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●命のリスクをカネと天秤にかける愚かさ…核発電所の《リスクを隠し、再稼働せんがための世論誘導だとしたら、非常に悪質だ》(こちら特報部)

2024年07月13日 00時00分51秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年06月17日[月])
命のリスクをカネと天秤にかける愚かさ。(こちら特報部)《新潟県が4月に公表した同県の東京電力柏崎刈羽原発の経済波及効果に異論が出ている》。そもそも、3.11核発電人災を引き起こした東京電力に稼働・再稼働する資格はあるのか、能力があるのか? 福島で引き起こした人災を新潟県でも繰り返すつもりか? 「教訓」を学ぶ能力も無く、「警告」を理解する能力も無い東電。
 東京新聞の記事【こちら特報部/再稼働に「都合のいい試算」を公表した新潟県の思惑 原発事故のリスクを無視、大きな数字で印象操作?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/333825?rct=tokuhou)によると、《新潟県が4月に公表した同県の東京電力柏崎刈羽原発の経済波及効果に異論が出ている。6、7号機が再稼働した場合、効果は10年で4396億円に上ると試算するが、専門家からは「ミスリーディングだ」との声が上がる。既に同原発7号機は、地元の合意がないまま核燃料の装塡(そうてん)が完了。政府が地元に再稼働への理解を要請する中、再稼働判断を後押しするような試算が出る現状をどう見るべきか。(山田祐一郎)》。

   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
         …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚
   『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されていて
       よかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外
   『●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年
     に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」

   『●東電原発人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさ…避難
      計画一つとっても無茶苦茶な上、アノ東電にアノ柏崎刈羽原発を再稼働?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/333825?rct=tokuhou

こちら特報部
再稼働に「都合のいい試算」を公表した新潟県の思惑 原発事故のリスクを無視、大きな数字で印象操作?
2024年6月16日 12時00分

 新潟県が4月に公表した同県の東京電力柏崎刈羽原発の経済波及効果に異論が出ている。6、7号機が再稼働した場合、効果は10年で4396億円に上ると試算するが、専門家からは「ミスリーディングだ」との声が上がる。既に同原発7号機は、地元の合意がないまま核燃料の装塡(そうてん)が完了。政府が地元に再稼働への理解を要請する中、再稼働判断を後押しするような試算が出る現状をどう見るべきか。(山田祐一郎

     (柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機)


◆「再稼働」「廃炉」「全機稼働停止」の3パターンで計算

 「選択肢の決め方や範囲が限定的。不十分な経済指標や計算方法のみで優劣を判断するのはミスリーディングだ。新潟県が出した数字だけを見て、再稼働したほうがいいと考えるのは危ない」。今月7日、柏崎刈羽原発の再稼働の是非を議論する「市民検証委員会」が開いたオンライン会見。県の試算について東北大の明日香寿川(あすかじゅせん)教授(環境政策論)がこう指摘した。

 新潟県の花角英世(はなずみひでよ)知事は4月24日の記者会見で、柏崎刈羽原発の地域経済への効果について、野村総合研究所に委託した調査結果を公表。「6、7号機再稼働時」と「廃炉時」「全機稼働停止時」の三つのパターンについて、東京電力が地元企業に発注する事業や東京電力従業員の支出などを計算し、経済波及効果を出した。


◆「再稼働」の経済効果が最多の4400億円

 その結果、再稼働時の経済波及効果は10年間で4396億円で最も多く、稼働停止時が2984億円、廃炉時が1262億円との結果になった。同原発関連の県内従業員数は、再稼働時が年間4680人であるのに対し、停止時は2932人、廃炉時は1986人になるとした。

 会見で花角知事は調査結果について「金額の多寡ではなく、稼働した場合としていない場合で見たら、稼働した場合のほうが経済効果が大きいのは想定していた」と説明。その上で「経済効果と、経済と地域の活性化がイコールかどうかは別問題だ」との見解を述べた。一方で再稼働の判断については「議論の材料の一つ。もう少し議論を見ていきたい」とした。


◆現実を反映しない恣意的な試算?

     (新潟県の花角英世知事)

 オンライン会見で明日香氏は、産業連関表を使った経済波及効果の試算の信用性について、環太平洋連携協定(TPP)への参加を議論した際の政府の対応を例に挙げて説明した。参加に否定的な農林水産省は、TPPによる関税撤廃で国内総生産(GDP)が減少すると試算。推進の立場の経済産業省は逆に参加しなければGDPが減るとの予測を出した。「誰がどう計算するかによって別の結果が導き出される。また県が使用したデータは2015年のもので必ずしも現状を反映しているとは言えず、正確性に限界がある」と恣意的(しいてき)な運用を危ぶむ。

 さらに、試算が原発事故のリスクを反映していないことを問題視した。「東京電力が原発を供給区域につくらず、新潟県や福島県に設置しているのは、事故のリスクがあるからだ立地自治体のリスクを無視した経済効果を示し、再稼働のメリットを強調するのはどうか」と疑問を呈した。

 金額についても「10年間での数字で大きな金額の印象を与えている」。21年の県内総生産が約8兆8000億円であることから「単年で考えると効果は県内総生産の0.5%程度。これで事故のリスクを受け入れるのか」とし、こう訴えた。「再稼働時と停止時の差は10年間で1400億円とそれほど大きくなく、二つを比べるのならばこのまま稼働停止するのが県民にとって望ましいはず。さらには廃炉にして、再生可能エネルギーなどの産業を育てるために国の支援を求め、その経済効果も示すべきだ」


◆建設業以外は経済効果なし

 そもそもこれまで稼働していた時期に地元にどれだけ経済的な効果をもたらしたのか。「地元の柏崎市と県内の同規模の自治体を比較すると、建設業で顕著な効果が見られたが、サービス業などはほとんど差は見られない。逆に見劣りする業種もある」。オンライン会見で、新潟大の藤堂史明教授(環境経済学)がこう説明した。「過去数十年間の実データを見ると、実際に効果が出ていない事実がわかる。所得面でも不振が目立つ」とも述べた。

 藤堂氏は「原発は非常に特殊な産業で高度な規格が求められる。地元産業への発注が期待できないのは、実データから実証されている」と説明し、こう強調する。「専門的で特殊な原発産業が地元経済とつながっていけるというのは幻想でしかない再稼働しても、電力事業者だけが利益を上げ、負担は国民が負うという構造が再生産されるだけだ


◆再稼働に慎重姿勢の知事が2代続いた後…

 福島原発事故前後の新潟県知事経験者の泉田裕彦氏(在任期間2004〜16年)と米山隆一氏(同16〜18年)は、いずれも任期中、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を貫いた。泉田氏は、福島原発事故を県独自に検証する有識者会議を設置し、米山氏がさらに二つの委員会を追加、検証総括委員会を設けて議論した。だが、自民党の支持を受けた元官僚の花角氏の知事就任後、総括委員会は事実上、休止。昨年3月に全委員が任期切れとなり、県が同年9月に報告書を取りまとめた。

 17年末に原子力規制委員会適合性審査に通った柏崎刈羽原発6、7号機。テロ対策の不備によって出されていた運転禁止命令昨年末に解除され、今年4月には7号機の原子炉に核燃料が装塡された。花角氏は原発を推進する立場の自民党で、長年にわたって幹事長を務めた二階俊博氏の運輸相時代の秘書だった人物。これまで再稼働に当たっては「信を問う」と述べ、現時点で同意するかどうかを表明していないが、次第に外堀が埋まりつつある。


◆検証総括委員会を閉じた理由は

 「花角知事としては、再稼働を正当化する道具を一つ一つそろえている段階なのだろう」と話すのは、オンライン会見を開いた市民検証委員会の共同代表で新潟国際情報大の佐々木寛教授(政治学)。問題点が指摘される経済波及効果の試算が出された事情をこう読み解く。「現時点では、場当たり的で花角知事に明確な戦略があるようには見えない。だが少なくとも将来、自身がフリーハンドで判断をしやすい材料を集めていると言える。検証総括委員会を閉じたのも、自身の判断が拘束されないためだ」

     (柏崎刈羽原発(2021年3月撮影))

 進む再稼働の動きに歯止めをかけるには何が必要か。佐々木氏は「原発が本当に利益になるのか、事故の際に本当に避難できるのか。自分の問題として考える必要がある。政府の要請によって地方が動かされることがないようにするため、有権者の熟議と意思表示が求められる」と訴える。


◆大阪万博でも経済効果を強調

 経済波及効果が強調されるのは大阪・関西万博同様だ。整備費拡大や建設の遅れに批判が高まっているが、政府は今年3月、経済波及効果が2兆9000億円に上ると発表18年の調査から4000億円上乗せされた。

 政府や県が数字で出す効果をどう見るべきなのか。龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「経済波及効果は、あたかも科学的な根拠があるように見せることができるが、万能なご宣託ではない」と慎重に受け止める必要性を強調する。「万博を開催したり、原発を動かせば経済的な効果があるのは当然で、かかっている費用が多ければ効果も大きくなる。同じ費用をかけて別のことをしたらどうなるのかといった比較をしなければ政策選択の材料にはならず、政策の方向性を間違えることにつながりかねない


◆デスクメモ

  金が動けば何らかの経済効果が生じるのは当たり前の話。だが、人はもっともらしい数字に引きずられやすい。万博のように開催せんがためのにおいがする「効果」もある。柏崎刈羽も本当に「一つの材料」か。リスクを隠し、再稼働せんがための世論誘導だとしたら、非常に悪質だ。(北)


【関連記事】核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る手続きは新潟県の同意のみ
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●東電原発人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさ…避難計画一つとっても無茶苦茶な上、アノ東電にアノ柏崎刈羽原発を再稼働?

2024年07月08日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年06月11日[火])
3.11東京電力核発電人災の教訓」も能登半島地震警告」も無視する愚かさよ。避難計画一つとっても、無茶苦茶。アノ東電に、アノ柏崎刈羽核発電所を再稼働って、正気ですか? 特に、《立地する柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き》だそうだが、正気か? 

   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
         …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚
   『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されて
     いてよかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外

 《首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する》前に、皆で、《避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求》(古賀茂明さん)しましょう。《実際には審査されていないからだ。国民は「えっ? 避難計画は規制委の審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる。だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない》からです。えっ、原子力「規制」委員会は核発電「寄生」委員会なので、「規制」するつもりはないし、「審査」する法的な建てつけになっていない? 「利権」「裏金」「脱税」党の国会議員の犯罪や不法は許し、こういう時だけ「法」を持ち出すのね? いい加減にしてほしい。とっくに法治主義国家ではなくなり、人治主義国家に堕ちています

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの
     強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きていることを示す。
     そのうえで、「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね
     と質問すると、社長たちは、答えに窮する。なぜなら、住友林業、
     三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発
     650ガル高浜原発700ガル日本の原発の耐震性は非常に低い
     からだ。
      国民の多くは、原発は民間住宅の何倍も頑丈に作られている
     と信じている。…三つ目に、避難計画の万全性を担保する
     ために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には
     審査されていないからだ。国民は「えっ?避難計画は規制委の
     審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる
     だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない

 渡辺聖子大野孝志荒井六貴記者による、3回シリーズの東京新聞の記事。
 前編【「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221)。《住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う前編 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)》。
 中編【「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編 「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定前に進めていきたい」 伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける》。
 後編【1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編 扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ》、《◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221

「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
2024年6月8日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う前編

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)

     (津波警報で高台に避難してきた人たちの車が連なった
      =1月1日、新潟県柏崎市(佐藤正典さん提供))


◆1993年以来の津波警報 鳴り響くサイレン

 ウーッという低い音が、2時間以上にわたり鳴り続けた。東京電力柏崎刈羽原発のお膝元の新潟県柏崎市は、元日の能登半島地震で最大震度5強の揺れに襲われた。市内では1993年以来の津波警報が発令され、沿岸部の防災行政無線のスピーカーからサイレンが響いた

 正月ののんびりした雰囲気は一変。海から離れた幹線道路の国道8号や、北陸自動車道につながる別の国道が避難の車で大渋滞した。ガソリンスタンドには長い列もできた。市の担当者は「海から離れようと山側へ向かった人がいたことに加え、内陸側の人も同時に避難したことが要因」と説明する。

     (柏崎刈羽原発(資料写真))

 一部の車は高台の住宅団地にも集まり、避難場所ではない道路で路上駐車の列ができた。市議の佐藤正典さん(58)は「何十台も止まり、警報の解除を待っていた」と振り返る。そして、脳裏によぎったのは原発だった。「地震と同時に原発事故も起きていたら、計画通りの避難ができただろうか


◆「2段階避難なんてできない」

 避難計画では、原発で重大事故が起きた場合、5キロ圏内の住民は即時避難する。5〜30キロ圏内は放射性物質を避けるために建物内で待機し、放射線量が上昇すれば避難に移る。移動には車を使い、30キロ圏外の避難所に向かうことになる。

 ただ、想定通りに進む保証はない。柏崎刈羽の再稼働反対運動に取り組む刈羽村の高桑千恵さん(78)は「5キロ圏の人が逃げているのを見たら、30キロ圏の人も逃げずにはいられない。元日よりすごい渋滞が起きるはず2段階避難なんてできない避難計画は人の心を分かっていない」と懸念する。

 新潟県は2021年、地震や大雪などが重なったケースを想定し、30キロ圏内に住む40万人超全員が圏外に脱出するためのシミュレーションを示した。最長で6日半かかる結果だった


◆除雪が終わって通行できる状態を仮定

 これは、地震による道路寸断などで北陸道と国道8号が使えなくなるケースだ。避難指示が出されても、渋滞のために約4日間は自宅に待機し、2日間ほど車内にとどまる必要があるとしている。

 過酷にも見えるが、前提が「甘い」という指摘がある。例えば、大雪を想定しながらも、事故発生時には除雪が終わって通行できる状態を仮定している。県防災局の飯吉栄輔・原子力安全調整監は「問題意識は持っている」と話す。

 2011年の東京電力福島第1原発事故は、想定を超える事態が実際に起きることを突きつけた。それなのに、事故への備えは今も、甘さが残ったままだ

 柏崎刈羽が再稼働すれば、電気は首都圏に供給される。高桑さんは「避難訓練に参加してみると、計画は絵に描いた餅にすぎず、住民の被ばくにも無神経だと分かる」と指摘した上で、こう訴える。「首都圏の電力のために、地元住民は事故の不安と背中合わせになっている人ごとではないことを知っていますか


 避難計画 原発から30キロ圏内の自治体に策定が義務付けられている。東京電力福島第1原発事故前は8〜10キロ圏内だったが、被害が広範囲に及んだことを踏まえ拡大した。避難先やルート、交通手段、甲状腺被ばくを抑えるヨウ素剤の配布など、住民や関係機関が取る行動を記載。最終的には、首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する


【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
【関連記事】能登半島地震で原発は「警戒事態」だった…政府と自治体の対応を振り返る 指針に書かれた「避難の準備」は
【関連記事】珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398

「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
2024年6月9日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編

 「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定し前に進めていきたい

     (伊藤信太郎原子力防災担当相兼環境相)

 伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける。

 だが国の思惑とは裏腹に、花角知事は面会で別の要求もした。能登半島地震の教訓から屋内退避を前提とすることに疑問を投げかけ、見直すよう求めた。地震や津波の複合災害が起きれば、家屋倒壊のほか電気や水などライフラインが止まり、家にとどまれない家にとどまれないその現実を突き付けたのが、能登半島地震だった


 屋内退避 原発で深刻な事故が起きた際、原発から5〜30キロ圏内は避難の前段階として放射線による被ばくを避けるため、自宅や避難所で待機。空間放射線量が上昇すれば、避難する。目安は1時間当たり20マイクロシーベルト原子力規制委員会が示す原子力災害対策指針に基づく。規制委は4月から、屋内退避の具体的な期間などの検討を始めた。


 柏崎刈羽周辺で特有の大雪が降った場合も同様だ。原発5キロ圏の住民は深刻な事故が起きれば即時避難が原則だが、雪で移動が難しい場合は自宅などで屋内退避してもらう方針を内閣府が示す。だが、雪での屋内退避もライフラインが途絶えれば現実的に難しい。


