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●東電原発人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさ…避難計画一つとっても無茶苦茶な上、アノ東電にアノ柏崎刈羽原発を再稼働?

2024年07月08日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年06月11日[火])
3.11東京電力核発電人災の教訓」も能登半島地震警告」も無視する愚かさよ。避難計画一つとっても、無茶苦茶。アノ東電に、アノ柏崎刈羽核発電所を再稼働って、正気ですか? 特に、《立地する柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き》だそうだが、正気か? 

   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
         …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚
   『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されて
     いてよかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外

 《首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する》前に、皆で、《避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求》(古賀茂明さん)しましょう。《実際には審査されていないからだ。国民は「えっ? 避難計画は規制委の審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる。だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない》からです。えっ、原子力「規制」委員会は核発電「寄生」委員会なので、「規制」するつもりはないし、「審査」する法的な建てつけになっていない? 「利権」「裏金」「脱税」党の国会議員の犯罪や不法は許し、こういう時だけ「法」を持ち出すのね? いい加減にしてほしい。とっくに法治主義国家ではなくなり、人治主義国家に堕ちています

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの
     強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きていることを示す。
     そのうえで、「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね
     と質問すると、社長たちは、答えに窮する。なぜなら、住友林業、
     三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発
     650ガル高浜原発700ガル日本の原発の耐震性は非常に低い
     からだ。
      国民の多くは、原発は民間住宅の何倍も頑丈に作られている
     と信じている。…三つ目に、避難計画の万全性を担保する
     ために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には
     審査されていないからだ。国民は「えっ?避難計画は規制委の
     審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる
     だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない

 渡辺聖子大野孝志荒井六貴記者による、3回シリーズの東京新聞の記事。
 前編【「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221)。《住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う前編 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)》。
 中編【「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編 「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定前に進めていきたい」 伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける》。
 後編【1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編 扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ》、《◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221

「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
2024年6月8日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う前編

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)

     (津波警報で高台に避難してきた人たちの車が連なった
      =1月1日、新潟県柏崎市(佐藤正典さん提供))


◆1993年以来の津波警報 鳴り響くサイレン

 ウーッという低い音が、2時間以上にわたり鳴り続けた。東京電力柏崎刈羽原発のお膝元の新潟県柏崎市は、元日の能登半島地震で最大震度5強の揺れに襲われた。市内では1993年以来の津波警報が発令され、沿岸部の防災行政無線のスピーカーからサイレンが響いた

 正月ののんびりした雰囲気は一変。海から離れた幹線道路の国道8号や、北陸自動車道につながる別の国道が避難の車で大渋滞した。ガソリンスタンドには長い列もできた。市の担当者は「海から離れようと山側へ向かった人がいたことに加え、内陸側の人も同時に避難したことが要因」と説明する。

     (柏崎刈羽原発(資料写真))

 一部の車は高台の住宅団地にも集まり、避難場所ではない道路で路上駐車の列ができた。市議の佐藤正典さん(58)は「何十台も止まり、警報の解除を待っていた」と振り返る。そして、脳裏によぎったのは原発だった。「地震と同時に原発事故も起きていたら、計画通りの避難ができただろうか


◆「2段階避難なんてできない」

 避難計画では、原発で重大事故が起きた場合、5キロ圏内の住民は即時避難する。5〜30キロ圏内は放射性物質を避けるために建物内で待機し、放射線量が上昇すれば避難に移る。移動には車を使い、30キロ圏外の避難所に向かうことになる。

 ただ、想定通りに進む保証はない。柏崎刈羽の再稼働反対運動に取り組む刈羽村の高桑千恵さん(78)は「5キロ圏の人が逃げているのを見たら、30キロ圏の人も逃げずにはいられない。元日よりすごい渋滞が起きるはず2段階避難なんてできない避難計画は人の心を分かっていない」と懸念する。

 新潟県は2021年、地震や大雪などが重なったケースを想定し、30キロ圏内に住む40万人超全員が圏外に脱出するためのシミュレーションを示した。最長で6日半かかる結果だった


◆除雪が終わって通行できる状態を仮定

 これは、地震による道路寸断などで北陸道と国道8号が使えなくなるケースだ。避難指示が出されても、渋滞のために約4日間は自宅に待機し、2日間ほど車内にとどまる必要があるとしている。

 過酷にも見えるが、前提が「甘い」という指摘がある。例えば、大雪を想定しながらも、事故発生時には除雪が終わって通行できる状態を仮定している。県防災局の飯吉栄輔・原子力安全調整監は「問題意識は持っている」と話す。

