかしミサイル部隊を新たに島々に配置していく今の戦略構想が誰の安心のためなのか は大いに疑問が出ているからだ。

 つまり、今回ミサイル部隊に先駆けて一足早く発足した「宮古警備隊」は、第15旅団の配下であるから地域密着型で、あとから来るミサイル部隊とは性格も役割もかなり違うということらしい。島民の安全を支える、地域と連携する、住民と向き合ってくれる部隊のようだ。そして小銃、機関銃・多目的誘導弾という装備は何に使うのか? と聞いたところ、近接戦闘に対応する部隊なのだと説明があった。不審者、島へのテロ部隊の侵入などあれば接近戦をするのはミサイル部隊ではなく警備隊の仕事。そして最悪の事態、つまり敵が上陸してきたときには接近戦で真っ先に対処するのもこの警備隊だという。

 「ちょっと言い方は悪いけれどこういうことですか?」と私は前置きをして聞いてみた。

 「地対艦ミサイルや地対空ミサイルが抑止力としてもはや機能せず、敵が砲弾を降らせ接近し上陸してきたら、皆さん警備隊が島の上で闘う。せん滅されたら、水陸機動団が島を奪還しに来るわけですね。皆さんは、最初に犠牲になっちゃう部隊ということですか」

 「まあ、そうならないように事前にあらゆる手は打つわけですけれどね」と苦笑した。

 私はいよいよ彼らが気の毒になってきた。私はこの2年、改めて映画製作のために沖縄戦のことばかり考える日々を送ってきたせいか、米兵の上陸と、貧弱な火器で対処させられた日本軍の哀れな陸戦の映像が脳裏に叩き込まれている。山にこもってゲリラ戦をするしかなかった少年兵や、最後まで援軍が来ると信じて住民に協力を強いた無頼漢たちや、あらゆるイメージがあふれ出す。パリッとした迷彩服を着たこの隊員たちには、私の頭に広がる沖縄戦の悲惨な具体的なイメージはほぼないだろう。自衛隊と旧日本軍を一緒にするなとまず言われるだろう。作戦も装備も全く違う、お話にならないと。

 でも、そうだろうか。上陸される事態というのはもう、制空権も制海権もない状態だ。孤立した軍隊は奪還部隊を待つわけだが、食糧は? 水は? どこか安全な場所に住民が隔離されて充分な食糧と水が与えられるという想像は、今の私には全くできない。そもそもこの島がミサイル攻撃の拠点でさえなければ、攻撃対象にもならないだろう。制圧すべき敵の軍隊がいない島なら上陸する必要がない。よもや上陸されても戦闘がなければ犠牲者はでない。沖縄戦では軍隊が駐留していなかった島には死人は出ていない。だから、ミサイル部隊はどんなに「安心のため」と言われても「誰のための安心ですか?」と反問せざるを得ないのだ。

 そんな、不安に胸が張り裂けそうな住民たちが、早朝から駐屯地のゲートの前に集まっていた。宮古島駐屯地の田中広明司令官に直接抗議文を手渡したいと、前日から広報担当者に申し入れをし、9時半くらいに式典が終わった後に対応するという話だったようだが、その場所を巡って押し問答になっていた。ここまで出てきて受け取るということはできない規則だという。代表者数名が中に入って記者も入れずに…という広報官の提示に、集まった人たちは納得できない。なぜここに顔を見せて、みんなが抱えている不安に正面から受け止めてくれないのか。なぜ代表者だけと制限をつけるのか。口惜しさが募って声を荒らげる場面もある。対応した自衛官の困惑の表情を見たら、誰でも気の毒に思うだろう。けれども、自衛隊が来ると決まってから、この4年間に島の人々が味わってきた驚きと不安と怒りと屈辱は並大抵ではなかった。それはこの連載で過去の経緯を振り返っていただければわかってもらえると思う。決して今回の動画だけで、反対運動が過激などと判断しないでいただきたい。

 住民の不満は弾薬庫の件だけではない。軟弱地盤や活断層の存在が指摘されているのに調査もされないこと、地下水の汚染が命取りになる島なのに防衛省の対応はこれまではぐらかしやごまかしだらけだったこと、島に入ってきたと同時に弾薬庫の上から住民を監視していること、迷彩服のまま市街地に出てきて住民が怖がっていること…。そんな住民の切実な訴えに警備隊隊長であり駐屯地司令官である田中隊長がどう向き合ってくれるのか。しかし早朝から待っていた住民に姿を現したのは児玉副隊長だった。

 そのやり取りは動画を見てほしい。つらくなる場面も多かった。私は両方の気持ちがわかるなんて安易なことは絶対に言うつもりはない。ここにあるのは住民VS自衛隊員という二項対立では決してないから、「両方」とか「どっちの見方もできる」とかいう言葉は不用意に使うべきではない。そういう「中立」があるかのような架空の地点から発話するのは問題の所在を見えにくくする有害な行為だ。自分の畑の目の前が駐屯地の正面ゲートになってしまった野原の農業・仲里盛繁さんも繰り返していたように、「自衛隊員に対して怒りも憎しみもない。ミサイル基地を持ってこられることに抗議している」のであって、対峙している相手は住民不在で推し進めてきた防衛省や現政権だ。

 しかし、いざ目の前で職務についている隊員たちに向き合った時に、怒りの拳は行き先を失い宙を泳ぐ。矛先は彼らではないとわかってはいる。隊員たちは家族も連れて、新しい環境で、海がきれいだけど歓迎されていないという話も聞いている南の島で、恐る恐る生活を始める妻や子どもを抱えているのだ。幕僚たちが米軍とどんな戦略を練っているのか、そんな話は知る由もない隊員たちは、島の役に立ちたい、溶け込みたい、島を守りたいし誤解は(誤解であるかどうかはさておき)解きたいと願っているだろう。そのためにこの後あらゆる努力を重ねるのだろう。

 宮古に限らず沖縄の島々では、一緒に生活をする覚悟で島外からきた人に対してどこより温かい歓迎を示してきたし、職業によって差別するつもりなど毛頭ない。だから来てくれたのなら分け隔てなく受け入れたいのだ。けれど。人間対人間として地域に受け入れようと実践しながら、基地の存在や内実については抗議の声を上げ続けるという技は、とてつもなく難しい。追い返せなかった以上、望まずとも「共存」は始まった。毎日心に棘を出していたら自分も傷つけてしまう。だからその棘をしまう。和らげる。地域行事を率先して手伝ってくれる隊員に感謝もしたい。ママ友になり、「自衛隊の子」なんて意識もせず一緒に遊ぶ子どもを世話する。いがみ合う相手ではない。もちろんそうだ。そして「反対運動」も「運用の監視」・「情報収集や抗議」もやる気持ちは萎えていく。

 4人の子供を抱えて反対の先頭に立ってきた石嶺香織さんはこの日、いつもの元気はなかった。「これから一緒に暮らす人たち。うちの子の友達のお父さんになる人たち。この人たちが敵ではないのはもちろんだけど…。今の反対運動のやり方では島の人たちの気持ちは離れて行ってしまうかもしれない」と肩を落とした。

 「迷彩服とか軍事車両とかそういうものを子どもに見せたくないから、反対運動をしてきたのに。だから子どもを連れて現場に来るのが辛くなってきた。憲法に戦力は持たないと掲げているのに、こんな矛盾を子どもに説明できない。矛盾の最前線に立たされてしまった