◆「救助に来てもらえるのか」「冬季は原発を運転しないで」

 原発から北におよそ2キロ、日本海の波打ち際から10メートル程度の柏崎市の宮川地区でも、能登半島地震で津波警報が発令された。住民らは自宅を脱出し海抜約25メートルの寺に避難。寺は古く、強い余震に耐えられない。住民らは屋外で過ごし、寒さのあまり、警報解除前に自宅に戻った人も多かった。

     (宮川地区の集落から望む東京電力柏崎刈羽原発(奥)
      =新潟県柏崎市で)

 地震から4日後、地区住民らでつくる自主防災会は原発事故時の避難についてアンケートし、全世帯の9割に当たる75軒が答えた。

 「救助に来てもらえるのか」「なんとしても逃げる」「車がある人は、行ける所まで避難を始めると思う。大混乱になる」「避難経路を確保できない冬季は原発を運転しないで」。否定的な意見が多く寄せられた。屋内退避の方針についても「知らない」と答えたのが51軒に上った。

 内閣府の担当者は「自宅が倒壊したら、地域の指定避難所に避難することになる」と、あくまでも屋内退避にこだわる。だが、宮川地区の避難所は海に近く、津波が来れば使えない。


◆「住民の被ばくは避けられない」

 東電福島第1原発事故での住民の被ばくや放射能汚染の調査を続け、新潟県の福島事故検証委員会のメンバーだった木村真三・独協医科大准教授は、屋内退避の実効性を疑問視する。

 「放射能をやり過ごすといっても、特に気密性の低い木造家屋には放射性ヨウ素が入ってきやすい。当然被ばくする。水や食料の問題もあり、家の中にずっといられない」

 宮川地区の避難訓練に参加したこともある木村氏はこう指摘する。「原発を再稼働させたいなら、最悪の事態を想定した避難計画を立てるべきだ。だが、全てを想定することはとても無理で、住民の被ばくは避けられない


住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)


【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画(この記事)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625

1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない
2024年6月11日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編

 扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ。


◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した

 外気をフィルターで浄化して取り込み、館内の気圧を高めて放射性物質が入るのを防ぐ。原発で深刻な事故が起きた時、避難した人たちの被ばくを避けるためだ。市によると、装置や館の気密性を高める工事に約1億4000万円をかけた。

     (高浜コミュニティセンターに設置されたイスラエル製の
      陽圧化装置=新潟県柏崎市で)

 館は、体が不自由な高齢者ら要支援者らが一時的に退避する「放射線防護施設」に指定されている。事前に支援の必要を申告した住民30人が3日間過ごせるだけの水と食料、毛布も備えている。

 だが、陽圧化装置の完成後に「欠陥」が発覚した。稼働中は気密性を保つため、玄関を使えない。隣接する体育館から、空気を逃がさないよう分厚い扉に挟まれた調節室を通って館に入る。調節室の奥行きは約180センチ。体が不自由な場合もある要支援者が自宅から移る施設なのに、担架もストレッチャーも人を乗せたままでは入れず、立てる必要がある


◆操作する市職員は到着できるか

 「装置をつけたことが大事なのだろう。懸命にやっているというポーズでしかない」。3月末まで町内会長を10年務めた陶芸家の吉田隆介さん(75)があきれたように話す。市防災・原子力課の担当者は「解決策を検討している段階。今は車いすに乗り換えてもらうなどして対応するしかない」と説明する。

 陽圧化装置を動かすこと自体にも問題がある。市職員が来て操作することになっているが、市役所から来るには事故を起こした原発の前を通る必要がある上、道路が寸断されれば、いつ到着するか分からない。町内会役員が「自分たちを守るために」と動かせるようにしたが、扉に張った操作手順書が命綱。吉田さんは「これを見ないと動かせない」と明かした。


◆施設全体が使えなくなるリスクも

 地震や津波と同時に原発事故が起きれば、施設自体が使えなくなるリスクをはらむ。高浜コミュニティセンターも海に近く、津波に襲われると使えない

 能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の事故に備えた県内の放射線防護施設20カ所のうち、小学校や病院など6カ所が、倒壊の恐れが生じたり、スプリンクラーが稼働して浸水したりして使えなくなった。内閣府の担当者は「地震時の対応が課題。改善していきたい」と説明する。

 事故時に住民を守れるのか心もとないというのに、再稼働の準備は着々と進む。吉田さんは「そもそも避難計画を考えなければならないことに、強い違和感がある。原発の危険と背中合わせだから、計画が必要になる。私たちは安全に暮らしたいだけ原発の再稼働など論外だ」と訴えた。

 放射線防護施設 原発事故時にすぐに避難することが難しい高齢者や障害者らを、一時的に受け入れる。内閣府の補助事業で全国の原発の30キロ圏に約300施設、柏崎刈羽原発の周辺に約20施設を設置した。病院や高齢者施設、学校などを指定。既存の建物に、放射性物質を室内に入れないための陽圧化装置を備え付け、二重サッシなどで気密性を高める。体育館に専用テントを張って受け入れるケースもある。気密性が高い分、一部の木造施設では湿気で傷みが進み、問題化したこともあった。


   ◇


連載:住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>全3回

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当しました)


【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
【後編】1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない(この記事)
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●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」

2024年06月21日 00時00分13秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240528[])
《党員資格停止1年の処分》中の「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相、許せない! 住民を見捨てた状態のままも同然であり、能登半島地震の「警告」を無視する暴言を吐く…小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ》。石川県志賀町・稲岡健太郎町長《北陸電力は再稼働を目指すとのことだが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい》。また、小谷内毅珠洲市議珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった》。

 これまた、今西憲之さんのスクープ。様々な傲慢な発言。特に、前経産相として《能登半島の被災者をないがしろにするような》発言は許されない。もし、玖珠核発電所が建設されていたとしたら…。
 dot.の記事【西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対したと被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】/今西憲之】(https://dot.asahi.com/articles/-/223487)によると、《■「珠洲は原発に反対したんや」 参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした。「原発反対したんや、珠洲は原発に。反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」 …支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や原発作ったらええ」と、原発計画凍結を悔しがる様子だった》。
 問合せに対して、「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」…だそうです。《西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。「1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみましたもし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々よくもそんなことが言えますね」》。珠洲市民の怒りは当然だ。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ
   ●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事
     になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
          …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚

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https://dot.asahi.com/articles/-/223487

西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対した」と被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】
2024/05/26/ 11:00
今西憲之

     (西村康稔前経済産業相)

 5月の上旬、平日の夕刻、兵庫県の淡路島の料理店に、10人ほどの男性が集まっていた。

 午後7時ごろ、店に現れたのは、前経済産業相の西村康稔衆院議員。自民党の政治資金パーティー収入の裏金事件では、旧安倍派の事務総長経験者として東京地検特捜部の事情聴取を受け、4月に党員資格停止1年の処分を受けている。この日は地元、兵庫9区の支援者を集めた「飲み会」だった。

     (【写真】西村氏が選挙での警戒を口にする泉房穂氏)

 AERA dot.編集部は、この飲み会の様子がわかる約3時間分の録音データを入手した。そこには、処分を受けた後ながら、上機嫌で話す西村氏の様子が残されていた。


 総裁選は「河野太郎、小泉進次郎ってわけにいかん」

 席に着いた西村氏は、衆院解散についての話の輪に入り、

「(今の通常国会で内閣)不信任案が最後出てくる。否決か解散するか。まあ(内閣総)辞職はせえへんから、(岸田文雄首相)けっこう強気なんよね」

 などと、処分を下した岸田首相について軽口をたたく。参加した支援者から、

「(岸田首相の後継として)有力な(西村)先生と、世耕さん(世耕弘成参院議員)を岸田さんが追い出した。対抗馬がおらん」

 と声が出ると、

河野太郎小泉進次郎ってわけにいかん。石破(茂)さんかって、いまさら石破かってなる。今回、自分が出ればチャンスって? そう(安倍派の)100人かたまっていれば一番、(自分に)チャンスがあった

 この言葉に支援者がうなずき、敏感に反応したことで西村氏はさらに気分をよくしたようで、

「派閥のことが批判されているが、今も(私は)何十人か束ねてやっている。それが政治」

「安倍派100人いて、今も何十人か私を慕ってくれている。他の派閥も流動化していて、最大60~70人束ねられたらと思っている」

 などと、批判を浴びた「派閥政治」の重要性を説き、強気のビジョンを口にした。

 しかし、当然のことながら西村氏は来年4月まで党員資格停止中で、今年9月の総裁選には出馬できない。それでも、西村氏は意気軒高で、

「(衆院議員に)当選して20年。(最初の)十数年間は、地元によう帰っていた。けどこの10年は、政府で中心的な仕事をしてきた。官房副長官、コロナ担当大臣、経産大臣。みなさんとゆっくり話せる機会がなかった。来年4月まで党員資格停止なので、ある意味自由に帰って来られる。ええ機会をいただいた。東京でも国会があるときは仕事をする、役所呼んでいろいろやるし、(役人は)報告にもくる。地元からも『あの道路どうや』と声があれば、つないでやる

 などと饒舌だった。

     (岸田内閣で経済産業相をつとめながら、
      首相に批判的な発言も)

 淡路島の支援者によれば、この日の「飲み会」は会費制で、西村氏側から持ち掛けられたという。

「政府の要職とか、大臣についていたときは、忙しくて地元に帰ってこられなかった。党員資格停止で暇になったので、地元によく帰るようにするから集まってくれというんです」(淡路島の支援者)

 裏金事件では、西村氏自身、100万円の還流を受けたとされている。地元の支援者や地元政治家らを集めた集会でも、裏金事件について苦言を呈する話が出るそうで、この日の飲み会で西村氏は、

「地元でも、『裏金どないなってんねん、おれにもくれ』と言われた。(裏金は)『100万だけやないやろう、何千万円ももらっているはず』とか、『ほんま、(喜朗元首相)が悪いんやろう』とか」

 と裏金への批判が強いことをぼやいた。


「もともと私は減税反対やった」

 飲み会が宴たけなわとなってくると、西村氏は大臣として仕えていた岸田首相の政策に批判的な発言を口にし始めた。

 6月から、岸田首相が力を入れる、1人当たり計4万円の所得税・住民税の定額減税がスタートする。岸田首相が「減税構想」を明かした時、西村氏は経産相だったが、これについて、

「一人4万円の減税、これ会社の事務処理が面倒くさいと聞く。事務処理が大変で手間がかかる」
「もともと私は減税反対やった。それやったら(現金)配れと。4万円、5万円、ひとりひとり配ったほうが、なんか嬉しいやないですか。それを言ったら、岸田さん、閣僚会議で私に『絶対言わんといてくれ』ってね。まわりからも『総理はもう決めているから』と止められた」

 などと発言。また、少子化対策の財源確保のための「支援金制度」導入にあたって、岸田首相が、「実質的な負担は生じない」と繰り返していることについても、

「正直なところ、負担はかけます言うたらええのに。結局、みんなが負担する」

 と批判を展開した。


小池百合子知事の学歴疑惑に「首席はないわ」

 自民党を離れている気楽さもあるのだろうか。自民党の国会議員の個別の名前をあげて、

 

「〇〇、あれはひどい」
「あれは、選挙(活動の時)、防弾チョッキ着ているんや」

 などと、茶化す発言もあった。

 かつては同じ兵庫県内の選出の衆院議員だった東京都の小池百合子知事の「学歴詐称疑惑」について支援者から問われると、

「カイロ大学、あれは出てない説が強い。首席(卒業)はないわ。(今後の選挙で)どれだけダメージがあるかや」

 と止まらない。

     (選挙については泉房穂前明石市長への警戒感も口にした)


泉房穂氏が出たら「明石は血みどろの争い」

 そして、来年4月まで自民党から出馬できない西村氏が気にするのは解散総選挙の時期だ。

「野党から内閣不信任案が出たら、岸田さんは選挙、やけっぱちでやるのかな」
「1年以内の解散総選挙だと、無所属で出馬することになる。ただ地元から(刺客となる)自民党候補が出るわけではない」

 西村氏の地盤である衆院兵庫9区は、前明石市長で、地元で人気抜群の泉房穂氏の地元でもある。それを念頭に西村氏は、

「明石の(泉)前市長が立憲(民主党)から出てくるのか、無所属で出てくるのか。それとも私と維新だけの選挙なのか。前の市長が(兵庫9区から)出てくるなら、明石は血みどろの争い。だから、淡路島でしっかり足元をかためて勝ち上がる」

 と支援者たちに訴えた。


■「珠洲は原発に反対したんや」

 参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした

原発反対したんや、珠洲は原発に反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」

 能登半島の先端にあり地震と津波で甚大な被害を受けた石川県珠洲市には原発の建設計画があったが、住民の反対運動などにより、2003年に電力会社が計画を凍結した。西村氏の発言は、原発に反対したから交通アクセスが悪いままになっている、さらには、原発に反対したから復興が進まないという趣旨にも受け止められる。

 支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、

能登半島の地震は1000年に1回やなんべんもくるもんやない、1000年に1回や原発作ったらええ

 と、原発計画凍結を悔しがる様子だった。

 前出の支援者は、こう話す。

珠洲原発を建設していれば、地域も発展して金沢市から2時間半もかかる過疎の町にはならなかったという趣旨の話を自慢げにうそぶいていたつい数カ月前まで原発の担当、経産大臣やっていた人だが、いくらなんでも、そら暴言やと思う」

     (地震の揺れと津波で被害が大きかった珠洲市では、
      復興の速度が遅い)

 西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。

1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみましたもし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々よくもそんなことが言えますね

 西村事務所に質問書を送り、発言の趣旨を聞いた。

 岸田首相の減税政策について「反対」などと言ったことについては、以下のような回答だった。

「減税政策については、政策決定過程で様々な議論を行いました。そのうえで、閣議決定を経て、閣僚全員が一体となり、支援策の実現に取り組んできたところです」

 少子化対策の「支援金制度」について、岸田首相に対して「負担はかけますと言ったらええのに」などと言ったことについては、次のように答えた。

「『丁寧な説明が必要』というのが、発言の趣旨です」

 そして、被災地の珠洲市が「珠洲は原発に反対した。金沢から2時間半かかる」などと発言したことについては、次のような回答だった。

「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」

(AERA dot.編集部・今西憲之


今西憲之
大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。
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●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されていてよかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外

2024年06月11日 00時00分19秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年05月15日[水])
志賀核発電所が《止まっていてよかった》、珠洲核発電所建設計画が凍結されていてよかった …… 地盤の隆起の問題や避難方法など、能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外ということ。
 「能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら」、「小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》」。

 志賀核発電所も情報の公開を渋っているし、マスコミでもあまり報じられなかったが、やはり《能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」》だった。再稼働など以ての外であり、廃炉にすべきだ。《◆「原発に想定外は通用しない」》は3.11東京電力核発電人災の大きな教訓でしょうに。また、《◆「安全なものを造った」と思っていたが…》…「安全な」核発電所なんて、形容矛盾もいいところだ。
 松村裕子記者による、東京新聞の記事【志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978)によると、《能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子)》。

   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
     ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
    「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
     らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
     アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
     さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」

   『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
     料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?
    「先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に
     位置する伊方原発は、周辺住民にとって、
     日本一避難しにくい原発
」だというのに、昨夜、またしても
     豊後水道を震源として大きな地震発生。即座に
     《伊方原発「異常なし」》だそうだ…。」

   『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
     インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
                …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978

志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」
2024年5月14日 16時00分

 能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子


 原発の変圧器 変圧器は電気を利用に応じた電圧に変える機器。通常は発電した電気を外部に送るが、志賀原発は稼働していないため、外部から原発内で使う電気を送るのに使う。変圧器の機器は漏電防止や冷却のため、絶縁油で満たされている。油が漏れると変圧器が使えず、電気を送れなくなる。志賀原発1、2号機の主な変圧器は計8基。

     (原発の危機管理について語る伊藤栄次さん
      =2月、石川県宝達志水町で)


◆「原発に想定外は通用しない」

 「あれから何年もあったのに、なぜ変圧器自体の対策をしなかったのか

 2007年の新潟県中越沖地震時、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で起きた変圧器火災に触れ、伊藤さんは「いったん火事になれば、何が起こるか分からない。想定外は通用しない。中越沖地震や東日本大震災以上の対策が必要だ」と北陸電側に対応を求める。