 2011年の東京電力福島第1原発事故は、想定を超える事態が実際に起きることを突きつけた。それなのに、事故への備えは今も、甘さが残ったままだ

 柏崎刈羽が再稼働すれば、電気は首都圏に供給される。高桑さんは「避難訓練に参加してみると、計画は絵に描いた餅にすぎず、住民の被ばくにも無神経だと分かる」と指摘した上で、こう訴える。「首都圏の電力のために、地元住民は事故の不安と背中合わせになっている人ごとではないことを知っていますか


 避難計画 原発から30キロ圏内の自治体に策定が義務付けられている。東京電力福島第1原発事故前は8〜10キロ圏内だったが、被害が広範囲に及んだことを踏まえ拡大した。避難先やルート、交通手段、甲状腺被ばくを抑えるヨウ素剤の配布など、住民や関係機関が取る行動を記載。最終的には、首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する


【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
【関連記事】能登半島地震で原発は「警戒事態」だった…政府と自治体の対応を振り返る 指針に書かれた「避難の準備」は
【関連記事】珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398

「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
2024年6月9日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編

 「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定し前に進めていきたい

     (伊藤信太郎原子力防災担当相兼環境相)

 伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける。

 だが国の思惑とは裏腹に、花角知事は面会で別の要求もした。能登半島地震の教訓から屋内退避を前提とすることに疑問を投げかけ、見直すよう求めた。地震や津波の複合災害が起きれば、家屋倒壊のほか電気や水などライフラインが止まり、家にとどまれない家にとどまれないその現実を突き付けたのが、能登半島地震だった


 屋内退避 原発で深刻な事故が起きた際、原発から5〜30キロ圏内は避難の前段階として放射線による被ばくを避けるため、自宅や避難所で待機。空間放射線量が上昇すれば、避難する。目安は1時間当たり20マイクロシーベルト原子力規制委員会が示す原子力災害対策指針に基づく。規制委は4月から、屋内退避の具体的な期間などの検討を始めた。


 柏崎刈羽周辺で特有の大雪が降った場合も同様だ。原発5キロ圏の住民は深刻な事故が起きれば即時避難が原則だが、雪で移動が難しい場合は自宅などで屋内退避してもらう方針を内閣府が示す。だが、雪での屋内退避もライフラインが途絶えれば現実的に難しい。


◆「救助に来てもらえるのか」「冬季は原発を運転しないで」

 原発から北におよそ2キロ、日本海の波打ち際から10メートル程度の柏崎市の宮川地区でも、能登半島地震で津波警報が発令された。住民らは自宅を脱出し海抜約25メートルの寺に避難。寺は古く、強い余震に耐えられない。住民らは屋外で過ごし、寒さのあまり、警報解除前に自宅に戻った人も多かった。

     (宮川地区の集落から望む東京電力柏崎刈羽原発(奥)
      =新潟県柏崎市で)

 地震から4日後、地区住民らでつくる自主防災会は原発事故時の避難についてアンケートし、全世帯の9割に当たる75軒が答えた。

 「救助に来てもらえるのか」「なんとしても逃げる」「車がある人は、行ける所まで避難を始めると思う。大混乱になる」「避難経路を確保できない冬季は原発を運転しないで」。否定的な意見が多く寄せられた。屋内退避の方針についても「知らない」と答えたのが51軒に上った。

 内閣府の担当者は「自宅が倒壊したら、地域の指定避難所に避難することになる」と、あくまでも屋内退避にこだわる。だが、宮川地区の避難所は海に近く、津波が来れば使えない。


◆「住民の被ばくは避けられない」

 東電福島第1原発事故での住民の被ばくや放射能汚染の調査を続け、新潟県の福島事故検証委員会のメンバーだった木村真三・独協医科大准教授は、屋内退避の実効性を疑問視する。

 「放射能をやり過ごすといっても、特に気密性の低い木造家屋には放射性ヨウ素が入ってきやすい。当然被ばくする。水や食料の問題もあり、家の中にずっといられない」

 宮川地区の避難訓練に参加したこともある木村氏はこう指摘する。「原発を再稼働させたいなら、最悪の事態を想定した避難計画を立てるべきだ。だが、全てを想定することはとても無理で、住民の被ばくは避けられない


住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)


【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画(この記事)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625

1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない
2024年6月11日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編

 扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ。


◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した

 外気をフィルターで浄化して取り込み、館内の気圧を高めて放射性物質が入るのを防ぐ。原発で深刻な事故が起きた時、避難した人たちの被ばくを避けるためだ。市によると、装置や館の気密性を高める工事に約1億4000万円をかけた。

     (高浜コミュニティセンターに設置されたイスラエル製の
      陽圧化装置=新潟県柏崎市で)

 館は、体が不自由な高齢者ら要支援者らが一時的に退避する「放射線防護施設」に指定されている。事前に支援の必要を申告した住民30人が3日間過ごせるだけの水と食料、毛布も備えている。

 だが、陽圧化装置の完成後に「欠陥」が発覚した。稼働中は気密性を保つため、玄関を使えない。隣接する体育館から、空気を逃がさないよう分厚い扉に挟まれた調節室を通って館に入る。調節室の奥行きは約180センチ。体が不自由な場合もある要支援者が自宅から移る施設なのに、担架もストレッチャーも人を乗せたままでは入れず、立てる必要がある


◆操作する市職員は到着できるか

 「装置をつけたことが大事なのだろう。懸命にやっているというポーズでしかない」。3月末まで町内会長を10年務めた陶芸家の吉田隆介さん(75)があきれたように話す。市防災・原子力課の担当者は「解決策を検討している段階。今は車いすに乗り換えてもらうなどして対応するしかない」と説明する。

 陽圧化装置を動かすこと自体にも問題がある。市職員が来て操作することになっているが、市役所から来るには事故を起こした原発の前を通る必要がある上、道路が寸断されれば、いつ到着するか分からない。町内会役員が「自分たちを守るために」と動かせるようにしたが、扉に張った操作手順書が命綱。吉田さんは「これを見ないと動かせない」と明かした。


◆施設全体が使えなくなるリスクも

 地震や津波と同時に原発事故が起きれば、施設自体が使えなくなるリスクをはらむ。高浜コミュニティセンターも海に近く、津波に襲われると使えない

 能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の事故に備えた県内の放射線防護施設20カ所のうち、小学校や病院など6カ所が、倒壊の恐れが生じたり、スプリンクラーが稼働して浸水したりして使えなくなった。内閣府の担当者は「地震時の対応が課題。改善していきたい」と説明する。

 事故時に住民を守れるのか心もとないというのに、再稼働の準備は着々と進む。吉田さんは「そもそも避難計画を考えなければならないことに、強い違和感がある。原発の危険と背中合わせだから、計画が必要になる。私たちは安全に暮らしたいだけ原発の再稼働など論外だ」と訴えた。

 放射線防護施設 原発事故時にすぐに避難することが難しい高齢者や障害者らを、一時的に受け入れる。内閣府の補助事業で全国の原発の30キロ圏に約300施設、柏崎刈羽原発の周辺に約20施設を設置した。病院や高齢者施設、学校などを指定。既存の建物に、放射性物質を室内に入れないための陽圧化装置を備え付け、二重サッシなどで気密性を高める。体育館に専用テントを張って受け入れるケースもある。気密性が高い分、一部の木造施設では湿気で傷みが進み、問題化したこともあった。


   ◇


連載:住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>全3回

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当しました)


【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
【後編】1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない(この記事)
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●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?

2024年04月30日 00時00分43秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年04月14日[日])
3.11東京電力核発電人災の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権。「首相が決断すれば原発は止められる」、でも、逆に首相が暴走すると目も当てられない。そんなに核発電をやりたけりゃぁ、まずは、福島を「原状回復」して見せて下さい。

   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】

 東京新聞の【<社説>3・11から13年 「福島のばっぱ」は生きる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314077?rct=editorial)。《◆ふるさとの「住民」として 菅野さんのふるさと浪江町の山間部は今も帰還困難区域ですが、下津島の一部が復興事業のために昨春、避難解除となりました。でも、菅野さんは喜べません。自宅に入り込んだ放射性物質を除去することは難しく、昨年末、テーブルの上や床にたまったほこりを検査すると、非常に高いレベルの放射性物質が検出されました。国にとっては、住民の健康よりも事業優先なのでしょうか。浪江町によると今年1月、住民票のある住民1万5109人に対し、実際の居住者は2162人。菅野さんも町に住民票を残した1人です。今後、三木市での住民サービスが制限されることになってもずっと「避難」を続けます。「福島のばっぱ(おばあさん)」として生きるはずだったのに、ある日突然、何の落ち度もなくコミュニティーごと追われ、未来に引き継ぐはずだった家も、一緒に老いていくはずだった近所の友達も失いました。一方、政府のやりたい放題が目に余ります。原発事故で住民不在の町では復興名目の再開発が進みます。巨額の復興予算は流用が指摘され、放射性物質を含む原発処理水は海に放出されています》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ

 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権と原子力「推進」委員会。なんの「規制」もせずに、「寄生」している委員会なんて要らない。《文字どおりの当事者である志賀町の稲岡健太郎町長が、同じ現実を見て、再稼働容認から慎重へと態度を変えたのとは対照的です。規制委の姿勢には当事者意識が希薄、いや、どこか他人事(ひとごと)の感じさえ漂います》(東京新聞)。特に避難計画には、全く興味なしな「推進」委員会。むしろ、そんな計画など「邪魔だ」とでも思っていそうだ。核発電所の運転にもマトモに向き合わず政府に尻尾を振るし、避難計画は管轄外〝的〟に地元に丸投げ。こんな組織はホントに要らない。トイレなきマンションで、しかも、「非常口なきマンション」(東京新聞)、正気でそんなものに「住みたい」のかね…。
 東京新聞の【<社説>3・11から13年 能登半島からの警告】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314413?rct=editorial)。《「原子力災害対策指針については、特にこの地震を受けて見直さないといけないところがあるかというと、私はないと考えています」。原子力規制委員会の山中伸介委員長は、1月末の定例記者会見で、こう述べました。北陸電力志賀原発のある石川県・能登半島。地震による道路の寸断=写真、志賀町=や家屋の倒壊などにより、原発事故で放出される恐れのある放射線から逃れることの難しさがあらためて浮き彫りになりました。ところが規制委は、その現実を見た後でも、見直しは微調整にとどめ、「避難と屋内退避を適切に組み合わせることで、被ばく線量を抑える」という原子力災害対策の基本方針を維持していくというのです》。


   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…

 古賀茂明さん《三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。
 京都新聞の記事【元京都大助教授「関電の原発データ、解釈が科学的でない」 運転差し止め訴訟】(https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1222814)。《滋賀県の住民ら48人が福井県の大飯、高浜、美浜の関西電力3原発7基について運転差し止めを求めた訴訟の第40回口頭弁論が21日、大津地裁(池田聡介裁判長)であった。前回に引き続き元京都大防災研究所助教授の赤松純平氏(80)の証人尋問が行われた。この日の弁論で証拠調べを終了した。原告側によると、6月に主張のやりとりを終えて、早ければ12月にも結審する見通し。赤松氏が前回、原発の地盤モデルについて設定されている基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)過小評価になっていると証言した内容などに対して関電側からの反対尋問があった。原発への賛否を問われると、「原発はいいものだと思っていたが、言うほど安いものでもなく、将来にわたって影響が出る。関電のデータは解釈が科学的でなく、安全が担保できず反対の立場だ」と答えた。弁論後に会見した井戸謙一弁護団長は、元日の能登半島地震で設備に被害が発生した志賀原発にふれ、「地震の教訓は大きな追い風になると思う」と話した》。

 元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/314413?rct=editorial

<社説>3・11から13年 能登半島からの警告
2024年3月11日 07時37分

 「原子力災害対策指針については、特にこの地震を受けて見直さないといけないところがあるかというと、私はないと考えています」。原子力規制委員会の山中伸介委員長は、1月末の定例記者会見で、こう述べました。

 北陸電力志賀原発のある石川県・能登半島。地震による道路の寸断=写真、志賀町=や家屋の倒壊などにより、原発事故で放出される恐れのある放射線から逃れることの難しさがあらためて浮き彫りになりました。

 ところが規制委は、その現実を見た後でも、見直しは微調整にとどめ、「避難と屋内退避を適切に組み合わせることで、被ばく線量を抑える」という原子力災害対策の基本方針を維持していくというのです。

 文字どおりの当事者である志賀町の稲岡健太郎町長が、同じ現実を見て、再稼働容認から慎重へと態度を変えたのとは対照的です。規制委の姿勢には当事者意識が希薄、いや、どこか他人事(ひとごと)の感じさえ漂います。

 2011年の福島第1原発事故の際には、避難先や避難ルートなどがあらかじめ決められておらず、特定の施設に避難者が集中したり、道路が渋滞したりするなどの混乱が生じ、多くの周辺住民が長時間、被ばくの危険にさらされました。それを教訓に翌12年、発足したばかりの規制委が策定したのが、原子力災害対策指針。県や市町村はこの指針に基づいて、地域の実情に応じた防災計画や広域避難計画を定めています。