 「出来てしまった施設に声を上げ続けるのはしんどいね」と、野原出身の上里清美さんは苦しそうに言う。メガホンを持つときには強い口調で気丈に抵抗の言葉をぶつけていた彼女だったが、一対一で話す声は細く、心はかなり痛手を負っていることが伝わってきて苦しくなった。

 「だから私、伊江島に行ってきたの。あそこが(軍事基地と県民が対峙する)原点だと思ってさ」

 「もう配備されてしまった軍隊と、このあとどうやって闘えばいいのか知りたくて。きっとこの闘いは長く続くでしょ。住民が分断されないためにはどうしたらいいか。これから自衛隊ももっとたくさん来て、米軍も来て、となったときに自分の感情をどうコントロールできるのかわからなくて。ちゃんと精神を保ちながら戦うのはどうしたらいいの? と伊江島に教わりたくて行ってきたんだけどね」

 「もう、人間らしく闘うということしかないね。人間らしーく。人として生きながら。相手にも接しながら。それしかないのかなっていうことを思いますね」

 阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さんに象徴される伊江島の闘い。沖縄戦の後、真っ先に土地も畑も米軍に取り上げられた伊江島の住民たちはその惨状を県民全体に訴えるために沖縄本島でムシロ旗を掲げて「乞食行進」をした。そして島では完全非暴力で、農民の誇りを失うことなく堂々と抵抗を続け、そのあと次々に勃発する沖縄基地闘争の手本となった。この闘いとて「勝った」わけではない。伊江島は今現在も米軍基地だらけだ。しかし「負けてもいない抵抗の旗を降ろしてもいないし、辺野古に、高江に、宮古に、石垣に、その精神は確実に受け継がれているから。

 2019年、平成だ令和だと騒いでいる今現在、1955年の伊江島の闘いを振り返って、力を振り絞って野原に立つ女性がいる。彼女が草を摘んで遊んだ野原が、彼女を潤した井戸が、彼女が拝む神さまが住む森は、自衛隊基地になり、奪われ、踏みにじられてしまった。沖縄本島に戻ってこの情景を見ないで大半の時間を過ごす私には、彼女の味わう悲しみの百分の一も背負ってなどいない。私の憤り、悔しさの数千倍の中に野原の人たちはあるのだろう。そして、それは1955年に伊江島の人たちが味わった屈辱や絶望と大差ないことに愕然とする。沖縄県民のささやかな生活は、64年経ってもかくも見事に脆く、米軍統治下でなくなってもなお、民主主義も司法の救いも届かない。なんなんだ、これは!

 「平成が、その名の通り平和の裡に終わってよかったです」という女性タレントの言葉で我慢も限界、テレビを切った。しかし怒っている場合ではない。出来てしまった基地に対して抵抗を続けるという苦しい技を、伊江島も、辺野古も、高江もやっている。あきらめてしまったら、じゃあ、とどんどん負担を増やされるだろう。だから宮古島も今年度やってくるミサイル部隊に抵抗し、保良の弾薬庫を造らせない闘いをし、ここは使えない基地だと国にあきらめて作戦を変更してもらう。それを目指すしかない。一部工事が始まった石垣島にも繋がる、島人が望まない軍事化を止める行動を構築していかなくては。

 今回、宮古島に駐留する自衛隊員たちと直に接して一番驚いたことは、予想よりずっと人間として、誠意をもって私たちに向き合う姿勢を持ってくれていると知ったことだ。これまで説明会などで接してきた防衛省の役人とは大違いだった。私は数年来、講演会で公言しているが、自衛隊員や、機動隊員や海上保安庁の海猿たちや、基地建設を巡って対峙してしまう職業の人たちについて、彼らの仕事の尊厳も命も守りたいと思う。彼らは自ら誇りに思い、国民から感謝される仕事をするべきであり、そのために日々の鍛錬をしてくれているはずなのだ。そうでないなら私たち有権者が、「お互いを苦しめる間違った仕事を命じる狂ったシステム」を変えるべきなのだ。そのためにも、住民の側から見えにくい自衛隊の仕事や隊員の置かれている状況についても取材して知らせていく仕事をしようと思う。私にできることはあまりに小さい。でも宮古島の嘆きに向き合い続けたい。決して逃げたくはない。
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●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》

2019年04月04日 00時00分59秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



AERAの桐島瞬氏による記事【宮古島の軍事要塞化に募る懸念 有事に「島中が敵の標的」リスクも】(https://dot.asahi.com/aera/2019031900089.html)。

 《宮古島への陸上自衛隊配備が3月中に始まる。だが島が軍事要塞化していくことへの島民の懸念は消えない》。

 宮古島や石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。《アメリカが中国の軍事的脅威に対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想》…宮古島など南西諸島を番犬様らのために差し出し、「防波堤」にしようとしています。与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた国防のため政府に翻弄されている》。
 記事によると、宮古島の隊庁舎の現場でも《地盤の硬さを示すN値がゼロでマヨネーズ状だ》そうですよ。辺野古破壊の現場と同じ。防衛省は正気なのでしょうかね?

   『●言いすぎを謝罪・撤回した石嶺香織宮古島市議…
       もはや「見せしめ」、「卑劣」なイジメ、あざとい「狙い」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態はアメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:
     高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(…)」
    《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。
     …そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えよう
     と映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった
     という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、
     ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊の
     ミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、
     何とかそれを止めようともがく人々にとって、
     高江の人たちは大事な存在になるということだ》

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                      「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
    《島中央部では、陸上自衛隊宮古島駐屯地(仮称)の隊舎などの工事も始まり、
     近い将来、警備部隊やミサイル部隊などが配備される。
     「島では軍隊と『カジノ』がやってくるとささやかれています」。駐屯地前で毎朝、
     抗議活動をしている上里清美さん(62)が皮肉交じりに語る》

   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
    《一方、安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くすと述べた。嘘だ
     政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。
     石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の
     配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に
     陸自配備受け入れの方針を正式に表明した》

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
    「《石垣島宮古島への陸上自衛隊配備などを念頭に
     「沖縄の基地負担への影響が大きい」》…壊憲が及ぼす影響は、
     沖縄では計り知れない。「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の
     市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。
       沖縄の地で、《「武力によって平和を創造することはできない」とし、
     日本国憲法の精神米軍基地のない平和を求める沖縄の心
     大切にし、真の平和をつくっていくことを掲げた「憲法宣言」を採択》
     にも肯ける」

   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
    《先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れて
     います。蘇るのは戦争による悲劇の記憶です…宮古島には
     七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を
     配備する計画です。地元では…住民の意見は割れているのが実情です。
     …有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する
     声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
     大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
     地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患して亡くなり
     ました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。同じく
     大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に
     攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
     自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    「子どもさへSLAPPSLAPP)する国・ニッポン。こんな国でいいのですか?
     宮古島石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。
     答えは一つだけではない」

   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》
    《進む米軍との一体化、つけは子どもたちの世代へ…弾一発1.6億円する
     巡航ミサイルの導入、護衛艦いずもの「空母化」など、専守防衛を
     逸脱する動きは加速し、沖縄本島には新たにミサイル部隊が配備され、
     宮古島には巨大な弾薬庫をつくることが決まりました》