 北陸電によると、柏崎刈羽原発の火災後、志賀原発に化学消防車を配置し、24時間対応できる態勢を組んだ。ただ、変圧器は当初に設置した一般工場の設備並みの耐震性のまま。そもそも、それ以上の耐震性を備えた製品がないという。能登半島地震を受け、担当者は「変圧器を補強できないか検討する」と話す。


◆地盤整備、修繕、危機管理訴える論文も

 伊藤さんは金沢工業大を卒業。土木会社で1987年から17年間、志賀原発の1号機は建設途中、2号機は建設当初から、地盤整備や完成後の修繕に携わった。現場責任者として働く一方、「原発にも危機管理の考え方が必要」との論文を大学教授らとまとめた。

 論文を出した90年代は「まだ原発での危機管理意識は低かった」。07年に北陸電が臨界事故を8年間、隠蔽(いんぺい)していた問題が発覚。懸念したことが現実となった。さらに元日の地震では変圧器の油漏れが起きた。


◆「安全なものを造った」と思っていたが…

     (志賀原発=2022年5月)

 自宅はほぼ全域が志賀原発の30キロ圏内。原発で働く直前に長男が生まれ、「自分の目で確かめ、子や孫のために安全なものを造りたい」と建設に携わった。当時は「基準に合った安全なものを造った」との認識だったが、出入り業者として今そう言い切れるか、じくじたる思いを抱える

 退職後は地域の高齢者サロンを運営。防災士として住民に災害への備えを啓発する。今回の地震時、志賀原発は停止中だった。しかし、30キロ圏内では道路の寸断などで石川県輪島市など3市町の14地区で150人以上が最長16日間孤立したことを内閣府が明かした。

 原発が稼働中に事故が起こっていたら、スムーズに避難できない被災者らが被ばくする可能性があった。自ら関わった原発だが、今は「廃炉にした方がいいとさえ思い始めた」と複雑な胸中を明かす。「油漏れで終わったのは不幸中の幸い。今度こそしっかりと対策をとるべきだ」と訴える。


【関連記事】能登半島地震で地盤が隆起 志賀原発周辺を歩いて確かめてみると…ノリ島で異変が起きていた
【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
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●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚

2024年05月10日 00時00分34秒 | Weblog

※ 「3.11から12 「避難中」なのに「原発回帰」(週刊金曜日 1411号、2023年02月10日) ↑]


/ (2024年04月29日[月])
1基稼働で年1100億円の収益改善見込み》? そんなことのために、再稼働? どういう思考回路なのか? それから、今回の装填は「検査の一環」なんでしょ、花角英世新潟県知事殿。ならば、さっさと核燃料を取り出し、検査を終了させて下さい。それから、《立地する柏崎市と刈羽村再稼働に前向き》だそうだが、正気か? 能登半島地震の「警告」が見えていないのか。柏崎刈羽核発電所、《エネ庁関係者も「事故を起こせば、全てがパーになる」と認める》(東京新聞)。
 地震大国ニッポンで、東京電力に核発電所稼働の「資格」どころか、「能力」も無し。東電は、まず、さっさと廃炉作業を進めなさい。汚染水海洋投棄を止めるためにも、まず、地下水の流入を止めよ。再稼働など論外。また、日本中を汚染するつもりか。それから、《1号機の土台損傷》(ペデスタル)問題、一体どうするつもりなのか? 問題山積ではないか。柏崎刈羽核発電所の再稼働など、やっている場合か。

   『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
     わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?
   『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
     容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?
    《東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1号機原子炉
     圧力容器を支える土台が損傷していた問題を巡り、東電の対応が
     後手に回っている。土台が崩壊し、核燃料が残る圧力容器が落下
     すれば、高濃度の放射性物質が新たに放出される恐れがある。
     東電は容器落下の可能性は低いとして、緊急時の対処をどうするか
     具体的に示していない原子力規制委員会も苦言を呈するが、
     東電の危機意識は薄い。(小野沢健太)》

   『●膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》のうち、福島第1原発2号
      機の《1グラム程度を数回採取する予定》…いまだ、それさえも困難?

 花角英世新潟県知事がなぜ激しく抵抗しないのか、《核燃料セットは「検査の一つの過程》に過ぎないなどとのんびり構えているのか、さっぱり理解できない。所詮は、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党の「麻薬」中毒者に過ぎず、元々、県知事にしてはいけなかったのだ…。《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ。もともとそんな「経済効果」など在りはしないが、命の問題よりも経済効果が優先するなど、正気の沙汰ではない。《経済波及効果は6、7号機が再稼働して10年間継続した場合を4396億円。全7基が稼働停止したままのケースの1.47倍、同じく廃炉した場合の3.48倍となった》…だから、何だというのだろうか? また、知事は《県民に信を問う》そうだが、知事選で《県民に信を問》えるのかね? 疑問だ。拘束力を付け、再稼働のみの是非を問う県民投票をやってはどうか。片山夏子記者《東京電力は、柏崎刈羽原発(新潟県)7号機への核燃料の装塡(そうてん)を26日に完了させ、再稼働に前のめりな姿勢を崩さない。福島の事故で福島県から新潟市に避難した被災者らは「福島の廃炉も見えず、能登半島地震のように地震が頻発する中、再稼働するというのかと強い反対の声を上げる》。「原発はもう、あり得ない」…13年前のあの日、あの時、ニッポン中のみんながそう思ったはずなのに…、「脱原発の約束はどこに」行ってしまったのか? 《福島の事故で背負った多額の負債柏崎刈羽の再稼働で改善させたいとの思惑》に市民や新潟県民、ニッポンの人々の「命」をかける…狂気しか感じない。またしても、世界中に迷惑をかけるつもりか? 「幸運」はそう何度も続くものか?
 荒井六貴記者による、東京新聞の記事【核燃料セットが完了 借金返済のため柏崎刈羽原発再稼働 残る手続きは新潟県の同意のみ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/323822)。《東京電力は26日、福島第1原発事故後に東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で原子炉に核燃料を装塡(そうてん)する作業を完了したと発表した。地元自治体の再稼働への同意がないまま、異例の核燃料装塡に踏み切った背景には、福島の事故で背負った多額の負債柏崎刈羽の再稼働で改善させたいとの思惑がある。だが、原発は事故リスクと切り離せず、この綱渡りのシナリオは果たして理解されるのか。(荒井六貴)》

   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
     ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
    「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
     らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
     アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
     さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」

   『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
     料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?
    「先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に
     位置する
伊方原発は、周辺住民にとって、
     日本一避難しにくい原発」だというのに、昨夜、またしても
     豊後水道を震源として大きな地震発生。即座に
     《伊方原発「異常なし」》だそうだ…。」

   『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
     インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
                …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/323822

核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る手続きは新潟県の同意のみ
2024年4月26日 21時32分

 東京電力は26日、福島第1原発事故後に東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で原子炉に核燃料を装塡(そうてん)する作業を完了したと発表した。地元自治体の再稼働への同意がないまま、異例の核燃料装塡に踏み切った背景には、福島の事故で背負った多額の負債柏崎刈羽の再稼働で改善させたいとの思惑がある。だが、原発は事故リスクと切り離せず、この綱渡りのシナリオは果たして理解されるのか。(荒井六貴


◆柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き

 「東京電力の自立の一歩。再稼働で利益が上がり、経営改革の観点から期待はある。きちっと返済できるような体制をつくってもらいたい」。経済産業省資源エネルギー庁の関係者は、着々と進む準備に期待を示した。

     (柏崎刈羽原発(資料写真))

 再稼働に向けた主な手続きは、新潟県が同意するかどうかだけになった。立地する柏崎市と刈羽村再稼働に前向きで、花角英世知事は態度を明らかにしていない。東京電力は、電力需要が高まる夏場までに県の同意が取れれば、すぐに再稼働できるよう核燃料装塡を急いだとみられる。

 原発事故で東京電力は大きな負債を抱えた。政府は昨年末、賠償や廃炉などの費用の想定を計23兆4000億円と示した。このうち、東京電力が返済するのは16兆円超残りは国と他電力会社が支払う。ただ、想定には仮定が多く、さらに膨らむ可能性が高い


◆1基稼働で年1100億円の収益改善見込み

 実際の返済は厳しい状況だ。エネ庁によると、東京電力はこれまでに計3兆3000億円を負担したにすぎない。東京電力は安定的な支払いのため経常利益の目標を4500億円と掲げるが、達成したことがない。

 そこで経営再建の柱に据えるのが、柏崎刈羽の再稼働だ。東京電力は1基稼働すれば、年間で1100億円ほどの収益改善を見込む。核燃料を装塡した7号機と、新規制基準に適合済みの6号機に命運を懸ける。

 だが、原発はリスクがつきまとう。エネ庁関係者も「事故を起こせば、全てがパーになる」と認める。


◆「事故を起こした張本人が再稼働するなんて」

 福島の事故で、福島県浪江町から福島市に避難する石井ひろみさん(74)は「原発事故は終わっていない事故を起こした張本人が再稼働するのは納得できない。柏崎刈羽で事故が起きれば、どうにもならなくなる」と疑問視した。

 核燃料全872体を原子炉に装塡する作業は15日から24時間態勢で進め、26日午前3時35分ごろ完了。作業中に電源トラブルで一時中断し、長期停止による不具合や運転員の経験不足など課題も露呈した。


柏崎刈羽原発 東電福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉で、首都圏に電力を送る。1〜7号機があり、総出力は821万2000キロワットで、1つの発電所として世界最大規模。営業運転は1985年9月に1号機で始まり、97年7月に7号機が始めた。東電は新しくて出力が大きい6、7号機の再稼働を優先して目指す。原子力規制委員会は2017年に新規制基準に適合したと判断したが、テロ対策の不備が発覚し、21年4月に事実上の運転禁止を命じた。23年12月に解除した。


【関連記事】「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
【関連記事】核燃料セット中にトラブル相次ぐ 制御棒の装置電源オフ、監視装置に不具合…
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●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…

2024年03月11日 00時00分32秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月27日[火])
処理水という名の、廃炉作業に全く関係のない汚染水の海洋投棄を強行し、さらには、なにやらアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいという東京電力や自公お維コミ、原子力「寄生」委員会委員ら…3.11の教訓は忘れ去られ、能登半島地震の「警告」を無視。キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」「不明」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》してきた。ホントに正気なのかね? さらには、《1号機の土台損傷》(ペデスタル)〝耐震性〟問題も顕在化した。《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本ではそれができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなキシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」「不明」党。

   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」
   『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
      なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
   『●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本では
     それができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン
   『●ドイツは《脱原発を完了…原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な
     判断》…ニッポンはGXの名の下に核発電を進めて「フクシマ忘却法案」
   『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
     わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?
   『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
     容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
       と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●原発マネーに群がる核発電「麻薬」中毒者の意地汚さ…《辛うじて難を逃れ
     たにすぎ》ない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働
   『●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域
     振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ

 3.11東京電力核発電人災から13年目、デタラメな汚染水投棄をまだ続ける東京電力。この先何十年も…。年間何万トンもの汚染水を…。《3月16日の終了を予定》…3.11など全くお構いなしに。さっさと《原状回復》して見せてくれ、東京電力。無責任極まる、こんなゾンビ企業・東京電力を生き永らえさせてしまったことも大問題だ。
 小野沢健太記者による、東京新聞の記事【福島第1原発、28日に4回目の処理水海洋放出を開始 東日本大震災から13年迎える3月中旬まで】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311563)、《東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水について、28日に4回目の海洋放出を始めると発表した。3月16日の終了を予定している》。

   『●お見舞い申し上げます…
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
       復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
     もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/311563

福島第1原発、28日に4回目の処理水海洋放出を開始 東日本大震災から13年迎える3月中旬まで
2024年2月26日 19時39分

 東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水について、28日に4回目の海洋放出を始めると発表した。3月16日の終了を予定している。

     (福島第1原発)

 東電によると、17日間で7800トンを放出する。処理水の放射能濃度測定では、多核種除去設備(ALPS)で取り除けない放射性物質トリチウムの濃度が1リットル当たり17万ベクレル。トリチウム以外で測定対象の29種類は放出基準未満だった。

 放出の際は処理水に大量の海水を混ぜ、トリチウム濃度を国の排水基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満にした上で、沖合約1キロの海底から流す。

 処理水の放出は昨年8月24日に始まった。23年度は4回で計約3万1200トンを放出し、24年度は7回で計約5万4600トンを放出する計画。(小野沢健太


【関連記事】福島第1原発で汚染水トラブル連発、経済産業相が東京電力を指導 「覚悟が見えない」地元もバッサリ
【関連記事】福島第1原発、3回目の処理水海洋放出を始める 被ばく事故から8日、東京電力はまだ詳しい説明できず
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●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

2023年03月11日 00時00分35秒 | Weblog

※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(20230310[])
東電核発電人災から12年も経ってしまったのに《原状回復》することも無く、《原発回帰》へと暴走し、《原発復権》。3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?

 AERAのコラム【小島慶子「東日本大震災、臨界事故、バブル景気…5回目の卯年に思うこと」】(https://dot.asahi.com/aera/2023011100021.html)によると、《今年は卯年ですね。前回の卯年は、何をしていましたか。2011年、東日本大震災と原発事故が起きた年です。暦が一巡りして当時を知らない子どもたちが増えた今、記録と記憶を受け継ぐ大切さを改めて思います。私はあの日、東京でラジオの生放送中でした。微量の放射性物質を含んだ水道水を飲まざるを得なかった日々も、忘れることはできません。その前の卯年は1999年。茨城県東海村の核燃料加工会社JCOで国内初の臨界事故が発生し、2人が亡くなりました》。

   『●反省なき自民党を体現:
      「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」
   『●《政僕化したり官僕化》する官僚の「滅公奉僕」再び…
       この国ニッポンでは行政府の長が《愛僕者》ですもの
    「日刊スポーツ…【政界地獄耳/薄っぺらい政治の「責任」】」
    《★1999年9月30日。東海村JCO臨界事故の際、時の官房長官・
     野中広務は…は10キロ圏に拡大して発表。「事なきを得て
     10キロが無駄だといわれれば私が謝れば済むこと」とした。
     ★不祥事に際し、首相・安倍晋三は「責任は私にある
     と連呼する。だがその責任という言葉の軽さが危険だ。
     …政府の統計不正も役人がのらりくらりで遅々として
     解明できない。机上の数字の操作だからか。公金を動かす
     という公務員の重みがないから責任も軽いものになるのか。
     政治の「責任」を薄っぺらくしたのは誰か。》

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
         なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》

 ハッとした。そうだった、3.11東京電力核発電人災が起きた2011年は卯年でした…。あれから、暦が一巡りした訳です。〝年男〟のその年3月11日、初めて入院して大きな手術を受け、漸く退院して自宅のベッドで養生していました。再びの〝年男〟の今年3月末、再び入院を計画しています。
 一方、さらにその12年前の卯年、JCO臨界事故が発生した年だそうです。3.11もJCO臨界事故も「卯年」だったか…。《朽ちていった命》を想うと涙が出てしまう。

   『●お見舞い申し上げます…
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
       復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》

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https://dot.asahi.com/aera/2023011100021.html

小島慶子東日本大震災、臨界事故、バブル景気…5回目の卯年に思うこと
幸複のススメ!
小島慶子 2023/01/12 17:00

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

*  *  *

 今年は卯年ですね。前回の卯年は、何をしていましたか。2011年、東日本大震災と原発事故が起きた年です。暦が一巡りして当時を知らない子どもたちが増えた今、記録と記憶を受け継ぐ大切さを改めて思います。私はあの日、東京でラジオの生放送中でした。微量の放射性物質を含んだ水道水を飲まざるを得なかった日々も、忘れることはできません。