 現行の指針では、大量の放射性物質が外部に飛散するような原発事故が発生した場合には、渋滞などの混乱を避けるため、原発から5キロ圏内の住民の避難を優先し、5~30キロ圏内は、放射線量が一定量を超えるまでは屋内退避としています。

 しかし、能登半島を襲った地震の猛威を考えれば、それはとても現実的とは言い難い

 土砂崩れや路面の崩落、ひび割れなどが相次ぎ、志賀原発周辺では、県が原発災害からの避難ルートと定める国道や県道11路線のうち、7路線が通行不能。避難ルートにつながる町道なども各地で寸断され、30キロ圏内の同県輪島市と穴水町では8集落で435人が孤立状態に陥りました。


◆現行指針は通用するか

 今月はじめ、志賀原発の正門前から輪島市方面に車を走らせました。国道249号を北上する県の避難ルートです。発災から2カ月以上たち、通行止めこそ解消されていたものの、路面はパッチワークのように応急の補修が施され、ひび割れや段差も目立ちます。

 傾いた信号の下をくぐって峠道に入ると、ところどころに土砂崩れの跡があり、復旧工事のための片側交互通行区間が続きます。地震直後、その上、雪でも積もっていたら…。有事の際の大混乱は、想像に難くありませんでした

 さらに屋内退避の前提も崩れたというべきでしょう。

 石川県によると、住宅被害は志賀町だけで6400戸以上。原発事故に備え、被ばく対策を施した学校や病院などの「放射線防護施設」も、30キロ圏内にある21施設のうち6施設で損傷や異常が生じ、2施設は閉鎖にすべての施設で断水になりました。万が一の時、乳幼児や高齢者、傷病者らが一時避難する先に想定されている施設が、こんな状況なのです。

 この現実が語っているのは、リアルな災害時に現行の指針は通用しない-ということなのではないでしょうか。抜本的な見直しが必要と考えるのが自然でしょう。

 無論、能登半島だけの問題ではありません。日本の原発のほとんどが半島の付け根や先端など交通網の脆弱(ぜいじゃく)な海沿いの過疎地に立地しています。柏崎刈羽伊方浜岡島根避難の実効性を疑う声が各地から聞こえてきます


◆立ち止まって考えよう

 政府はもう福島の教訓を忘れたらしく、昨年、「原発復権に大きくかじを切りました

 能登半島地震の発生から13日後、ようやく被災地を訪れた岸田文雄首相は、志賀原発の再稼働について記者から問われ、「新規制基準に適合すると認めた場合のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進める方針は変わらない」と答えています。やはり、現実を見ていないとしか思えません。

 あの大震災から、今日でちょうど、13年。危険な非常口なきマンションに国民を住まわせ続けてよいわけがない。一度、立ち止まって考えよ-。「能登半島からの警告」ではないのでしょうか。
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コメント
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●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい

2024年04月26日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年04月21日[日])
東京電力にも、原子力「推進」委員会にも、狂気しか感じない。よく恥ずかしげもなく、東京電力はアノ柏崎刈羽核発電所の再稼働したいなどと、口にできるものだ。「恥」の概念などないのかね? さっさと、福島を「原状回復」して見せてくれよ。

   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかったのか?
         なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…

 渡辺聖子荒井六貴両記者による、東京新聞の記事【核燃料セット、順調アピールするはずが…電源トラブルで16時間中断 柏崎刈羽原発7号機をメディアに公開】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/322119)。《東京電力は18日、福島第1原発事故後、東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で進む核燃料の装塡作業を報道陣に公開した。作業が順調に進んでいることをアピールするはずの場だったが、作業が中断するトラブルが相次ぎ、長期停止による機器の不具合などの課題を浮き彫りにした》。

 宮尾幹成記者による、東京新聞の心太ビュー記事【米山隆一氏、再稼働の意思確認は「住民投票でやるべきだ」 判断材料まだ不足 東京電力・柏崎刈羽原発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321822)。《<再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊤> 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、政府は立地自治体の新潟県に同意を要請ており、花角英世知事の対応が焦点となっている。一連の動きをどう見るか。原発と向き合ってきた新潟県知事経験者の衆院議員2人のうち、まずは米山隆一氏(立憲民主党、新潟5区)に聞いた。(宮尾幹成)》。