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https://dot.asahi.com/aera/2019031900089.html

宮古島の軍事要塞化に募る懸念 有事に「島中が敵の標的」リスクも
桐島瞬 2019.3.21 17:00 AERA #沖縄問題

 宮古島への陸上自衛隊配備が3月中に始まる。だが島が軍事要塞化していくことへの島民の懸念は消えない。

【弾薬庫が置かれる保良の射撃訓練場は、集落の目の前】

*  *  *

「3月2日、平良港に100台ほどの陸上自衛隊車両と50人ほどの隊員を乗せた船が入ってきました。いよいよ来たかという感じです」

 宮古島への陸自配備に反対する市民で作る「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子事務局長は、怒りを含んだ声でそう話した。

 沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている。宮古島など南西諸島への陸自部隊配備は、2013年12月に閣議決定された防衛計画の大綱中期防衛力整備計画で打ち出された。中国の海洋活動の強化や核・ミサイル開発を進める北朝鮮の動きを念頭に、空白地域となっている南西諸島に部隊やミサイル配備を進めるのが狙いだ

 計画では、奄美大島宮古島石垣島に、警備部隊、地対艦(空)誘導弾部隊を合わせて合計2千人規模で配備を進める。このほか与那国島には、すでに16年3月から160人規模の沿岸監視隊が置かれている。

 宮古島に造られるのは2カ所の施設だ。島の中央部に近い上野野原に隊庁舎、東側の保良鉱山跡地に弾薬庫や射撃訓練場を置く。このうちの隊庁舎がほぼ完成し、今月26日には開所式が開かれる予定だ。

 だが、問題も多い。防衛省が調べた建設現場の土質調査結果を琉球大学工学部の複数の研究者などが分析したところ、地盤の硬さを示すN値がゼロでマヨネーズ状だと分かった。同じ軟弱地盤は、米軍普天間飛行場の移設先となる名護市辺野古の建設現場でも表面化し、改良工事を行うことが決まったばかり。

 土質調査資料を分析した土木技術者の奥間政則氏が説明する。

「700トンの燃料保管施設が置かれる地下部分に、軟弱地盤と空洞が見つかりました。島には活断層が走り地震が多いため、揺れで施設が傾くなどのリスクがある。島の水源は地下ダムですが、地震で燃料タンクが損傷して油漏れが起これば、深刻な影響を及ぼすことになります」

 また、これから工事が始まる保良地区では、防衛省の住民説明会が行われるより前の17年12月に部落会が建設に反対する決議を出している。昨年11月には防衛省との間で交渉が行われたが、納得できる説明は得られなかった。保良地区で基地に反対する住民の会の活動をする下地博盛氏が言う。

「基地から保良の集落まではわずか200メートルほど。弾薬が暴発したら住民が身の危険にさらされます。ところが、防衛省に弾薬の保管量や集落との安全が保たれる保安距離を尋ねても『機密に触れるから具体的な内容は言えない』の一点張り。建設容認など到底できません」

 さらに清水氏は、島の軍事要塞化に危機感を募らせる。

「内閣府は平良港を大型クルーズ船が接岸できるよう整備することにしましたが、これは米軍の護衛艦が接岸できるようにするためだとも言われています。上野野原の隊庁舎には弾薬を保管することも最近分かりました。軍事施設が広がれば有事の際に島中が敵の標的になる。建設容認派は声を上げても変わらない現状に諦めただけで、本音は反対の人が多いのです」

 一方、防衛省は軟弱地盤について、「関係法令に基づいて適切な建設工事をしている」と安全性を強調。隊庁舎の弾薬庫は「警備に必要な小銃弾などを安全に保管するための保管庫。誘導弾を保管する弾薬庫は整備しない」(報道室)と話す。

 沖縄県議で宮古島の自衛隊配備の問題に取り組む亀浜玲子議員が言う。

「防衛省は当初、造成工事だけ進めると話していたが、納得いくような住民説明もしないまま結局は基地を造ってしまった建設ありきのこうした姿勢を許すことはできません」

(ジャーナリスト・桐島瞬

※AERA 2019年3月25日号
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●1頭のジュゴンが死に、2頭が行方不明のまま…これは偶然ではなく、新基地建設による辺野古破壊の必然

2019年03月27日 00時00分02秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



沖縄タイムスの田嶋正雄記者によるコラム【[大弦小弦]沖縄で生息が確認されていたジュゴンはわずか3頭…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/399056)。

 《▼「人間とジュゴン、どっちが大事かという短絡した話ではない生物多様性は人間の生活と深くつながっていて、沖縄の歴史、文化を豊かにしてきた。一つの種が絶滅の瀬戸際にある、という事実以上に、大きなものを失いつつある。(田嶋正雄)》

   『●「国民の信頼を傷付け」ているのは? 
     …「米軍基地という面倒な施設は沖縄に…。そして日本本土は…」
    《岡口基一裁判官…は謝罪したが…。「米軍基地という面倒な施設は
     沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した」と
     言及したことも。公平な視線は信頼に値しそうだ
    「《国民の信頼を傷付け》ている「司法」は岡口裁判官でしょうか、
     それとも、沖縄で辺野古破壊や高江破壊に貢献している司法関係者
     でしょうか? まさか、沖縄の市民の皆さんはこの《国民》には
     含まれていない、とでも思っているの?」

   『●前那覇市長・翁長雄志氏「(安倍首相の言う)
      『日本を取り戻す』の中に間違いなく沖縄は入っていない」

   『●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の
           中に沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明
   『●《『日本を取り戻す』の中に沖縄は入っていな》かった、  
           そして今《国民のうちに沖縄は入っているのか》?
    「かつて、翁長雄志さんは《日本を取り戻すの中に沖縄は入っていない》と…、
     そして今、《国民のうちに沖縄は入っているのか》?」

   『●沖縄の皆さんのお願いは何時叶えてくれるの?
      《憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復》
    「《岩屋毅防衛相は26日の記者会見で、「沖縄には沖縄の民主主義があり、
     しかし国には国の民主主義があるあ然とするような民主主義観を
     披露し》、《昨年12月、辺野古移設について、視察先の北海道で
     「日米同盟のためではない。日本国民のためだ」と記者団に大上段に
     語った》そうだ。どうやら、沖縄の市民は《日本国民》ではないらしい」

 《人間とジュゴン、どっちが大事かという短絡した話ではない》どころか、「人間」さへも「大事」にしない大愚行が繰り広げられる沖縄。本土の「ホシュ」の皆さんは、(金平茂紀さん)「生物多様性の生きた教科書」な「森」が殺され、「美ら海」が殺され行くのに、平気なのだろうか? ましてや、沖縄の市民の皆さんは「人間」には含まれていない、とでも思っているの?