 その前の卯年は1999年。茨城県東海村の核燃料加工会社JCOで国内初の臨界事故が発生し、2人が亡くなりました。金融再編で翌年にはいわゆるメガバンクが誕生。当時はよく世紀末という言葉が使われて、ノストラダムスの大予言で人類が滅亡するのではないかという漠然とした不安があったけれど、世界は終わりませんでした。27歳だった独身の私は、当時同棲していた現在の夫と、干支にちなんで外苑前の小さなスペイン料理店にウサギを食べに行きました。人生は可能性に満ちていると感じられた頃。その店ももうだいぶ前になくなってしまいました。さらにその前の卯年は、1987年。バブル景気に突入した日本で、15歳の私は思春期の鬱屈の只中にありました。みんなの共通の話題は人気のテレビ番組。好きな番組はビデオに録画したものです。VHS派とベータ派がいたけど、ベータテープはやがて消滅。そして人生初の卯年は、1975年。3歳で初めて日本の土を踏んだ年です。生まれたのは父の転勤先のオーストラリア・パースでした。今はその街で息子たちが暮らしています。今年で大3と高3、ついに二人とも成人します。私が一人で東京で働き、年に数回豪州の息子たちに会いに行く生活も10年目。人生で5回目の卯年は51歳。先のことはわかりませんから、これが最後の卯年かもしれないなあとも思います。毎日を大切に生きようと、思いを新たにする春です。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。寄付サイト「ひとりじゃないよPJ」呼びかけ人。
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●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》

2022年03月11日 00時00分35秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(20220226[])
マガジン9の記事【【寄稿】「おめでとう」と言えない正月(青木美希)】(https://maga9.jp/220112-5/)。

 《政府は生活できる環境がないまま、帰還政策を進めています。政府は、浪江町など帰還困難区域700世帯を含む2万世帯の避難住宅提供を打ち切りました。さらに浪江町や南相馬市などの避難者、帰還者らへの医療費無償の支援策も打ち切る方針を出しています。避難指示解除されれば固定資産税の減免もなくなっていきます。原発事故は終わっていません政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰めることがないように、私は被災者の声を発信し続けていきたいと思っています》。

   『●お見舞い申し上げます…
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま

 《原発事故は終わっていません政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める》…11年経っても何も変わらない。東電や政府、自公お維コミ議員達は、さっさと早く「原状回復」してみせて下さい。元の環境に戻してみせてよ。毎年、その事をお願いしているのですが、一向に「原状回復」する気がないようだ。そのくせ、汚染水を海洋放出したい? バッカじゃなかろうか。
 《「もともとあった肥沃な土は放射能で汚染されたため除染で取り除かれ、山砂が入れられました元の田んぼになるまでは長い年月がかかりますね」》《地産地消の豊かな暮らしが、かつて、ここにありました》《政府が「復興した姿を世界に発信する」とした復興五輪は終わりましたが、復興どころか、手付かずのまま108カ月過ぎた家々が、ありました》…さっさと元に戻してください、核発電「麻薬」中毒な皆さん。

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https://maga9.jp/220112-5/

特別企画
【寄稿】「おめでとう」と言えない正月青木美希
By マガジン9編集部 2022年1月12日

東京電力福島第一原発事故による被災者の方たちを取材し続けているジャーナリストの青木美希さんから、帰還困難区域の様子、避難指示が進められるなかでの被災者の声を映像とともに寄稿していただきました。
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避難先で迎えた11回目の正月

 2011年の福島第一原発事故から今年で11年となります。政府は今でも原子力緊急事態宣言を発令中で、数万人が避難を続けています。一方で、復興五輪が終わり、「もう復興したんでしょ」という声を聞くことが増えてきました。現地は復興しているのでしょうか。
 福島県浪江町の柴田明範(あきのり)さん(55)は今年も避難先の福島県二本松市内で正月を迎えました。二本松市内で、11回目の正月です。
 柴田さんは、これまで仮設住宅で知り合った人たちや支援者を含め100枚以上の年賀状をやり取りしてきましたが、10年を機に、年賀状を書くのをやめました。20人ほどがそれでも年賀状を送ってきてくれましたが、「迎春」と書いて返しました。
 「10年たっても戻れない。失礼とは思いますが抵抗がある。どうも、新年おめでとうという気持ちになれない。なんとなく1月1日が来た感じ。避難している人たちはおめでとうと言いたくない人が多いと思う心から言える人はいないと思います」と話しました。
 柴田さんと私は、長くフェイスブックでつながっています。
 柴田さんは毎年、正月に「おめでとうと言えない」と友達限定の投稿で書いていました。今年もまた、柴田さんにとってはおめでとうと言えない正月になりました。

     (柴田さんご夫妻)

 原発事故で、柴田さんの正月はまったく違ったものになりました。
 事故前は、柴田さんの家に親せきたち20人以上が集まり、飲んで騒いでつぶれ、泊っていっていました。家族と父母だけではなく、父の兄弟や浪江町にいる柴田さんの妹も来ていました。自宅で作った炭の炭ごたつや七輪で暖かく、臼と杵で餅をつき、七輪で焼きました。酒を飲めない柴田さんも楽しみました。
 いまは、避難先の二本松市の中古住宅で、柴田さんの家族が元日の昼に集まるだけです。酒もなく、騒ぐこともありません。自作の炭もなく、餅はオーブントースターで焼きます。柴田さんの妻が作った煮物をみんなで食べました。騒ぐことはできないと言います。「近所の人たちが自分たちを避難者とみている。バカ騒ぎはできないから」
 3歳と2歳の孫3人が走り回り、柴田さんに「じいじ」と抱っこをせがんできたのが唯一うれしかったことだと言います。それでも「子どもたちに明るい言葉はかけられなかった。かぜひくなよ、冬道気をつけろよ、ぐらいです」と話していました。

 2022年の正月を一緒に迎えた方々と喜びをわかちあいたい、という気持ちが「明けましておめでとう」なのだと思いますが、そのおめでとうですら違和感がある方々がいます原発事故被害が回復するどころか、いまも被害が生じ続けているからです
 私は、この現状を知ってほしくて、この原稿を書いています。
 現地で撮影してきた動画を掲載しました。原発事故の被災地がどのような状況にあるのか、記事と動画を交えて見ていただければと思います。


帰還困難区域にある柴田さんの自宅へ

 2カ月前の2021年11月7日、私は柴田さんと、福島県浪江町の帰還困難区域にある、柴田さんの自宅に向かいました。国道114号から津島地区の集落に入る道路は、「内閣府」と書かれた銀色のバリケードでさえぎられています。
 警備員に許可証を見せ、ゲートを越えた途端、柴田さんの線量計からピーピーというアラーム音が出ました。数値は0.7~0.8マイクロシーベルト/時。時間の経過とともに減ってきたとはいえ、まだ事故前の県内各地の大半の線量の20倍程度もあります
 東京電力福島第一原発の事故後、政府は除染を進め、少しずつ「避難指示」を解除してきましたが、原発から北西に延びる放射線量が高い地域、7市町村にわたって今も帰還困難区域があります。そのエリアの除染対象はわずか8で、そのほかの地域は、政府は2020年代に希望者が帰還できるよう一部を除染し、避難指示を解除する基本方針を決めています。柴田さんの自宅もこの地域です。これまで政府は地域一帯の除染をしてきたのに一部のみの除染になることに、住民から「まだら除染になり、放射線量が上がってしまう。ほかと同じように地域一帯を除染してほしい」と要望が出ています。

 帰還困難区域のうち、この津島地区には約1400人が住んでいましたが、放射性物質が多く飛散したため、国が道路にバリケードを張り、住民が自宅に行くためにはその都度、事前に許可手続きをしなければなりません。今も住むことができません
 ゲートを越えて草ぼうぼうになった細い道を車で進みます。線量計のアラームがピーピーと鳴り続け、放射線量は上がっていきます。車内で1.5マイクロシーベルト/時を超えました。事故前の30倍以上です
 ところどころ除染が行われている様子が見られました。この年の7月に来たときは森のようになっていたところが、除染が進められて草木が刈られ、重機で田んぼの畔(あぜ)が再建されていました。
 運転席で柴田さんが言いました。
 「もともとあった肥沃な土は放射能で汚染されたため除染で取り除かれ、山砂が入れられました元の田んぼになるまでは長い年月がかかりますね
 柴田さんの家は、私道を登っていたところにあります。町道から、柴田さんの家に入る私道に右折した途端、両側は森になりました。やぶに囲まれた細い道です。枝がところどころに落ちているため、車を何度も止めて、そのたびに車を降りて枝をよけなければ前に進めません。
 「両側にはうちの畑が広がっていました。ブルーベリーや白や紫、ピンクのリンドウを育てて、いつか奥さんとブルーベリーの観光農園をやろうと思っていました」
 柴田さんが住んでいた家と畑を切り開いたのは柴田さんの祖父母で、柴田さんで3代目。原発事故当時は父母と妻、子ども5人の計9人で暮らしていました。


止まったままの時計、イノシシの足跡……

 やぶの道をさらに進むと、瓦屋根の平屋住宅が見えました。サンルームや玄関の下部にオレンジ色のベニヤ板が張られています。
 「イノシシ除けだよ」
 ベニヤ板にはイノシシの茶色い足跡が残っていました。新しい足跡と古い足跡が混在しているように見えます。
 「汚染がひどくて、家にはもう住めないんです。新潟大学の教授に家の中の放射線量を測ってもらって『住めるレベルではない。解体しかない』って言われた。だから、もう住めない……それでも、イノシシに荒らされるのは許せない。将来は長男一家が住めるようにと思って、平屋の上に2階を建て増しできる作りにしたんですよ」
 柴田さんはカギを開けると、板をまたいで家に入りました。
 居間も子ども部屋も台所も、天井のあちこちにクモの巣がかかっています。居間の中央にはクリーム色の天板と布団のこたつがありました。
 「家の木を切って炭焼きをして木炭にして、こたつに入れてました。すごいあったかいから。足をいれると体がばーっとあったかくなる」
 柴田さんは木造の自宅の柱や鴨居を見ながら言います。
 「この家は、祖父がうちの土地で育てたスギやマツ、クリの木で建てたんだ」
 「山菜がとれると近所でお互いに交換してね。そういうのがすごく楽しみだったんだ」
 地産地消の豊かな暮らしが、かつて、ここにありました

 この場面の動画がこちらです。


https://youtu.be/b5HbqBgnPmw

 居間には黒く四角い掛け時計がかけてありましたが、地震があった2時46分で止まっています。月めくりカレンダーは2011年3月のまま。長女の部屋にはハンガーにセーラー服の夏服と冬服がかかっていました。
 柴田さんが長女の部屋で「あ」と声を上げ、紺色のファイルを手にしました。
 「311は長女の中学の卒業式だったんだよね。夜はみんなでお祝いしようねと言っていた……」
 「長女は、もう終わったことだからと言って、避難してから一度も家に足を踏み入れたことがない」
 ときが止まっていました
 客間の天井近くの高い場所に、紋付き袴の男性や着物姿の女性の写真が並んでいました。この土地を拓いた祖父や祖父の親族の写真だと言います。
 「先祖に見守っていてもらいましょう、と妻と言いあって、写真は飾ったまま、置いたままになっているんです何十年も住んだ場所。やっぱり自分の家は落ち着く。じいちゃんから親、親からおれ、本当は息子につなぎたかったけど、かなわないわね

 自宅の隣には柴田さんの両親の家がありました。ガラス戸が破られ、玄関のドアは開きっぱなし。ピンクの座布団が玄関に落ちています。中に入るとテーブルがひっくり返り、タンスが倒れ、足を踏み入れることはできません。私は思わず、「こんな風になりますか」と声を上げてしまいました。「イノシシが全部突き破って」。部屋の後ろ側、壁があるはずのところから、外のやぶが見えます。壁が外れています。「壁ぶちぬいて。……怖いね」。柴田さんは疲れ切ったように話していました。

 撮影してきた動画はこちらです。



https://youtu.be/5tSSrFkkW6o

 政府が「復興した姿を世界に発信する」とした復興五輪は終わりましたが、復興どころか、手付かずのまま108カ月過ぎた家々が、ありました
 「選手にここに来て、世界に実態を伝えてほしかった」と柴田さんは話していました。


生活環境が整わないまま、進められる帰還政策

 避難指示解除されたところでは何が起きているのでしょうか。
 私は2021年11月27日、双葉屋旅館を経営する小林友子さんに話を聞きました。
 小林さんは福島県南相馬市小高区のJR小高駅前の「双葉屋旅館」4代目。福島第一原発から20キロ圏内にあり、政府の避難指示で小高区の全員が避難しました。

 小林さんは原発事故後、長男が住む名古屋市に避難しました。ハローワークに行っても50代という年齢で仕事が見つからず、地元で旅館を再開することを決めました。政府は事故から5年4カ月たった2016年7月に小高区の避難指示を解除しましたが、小高区の原発事故時の住民登録者数は12,840人で、20211130日現在の居住者は3,800人ほど。居住者の半数が65歳以上です。
 小林さんは語りました。
 「多くの事業者が再開しておらず、家業と別の勤め先の兼業で暮らしていた人たちが多かったなかで、仕事は残念ながらやっぱりありません。3世代で住む家も多かったのですが、自分の代でいい、自分たちの代で完結するという思いの人たちが帰ってきています。建て替えの時に家を小さく、平屋にしたり」
 農業や商業を営みながら、さらに別の勤め先で働いて暮らしてきたのに、その兼業先がないため帰れないと言います。何より、小高は、南側で原発で栄えていた双葉郡と商圏の結びつきが強かったなかで、この商圏が壊れてしまいました
 「自分たちの代で完結する」という言葉が悲しく、重く響きました

     (双葉屋旅館の小林友子さん)

 「10年過ぎて見えてくることは、本来はずっと土と一緒に生きていた方が暮らせるんですよね生業なりわいがなくても生きていける土壌だったんですよね。今まではコメや野菜を自分たちで作っていました。それがみんなお金で買わないといけない。キノコだったり海のものだったり。そこで育った人たちの失ったものをちゃんと見てないよね本当にしんどいのが現実
 私は避難者の方々から「初めてコメを買った」という言葉を多く聞きました。買わなくても食べ物はほとんどまかなえる生活だったと。
 「両手にいっぱいの買い物袋を持っていると『いいな』って言われるけれども買わないと生きていけないから。『いいな』って言われましたけど、『なくなったんだよ』って。月10万円の慰謝料はあっという間になくなりました。全部買わないといけない。あんなにお金がなくなるとは」
 同じ言葉を、避難してきた多くの方から伺いました。そして、避難者を受け入れている人たちからは「避難者の人たちはものすごいたくさん買い物していくんだから」という非難めいた言葉も多く聞きました。賠償金の差、強制避難か否かの差、政府が生んだ多くの差が精神的な分断を生んでいます

 「家に帰らないでいると、隣の人から『草ぼうぼう、草刈りしろ』と言われるのが一番つらい。だから田んぼを人にまかせちゃう。そうすると太陽光発電が造られる。知らない間に虫食いのようにできていってしまう。山ががんがん切られて木も切られて里山から除染のあとを埋めるために山土がとられ、山がなくなっていく。それが災害の一つの原因になる。原発事故って放射能だけじゃない被害を起こしていると知ってほしいです。食料が不足すると言われているときに、どうしていい場所の農地をつぶしていくのか。ソーラーも都会ではなく、地権者、福島に収益や雇用を生み、経済が回るシステムを議論してほしい。帰れと言うのなら受け入れる素地をちゃんとしてほしい」

 帰れと言うのであれば、その環境を。それもその通りです。小林さんは「次に繋いでくれる人もいる事も現実」といいますが、雇用の場の整備がなければ生活できません
 小林さんに会う前に、私は50代の楢葉町の男性から話を聞いていました。
 その男性は、避難指示で避難し、政府が避難指示解除をしたから戻ってきたけれども、元々勤めていた事業所は閉まってしまった。再就職先も見つからず、結局非正規雇用しかない、と話していました。
 政府は生活できる環境がないまま、帰還政策を進めています
 政府は、浪江町など帰還困難区域700世帯を含む2万世帯の避難住宅提供を打ち切りました。さらに浪江町や南相馬市などの避難者、帰還者らへの医療費無償の支援策も打ち切る方針を出しています。避難指示解除されれば固定資産税の減免もなくなっていきます。
 原発事故は終わっていません政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰めることがないように、私は被災者の声を発信し続けていきたいと思っています。


青木美希(あおき・みき)ジャーナリスト。北海タイムス(休刊)、北海道新聞を経て全国紙。「道警裏金問題」取材班で菊池寛賞など受賞。原発事故検証企画「プロメテウスの罠」、「手抜き除染」報道で各取材班で新聞協会賞を受けた。原発事故被害を描いた『地図から消される街』(講談社現代新書)は貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞。8刷に。新刊『いないことにされる私たち』(朝日新聞出版)を2021年4月に出版した。日本ペンクラブ言論表現委員。
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●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま

2021年03月11日 00時00分30秒 | Weblog

(2021年03月11日[木])
中原岳記者による、西日本新聞のコラム【10年 時が止まった町 中原岳】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/667005/)。

 《毎時0・196マイクロシーベルト。駅舎の空間放射線量率計が、数字を赤くともしていた。福島第1原発事故の被災地、福島県富岡町の夜ノ森駅。駅の東側はいまだに帰還困難区域だ。空間線量率は福岡県でその日測定された線量より3倍以上高かった。東京都と宮城県を結ぶJR常磐線が今年3月、東日本大震災の被害から復旧し、9年ぶりに全線再開を果たした。列車の旅が好きな「乗り鉄」にとって未制覇の常磐線。被災地の「今」も気になり、夏の終わりに訪ねた》。

   『●お見舞い申し上げます…
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
              聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》

 金(カネ)色の五つの輪誘致の際の《ウラアリ》な《オモテナシ》、何が一体《アンダーコントロール》だったのか? 何が一体《復興五輪》なのか? ましてや、いまや、福島の「ふ」、復興の「ふ」の字もなく、COVID19人災の下、人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪として、出来もしないのに…開催を目指すと嘯くあり様だ。
 アベ様らはこれまで何をやってきたのか? アベ様口癖の「悪夢のような旧民主党政権」…あらゆる意味で、悪夢のような最悪な政権はもはや明白です。そして、《自助》大好き、利権漁りカースーオジサンの「地獄」のような政権。10年経ち、何一つ解決せず。東電・政府・原子力「寄生」委員会等は放射性物質で汚染された地域を早く「原状回復」してみせてよ! もう10年も経ってしまったではないですか。

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
     しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?
    《元東京都小金井市長の佐藤和雄事務局長は会見で「国が進める
     核燃料サイクルは、既に破綻している」と述べた。佐藤事務局長らは、
     運転開始から四十年を超えた原発は再稼働するべきではないとも指摘。
     東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ
     水を、海洋放出の方が確実に処理できると強調した提言案を
     政府小委員会が一月に大筋で了承したことを受け、
     放出せずに長期保管するよう求めた

   『●東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは放射性
     物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
     切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》

 これは核発電人災 ――― 核発電「麻薬」中毒者らはまだ核発電を続けたいらしい…。
 アサヒコムの記事【原発事故は人類の悲劇、まだ終わってない 坂本龍一さん】(https://www.asahi.com/articles/ASNDY76JYNCJULFA021.html)によると、《「…10年近くが経った今でも、溶け落ちた核燃料の状態がよくわかっていないですよね。ロボットを送り込んでも強い放射線ですぐに壊れてしまうといいます。人類の悲劇です」》。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」

 東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/667005/

10年 時が止まった町 中原岳
2020/11/24 11:00
西日本新聞 中原 岳

     (大野駅近くの道路。帰還困難区域内は通行止めが続いていた)

 毎時0・196マイクロシーベルト。駅舎の空間放射線量率計が、数字を赤くともしていた。福島第1原発事故の被災地、福島県富岡町の夜ノ森駅。駅の東側はいまだに帰還困難区域だ。空間線量率は福岡県でその日測定された線量より3倍以上高かった。

 東京都と宮城県を結ぶJR常磐線が今年3月、東日本大震災の被害から復旧し、9年ぶりに全線再開を果たした。列車の旅が好きな「乗り鉄」にとって未制覇の常磐線。被災地の「今」も気になり、夏の終わりに訪ねた。

 夜ノ森駅は仙台駅から電車を乗り継いで2時間超。一人降り立ち、電車が走り去るとしーんと静けさに包まれた。

 駅の東側を歩く。構内や駅への道路は除染済みという。道の両側には柵が並び、除染されていない民家や商店には入れない。屋根瓦は崩れ、割れた窓ガラスからカーテンが風になびいている。車庫には、ほこりをかぶったままの車。原発事故の日から時が止まっているように感じた。

 1駅戻り、福島県大熊町大野駅で降りた。原発から約4キロの最寄り駅だ。線量率はさらに高い毎時0・343マイクロシーベルト。多くはいまだに帰還困難区域で、商店や飲食店も並ぶ通りは封鎖されている。不審者に備えてか、防犯パトロール車が巡回していた。

 駅の待合室で町の広報紙を手に取った。6月末現在の人口は1万295人。町内居住者は推計852人だが、住民票があるのは帰還者122人を含む244人。残りの大部分は、町によると原発の廃炉作業員他の町民は今も全国に避難している。九州は最多の宮崎が27人。福岡21人、大分6人、佐賀3人、長崎と熊本各2人、鹿児島1人と続く。長崎大の保健師らによる健康相談の記事も見つけた。九州の支援も続いていると分かり、エールを送りたくなった。

 常磐線に再び乗る。原発から遠ざかるにつれ新築が増え、車や人影が目立ってきた。ほっとする風景は、逆に帰還困難区域が置き去りになっていることを印象づけた

 居住再開に向けた準備は思うに任せないのか。いったん人間の手に負えなくなった原子力は、復興へ歩む時までもゆがめていた

 あの3・11から、3カ月半で10年になる。 (編集センター)
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●厚労相「義務ではない」扶養照会…カースーオジサン、躊躇わずに生活保護を申請できるようにしてから「生活保護がある」と言ってくれ

2021年01月31日 00時00分54秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(2021年01月29日[金])
リテラの記事【GoToに1.1兆円予算の一方、菅首相がコロナ困窮者支援を拒否し「生活保護がある」 しかも申請しづらい生活保護の問題点に知らんぷり】(https://lite-ra.com/2021/01/post-5775.html)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「生活保護」は最後の命綱ではない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101290000045.html
日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/石原氏は無症状コロナ感染でも即入院…“道徳心”ぶっ壊れた】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284505)。

 《医療体制の強化はもちろんだが、新型コロナ感染拡大の影響を受けて解雇・雇い止めされた人(見込みも含む)が8万人を突破したいま、生活困窮者の支援は「命」にかかわる問題だ。だが、菅義偉首相はこうした現実を無視し、見殺しにしようとしている。その本音が出たのが、昨日27日におこなわれた参院予算委員会の答弁だ。野党議員から生活困窮者への支援を求められた際、菅首相はなんと、「生活保護がある」と言い出したからだ》。

 《ようするに、“生活保護があるから支援策はいらない”と述べたのだ》…。《つまり、最終手段である生活保護しか、この国では「公助」はない、と言ったようなものだ》…。
 「生活保護がある」…平時から、《生活困窮者への支援》になっているだろうか? 当然の権利を躊躇う方も多いし、役所も生活保護の手続きを躊躇いなくやっていますか? 捕捉率2割と言われている。また、生活保護を受けたくないという人の3人に1人が生活保護を家族に知られたくない、と言っている。法的根拠なき扶養照会問題 (2021年01月28日参議院予算委員会 (5時間25分あたり) での小池晃さんの質疑、https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php)[もう一つ、内閣官房機密費という〝ヤミ金〟=税金のデタラメ使用も議論 ⇨ 『●しんぶん赤旗スクープ…《官房機密費(内閣官房報償費)は95億4200万円超…菅氏が自身に支出したのは86億8000万円超にものぼる》』]。役所職員が大変な手間をかけて、照会によって家族からの何らかの経済的支援につながったのは僅か1%程度。躊躇わずに、生活保護を申請できるようにしてから、「生活保護がある」と言ってくれ。

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https://twitter.com/shiikazuo/status/1354955313460334596

志位和夫@shiikazuo

生活保護を利用するうえで、最大の障害の一つとなっている「扶養照会」。厚労大臣は「義務ではない」と3回も明言。重要な答弁です。生活保護は憲法25条にもとづく国民の権利安心して、堂々と利用しましょう!

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小池晃(日本共産党)@koike_akira

...…
コロナで仕事を失い、生活が苦しい皆さん、この動画をご覧ください。
あなたのご親族に問い合わせさせずに、生活保護を利用することができます
厚生労働大臣が今日の国会で3回も明言しました。役所でそう伝えてください。
安心して生活保護を利用して、力を合わせて生き抜きましょう!
…… 
(https://twitter.com/emil418/status/1354766831051968512)
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午前9:51 · 2021年1月29日
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 《自助》大好きオジサン…《失敗を国民のせいにして権利を制限する前にすることがあるでしょうに。《自助》大好きオジサンらによる《冷たい新自由主義の弱者切り捨て》。《蓮舫議員が指摘したように、生活保護は最後の手立てであって、その前に支援策を講じるのが政治の責任だ》というのに。
 【政界地獄耳/「生活保護」は最後の命綱ではない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101290000045.html)によると、《★結局、この「最終的には生活保護がある」の先は知らないとも聞こえる発想は生活保護の制度や発想とも異なる冷たい新自由主義の弱者切り捨てではないか。生活保護は最後の命綱ではない。図らずも仕事や家を失う人はこの経済環境の中では特別なことではない。生活保護を受けることで、態勢を立て直し、新たな生活の下支えをすることでもある。そこから再度はいあがり新たな生活を築く人たちも多い。ただ頼るべき場所のない生活に困窮する人たちを一時的に保護し、社会に送り返す施策ではないのか。》

   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って…冷たい国だ
     「「オーウェルの「一九八四年」…まで、あと一歩ではないか」…」

   『●「60万人雇用増の正体」: アベ(ホ)ノミクスの現実
   『●湯浅誠さん達の試み: 
      真に「苦境にある」人が救われない社会でいいのか?
    「マスコミや一部の政治家の言動に踊らされていはいけない。
     湯浅誠さんの言葉、「「もし生活保護がなければ、彼らを納税者に
     育てることができただろうか」。湯浅さんの言葉に納得させられる。
     12月に出す次号では、高校時代に生活保護を受け、いまは
     市役所職員として困窮者への対応にあたっている人を取り上げる」」

   『●沖縄県「子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が貧困」…
                アベ様らは「思いやる」先を間違ている
   『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」 
                …アベ様のニッポン、病んでいないか?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪


 《国民》に検査検査検査…・追跡・保護を徹底出来ない中、カネメノビテル君がなぜ検査でき、なぜ入院できたのか?
 【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/石原氏は無症状コロナ感染でも即入院…“道徳心”ぶっ壊れた】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284505)によると、《「多くの人が感染して、症状があっても入院できない中で、なぜすぐに入院ができたのかってことは、石原伸晃さん、テレビをご覧になっていると思うが、(入院できた理由を)明らかにされる必要はあると僕は思う」(玉川徹…)》。
 閣僚だろうが、自公お維議員であろうが、野党議員であろうが、《高級国民》だろうが、普通の市民であろうが、生活保護を受けている人であろうが、無料で検査を受けることができ、症状の有無に関係なく感染者は保護されるべきなのではないですか?

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https://lite-ra.com/2021/01/post-5775.html

GoToに1.1兆円予算の一方、菅首相がコロナ困窮者支援を拒否し「生活保護がある」 しかも申請しづらい生活保護の問題点に知らんぷり
2021.01.28 10:54

     (参議院インターネット審議中継(1月27日)より)

 本日、与党や日本維新の会などの賛成多数によって、「GoTo」キャンペーンに追加で約1.1兆円も計上された第3次補正予算案が参院本会議で可決、成立した。立憲民主党と日本共産党は「GoTo」予算などを医療体制の強化や生活困窮者の支援などに充てる組み替え動議を共同提出していたが、自民党などはそれを否決。緊急的・機動的な予算措置であるはずの補正予算であるのに、菅政権はこの緊急事態にまったく対応しない内容のまま押し通したのだ。

 医療体制の強化はもちろんだが、新型コロナ感染拡大の影響を受けて解雇・雇い止めされた人(見込みも含む)が8万人を突破したいま、生活困窮者の支援は「命」にかかわる問題だ。だが、菅義偉首相はこうした現実を無視し、見殺しにしようとしている

 その本音が出たのが、昨日27日におこなわれた参院予算委員会の答弁だ。野党議員から生活困窮者への支援を求められた際、菅首相はなんと、「生活保護がある」と言い出したからだ。

 その答弁が飛び出したのは、午前中の質疑でのこと。立憲民主党の石橋通宏参院議員は「昨年来の新型コロナ感染症対策のなかで、弱い立場にある方々に政府の施策が届いているでしょうか?」と質問したのだが、菅首相は「医療が逼迫しているので、そうしたことには全力をあげていま取り組んでいる」と答弁。文脈を考えても生活困窮者の問題を問われているのに、菅首相は医療の話をはじめるというポンコツぶりを発揮したのだが、このあと石橋議員から「収入を失って路頭に迷う方々が多数にのぼっています」「政府の施策が届いていないことがあきらかになれば、菅総理の責任において即刻、届けていただくお約束をいただけますか?」と問われると、菅首相はこんなことを言い出したのだ。

「それは、あのー、いろんな見方があるでしょうし、いろんな対応策もあるでしょうし、政府には、最終的には生活保護という、そうした仕組みも、最終的にですよ、そうしたことも、しっかりセーフティネットをつくっていくという、それが大事だというふうに思います」

 生活困窮者への支援策を求められて、「最終的には生活保護がある」と答弁する──。ようするに、“生活保護があるから支援策はいらない”と述べたのだ。

 この驚きの答弁には、午後の質疑で同じく立憲の蓮舫参院議員が「あんまりですよ、この答弁。生活保護に陥らせないためにするのが総理の仕事で、政治じゃないですか」と追及したのだが、またしても菅首相はこう述べたのだ。

「生活保護っていう言葉をさせていただきましたけど、自助・共助・公助、そのなかの話のなかであります

 本人にとっては釈明の答弁のつもりだったのかもしれないが、これ、逆にダメ押しだろう。

 蓮舫議員が指摘したように、生活保護は最後の手立てであって、その前に支援策を講じるのが政治の責任だ。しかも、2度目の緊急事態宣言を出さざるを得ない状況までコロナの感染拡大を招き、さらなる困窮者を生み出しているのは、菅首相が対応策を打ってこなかったせいだ。だからこそ、野党は第3次補正予算案の組み替えによって緊急の貸付制度などの充実や低所得子育て世帯への給付金、持続化給付金の延長、大学授業料への半額補助、アルバイト学生への収入補助などをおこなうよう要求してきた。

 こうした支援策が本来「公助」というものだが、その「公助」の提案を蹴って、菅首相は「生活保護がある」「生活保護とは公助のこと」と主張したのである。つまり、最終手段である生活保護しか、この国では「公助」はない、と言ったようなものだ


■自民党の生活保護バッシング、家族への「扶養照会」のせいで生活保護を申請しづらい状況に

 しかも、菅首相は生活保護を「最後のセーフティネット」と言うが、この国の生活保護制度はそのようには機能していない

 実際、本来ならば生活保護を利用すべき世帯のうち実際に利用している世帯の割合(捕捉率)は2〜3割程度にすぎない。その背景には、窓口に訪れた人に生活保護の申請をさせず追い返す「水際作戦」があるが、そこに追い打ちをかけたのが、自民党議員が煽動してきた生活保護バッシング。たとえば、2012年4月に持ち上がった次長課長・河本準一の親族が生活保護を受けていた問題では、違法なものでもなかったにもかかわらず、自民党の片山さつき参院議員や世耕弘成参院議員がメディアに登場しては河本の大バッシングを展開。同年1月には、札幌市で40代の姉妹が生活保護の相談に出向きながらも申請に至らず死亡するという痛ましい事件が起こっていたが、生活保護の重要性が訴えられるどころか、片山の主張と同じようにメディアも「不正受給許すまじ」バッシングに加担し、「生活保護は恥」などという空気を社会につくり出していった

 つまり、菅首相は「生活保護がある」「生活保護は公助」と言うが、その公助が受けられない、受けづらい状況を醸成したのは当の自民党なのである。

 さらに、そもそも捕捉率が低い状況なのに、このコロナ禍で生活困窮に陥っている人びとの多くが生活保護を受けられる状況にあっても申請をためらっている。その大きな原因となっているのが、家族への「扶養照会」だ