   『●発言に人格が現れ、呼ばれ方に
          人間性が表れる: 「石原元「ト」知事」と「栄佐久さん」
   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●米山隆一新潟県知事は「県に運転停止の権限」、
           「私は、根拠のない“ケンカ”はしません」と…
   『●「新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時」!
       東京電力に柏崎刈羽核発電所を再稼働させるなんて狂気な凶器
    「日刊ゲンダイの記事【米山知事辞職で状況急変 小躍りする自民と
     原子力マフィア】… 《米山知事は「県政の混乱を招いた責任を取った
     県民の信頼を裏切り、心よりおわびしたい」と語ったが、この突然の辞職に
     小躍りして喜んでいるのが自民党と原子力マフィアだろう》。
     大変に残念なニュース…大喜びする核発電「麻薬」中毒患者達
     《…自民県連の関係者は次の棚ボタ選挙は楽勝なんて喜んで…》
     …悔しいなぁ、何やってんだ一体もぅ…。泉田裕彦新潟元県知事
     ダークサイドに堕ち核発電「麻薬」中毒患者達は柏崎刈羽核発電所再稼働に
     向けて、遮二無二突進するでしょうね。新潟県民の皆さん、何とか踏ん張って
     ほしいい。《新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時だ》!」

   『●新潟県知事選: 「中央の紐付き忖度官僚候補
      VS再稼働反対の民意に寄り添う県議候補」という与野党激突
   『●花角英世新潟県新知事…「柳瀬氏同様、安倍政権下で
       出世してきた元官僚」…女性差別発言隠蔽は体質の体現
    「リテラの記事【横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」38/新潟県知事選
     “女性差別発言”問題で花角候補を直撃! 隣にいたのに
     「よく覚えていない」と“柳瀬元首相秘書官”状態】」

   『●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、
       長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」
   『●新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》なので、再稼働反対派の
            少なからずの方々が…「騙されることの責任」
    《花角知事は、国会議員への説明会で「当然ありうる」と発言した
     同じ15日に、経産省内で世耕弘成経産相と面談。花角知事は
     再稼働問題について具体的な議論はしなかったとしているが、
     会談後には記者団に対し「まったく動かさないから、
     100%動かすまですべてあり得る」と述べたという》
    「新潟《県民の多数は再稼働を拒絶している》はずなので、
     再稼働反対派の少なからずの方々が、自公候補者だった
     花角英世氏に投票してしまった訳だ。その結果が、
     《ところが、いや、やっぱりと言うべきか。その花角新知事が、
     はやくも馬脚を現したらしい。選挙戦中の発言から一転、
     原発再稼働を「当然ありうる」と言い出した》…。」

 ダークサイドに堕ちた元新潟県知事に言われても説得力に欠けるなぁ。いまや、核発電〝命〟な「利権」「裏金」「脱税」党にズッポリで、よくも言えるものだね。キシダメ独裁政権やキシダメ「利権」「裏金」「脱税」党総裁に、再稼働反対論をぶたないのか?
 宮尾幹成記者による、東京新聞の心太ビュー記事【泉田裕彦氏、知事在任中に出くわした東京電力の「ウソ」 再稼働の判断に必要なことがある 柏崎刈羽原発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/322122)。《<再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊦> 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた動きについて、新潟県知事を経験した衆院議員2人に聞く連続インタビュー。2回目は泉田裕彦氏(自民党、比例北陸信越)に語ってもらった。(宮尾幹成)》。

   『●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を
     起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》
    「欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも
     杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、
     東海村JCO事故を彷彿。」

   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ
     過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●東電《小早川智明社長…「…は『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』
      とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」(蜂須賀礼子氏)…
   『●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動
       は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
     ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
    「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
     らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
     アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
     さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」

   『●3.11東京電力核発電所人災から13年、《原状回復》に何の責任も果た
     さない東京電力にアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働する資格など全くない
   『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
     料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?
    「《◆原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》、
     《◆花角英世知事、核燃料セットは「検査の一つの過程」》…
     核発電「寄生」委員会=原子力「推進」委員会山中伸介委員長、
     花角英世新潟県知事、一体何を言っているのだろうか?
     寝言は、寝てから言ってほしい。」

   『●加藤靖裁判長《「避難が必要になるような事態が起きる危険性は立証されて
     おらず、避難計画の不備については判断するまでもない」と住民の訴え》一蹴
   『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
     インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/322119