   『●杭打ちで解決するのか?
    《【抗議声明】私たちは、普天間基地の辺野古移設を絶対に許しません!!
     北限のジュゴンを見守る会(代表・鈴木雅子)  2010年4月30日》

   『●沖縄県が普天間飛行場移設のアセス受入
    《沖縄県、アセス受理の方針 防衛省に伝達 普天間移設問題
     2011年12月28日 17時03分 沖縄県は28日午後、沖縄防衛局が
     同日未明に県庁に搬入した米軍普天間飛行場の移設をめぐる
     環境影響評価書について、受理する方針を決め、防衛省に伝達した。
     …評価書は約7千ページに及ぶ。米軍が来年、沖縄に導入予定の
     垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの騒音や、埋め立てが絶滅危惧種
     ジュゴンの生息環境に与える影響について、いずれも問題ない
     との判断を示している

   『●辺野古破壊: 環境アセスメントの見直しを!  
         破壊者たちに衆院選で4度目の敗北を!!
    《仲井真知事時代は無視されてきた話が、これから蒸し返されてくる
     ということです。「ジュゴンの餌場」以外にも、「オスプレイ配備」も
     環境アセスメントには入っていませんでした》
    《仲井真知事時代に隠蔽された杜撰さが明らかになっていけば、
     日本国内の法廷論争だけではなく、米国で進行中の「ジュゴン訴訟
     …にもプラスになります。この訴訟で勝訴すれば、埋め立て工事は
     米国の法律で止まることになります》

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
             「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
   『●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。 
       税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!
   『●沖縄県知事選、両候補の「選挙の色」がくっきりと見えてきた 
                   …「#美ら海の色の候補者」はどちらか?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:  
      《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●三上智恵さん《埋められていくのは、辺野古の海だけではない。
                   この国の未来…助けを求める、あなたの声》
   『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
           《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》
   『●《国はプライバシー侵害(リスト作成)を止めさせる憲法上の義務…
                      閣議決定で隠蔽…内閣が吹っ飛ぶ大問題》
   『●辺野古破壊、米側に《地盤改良「最短で5年」と日本側伝達》?  
                      沖縄に《工期も費用も言えない》のに?
   『●《漁港の岸壁に横たう姿が痛々しい》…
      またしても《「環境監視等委員会」は本来の役割を果たしていない》
    「沖縄タイムスの社説【社説[ジュゴンが死んだ]なぜ守れなかったのか】…
     《漁港の岸壁に横たう姿が痛々しい。今帰仁村の運天漁港沖で
     死んだ状態で漂着しているジュゴン1頭を漁協の組合員が発見した。
     体長約3メートル、頭部や胸ビレに傷、出血がみられ、ところどころ皮が
     むけた状態だった。漁師でさえ初めて見たといい、
     しかも死骸であったことのショックは大きい》」

 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/ジュゴンは新基地建設によって日本政府に殺されたのだ。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/8dd0b973dd6fa477d9ea27a4134efdb4)によると、《残念でならない。今帰仁村ではザン(ジュゴン)にまつわる昔話が伝えられていて、私も子どもの頃に聞いた。古宇利島周辺は昔からジュゴンの生息地として知られていた。ほかの2頭も行方知れずとなっている。2014年夏に辺野古の海で海底ボーリング調査が始まり、翌年には大浦湾でも調査が行われた。以後、今日までコンクリートブロックの投下や護岸建設が進められ、作業船や海保のゴムボートが何十隻も走り回る状況となった。それによって3頭のジュゴンは辺野古の海、大浦湾に近づくことができなくなったもし新基地建設工事がなければ、ジュゴンは今でも辺野古の海と大浦湾で海草を食べ、静かに生き続けることができただろう。今帰仁村で発見されたジュゴンの死因はこれから明らかになるだろうが、それは単なる自然死ではない。新基地建設によって棲み処や餌場を奪われ、追い出されたことによる死であり、日本政府に殺されたのと同然なのだ貴重な生物の生息地を奪い、破壊する新基地建設をこれ以上進めさせてはいけない》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/399056

[大弦小弦]沖縄で生息が確認されていたジュゴンはわずか3頭…
2019年3月21日 09:00

 沖縄で生息が確認されていたジュゴンはわずか3頭。1頭は2015年から、もう1頭は昨年から姿を見せない。今帰仁村の漁港に漂着した死骸は最後の1頭だった可能性がある。その場合、沖縄のジュゴンは絶滅したことになる

▼かつて南西諸島海域に広く分布していたが、乱獲や環境悪化で21世紀には本島北部以外から姿を消した。文化財保護法や水産資源保護法などで捕獲が制限されていたが、保護策が十分だったとはいえない

▼多くの生物学者が「国内で最も絶滅に近い哺乳類」と警告していた。絶滅危惧種の保護が目的の「種の保存法」に基づき、「国内希少野生動植物種」への指定が最も急がれる生き物だった

なぜ環境省は指定に消極的であり続けたのか他省庁に配慮し、基地建設の妨げになるとの理由で、辺野古・大浦湾を頻繁に利用する野生生物に保護の網を掛けなかったとすれば、職務への背信といわざるを得ない

▼人魚のモデルともいわれ、県内各地の民話や古謡に登場する。各地の貝塚に残る多くの骨は、有史以前からの付き合いを示す

人間とジュゴン、どっちが大事かという短絡した話ではない。生物多様性は人間の生活と深くつながっていて、沖縄の歴史、文化を豊かにしてきた。一つの種が絶滅の瀬戸際にある、という事実以上に、大きなものを失いつつある。(田嶋正雄
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●《漁港の岸壁に横たう姿が痛々しい》…またしても《「環境監視等委員会」は本来の役割を果たしていない》

2019年03月23日 00時00分00秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



沖縄タイムスの社説【社説[ジュゴンが死んだ]なぜ守れなかったのか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/398584)。

 《漁港の岸壁に横たう姿が痛々しい。今帰仁村の運天漁港沖で死んだ状態で漂着しているジュゴン1頭を漁協の組合員が発見した。体長約3メートル、頭部や胸ビレに傷、出血がみられ、ところどころ皮がむけた状態だった。漁師でさえ初めて見たといい、しかも死骸であったことのショックは大きい》

   『●杭打ちで解決するのか?
    《【抗議声明】私たちは、普天間基地の辺野古移設を絶対に許しません!!
     北限のジュゴンを見守る会(代表・鈴木雅子)  2010年4月30日》

   『●沖縄県が普天間飛行場移設のアセス受入
    《沖縄県、アセス受理の方針 防衛省に伝達 普天間移設問題
     2011年12月28日 17時03分 沖縄県は28日午後、沖縄防衛局が
     同日未明に県庁に搬入した米軍普天間飛行場の移設をめぐる
     環境影響評価書について、受理する方針を決め、防衛省に伝達した。
     …評価書は約7千ページに及ぶ。米軍が来年、沖縄に導入予定の
     垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの騒音や、埋め立てが絶滅危惧種
     ジュゴンの生息環境に与える影響について、いずれも問題ない
     との判断を示している

   『●辺野古破壊: 環境アセスメントの見直しを! 
         破壊者たちに衆院選で4度目の敗北を!!
    《仲井真知事時代は無視されてきた話が、これから蒸し返されてくる
     ということです。「ジュゴンの餌場」以外にも、「オスプレイ配備」も
     環境アセスメントには入っていませんでした》
    《仲井真知事時代に隠蔽された杜撰さが明らかになっていけば、
     日本国内の法廷論争だけではなく、米国で進行中の「ジュゴン訴訟
     …にもプラスになります。この訴訟で勝訴すれば、埋め立て工事は
     米国の法律で止まることになります》

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
             「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
   『●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。
       税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!
   『●沖縄県知事選、両候補の「選挙の色」がくっきりと見えてきた
                   …「#美ら海の色の候補者」はどちらか?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:  
      《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●三上智恵さん《埋められていくのは、辺野古の海だけではない。
                   この国の未来…助けを求める、あなたの声》
   『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
           《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》
   『●《国はプライバシー侵害(リスト作成)を止めさせる憲法上の義務…
                      閣議決定で隠蔽…内閣が吹っ飛ぶ大問題》
   『●辺野古破壊、米側に《地盤改良「最短で5年」と日本側伝達》?  
                      沖縄に《工期も費用も言えない》のに?