 生活保護法では生活保護より親族による扶養を優先しており、生活保護の申請をおこなうと、基本的に自治体は親族に連絡して援助できるか否かを尋ねる「扶養照会」をおこなう。これが大きな抵抗感を生んでおり、たとえば生活困窮者を支援する一般社団法人「つくろい東京ファンド」が、この年末年始に生活困窮者向け相談会の参加者を対象にしたアンケート調査をおこなったところ、「生活保護を利用していない理由」という質問に対して3人に1人が「家族に知られるのが嫌」と答えたという。

 しかも、この国では「扶養義務」の範囲が他国と比べても広いという特徴がある。本日おこなわれた参院予算委員会で質疑に立った共産党の小池晃参院議員によると、フランスやスウェーデン、イギリスは扶養義務の範囲は配偶者と子(未成年)で、ドイツはそこに子(成人)と親が含まれる。いずれも1親等の範囲だ。ところが、日本は兄弟姉妹や祖父母、孫という2親等、曾祖父母に曾孫、さらには家族が認めた場合は叔父・叔母、甥・姪という3親等までが範囲とされているのである。

 ようするに、これは「親や子どもに迷惑をかけたくない」「きょうだいに困窮していることを知られるのは恥ずかしい」といった感情を引き出して生活保護を諦めさせようとする「水際作戦」のひとつとして機能しているのだ。

 現に、田村憲久厚労相の答弁によると、「扶養照会」をした3.8万人のうち、金銭的な援助が可能と回答が得られた件数はわずか600件これでは手間暇をかけて嫌がらせをしているようなものだ


■ワイドショーは蓮舫批判一色だが、SNSでは菅の「生活保護がある」に非難殺到 「#もういらないだろ自民党」拡散

 一方、厚労省は昨年12月、生活保護の利用を促進するためHPに「生活保護を申請したい方へ」というページを新たに設け、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」という一文を明記した。このこと自体は意味のあることだが、しかし、このページには簡単にたどり着けない構造になっており、この重要なメッセージはほとんど国民に浸透していない。政府はマイナンバーカード普及のための「マイナポイント」の広報費として53億8000万円も計上してコロナ禍でもさんざんテレビCMを垂れ流していたが、むしろ「生活保護の申請は国民の権利です」というメッセージをいまこそ徹底的に広報すべきであり、ネックとなっている「扶養照会」を即刻見直すべきだ

 しかし、「最終的には生活保護がある」と言って支援策を否定した菅首相は、この「扶養照会」の見直しを求められても、信じられない答弁をおこなった。

 本日の参院予算委員会で小池議員は、扶養照会は法律上明記されていないため義務ではないことを確認した上で、「大臣が決断すればできる」として運用の見直しを迫り、菅首相にこう訴えた。

「総理は『最後のセーフティネットは生活保護だ』とおっしゃった。私は生活保護に行き着く前にいろんな手立てで支えなければいけないと思いますよ。でも『最後は生活保護だ』とまでおっしゃるのであれば、それを阻んでいる、ためらわせているものについて、こういうときに見直す必要があるんじゃないですか?

 だが、菅首相は答弁席に立つと、弛緩しきった声で“雇用調整助成金や小口の特例貸付などがある”と現行の支援策を挙げ、肝心の「扶養照会」の見直しについては、最後にこう述べただけだった。

「運営の仕方は所管大臣に当然委ねるわけですから、そのほうのなかで対応されるものだと思います」

 現行の支援策だけでは生活困窮者をまったく救えきれていないという現実が目の前にあるのに、それを無視した挙げ句、「生活保護がある」と言いながら、生活保護申請の足枷になっている問題も“俺は対応しない”責任を放棄したのだ。

 追加支援策という本来の「公助」もなく、菅政権下で唯一の「公助」だという生活保護さえまともな運用をおこなう気がまったくない──。生活保護バッシングの片棒を担いできたワイドショーは、蓮舫議員の追及に菅首相が「失礼ではないか」と言い返した場面ばかり取り上げ、「蓮舫議員は失礼すぎる」などと菅首相に同調しているが、ネットでは、菅首相の「最終的には生活保護がある」発言に、「#もういらないだろ自民党」というハッシュタグが拡散されている。

 ワイドショーはこんなくだらない話で菅擁護と野党叩きをする暇があったら、菅政権がいま生活困窮者を見殺しにしている問題こそ伝えるべきだ

(編集部)
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101290000045.html

コラム
政界地獄耳
2021年1月29日9時5分
「生活保護」は最後の命綱ではない

★首相・菅義偉の「自助・共助・公助」の考え方がやっとわかった。27日の参院予算委員会で定額給付金の給付について「予定はない」と冷たく言い放ってきた首相は野党の「収入を失い路頭に迷う人々、命を失った多数の人々に政府の政策は届いているのか」との問いに「雇用を守り暮らしをしっかり支えていく。できる限り対応したい」としたが、政策が届いているかの問いには「いろいろな見方がある。政府には最終的に生活保護があり、セーフティーネットを作っていくのが大事」とした。

★結局、この「最終的には生活保護がある」の先は知らないとも聞こえる発想は生活保護の制度や発想とも異なる冷たい新自由主義の弱者切り捨てではないか。生活保護は最後の命綱ではない。図らずも仕事や家を失う人はこの経済環境の中では特別なことではない。生活保護を受けることで、態勢を立て直し、新たな生活の下支えをすることでもある。そこから再度はいあがり新たな生活を築く人たちも多い。ただ頼るべき場所のない生活に困窮する人たちを一時的に保護し、社会に送り返す施策ではないのか。

★生活保護受給者は社会の脱落者や不適格者ではない。普通の市井の人たちが何かの拍子、今はコロナ禍で生活のリズムやサイクルが崩れ同じように会社が傾き、それに伴い家や生活が崩壊してしまう普通の人たちが多くいる。首相の考えでは最後の最後にギリギリの生活は国が面倒みるから問題ないだろうという発想だろうが、それはコロナ禍の政策にも色濃く見え隠れする。生活保護にはそのあと再び社会復帰する工程が含まれる。ところが、一度受給しようものなら社会の落ちこぼれという発想をやめてほしい。その再生の手助けを役立てる人とうまく受け止められない人がいたとしても政治は最後の1人まで、守り助ける努力をするものではないのか政治の仕事は暮らしを救い守ることだ。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284505

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
石原氏は無症状コロナ感染でも即入院…“道徳心”ぶっ壊れた
公開日:2021/01/29 06:00 更新日:2021/01/29 06:00

      (説明してください(C)日刊ゲンダイ)

多くの人が感染して、症状があっても入院できない中で、なぜすぐに入院ができたのかってことは、石原伸晃さん、テレビをご覧になっていると思うが、(入院できた理由を)明らかにされる必要はあると僕は思う」(玉川徹・テレビ朝日局員)

 これは1月25日、「羽鳥慎一モーニングショー」での玉川氏の発言。

 自民党の石原伸晃議員が新型コロナに感染し、無症状ながら不整脈という疾患を持っているので、病院に即入院できたことについて。玉ちゃんは「不公平感がある」ともいっていた。

 だよねぇ。多くの人が、この件についてはそう思ったんじゃなかろうか。だって、自宅待機を強いられ、大変な目に遭ったという方や、お亡くなりになったという方々の話も、今年に入ってたくさんニュースで観てきたもん。

 玉ちゃんは、PCR検査を徹底的にやり、「無症状の感染者を見つけて隔離するのが有効と実感されたと思う」とも語った。国会議員なんだから、退院したらそのことをアピールしろとも。

 そうだ! 石原議員は退院したら、まず自分が入院できた理由を説明、そのあとすぐ全国のPCR検査のさらなる拡大と、無症状な陽性者の隔離に向けて動き出せ。その動きによって、今回の件、許すかどうか決めっから。

 それにしても、この7、8年でこの国の道徳心みたいなものはぶっ壊れた

 3・11の東日本大震災のとき、一部の地域で水道が止まった。そこで水の配給に並ぶ人々の写真に、海外の人たちが、

「なんて行儀よく、日本人は素晴らしいんだ」

 そう絶賛したわけだけど、今、おなじことが起きたとして、みんなそうする?

 いや、この国の多く、みんなはそうするに違いない。けど、石原伸晃氏をはじめ自民党の面々がそうすっか? なんで彼らみたいなのがバッチつけて、我々の代表となるのかよくわからん。
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●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》

2020年03月11日 00時00分57秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020012302000130.html)。
レイバーネットの記事【「今日は一番言いにくい話をします」/双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0119shasin)。

 《この区切りの付け方はどうなのか。政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表した▼国が財源を保証している復興・創生期間が二一年三月で終了することを受けての判断だろう。政府にとって震災後十年というのはなるほど、キリの良い数字なのかもしれぬ。されど、その判断が被災地にはどう映るかが心配である。見放され、もはやあの震災は過去のものだと通告されているような気にさせられぬか》。
 《周囲には、双葉町民だということを一切明かさず生きている人もいる。そうすれば職場でも学校でいじめられることがないからだ。鵜沼さんは双葉町民であることを隠さず、テレビや新聞の取材にも応じてきた。いじめやオリンピックへの言及もしたがカットされ、だからこそこういう上映会が貴重なのだと、忙しい農作業の合間をぬって駆けつけてくれた》。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》

 まず、ᴍᴄちょろ@chorho_speakingさんのこのつぶやき(https://twitter.com/chorho_speaking/status/1232479588938207232)に貼られている映像(するめのよっちゃんver.2 沖縄は日本だ さん)をご覧ください。【【原発】菅総理に住民から怒りの声 福島の避難所(11/04/21)】(ANN news)(https://www.youtube.com/watch?v=FuXW2pq014I)。ブログ主は、涙が出て止まらなかった。

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https://twitter.com/chorho_speaking/status/1232479588938207232

ᴍᴄちょろ@chorho_speaking

2011年のテレビって、こんなでしたよ。

フリーダムです


するめのよっちゃんver.2 沖縄は日本だ さんによる
午前10:36 2020年2月26日
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 アベ様はこれまで何をやってきたのか? アベ様口癖の「悪夢のような旧民主党政権」…あらゆる意味で、悪夢のような最悪な政権はもはや明白です。

 何一つ解決せずに…《政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表》。東電・政府・原子力「寄生」委員会等は双葉町を「原状回復」してみせてよ!

   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》…
                 原状回復して見せたのか? 誰か責任は?

 石井宏昌記者による、東京新聞の記事【原発事故で自主避難の丹治さん「福島の復興はまだ先」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/202002/CK2020021202000144.html)によると、《東日本大震災から来月十一日で丸九年となるのを前に、高崎市で十一日、被災地への理解を深めようと市民団体主催の学習会があった。東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県に自主避難した丹治杉江さん(63)が苦悩する避難者や原発事故被災地の現状を報告。「東京五輪を機に政府は原発事故が終わったかのように強調するが、原発立地地域の復興はまだ先福島の現状を知ってほしい」と訴えた。(石井宏昌)》。

   『●カネ色の五つの輪: 「巨大なビジネスなのにボランティアは
             タダ働きっておかしいと思うのは、私だけ?」
   『●「アンダーコントロール」な訳がない…そもそもウソにウソを
       重ねて、金(カネ)色の五つの輪をニッポン誘致しておいて

 金(カネ)色の五つの輪、いったい、なにが復興五輪か?
 阿部岳さんによる、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]聖火は「聖」なのか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/541537)。《▼東京五輪のリレーは今月始まる。ここに来て、組織委員会が変なことを言い始めた。沿道から撮影した動画はSNSに投稿してはいけない、見つけたら削除を要請するという。ナチス時代にはなかった放映権ビジネスで、放送局に配慮した ▼しかし、競技会場と違って天下の公道は貸し切りではないし、入場の約束事もない。民間団体である組織委が通行人に指図する根拠は不明だ ▼大会の機運を高めるリレーも、商業主義が行き過ぎればスポンサー企業のためだけのイベントになる。ただでさえスポンサー枠で走者が決まり、発着点に営業所が選ばれている…▼出発点になる福島県には原発災害が終わったことにされる警戒感もある。日本でなぜか「聖火」と呼ばれるあの火は、外国語では単に「五輪の火」。過剰にありがたがっていると、大事なことを見落としそうだ。(阿部岳)》。

 東京新聞の記事【原電が断層データ書き換え 敦賀2号審査、規制委が批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020020701002648.html)によると、《原子力規制委員会は7日、原子炉建屋直下に活断層があると指摘されている日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査会合で、原電が提示した地質データに不適切な書き換えがあると指摘した。審査の根幹に関わる問題だとしてこの日の会合を打ち切った。問題となったのは原電が2012年に実施した掘削調査の記録。従来の資料では「未固結粘土状部」と記載していたが、7日の資料は「固結粘土状部」に変わっていた。会合で規制委は「元のデータの書き換えは絶対にやってはいけない。倫理上の問題だ」と批判。原電は、別の方法で詳細に観察した結果を踏まえ記載を修正したなどと弁解、陳謝した》。
 あ~ぁ、核発電「麻薬」中毒な皆さんはやることなすことがデタラメ…何が「世界一厳しい」安全基準か!  「推進」な「寄生」委員会にさへ指摘される始末…。

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…日本原電は
               東海第二原発の再稼働をしたいらしい…

 日刊ゲンダイの記事【“復興五輪”強調に怒り 福島県民「内閣支持率30%」の衝撃】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268223)によると、《安倍内閣を「支持する」は、前回の昨年9月調査から11・1ポイントも下落し、30・3%。逆に「支持しない」は、13・6ポイント増え、53・9%になり、支持と不支持が大逆転したのだ》。
 《700人から回答を得た》…まだ3割はアベ様の内閣を支持! 正気?

 レイバーネットの記事【共同声明 : オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0225hasegawa)によると、《2020東京オリンピックへ向けての聖火リレーが始まろうとしています。しかし、未曽有の原発被害の渦中にある私たちは、「オリンピックどころではない!」と言わざるを得ません。原発事故の被害者がどれだけ「復興五輪」を歓迎しているでしょうか。忘れもしません。2013年9月、ブエノスアイレスでの招致演説で安倍晋三首相はこう言ったのです。状況は、アンダーコントロール」「汚染水の影響は、港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」「健康問題については、今までも、現在も、将来も全く問題ありません」と。あれから6年。いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう。メルトダウンした核燃料は所在すらつかめていません。壊れたままの原子炉建屋には毎日百数十tの地下水が流れ込み、ALPS処理汚染水は溜まり続け、漁民や住民の意思を無視して海洋への放出が画策されています。(共同声明より)》
 な~にが「復興五輪」だ!

   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で
      計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?

 東京新聞の記事【女川原発2号機 正式適合 再稼働「地元同意」焦点に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020022702000154.html)によると、《原子力規制委員会は二十六日に定例会合を開き、東北電力が再稼働を目指す女川(おながわ)原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が、新規制基準を満たしているとする「審査書」を決定した。これで審査に正式適合した。適合は九原発十六基目となる。女川原発は東日本大震災の震源に最も近い原発で、地震と津波で大きな被害を受けた。被災原発の適合は日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)に続き二基目。再稼働は安全対策工事が完了する二〇二〇年度以降の見込み。今後は地元同意手続きが焦点となる。規制委の更田豊志委員長は記者会見で「震災の影響をきちんと確認した上で、(適合を判断した」と強調。審査結果を地元に説明する機会があれば、専門用語などを使わずに分かりやすく伝えられるよう準備する意向を示した。宮城県知事、女川町長、石巻市長はいずれも「議会の意見を聞いて判断する」などと述べ、再稼働への賛否を明らかにしなかった》。
 「地元」首長、こんなことを許していいのか? 3.11東電核発電人災を忘れたのか?

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
          なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》

 東京新聞の記事【<東日本大震災9年>双葉町 一部避難指示解除 駅周辺 帰還困難区域で初】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020030402000162.html)によると、《政府は四日、東京電力福島第一原発事故で福島県双葉町の全域に出ている避難指示を、駅周辺の帰還困難区域など一部で解除した。第一原発が立地する同町は避難指示が出た十一市町村で唯一、全域避難が続いていた。事故以来約九年ぶりに人の出入りが自由になり、復興は一歩前進した》。
 東電や政府は「原状回復」して見せたのですか? 何《歩前進》しないといけないのですか?