核燃料セット、順調アピールするはずが…電源トラブルで16時間中断 柏崎刈羽原発7号機をメディアに公開
2024年4月18日 22時08分

 東京電力は18日、福島第1原発事故後、東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で進む核燃料の装塡作業を報道陣に公開した。作業が順調に進んでいることをアピールするはずの場だったが、作業が中断するトラブルが相次ぎ、長期停止による機器の不具合などの課題を浮き彫りにした


◆長期停止の弊害か、作業員の経験不足&機器不具合

     (東京電力柏崎刈羽原発7号機で報道陣に公開された核燃料を
      装塡する作業=18日、東京電力柏崎刈羽原発7号機で)

 7号機原子炉建屋の最上階で窓ガラス越しに1時間ほど公開され、遠隔操作の機械で核燃料を燃料プールから圧力容器内に移動させている様子が確認できた。挿入位置はプログラミングされているものの、機械の上から作業員が双眼鏡で正しい位置かどうかをチェックしていた。核燃料1体を装塡するのにかかる時間は6〜7分という。

 東京電力は、再稼働に向けた検査の一環として15日に装塡を開始。核燃料全872体の装塡が完了すると点検に入る。7号機などを担当する菊川浩(ゆたか)ユニット所長は「確認作業はまだまだある」と話した。


◆2022年には冷却装置の配管が腐食、水漏れも…

 柏崎刈羽の停止が長期に及び、原発を稼働させたことがない運転員が増えた。6、7号機の運転員100人のうち、未経験者は約半数という。福島事故後、柏崎刈羽と同じ沸騰水型の原発は他社を含めて再稼働しておらず、経験を積めていないのが実態だ。東京電力は、火力発電所でタービンが回る現場を体感するなどの研修を実施して「力量を上げる」としている。

 さらに、今回のトラブルでも明らかになったように、長期停止で機器がうまく作動するのかも分からない。2022年10月には、冷却装置を11年ぶりに稼働させたところ、配管の穴から水漏れが発生腐食が進み穴が開いたとみられる。(渡辺聖子荒井六貴


  ◇   ◇


◆17日のトラブルの原因、現時点で「不明」

 柏崎刈羽原発7号機で17日午前から電源トラブルで中断していた核燃料の装塡(そうてん)作業について、東京電力は約16時間後の17日深夜に作業を再開したと発表した。原因は分かっておらず、不具合が起きたブレーカーを交換したという。

 東京電力によると、作業は17日午前7時すぎ、圧力容器に制御棒を挿入する装置を動かそうとしてブレーカーを入れたところ、装置が動く前に落ちて中断。ブレーカーなどの電源設備に問題は見つからなかったが、予備品と交換し、同日午後11時半ごろに作業を再開した。

 核燃料全872体の挿入完了までには約半月かかる見通しで、東京電力は中断による影響は出ないとしている。(渡辺聖子

【関連記事】「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
【関連記事】「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/321822

米山隆一氏、再稼働の意思確認は「住民投票でやるべきだ」 判断材料まだ不足 東京電力・柏崎刈羽原発
2024年4月18日 06時00分

再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊤

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、政府は立地自治体の新潟県に同意を要請しており、花角英世知事の対応が焦点となっている。一連の動きをどう見るか。原発と向き合ってきた新潟県知事経験者の衆院議員2人のうち、まずは米山隆一氏(立憲民主党、新潟5区)に聞いた。(宮尾幹成


◆東京電力は「コストを払う」意思表示をうやむやにしている

     (東電柏崎刈羽原発の再稼働問題について話す前新潟県知事の
      米山隆一衆院議員=5日、東京・永田町の衆院第2議員会館で)

 —県が再稼働同意の可否を判断する機は熟しているのか。

 判断の材料を県も国も示していない。事故時の避難経路は相当程度に渋滞して、一定期間被ばくするのはほぼ確実。だから、そのシミュレーションを基にした避難計画をちゃんと作った上で、東京電力はそのコストを払うという合意があってしかるべきだ。それをうやむやにしている。


 —花角知事は、県民の意思確認について「信を問う」と、出直し知事選も示唆している。望ましい意思確認の方法は。

 住民投票でやるべきだ。出直し選挙は党派性や人格などが混じってしまい、実は原発再稼働を問うていないというようなことが起こる。今、出直し選挙をやったら再稼働反対派の野党系が勝つ確率が5、6割あるので、何ならやってもらってもいいが、原理原則では住民投票だ。