 3頭のジュゴンの内の1頭が死んだ。2頭は行方不明のままだそうだ。
 2011年の環境アセスはまともに行われたのだろうか? まともに評価したのならば、こんな辺野古破壊が許されるとは思えないけれども。
 またしても、《留意事項で設置された「環境監視等委員会」は本来の役割を果たしていない》ことが明らかに。《防衛省は工事が適切に行われるよう有識者による環境監視等委員会を設置したが、委員の中には、請け負った業者から多額の寄付を受け取った人がいるという》…「八百長」じゃん、ある意味これもアベ様らの御得意のドロナワ。

   『●行政不服審査制度による辺野古破壊:
      「長兵衛さん…、これはどう見ても「八百長」だろう」
    《▼さて、沖縄の辺野古埋め立て工事をめぐる国のふるまいを
     何と形容すべきか。防衛省は工事が適切に行われるよう有識者による
     環境監視等委員会を設置したが、委員の中には、請け負った業者から
     多額の寄付を受け取った人がいるという

   『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
      息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題
   『●アベ様「対話の積み重ねの上に…移設を進め」…
      《積み重ねているのは、同意なき既成事実と不信感ばかり》
    「「環境監視等委員会」の皆さん、コンナモノ(大浦湾破壊)を
     よく許せますねぇ…唖然としています。詳細な議事を公開してほしいなぁ。」

   『●《工期も費用も言えない》辺野古破壊を進めるアベ様は
         息吐く様にウソを吐き続け…政権広報は訂正放送を!
    「環境監視等委員会のいい加減さ。
     《〈…サンゴに影響を与えずに建設できると判断》って、アホですか? 
     《サンゴの生態について委員らの知識が浅く、委員会はサンゴの
     保全には機能していない》そうだ。「そりゃぁ、《影響を与えない》様に
     シミュレーションすれば、《影響を与えない》数値計算結果・評価結果に
     なるでしょうよ」」

   『●《国はプライバシー侵害(リスト作成)を止めさせる憲法上の義務
                 …閣議決定で隠蔽…内閣が吹っ飛ぶ大問題》
    「破壊「損」な美ら海への土砂投入。大浦湾破壊まで始めてしまった。
     「環境監視等委員会」なんて屁のツッパリにもならず」

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/398584

社説[ジュゴンが死んだ]なぜ守れなかったのか
2019年3月20日 07:36

 漁港の岸壁に横たう姿が痛々しい。

 今帰仁村の運天漁港沖で死んだ状態で漂着しているジュゴン1頭を漁協の組合員が発見した。体長約3メートル、頭部や胸ビレに傷、出血がみられ、ところどころ皮がむけた状態だった。漁師でさえ初めて見たといい、しかも死骸であったことのショックは大きい。

 ジュゴンは人魚のモデルといわれる国の天然記念物である。国内では沖縄本島周辺にしか生息せず、確認されているのは個体A、B、Cと呼ばれる3頭だけである。

 辺野古新基地建設が進む前は、辺野古・大浦湾などで海藻藻場の食み跡が確認されたり、周辺海域で回遊する姿がみられたりした。

 今回ジュゴンネットワーク沖縄が死骸を調べ、体の特徴から3頭のうちのBと断定した。親子とみられる2頭のうちの親の方である。

 最後に見られたのは今年1月8日。古宇利島周辺が主な生息域で、埋め立て土砂を積んだ運搬船が名護市の西側から東側に回る航路を取るため、影響が懸念されていた

 ジュゴンBは古宇利島を離れ、辺戸岬を回り、西海岸の安田沖に移動したことがある。日本自然保護協会も、運搬船が生息に影響を与えた可能性を指摘する。

 3頭のうちの1頭が死んでみつかり、国内における生息状況は危機的状況となったといえる。

 ジュゴンBは何が原因で死んでしまったのか。政府は徹底調査し、明らかにしなければならない

    ■    ■

 心配なのは、残り2頭も行方不明で、今どこにいるかわからないことである。

 ジュゴンAが嘉陽沖、Bの子とみられるCは古宇利島から辺野古沖で確認されていた。しかし、Cは2015年6月以降、Aは18年9月以降、行方がわからなくなっている。

 元知事の埋め立て承認の際、防衛省沖縄防衛局と交わした「留意事項」には、「ジュゴン等の保護対策の実施に万全を期す。実施状況を県および関係市町村に報告すると明示している。順守しているのか説明してもらいたい。

 元知事による埋め立て承認手続きを検証した第三者委員会は防衛局がジュゴンの食み跡を認識しながら辺野古地域を恒常的には利用していないと評価していることに対し、「当該水域の重要性や、ジュゴンの貴重性を理解しておらず問題がある」と指摘した。当時から環境保全への対応が不十分だったのである。

    ■    ■

 留意事項で設置された環境監視等委員会」は本来の役割を果たしていない。ジュゴンがいなくなったことに、防衛局は工事の影響ではないと説明するが、副委員長を務め辞任した故東清二琉球大名誉教授は「ジュゴンの食草である海藻の分布と密度、何頭いるかなどの調査を依頼したが、何も調べない」と委員会の内情を暴露し、批判した。

 日本自然保護協会も安倍晋三首相あての「埋め立て工事の即時中断を求める意見書」を発表した。政府は工事をストップした上で、範囲を沖縄本島全域や離島にまで広げて追跡調査すべきである。
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●《あからさまな「県民投票潰し」の策動だ》った…「どちらでもない」ではなく、辺野古破壊に「反対」票を

2019年01月31日 00時00分04秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第87回:「県民投票潰し」とハンガーストライキ】(https://maga9.jp/190123-5/)。

 《あからさまな「県民投票潰し」の策動だ。最もシンプルに市民が政治に参加する「住民投票」のプロセスを、あろうことか議員や市長が潰すという前代未聞の愚行が、今沖縄を揺るがしている…5つの市町村の、県民投票を否定した全議員の顔と名前がネットに出ている…一票を軽んじたこの人たちを、次回の選挙では二度と選びたくないという有権者にとっては、非常に大事な資料だ。…宜野湾市議会が予算案を否決した瞬間の、傍聴席にいた元山さんの顔宜野湾の青年が沖縄県全体を動かしたと思ったのに地元議会に潰されたという苦い構図》。

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:  
     《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    「マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古高江〉撮影日誌 
     第85回:地図の上から島人の宝は見えない
     ~市民投票に立ち上がる石垣の若者たち~】」
    《そんな後ろ向きな私の話はこの辺にして、今の勢いのある話をしよう。
     県民投票を求める市民団体の中心に元シールズの元山仁士郎君を
     はじめ若い人たちが入って、疲れた大人たちをしり目に今年の春から
     独自に動き出したのだ。県内大手スーパーが賛同して各店舗の前で
     署名活動ができ、これまで既存の辺野古反対運動の輪には入って
     いなかった市民たちが一票を投じ始めた》