 桜を見る会には予算をつけて詐欺師までも招待し、政府の追悼式は止める。どんな神経か?

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●斎藤貴男さん【ジャパンライフと政界、マスコミ、警察の結託…
       腐った構造】《腐り切った構造は世代を超えて受け継がれ…》
   『●「桜を見る会」税金接待…《稲田氏や萩生田氏、世耕氏
     といった安倍首相の側近議員たちも…招待し、もてなしていた》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
         …関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020012302000130.html

【コラム】
筆洗
2020年1月23日

 <二千年終(おわ)る閂(かんぬき)真一文字>は俳人桂信子さんの句で二〇〇〇(平成十二)年末の作である。一九一四(大正三)年生まれで当時八十五歳。若くして夫を失い、戦争中も一人で生き抜いてこられた方である。阪神淡路大震災も経験した▼「二千年」とは桂さんにとって、そうした苦しさもあった過去そのものなのだろう。そこに区切りのかんぬきをかけ、前を向いていく。そんな決意が句にこもる▼強さやすがすがしさを感じるが、この区切りの付け方はどうなのか。政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表した▼国が財源を保証している復興・創生期間が二一年三月で終了することを受けての判断だろう。政府にとって震災後十年というのはなるほど、キリの良い数字なのかもしれぬ。されど、その判断が被災地にはどう映るかが心配である。見放され、もはやあの震災は過去のものだと通告されているような気にさせられぬか▼復興や再生が終わったとは決して言えまい。原発の問題も残る。なによりも、十年が経過しようが、被災地には癒えることのない悲しみがある。キリ、区切り、節目。そんなものは政府や被災地以外の言い分であって区切りの付けられぬ心の痛みが今なお続いている▼<震災十年終る閂真一文字>か。そのかんぬきをかける音は冷たい。
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http://www.labornetjp.org/news/2020/0119shasin

「今日は一番言いにくい話をします」/双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る

「今日は一番言いにくい話をします」〜双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る
堀切さとみ(『原発の町を追われて』制作者)

 1月19日、東京・高円寺のフリースペース「グレイン」で、『原発の町を追われて』上映会とトークが行われた。30人があつまり、双葉町から埼玉県加須市で避難生活をしている鵜沼久江さん(写真下)の話に聞き入った。

 「今日は一番言いにくい話をします。お金の話です」と鵜沼さん。「避難者は賠償金もらって、いい思いして」と言われているがとんでもない。われわれ双葉町民には『生活再建のためのお金』として一律100万円渡されました。世間ではもらったお金だと思われているみたいですが、借りてるだけそれも強制的な貸付なんですよ」。

 双葉町民には精神的慰謝料として、一人あたり一ヵ月10万円が振り込まれていた時期がある。このことがマスコミで報道されるや、避難者に対する世間の目は、同情からやっかみに変わった。避難先の小中学校で子どもたちはいじめにあい、働きに出た大人たちは「双葉の人間が来たから仕事がなくなった」と責められた。「だからといって、ひと月10万で生活なんてできません。私は避難先で必死になって野菜を作って売って来ましたが、『賠償金いっぱいもらってるのに、なんで働く必要があるんだ』と言われてきました。8年たった今もですよ」と鵜沼さんはいう。

 双葉町は、福島第一原発事故で今も全町避難を余儀なくされている唯一の町だ。この三月、ついに双葉駅を中心に、一部避難指示が解除される。それに伴い、東京五輪の聖火ランナーが双葉町を走ることも決まった(1月21日朝日新聞)。双葉駅はかつては止まらなかった特急が、止まる駅になるのだという。

 「福島第一原発は今も危険な状態にあります。昨年夏に一時帰宅した時、排気塔の撤去作業をしていたためか、付近の放射線量が上がりました。でも町民には何の説明もありません」。避難するのも避難解除するのも、上から勝手に決められてきた。復興再生計画もそうだ。津波で家が流された海沿いの地域は「水田再生ゾーン」になっている。そこに土地をもつ人は「こんなところでコメなんて作りたくない」という。それを見越して町は、福島県外の農業法人にコメ作りを委託している。国や県が決めたことに逆えば大変なことになるから、町長も町会議員も何も言わない。国が安全だといえば日本中が納得し、帰らないのがわがままと言われる。「だったら総理大臣が家族をつれて住んでみてよそうすれば本当に安全なんだって、国民に伝わるから」と鵜沼さんは笑う。

 会場から「どうなることが復興だと思いますか?」と質問が出た。「双葉町に帰って、農業したいんだという人がいる。じゃあ、あんたの息子は引き継いで農業やるのかって聞くと『俺の息子は帰らねえ』っていう。それじゃあ、何のために双葉で農業やるのか。次世代に引き継げない、あと十年やそこらの自分の満足のために帰るなんて。そのための除染費用を、東電が出すならいい。でもそうじゃなくて、皆さんの税金でしょ? 無駄に使わないでほしい」。

 「双葉町は地図からなくなるんじゃない?」。加須市に避難した当初からそう思っていたと鵜沼さんは言う。周囲には、双葉町民だということを一切明かさず生きている人もいる。そうすれば職場でも学校でいじめられることがないからだ。鵜沼さんは双葉町民であることを隠さず、テレビや新聞の取材にも応じてきた。いじめやオリンピックへの言及もしたがカットされ、だからこそこういう上映会が貴重なのだと、忙しい農作業の合間をぬって駆けつけてくれた。

 親戚や孫からは「もうテレビには出ないで」と言われるが怯まない。現実を話し続けること、それ以外に双葉町を存続させる手立てはないと、鵜沼さんは思っている。「お金をもらったからって黙り込んじゃダメ。やましいことでも何でもない」。双葉町民へのメッセージだ。

2020-01-22 16:02:25
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●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》

2020年01月19日 00時00分41秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



レイバーネットのコラム【木下昌明の映画の部屋 第261回 : ケン・ローチ監督『家族を想うとき』 労働は人間をダメにする】(http://www.labornetjp.org/news/2019/eiga261)。

 《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない。では、見なければいいかというと、いや、だからこそ見てほしいといいたい》。

   『●竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。
             …ニーメラーの警告を無視してはいけない》
    「レイバーネットの土屋トカチさんの記事【ニーメラーの警告を無視
     してはいけない〜「関西生コンを支援する会」結成される】」

   『●『ダンダリン 労働基準監督官』…「世界中の人間が
     「白」だと言っても、カラスはやっぱり「黒い」です」!
    《著者はこの『ダンダリン 労働基準監督官』に始まり、ドラマ、
     コミック、映画などから、セリフを取り出して、その意味を
     際立たせる術を心得ている。コミック『逃げるは恥だが役にたつ
     (海野つなみ)、『しんきらり』(やまだ紫)、
     映画『サンドラの週末』(ダルデンヌ兄弟)、
     『わたしはダニエル・ブレイク』(ケン・ローチ)などいくつもの
     作品から、労働をめぐる言葉だけでなく、ジェンダー、さらに政治を
     めぐる「呪いの言葉」の所在を指摘し、著者はそれを解いていく
     しかも呪いに閉じ込められない「湧き水の言葉」も見つけ出して
     くれる。読んでいくうちに「あっ、そんな言葉があったのか」
     と新しい発見がある。読むものを励まし、解き放ってくれる言葉に
     出会うことができる

 《よく「労働は人間を育てる」といわれるが、逆に労働は人間をダメにすることもあるのだ。それが個人事業主のシステムであるグローバル経済のもと、働くものはもの言えぬ奇怪な道具と化す》…なるほど。「働くとは何か」について、いろいろと考えさせられる映画のようだ。

   『●働くとは何か? 生業とは?
   『●「報われない国」の労働環境の「質」の劣化
   『●働くとは何か? 死ぬために働く……
   『●「利益率の向上」だけのために働かされる……
   『●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」
   『●「長時間労働を前提にした企業文化」… 
     ニッポンの哀しい「文化」…働くとは何か? 生業とは?
   『●働くとは何か?: 「社員は「定額使い放題」へ」
   『●「残業代ゼロ法案」: お零れが滴り落ちてくるどころか、
               対象が下へ下へと『トリクルダウン』
   『●アベ様の「「岩盤規制に穴を開ける」「大改革」なる言葉に
         もう騙されてはいけない」…何度騙されりゃぁ…

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http://www.labornetjp.org/news/2019/eiga261

木下昌明の映画の部屋 第261回 : ケン・ローチ監督『家族を想うとき』

木下昌明の映画の部屋 第261回 ケン・ローチ監督『家族を想うとき』
労働は人間をダメにする

     (*主人公のリッキー photo: Joss Barratt, Sixteen Films 2019)

 ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない。では、見なければいいかというと、いや、だからこそ見てほしいといいたい。

 舞台はイギリスの地方都市。そこで賃貸ぐらしをしている4人家族の物語である。主人公のリッキーは40代で、いままで建築の仕事に携わってきたが、マイホームを持とうと一念発起して宅配ドライバーとなるところからはじまる。ここではグローバル経済によって労働のあり方が大きく変わったことが問われている。

 それは、リッキーが現場を取り仕切るマロニーという男と面接しているトップシーンによく表れている。マロニーは背が高くがつしりした体駆で、おにぎりのような頭をしている。この俳優は現役の警官だそうだが、ぴったりの感じだ。そのかれが「うちはオーナー制で雇用関係はなく、タイムカードもなく、収入は給料でなく運送料である。勝つも負けるも自分次第だ」と言う。これを聞いてリッキーは「長い間このチャンスを待っていた」と意気ごむ。「車はレンタルか自分の車か」と問われ、リッキーは車を持つ決断をする。これによってかれは「個人事業主」となる。会社の従業員で組合があれば、労働法によって保証(保護)されるが、そういったものは一切なく、事故が起きればすべて自己責任にさせられ、弁償しなければならないし、不意の用事でも代わりを探さなければ罰金を取られる。

 面接のあと、リッキーはマイホームを手に入れようと、いやがる妻のアビーを説得して彼女の車を配送車に買い換える。アビーは在宅介護が仕事なので1日6、7人の介護に走りまわっている。車なしでは待合所でバス待ちしたり、てくてく坂道を歩いたり、バス代も自腹。そのうえ2時間の休憩を挟んで夜9時まで働くので、息子のセブや娘のライザには携帯であれこれ指示する。映画は、わたしたちの日常と同じように労働とそのための生活ばかりが描かれている。

     (*マロニー(右)とリッキー photo: Joss Barratt, Sixteen Films 2019)

 映画の核となるのは集配所。そこでドライバーたちが、担当地域ごとに振りわけた荷物をチェックして荷台につんでいくのだが、その前にマロニーが各人にスキャナーを手渡していく。かれは集配所をしきっていて、リッキーにも「これが心臓部で、スキャナーというんだ」と携帯の倍近くある機器を手渡す。それは荷物のチェックばかりか、配達先へのルートも教えてくれるGPS付きなんだそうだ。それによって効率よく宅配できる半面、ドライバーはいまどこで何しているか、サボっているかその行動が逐一監視されて自由がないし、自分の車なのに自分の車ではないさまざまな制約に縛られる。それに壊したり紛失したら弁償金を払わなければならないのだ。

 ローチは、このスキャナーと、リッキーが息子セブから取り上げた携帯とを、いまという時代の便利な道具の問題として重ねてみせる。アビーはリッキーを非難して「セブにとって携帯は命も同然なのよ」と。携帯のなかには宿題から写真から友達から、何もかも入っていて、セブの「命」なのだということが、わたしもアビーのセリフで納得できた。

 わたしは日ごろ電車の申で携帯に囚(とら)われている若者(最近は老人も増えた)を苦々しくながめていた。しかし、この場面をみて、そうなのか、と反省もした。その意味では、スキャナー自体を労働者の首を絞める道具と断じるわけにはいかなかった。科学技術の発達によるプラス面もあるからだ。といってこれでよしとするわけにはいかない。それでは経営者側の思うツボでしかなく「便利さは何のため誰のためなのか。一つ一つ問題をはっきりさせて、これを働くもののための道具に変えていかなければならない。そのための発想の転換が大切となる。まずは労働者を「個人事業主」にしたてたシステムを労働法に基づいた、労働者の生きる権利に立って変えていくことである。そのために働くものは尊厳ある労働の理念を自らのものとするよう学ぶこと――それにはマロニーにやりこめられているリッキーの携帯を横合いからとって、大勢の人がいるなかで大声で「一日14時聞、一週間6日、お宅で働かせておいてどこが自営なのよ」と胸のすくアビーのようなタンカからはじめることだ。これが第一歩となる。

 といって、それで事態が変わるものではない。ただ本人の意識が変わるだけである。しかし、そこからものの見方が変わってくる

 わたしは土屋トカチのドキュメンタリー『アリ地獄天国』を思い出す。ここでは一人の青年が車両事故を起こして会社から弁償金を要求された。青年は個人事業主でなく、会社の従業員であるが、それでも組合がなくてはたたかえないので、1人でも入れる組合に参加して、会社に自らの主張を貫いて勝利をかちとった。このケースをみると、働くものはまず組合に入ることがいかに大切かが教えられる。それによってはじめて会社と対抗できるからだ。それでなければ、いいようにこき使われて放り出されるだけだ。個人事業主もしかり。かれは裸にされた“労働者”でしかない

 よく「労働は人間を育てる」といわれるが、逆に労働は人間をダメにすることもあるのだ。それが個人事業主のシステムであるグローバル経済のもと、働くものはもの言えぬ奇怪な道具と化す

 この映画のリッキーは、本人がそれと知らずに「仕事だ、仕事だ」と必死になればなるほどダメにさせられていく。観客はそれをハラハラしながらみることになるが――それはあなたなのだ。ローチのすごいところは、このリッキーの救いのない現実を冷徹にみすえて描いてみせたところにある。よく観察するといい。

 しかし、ローチよ、そこからさらに踏みこんで、リッキーのような労働者がどうすれば人間としての尊厳を勝ちとることができるか――次の作品で模索してほしい、と願うのはわたしだけではあるまい。83歳、まだまだ安楽椅子に腰かけてパイプをふかすには早い。

〔追記〕これは『月刊東京』12月号より転載したものです。転載にあたって大幅にカットしました。

→「レイバーネットTV」でも木下さんはこの映画を取り上げています。こちら(動画)

Last modified on 2019-12-23 19:56:41
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【レイバーネットTV第145号 : この「働き方」おかしくない?〜名ばかり「事業主」の現実】
https://www.youtube.com/watch?v=qvjqNdJcMG0&feature=youtu.be&t=666

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●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》

2019年03月11日 00時00分04秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【私が見た「平成」/前双葉町長が語る 地震当日夜9時に東電社員とその家族は…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/244158)。

 《井戸川克隆さん(72)は、当時の双葉町長。…実は、後で分かったことですが、11日の夜9時すぎには、東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残っていなかった。いち早く社宅を出て、役場にいた社員も黙って消え去りましたそういう会社ですよ、東電は。現在、どこかで何食わぬ顔をして生きているんでしょうけど、ひどい話ですッ…“町長、限界ですよ”と。官邸や東電からは断片的な情報しか入らず、唯一警察官からもたらされたひと言が命を守る情報でした》。

   『●言葉が見つかりません・・・
    「須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の
     出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。
     遺族によると、男性は原発事故後福島の百姓は終わりだ」と話していたという」。

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』: 
         「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」
          『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」: 
         東京電力原発人災と自殺には因果関係あり
   『●「原発さえなければ…」: それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」
                  ・・・・・・いま、その〝少年〟は?