 《あろうことか議員や市長が潰すという前代未聞の愚行》。《島の大人が島の若者を潰す》。《人々の一票によってその職務についている「選良」が握りつぶそうとしているあまりにも恥ずかしい》。
 与党自公や癒党お維キトは、県民投票を実施し、堂々と「辺野古破壊に賛成」に一票を入れれさせれば良いだけなのに…最初は「どちらかと言えば賛成」をゴリ押しして、結局、「どちらでもない」をネジ込んだ。
 3択になったとはいえ、これまで究極の「1択」(辺野古破壊が唯一の解決策)をゴリ押ししてきたわけですから、当然、「本土」与党・癒党は辺野古破壊に「賛成」票を投じるように、「日本人の誇り」をかけて、沖縄の支持者の皆さんを指導しますよね? 「本土」与党・癒党支持者の沖縄の市民の皆さん、「どちらでもない」ではなく、辺野古破壊に「反対」票を投じて下さると信じております。

   『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
      息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題
    「《投票したい人の権利を奪えるのか》? つぶやき上で、
     「○と×の二者択一批判」に対して、その首長らは、アベ様や最低の
     官房長官が繰り返す「辺野古が唯一の解決策」という究極の「一択」に
     対して批判したのか?、が指摘されていた」

   『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
           《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》
   『●ハンスト=非暴力抵抗運動で抗う沖縄の市民に対して、
            「その方に聞いてください」とはどういう了見か?
   『●「日本人の誇り」について熱弁をふるう宮崎政久衆院議員(自民)は、
                          堂々と「辺野古破壊に賛成」に一票を
   『●究極の「1択」をゴリ押ししてきた「本土」与党・癒党は
            辺野古破壊に「賛成」票を投じさせるのですね?
   『●《卑(ミーン)》な「本土」与党・癒党議員らが賛成しようが、
                《安倍政権の辺野古新基地建設は憲法違反》

==================================================================================
https://maga9.jp/190123-5/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第87回:「県民投票潰し」とハンガーストライキ
By 三上智恵  2019年1月23日



【県民投票全県実施を求めてハンスト】
https://youtu.be/iktc4R31xBw

 あり得ないことが起きている。沖縄県民の民意を示すための県民投票に、3割の県民が参加できなくなった。所属する市町村によって、民意を示すことができたりできなかったりするって、これ全く意味が分からない。あからさまな「県民投票潰し」の策動だ。最もシンプルに市民が政治に参加する「住民投票」のプロセスを、あろうことか議員や市長が潰すという前代未聞の愚行が、今沖縄を揺るがしている。

 辺野古新基地建設について、沖縄県民の民意を直接投票で示そうと「県民投票条例案」がおよそ10万人の県民の署名によって県議会に提出された。県議会は、じゃあやりましょうと可決した。2月24日と日にちも決まって、早い市町村は早速投票準備にかかった。すると5つの市が「俺んとこはやらない」と言った。正当な民主主義の手続きに則って住民投票を求めた県民の一票一票の積み重ねを、人々の一票によってその職務についている「選良」が握りつぶそうとしているあまりにも恥ずかしい

 5つの市町村の、県民投票を否定した全議員の顔と名前がネットに出ているが、これはバッシングでも個人情報云々でも何でもない。一票を軽んじたこの人たちを、次回の選挙では二度と選びたくないという有権者にとっては、非常に大事な資料だ。選良の立場も忘れて県民投票潰し」に加担した議員と市長の顔を、私も忘れっぽいから写メして、備忘録に入れておこうと思う。引っ越しするかもしれないし、そんな人がのちにうっかり知事に立候補したりするかもしれない。尊敬されないことをした人をちゃんと覚えておいて、もっと尊敬できる人を地域から探してでも出そう。みんな、そうしようよ、と呼びかけたい。情けないけど、有権者が見くびられているのだから、そこからやり直さなければ、と身に染みて思った。

 宜野湾市・沖縄市・うるま市・宮古島市・石垣市の市民は、このままでは県民投票に参加できない。県民投票の会の代表として、大学を休学してまで署名集めから奔走してきた元山仁士郎さん(27)も、皮肉なことに宜野湾市民だから投票不可能になった。なんと玉城デニー知事も沖縄市だから一票を投じる権利がない。これらの市町村議会は保守色が強く、先の県知事選挙で玉城デニー知事の相手候補を熱心に応援した議員が多い。そんな経緯や感情がベースになって、県議会が県全体で実施することを決めた住民投票の手続きに非協力的な対応をしているとしたら、それこそ住民の権利を政争の具として弄ぶもので、言語道断だ。

 宜野湾市で生まれ育った青年が、普天間の爆音を嫌というほど浴びて、麻痺して、覚醒して、そして悩みながらも立ち上がったことが、今回の県民投票の始点となった。第85回のコラムにも私は書いているが、辺野古のことを長らくやってきた人間の大部分は「県民投票」という言葉に心が動かなくなっていたそれを徐々に揺り動かしていったのは、元山さんたち若い世代の新しい動きだったのは間違いない。そうやって、堂々と正攻法でいくつもの壁を乗り越え、県民投票を実現させた若者たちの成果を、同じ地域の大人たちが潰す。そんなことをしたら、その地域の若者は夢を見られますか? 民主主義を信じる気持ちを持てますか? 5市町村の首長と議員たちが地域に投下した罪は、多分彼らが自覚しているよりずっと重い。

 宜野湾市議会が予算案を否決した瞬間の、傍聴席にいた元山さんの顔。宜野湾の青年が沖縄県全体を動かしたと思ったのに、地元議会に潰されたという苦い構図。6年前に彼に出会った時のことを、以前に私は「生意気で、図々しいが目がぎらぎらした学生」のように表現したことがあるが、彼はまた、まっすぐでナイーブな面も持っている。昨年12月の埋め立て土砂の投入の日も、辺野古に集まった人々の中で最も落ち込んでいるうちの一人だった。そして自分の故郷、宜野湾市の大人たちに否定されたときのあの表情は、防御していないサイドからストレートパンチを食らったような、そんな痛々しささえ感じて、見ている私にも苦いものがこみ上げてきた。

 だから彼がハンガーストライキを始めた時、いつになく気が気ではなかった。SASPLやSEALDsという、スマートな学生の政治アピールをやってきた彼には、もちろん大人社会を逆手に取った計算や演出、本音と建て前を行き来する経験値があるだろう。だからその後も、次に何をするのかな? と面白がってみている余裕がこちらにもあった。しかしこの「市町村の不参加」は、彼が言う通り「予想していなかった展開」だった。

 彼のハンストをあざといとかありがちとか批判する声があるが、私が思うに、彼は今回、何の勝算もなく根回しもなく、居ても立っても居られないから単独で始めたのではないだろうか。何事も一人の思いから始まる、というが、本当に前のめりの想いだけで動いたのだと思った。だから初めて無防備な弟を、やさぐれた世間に放り出したような気持になった。もし、これで何も状況が動かなかったら? 彼や、彼を通して沖縄の状況を何とかしたいと考え始めた若い世代の人たちは、どんな傷を抱え込むことになるのか?

 ハンスト開始の15日も翌日も、沖縄にしてはめちゃくちゃ寒くて、しかも雨だった。ネットで宜野湾市役所前の様子をちらちら見ながら、やきもきしていたのはもちろん私だけではなかったようで、やがてテントが建ち、請願書名が始まり、仮眠用のテントや暖をとるものがあれこれ集まってきて、あらゆる世代の人たちがやってきた。今回あげている動画は4日目の様子だが、彼の高校の後輩にあたる女の子たちが学生服のまま署名の紙をもらいに来ていた。部活のみんなで書きたいのだという。先輩の力になりたいと。全国の報道機関やお笑いタレントや、短い間にたくさんの訪問があったが、元山さんが一番うれしかったのは、動画にもそのワンシーンがあるが、政治的な話がなかなかできなかった同級生が顔を出してくれたことだそうだ。少し疎遠になっていた野球部の仲間が来てくれたと、顔をほころばせていた。同年代に伝わらなければ意味がない、と彼はいつも言っていたがそれが一番簡単ではなかっただけに、救われた思いだっただろう。

 5日目の夕方、ドクターストップで終了したハンスト。意味がなかったとか、ただのダイエットだとか、ネット上では著名な美容外科医師まで「健康保険は使うななど低俗なコメントを披露して彼の行動の価値を下げるのに必死のようだが、こんな指先一つで書き、指先一つで拡散された誹謗中傷などヤギも食わない。

 一方で元山さんの投げかけた波紋に呼応するように、県民投票を全市町村で実施することを求める動きは各地で活発になっている。宜野湾市役所前の請願書名はハンスト終了後も同じ場所で翌日まで受け付けていて、一日中、人が途切れなかったという。インターネット署名サイトのChange.orgでも、およそ3万8000人(21日現在)の人々が5つの市町村に再考を求めている。

 県民投票ができない当該市町村の住民らによる投票実施を求める集会は各地でもたれ、どこもほぼ満席。そして私が住む読谷村は、どこよりも早く県民投票成功に向けたスタンディングを始めている地域だが、18日の県民投票連絡会の結成総会は大盛況で、村長以下なんとしても全県実施を求めたいと決意を新たにしていた。私はここに住んでいることを誇りに思う。そして投票できないと嘆く市町村の人々にも読谷村民のこのパワーを送って、なんとか一緒にいい形でゴールしたいと願う。若い人ばかりを矢面に立たせて傍観していられない、と熱を持った人々が動きだしている実像の前に、ネット上の「下げコメント」などカゲロウに等しい。

 「島の大人が島の若者を潰す」形になっているのは悔しい限りだが、しかしこれもちろん、そんな単純な構図を語って終われる話ではない。報道されている通り、弁護士資格を持つ沖縄の国会議員が、法の専門家の観点から県民投票に協力しなくても市町村議員に不利益はないことなどを述べつつ、県民投票の予算案の否決を指南ているともとれる勉強会を開いていたことが分かった。この宮崎政久衆議院議員は、沖縄選挙区では落選を繰り返し、その都度、自民党が比例区の力で何度も復活させて国会に出してきたいわゆるゾンビ議員で、安倍チルドレンである

 ご本人は、今回のことは政府の入れ知恵ではないかという指摘をきっぱりと否定しているが、彼は12月上旬、宜野湾市の松川市長と連れ立って官邸に菅官房長官を訪ねている。沖縄県民投票の行方を最も気にしている安倍政権が、この件について全く無関係であると見る人は少ないだろう。よもや指示ではなく政権に対する忖度がそうさせたにせよ、結果的には常に沖縄県民を分断させて目標を達成してきた政府の「その手」にまたも乗ってしまった人がいる、といういつもの構図で、加担した人々を責めるだけでは問題の根本は何も解決しない。民主主義なんてどう捻じ曲げても構わないから辺野古に基地を造るのだという政府を戴いている限りこんな薄汚い球は何度でも飛んでくるのだ

 そんな理不尽なボールを何度でも何度でも打ち返す。いったいいつまでこんな不利な試合を沖縄は続けなければいけないのか? と私は気が遠くなる。が、現場に駆け付けてみれば、91歳のおばあが「絶対にあきらめたらいけない」とハンストを激励していた。彼女の隣にいた92歳の女性も、二人ともサイパン戦の生き残りだ。そして空腹に耐えて座り込む20代の若者を支えようとする10代の子どもたちがいる。このリレーはなんだ? とふと気が付く。

 非暴力で、民主主義の力を信じて、民主的な手続きでもって、黙々と球を打ち返していくうちに、気が付けばこちらの選手の足腰はますます鍛えられている。コートに入る選手の層も、ますます拡がり、分厚くなっている。

 当初から選択肢を2択にすることにこだわってきた今回の県民投票だが、実施日との兼ね合いでかなり難しくなっているものの、いま、3択にして全県実施にする道が模索されている。一部地域の実施日を変えるのか、日程を見直すのか、当初の路線で説得を続けるのか。2月24日に向けて、ギリギリの模索は続く。テレビではすでにコマーシャルをバンバンやっている。そんな中で、今回の問題を乗り越えたいという県民の願い、そこから発せられるパワーもここにきて相当盛り上がってきた。

 元山さんの言う通り、これは「沖縄が今乗り越えなければならない民主主義への壁」なのだろう。そして乗り越えられる試練として、いま私たちの前に立ちはだかっているのかもしれない。
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●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》

2019年01月21日 00時00分56秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>ハンストと「普通の生活」】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-862708.html)。
日刊ゲンダイの書評【「辺野古 海と森がつなぐ命」中村卓哉著】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/245645)。

 《「どうすれば沖縄の人々が普通に生活できる社会にできるのか」。…元山仁士郎さんが語った。命を奪われた、ほぼ同世代の女性を思い、祭壇に手を合わせていた ▼元山さんは現在「『辺野古』県民投票の会」代表を務める。県民投票への不参加を表明した5市に投票事務実施を求め、15日からハンガーストライキに入っている》。
 《民意に反して普天間基地の移転を強引に進める政権は、ついに辺野古の埋め立て工事に着手し、青かった海は投入された土砂によって茶色く濁ってしまった。本書は、基地問題で揺れる辺野古のかけがえのない自然の豊かさを伝える写真集》。

(※沖縄タイムスの記事【「県民投票の会」元山氏のハンスト、ドクターストップ 105時間で終了】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/374469)によると、《「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表(27)が宜野湾市役所前で続けていたハンガーストライキが5日目の19日午後5時、ドクターストップで終了した。15日午前8時から始まった元山代表のハンストは105時間に及んだ》。
 元山さん、お疲れ様でした。)

   『●『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04)の
                         最新号についてのつぶやき
    「中村卓哉氏【[営みの地球]119 森からサンゴの海へ 
     辺野古の海の守り主】、「多様なサンゴと魚たちが織りなす鮮やかな
     海中世界。何千年もの時を越えて湖の海を守り続けていたのは、
     海を囲む豊かな森や川、小さな生き物たちの命の連鎖である。
     辺野古を彩る、生命の記録」。そこに「コンクリートのブロック」・醜塊
     落とせる神経を疑う。こころ醜き人たち
     (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7b9d3cfcd73bbbeb41cee2815f434d0d)」