   『●消えゆく「事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの」
              ~「原子力 破滅 未来のエネルギー」~

   『●「東京電力が、飛散した放射性物質について…
          「無主物」だと主張」…「その無責任さに衝撃」
   『●東京電力原発人災4年目のアベ様の酷い記者会見:
         情報公開、信頼関係、オンカロ、将来的、自立、除染

   『●原発PR看板撤去=「間違った過去と向き合わない行為」
                ・・・「人間の愚かさ」にさらなる恥の上塗り
   『●双葉町長「(原発PR看板)復興した時に 
      あらためて復元、展示したい」…それは『X年後』の何年後?
   『●「故郷の川に身を投げたい衝動に駆られた」
       「早く浪江に帰りたい」…「原状回復」することも無く…
   『●今頃ようやく福島第二原発の廃炉を決断、
      一方、「あとは野となれ山となれ」な玄海原発4号機の再稼働…
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
                 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    「リテラの鈴木耕さんのコラム【言葉の海へ/第48回:九電の
     太陽光発電遮断から見えたこと】」

   『●「これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…
             でもって今、東電は巨大な利益を上げている…」
   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎした
      ゲス・ヒトデナシな詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●大沼「少年」の《事故を思い出して原発を議論する
      きっかけになるもの》を撤去し…いま、政治的と言われ…

 東京電力核発電人災から8年…。《11日の夜9時すぎには、東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残っていなかった。いち早く社宅を出て、役場にいた社員も黙って消え去りましたそういう会社ですよ、東電は》。でっ、いまや東京電力は…《これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…でもって今、東電は巨大な利益を上げている…》。
 東京電力の誰一人「責任」を取らない無責任ぶり。(絶対に不可能だからこそ、すぐさま核発電から脱するべきだというのに…)双葉町やその他の街を「原状回復」してみせよ!、出来るものなら…。
 東京電力核発電人災から8年、何の解決にも至らなかった8年。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」… 
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/244158

私が見た「平成」
前双葉町長が語る 地震当日夜9時に東電社員とその家族は…
2018/12/21 06:00

     (前双葉町長の井戸川克隆さん、福島被曝訴訟で國と東電を
      相手に奮闘中(C)日刊ゲンダイ)

■平成23年3月11日 福島第一原発事故

 東日本大震災が発生した2011(平成23)年3月11日午後2時46分。震度6を超える大地震による津波は、福島県双葉町大熊町にある東京電力福島第1原子力発電所に襲い掛かった。その直後、おぞましい原発事故が発生した。井戸川克隆さん(72)は、当時の双葉町長。いま、静かにあの日を振り返る。

 地震発生時、井戸川さんは隣町の町村会館の駐車場に止めた車中にいた。

 「グラグラッ。地震だ!あまりの強い揺れに、私はハンドルにしがみつくしかなかった。体が浮き沈みするような、今まで経験がない揺れでした。これは、もうダメだ。原発は大丈夫か。短時間にさまざまなことが頭をよぎりました。なぜか、菅総理も頭に浮かんできて、不安になった。あとは、早く収まってくれ――。その一心でした」

 揺れが収まると、井戸川さんは双葉町役場に車を走らせた。国道6号が混み始めていたため、とっさに信号が少ない“浜街道”と呼ばれる裏道にハンドルを切る。

 「ラジオから、3メートルの大津波警報が流れてきました。ですが、道路はあちこち陥没してるし、下水道管は飛び出していてスピードが出せない。通常30分で帰れるところを1時間以上かかって、役場に着いたのは午後4時ごろ。実はこの道は間もなく津波で流されたんです。

 役場の中は書類やファイルがことごとくひっくり返って、職員たちは呆然とたたずんでました。4階建ての庁舎を1階から被害状況を確認しながら最上階の議会議場にたどり着いた。と、東側の窓の前で10人ほどの職員が、声にもならない声を上げていました。津波が迫ってたんです。庁舎と海の間にあったはずの松林が水没して消え、庁舎に近い集落2カ所も海の中に。ショックで言葉もありませんでした」

 11日の夜は避難所支援などに徹夜で対応する。そして翌早朝、政府からの避難指示が出る。井戸川さんが防災無線のマイクの前に立ったのは12日午前5時44分のことだ。

 「第一声は、“町民の皆さん、ただ今、福島第1原発で地震による事故が発生しました”でした。官邸から海岸から半径10キロ以内に避難指示が出されたので、町民に“急いで避難してください。避難先は川俣町です”と呼びかけた。ですが、絶望感と悔しさで涙が出てきて声が詰まってしまった。双葉町のほぼ全域が10キロ圏でしたから……。

 実は、後で分かったことですが、11日の夜9時すぎには、東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残っていなかったいち早く社宅を出て、役場にいた社員も黙って消え去りましたそういう会社ですよ、東電は現在、どこかで何食わぬ顔をして生きているんでしょうけど、ひどい話ですッ

 3月12日の昼。役場の南側の窓に設置していた線量計の針が振り切れたという。1号機のベント放出があった時刻だ。

 「役場に頭から足まで隠した真っ白のフル装備の警察官が近寄ってきて、私に耳打ちしました。“町長、限界ですよと。官邸や東電からは断片的な情報しか入らず、唯一警察官からもたらされたひと言が命を守る情報でした。私は6人の職員と一緒に、12日午後2時をもって最終退避命令を出したんです。そして、午後3時36分。私は双葉町福祉施設がある現場で、忌まわしい光景を目にしたんです。

 まず、ド~ンという地響きのような音1号機の爆発音でした。その4、5分後に空からぼたん雪のようなフワフワした断熱材が静かに駐車場に舞い降りた。警察官や自衛隊員、バスの運転手ら約300人が見たんですよ。あの時、“これで死ぬなって思いました

 この情報は政府も県も無視官邸は原発事故後、ただちに影響はないとも発表。井戸川さんたちの声はかき消された。

 19日、井戸川さんは双葉町民約1200人を引き連れ、川俣町からさいたまスーパーアリーナに避難。バス40台での移動は歴史的な避難行動だった。
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●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》…原状回復して見せたのか? 誰か責任は?

2019年03月09日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の安田英昭記者によるコラム【【私説・論説室から】失われた古里】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019022002000156.html)と、
井上能行記者によるコラム【【私説・論説室から】福島の声に耳を傾けて】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019022502000136.html)。

 《エネルギー資源を求めた戦争のあげくに広島、長崎を経験し、その原子エネルギーを資源にと試みて大切な古里を失った》。
 《住民らは二〇一六年に記録誌「もどれない故郷 ながどろ」を出版した…杉下さんは原発事故のせいとも、放射能のせいとも語っていないが、故郷を離れ、避難生活を送ることの厳しさを感じた》。

   ●「怒りの塊…袋の数は九百万超。黒い袋が
        そこかしこに墳墓のごとく積み上げられている異様さ」(筆洗)
   『●核発電《ゼロへ》でなければならない…
     「心に刻まれたのは「あまりにも罪深い」という強い痛みだった」
    《豊田直巳さん…豊かだったふるさとを失った村人の苦悩、
     それでもふるさとを愛し、懸命に生きる村人の希望である》。
    《東日本大震災から七年。原発事故の現場、時間が止まったままの
     帰還困難区域を取材して心に刻まれたのは「あまりにも罪深い
     という強い痛みだった》。
    「「《本来は恵みをもたらす田畑の土》、その内在的価値も含めて、
     東電は完全に補償し、原状回復して見せたのか?
     核発電「麻薬」中毒患者のうち、誰か一人でも責任をとったのか?」 
     失われた内在的価値は計り知れない。核発電「麻薬」中毒患者
     皆さんは《「あまりにも罪深いという強い痛み》…なんて感じることも
     ないのだろう。即刻、全て廃炉へ…
     それしかないはずだというのに、アベ様らときたら…」

 《失われた古里》、《もどれない故郷》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》…原状回復して見せたのか? 誰か一人でも責任をとったのか?
 それでも経済産業省は核発電の《維持推進を掲げる》…東京電力核発電人災から8年なのに、この体たらくだ。核発電「麻薬」中毒患者達は、経済性から核発電輸出からは撤退しようとしているが、(経済性の論理矛盾も甚だしいけれども)国内では、核発電所を再稼働し、新規建設をしたくてしょうがない訳だ。3.11の核発電人災の反省など一切なし。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」… 
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年:
     「村の生活は百年余りにわたり、人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019022002000156.html

【私説・論説室から】
失われた古里
2019年2月20日

 福島の大事故からまもなく八年。次の扉を開こうとする音かもしれない-と耳をそばだてた発言が経済人から続いた。

 一人は原発メーカー日立製作所の会長でもある中西宏明経団連会長。

 「国民が反対するものはつくれない

 「全員が反対するものを…無理やりにつくるということは、民主国家ではない

 年初のインタビューでそう述べて原発、エネルギー政策に国民的な討論を求めた。

 そして経済同友会小林喜光代表幹事の二月初めの記者会見。

 「あの時点からテクノロジー、経済性という意味で相当変化してきた。(原発の発電コストは)一キロワット五円などといわれたが、気が付いてみると十円を超えている。一方で太陽光は十円以下という国もある」

 「原子力を使わないにしろ、原子炉は四十基以上ある。廃炉産業は人類にとって重要で、次の産業として成り立つ

 エネルギー資源を求めた戦争のあげくに広島、長崎を経験し、その原子エネルギーを資源にと試みて大切な古里を失った

 あれから八年。デジタル革命で世界は未知の領域にある。多くの国民が反対する原発に拘泥して次の扉を開けなければ、産業も経済も立ちゆかなくなる。二人の発言は局面変化の証しと思いたい。もしそうなら、脱原発はそこまできているのかもしれない。(安田英昭
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019022502000136.html

【私説・論説室から】
福島の声に耳を傾けて
2019年2月25日

 阿武隈山地の中にある福島県飯舘村。日本で最も美しい村連合にも入っている自然豊かな村だ。東日本大震災後、福島県で勤務し、何度も訪ねた。

 観光地でよく見る撮影スポットを示す標識はない。「村全体が美しいから」と元村民に聞いたことがある。全村避難だったので、夜は暗かった。冬空に数え切れない星がまたたいているのに気付いたときは、車から出て寒さも忘れて見とれた。

 一昨年から帰還が始まった。だが、福島第一原発にもっとも近い長泥地区は帰還困難区域で、帰村がかなわない

 住民らは二〇一六年に記録誌「もどれない故郷 ながどろ」を出版した。先日、久しぶりに手に取った。「福島は語る」という映画を見たからだ。土井敏邦監督が福島県民ら十四人にインタビューした記録映画である。そこに杉下初男さんが出ていた。

 杉下さんは石材業を営み、本の中では、飯舘の白御影石は安くて色がブルーなので東京で人気だった、と書いてある。映画で杉下家の本当の悲劇は、事故の何年も後だったと知った。杉下さんは原発事故のせいとも、放射能のせいとも語っていないが、故郷を離れ、避難生活を送ることの厳しさを感じた。

 三月二日から新宿K’s cinemaで、九日から渋谷ユーロスペースと横浜シネマジャック&ベティで上映の予定。 (井上能行
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●「これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…でもって今、東電は巨大な利益を上げている…」

2018年11月24日 00時00分31秒 | Weblog


週刊朝日のコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/東電に8兆円超も税金投入…政府や電力会社がおかしい!】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241745)。

 《知ってた? これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入されていたって。…事故を起こした福島第1原発は、いまだもってどうにもなっていない。今後、いくらかかるんだ? でもって今、東電は巨大な利益を上げているそうだおかしくない?》。

   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」

   『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒト
    《結果は大丈夫だったが、海水注入を中断していれば再臨界が起こる
     可能性があり、このネタが本物なら菅首相はすでに辞任していたかも
     知れない。自民党、安倍元首相の背後には原発を今後も推進したい
     経産省が付いており、この谷垣総裁質問の本質は、菅降ろしのための
     「原発クーデータ」計画
だったといっていいだろう》

   『●「メルマガ事件」東京地裁判決、アベ様の
     「息吐く様に嘘つく」典型例が無罪に、そして、はしゃぐメディア
    《数々の「ニセ情報」を発信して政策を捩じ曲げ、「捏造」によって
     「日本の名誉」を傷つけてきたのは、むしろ安倍首相ご本人》
    《メディア報道や他人の発言を「捏造」「でっち上げ」
     「ウソをばらまいた」と声高に批判する安倍だが、その安倍こそが
     過去に数々のニセ情報を捏造し、発信し、大ウソを拡散させてきた》

   『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒトは、 
           いま、熊本大分大地震に際して何をしている?
   『●鈴木耕さん、核発電人災等々々々々々…
       「自民党内閣だったら解決できただろうか。とてもそうは思えない」
    「同感。そして、例えば、核発電人災で誰か一人でも自民党議員が
     責任をとったという話を聞いたことが無い。デマまで流して
     (アベ様による「メルマガ事件」)、当時の政権に責任を押し付ける、
     しかも、それを司法までが助ける」

   『●「安倍ちゃん…○○の象徴じゃない?…あれぐらいのさ、
            ■■な人じゃないと、多分あんなことやれない…」
    「マツコ・デラックスさん、すばらしい。…《インスタとかSNSっていうのは、
     ようはああいうのって、ものすごい操作できるってこと》…本当に。
     直ぐさま、《菅降ろしのための「原発クーデータ」計画》アベ様の
     デマメルマガ事件を思い出した。《都合のいい》ことの羅列に
     終始するに決まっていますね、アベ様のインスタ。《安倍首相のほうこそ
     いたるところで見境なくデマを乱発してきた自らのイメージ向上や
     政策ゴリ押しのために「デマ拡散装置」として利用してきた実績》がある訳
     ですし。息吐く様に噓をつく

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

 《これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…でもって今、東電は巨大な利益を上げている》ってさ。フザケ過ぎ。100万回倒産していてもおかしくない東京電力が。
 そして、原状回復して見せることもなく、誰一人責任を取らない。現与党の誰かが責任を取ったか? 小泉純一郎氏は「転進」したようですが、自民党の誰かに責任を取らせた、ということを聞いたことがない。当時の菅直人首相をスケープゴートに「無罪」気取りな現首相アベ様なんて、本当は「戦犯」でしょ? 無責任に反省無しどころか、核発電所再稼働や核発電輸出という世界の潮流に逆らうドアホウぶり。九電なんて、核発電所がブラックアウトしないように、太陽光発電を遮断する始末。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」… 
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                  人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●アベ様が「原発再稼働、進める方針を明言」
               ……世界に向けて「恥」を発信

     「…ずかしいー! 「安定的で安いエネルギー」なんてまだ言ってるし!!
      ドイツに行って何見てきたんだ? おまけに、「世界のどこにも
      劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発」って、
      よく言えたものだ。逆に、3.11以前はそのレベルではなく、
      「想定不適当事故」などを許してきた自民党の責任
      一体どうするつもりなのか。」

   『●今頃ようやく福島第二原発の廃炉を決断、
      一方、「あとは野となれ山となれ」な玄海原発4号機の再稼働…
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
                 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    「リテラの鈴木耕さんのコラム【言葉の海へ/第48回:九電の
     太陽光発電遮断から見えたこと】」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241745

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
東電に8兆円超も税金投入…政府や電力会社がおかしい!
2018/11/16 06:00

     (世耕経産相(右)との会談に臨む東京電力の小早川智明社長/
      (C)共同通信社)

「~前略~ 彼ら(電力会社)は原発は安全で安いと言った だから、重要なベースロード電源になった ところがそうなった途端、原発はコスト負担が大きいから、政府が責任を分担しろと言い出した 政府は言いなりになった」(古賀茂明

 これは12日の古賀茂明さんのTwitterの言葉。TwitterにはAERAdot.の彼の連載コラム「大問題の原子力損害賠償法改正案を国会でこのまま通してはいけない」が貼り付けられていた。政府や電力会社がいかにおかしいことをいっているか、詳しく知りたい方はぜひそちらを読んでみて。

 知ってた? これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入されていたって。

 事故後、国が東電にカネを出していたのは知っていたが、そこまで膨らんでいるとは知らなかった。

 事故を起こした福島第1原発は、いまだもってどうにもなっていない。今後、いくらかかるんだ?
 でもって今、東電は巨大な利益を上げているそうだおかしくない?

   「異常に巨大な天災地変」と「社会的動乱」、その2つが起きたときには、
    法律で会社が責任を負わなくてもいいことになっているらしい。
    1200億円までは国が補填するんだって。

 でも、事故が起きたら、そんな金額じゃまったく足りん。だから、電力会社はもっと大きな保険に入るべきなんだけど……。

 電力会社は十分な保険に入ろうとしない。たぶん、掛け金がべらぼうだから。

 そのことについて、古賀さんは言う。原発がほんとに安全なら、保険料はたいして高くならないはずだ、と。十分な保険に入ら(れ)ないのは、原発は安くて安全というのは嘘だってこと

 なのに、その理由から、国は原発を「重要なベースロード電源」とした。バカなんか、グルなんか? 古賀さんのコラム読むと、後者だわいな。
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