   『●自民党の武藤貴也衆院議員: 赤紙を送る側の(非)論理、
                     人殺しに加担させる側の(非)論理
    《◆「シールズ」学生ら反発 「みんなの思い」「全体主義見えた
     …「戦争が嫌だというのは、個人の考えだけでなく、みんなの思いでも
     あるのに」。…元山仁士郎さん…があきれる。「個人が重んじられる
     社会が許せないんでしょう。自民党の改憲草案にある全体主義的なものが
     垣間見えた気がする」》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
     《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    《そんな後ろ向きな私の話はこの辺にして、今の勢いのある話をしよう。
     県民投票を求める市民団体の中心に元シールズの元山仁士郎君を
     はじめ若い人たちが入って、疲れた大人たちをしり目に今年の春から
     独自に動き出したのだ。県内大手スーパーが賛同して各店舗の前で
     署名活動ができ、これまで既存の辺野古反対運動の輪には入って
     いなかった市民たちが一票を投じ始めた》

   『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
      息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題
    《そのために、安倍政権が保守系首長たちに反対するように強く圧力
     かけて、県民投票そのものを阻止しようとしているのだ。これに対沖縄県は、
     投票に反対する自治体に成り代わって投票事務を行う方策
     探り始めている。さらに、「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎さんら
     若者たちが、反対自治体の首長に対して県民投票実施のための申し入れを
     行うなどの動きを活発化させている》

 アノ無惨な光景…アベ様や最低の官房長官らが沖縄でやっていること、見るに堪えない。なんとしても《サディスティックな政治》(鈴木耕さん)に抗わなければ。「『辺野古』県民投票の会」代表の若者がハンガーストライキ…《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に受け継がれている》。

 東京新聞のシリーズ記事の一つ、望月衣塑子記者の記事【<税を追う>辺野古土砂含有率を無断変更 防衛省、回答拒否続ける】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019011802000131.html)によると、《沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、防衛省が埋め立て用土砂の成分比率を県に無断で変更していた問題などを巡り、十六日に野党の国会議員らによる現地調査が行われた。防衛省沖縄防衛局は「当時の担当者に確認できておらず答えられない」と繰り返すのみ。現地では「赤土が使われていると疑念が広がる。県側は「埋め立てを強行し、基地の既成事実化を図るのは許せない」と反発を強めている。(望月衣塑子)》。
 辺野古破壊…どこまでもデタラメ。

 《『美しい国へ』…安倍首相率いる自公政権は、いまや美しい辺野古の海をぶち壊す…》(横田一さん)。《辺野古のかけがえのない自然の豊かさ》をぶち壊す、そのどの辺が〝美しい国〟なのか? 1日も早く、あの醜悪な光景・辺野古破壊を止めなければ…。

   『●《『美しい国へ』(文藝春秋)を出版した安倍首相率いる自公政権は、
                        いまや美しい辺野古の海をぶち壊す…》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-862708.html

<金口木舌>ハンストと「普通の生活」
2019年1月18日 06:00
元山仁士郎 県民投票 金口木舌

 「どうすれば沖縄の人々が普通に生活できる社会にできるのか」。2016年6月、米軍属女性暴行殺人事件の遺棄現場で、当時シールズ琉球で活動していた元山仁士郎さんが語った。命を奪われた、ほぼ同世代の女性を思い、祭壇に手を合わせていた

▼元山さんは現在「『辺野古』県民投票の会」代表を務める。県民投票への不参加を表明した5市に投票事務実施を求め、15日からハンガーストライキに入っている

▼ハンストはマハトマ・ガンジーの断食に由来する非暴力抵抗運動だ。沖縄でも1960年代、教育公務員特例法など2法を阻止する運動で教師らがハンストを行った。沖縄県祖国復帰協議会も沖縄の無条件復帰を求め、沖縄や東京でハンストをした

▼近年は2013年にオスプレイ配備反対を訴えて市民がハンストに取り組んだほか、今年1月に市民団体が元山さん同様に県民投票の実施を求めて宜野湾市役所前で72時間のハンストをした

▼元山さんの行動は、沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に受け継がれていることを示す。同時に基地問題を巡る沖縄の状況が変わっていないことの表れでもある

▼ガンジーの命懸けの行動で、インドは英国から独立を勝ち取った。一方、沖縄で「普通に生活できる社会はいつ訪れるのか全県民に投票する権利を保障することが、その一歩になるのではないか。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/245645

GRAPHIC
「辺野古 海と森がつなぐ命」中村卓哉
2019/01/18 06:00

 民意に反して普天間基地の移転を強引に進める政権は、ついに辺野古の埋め立て工事に着手し、青かった海は投入された土砂によって茶色く濁ってしまった

 本書は、基地問題で揺れる辺野古のかけがえのない自然の豊かさを伝える写真集。

 ニュースで目にする米軍のキャンプ・シュワブがある辺野古崎と対岸の安部崎に抱かれるように広がる大浦湾には、さまざまなサンゴが群生し、生き物たちの楽園となっている。この豊かな海をつくり出したのは、島の東海岸北部に残る地元の人たちの言葉で「ヤンバル(山原)」と呼ばれる広大な森だ。遠くこの森から川を通じて運ばれたプランクトンが、海の多様な生き物たちを育んできた。カメラはまず、大浦湾に注ぎ込む大浦川をその源流へと遡る。

 やんばるの森は、1億年前の恐竜時代から生息するシダの仲間ヒカゲヘゴで覆われている。みずみずしい葉を広げたその美しい立ち姿とは対照的に、ヒカゲヘゴの新芽は古生代から生き抜いてきた植物ならではのワイルドさを身にまとい個性的だ。

 人間がめったに踏み込むことがない手つかずの森は、南国らしいカラフルな色彩の昆虫や花々をはじめ、地表から川の中まで、ありとあらゆる命にあふれている。

 森の栄養分をたっぷりと含んだ川が海に注ぎ込む河口部には、広大なマングローブの林が広がる。

 マングローブは、大雨の時に山から海に流れ出ようとする赤土をせき止めたり、海からの潮風を弱めて山の木々が枯れないようにする役割を果たすとともに、多くの動物たちを守っている。

 マングローブの干潟から続く浅瀬の海でも独自の生態系が構築され、沖縄本島ではここ大浦湾にしか生息していないと思われるネオンテンジクダイや栄養豊富な砂地にしか生息できない羽ペンのような形状の不思議な生き物「ウミエラ」などが観察できる。

 特筆すべきは、やはり絶滅危惧種のジュゴンの存在だろう。写真には写っていないが、海の中の海藻の草原には、ジュゴンが確かにここにいることを証明するかのように食痕が残されている。

 浅瀬の海の先にはサンゴ礁が広がり、海の中は一段と透明度とその青さを増す。沖縄でもまれなテーブルサンゴの大群生や、海中に山脈のようにそびえる絶滅危惧種のアオサンゴの大群落、幻想的な風景をつくり出すハマサンゴ(表紙)など、さまざまな種類のサンゴが競演。辺野古には水深20メートルを超える場所にも無数のサンゴが群生しており、湾の全容は計り知れないという。

 テーブルサンゴは、満月の夜に同時に産卵する。バンドルと呼ばれる精子と卵子の入ったピンク色のカプセルが海中に一斉に放出された風景は、さながら宇宙空間の星のまたたきのようだ。

 サンゴ礁をすみかとする魚たちの美しい姿も一つ一つ丹念に紹介。

 基地問題や政治に関する記述はまったくないが、一枚一枚の写真が豊かな辺野古の自然のかけがえのなさを伝える。

 (クレヴィス 2315円+税)
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