◆新潟県は「再稼働に都合のいい情報」だけ出している

 —国からの同意要請については、県議会の自民党からも「時期尚早だ」との声が上がっている。

 政局的なうがった見方をするなら、自民党が花角知事に知事選に打って出てほしくなくて、けん制する意味もあるのではないか。


 —原発事故について県独自の「三つの検証」を総括する有識者会議が花角知事と対立し、事実上休止した。県が報告書を取りまとめる事態となった。

 例えば避難道路の整備について、ただ道路を造るような話になっている。みんなが一斉に逃げた時に渋滞しない道路なんて無理なわけで、むしろ何時間か渋滞することを前提に考えないといけないのに、県の志が低い。再稼働という結論に向かって、都合のいい情報だけ示している


◆再稼働「選択の問題で、全否定するつもりはない」

 —超党派の地方議員グループに、再稼働の同意の対象を立地自治体だけでなく、避難計画の策定が義務づけられている30キロ圏の自治体まで広げるよう求める動きがある。

 実務的にちょっと難しいのではないか。今の行政の枠組みでは、広域自治体は県という形になっている。30キロ圏の人の声はちゃんと県が集約するという代表の仕方しかないと思う。


 —そもそも、柏崎刈羽の再稼働は必要なのか。

 選択の問題で、全否定するつもりはない。エネルギーコストを考えて再稼働を取るという選択はできるが、同時に大きなリスクと、リスクに対処するためのコストも伴う。それをきちんと示して選ぶべきだ。


 米山隆一(よねやま・りゅういち) 1967年、新潟県湯之谷村(現魚沼市)生まれ。医師、弁護士。2016年10月〜18年4月に新潟県知事。前任の泉田裕彦氏が福島第1原発事故を県独自に検証するために設置した有識者会議「原発の安全管理に関する技術委員会」に「原発事故による健康と生活影響に関する検証委員会」「原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」と「検証総括委員会」を追加した。21年衆院選で初当選し、22年9月に立憲民主党入り。


  ◇    ◇


◆花角英世知事、再稼働同意の前に「信を問う」と明言

 柏崎刈羽原発7号機は原子炉内に核燃料全872体を入れ終えて、核燃料体から制御棒を引き抜けば、再稼働する。東京電力は地元の同意なしでは「制御棒を引き抜かない」とする。

 花角知事は同意の是非の判断に当たり「県民の信を問う方法が責任の取り方として最も明確であり、重い方法だ」と明言。2022年に再選した際には「『信を問う』との一般的な語感からすれば、存在をかけるという意味合いが強い。知事選も当然一つの形だ」と、任期途中での出直し知事選をほのめかした。一方で「議会の不信任や住民投票も、可能性としてはあるかもしれない」とも語った。

 同じ新潟県の旧巻町(新潟市西浦区)では、計画された東北電力巻原発の建設の是非を巡り、1996年に住民投票を実施。投票率は88.3%で住民の関心の高さを示した。建設反対(1万2478票)が賛成(7904票)を上回り、東北電力は計画断念に追い込まれた

 東京電力福島第1原発事故後に再稼働した6原発では、知事が同意を判断する際、県議会の同意を一つの根拠としてきた。知事選や住民投票を実施したケースはない。(荒井六貴

※インタビュー㊦は、後日掲載します。


【関連記事】核燃料セット中にトラブル相次ぐ 制御棒の装置電源オフ、監視装置に不具合…東京電力・柏崎刈羽原発
【関連記事】「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
【関連記事】「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/322122

泉田裕彦氏、知事在任中に出くわした東京電力の「ウソ」 再稼働の判断に必要なことがある 柏崎刈羽原発
2024年4月19日 06時00分

再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊦

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた動きについて、新潟県知事を経験した衆院議員2人に聞く連続インタビュー。2回目は泉田裕彦氏(自民党、比例北陸信越)に語ってもらった。(宮尾幹成

     (前新潟県知事の米山隆一衆院議員)

インタビュー 前回は
米山隆一氏、再稼働の意思確認は「住民投票でやるべきだ」 判断材料まだ不足


◆「30キロ圏には40万人の住民がいる」

 —政府が県に再稼働の同意を要請した。判断の機は熟しているか。

     (
柏崎刈羽原発再稼働に対する県民の意向確認について
      話す泉田裕彦元新潟県知事=東京・永田町の
      衆院第2議員会館で)

 熟していない。2007年の中越沖地震や11年の東日本大震災で明らかになった課題に対処できていない。やるべきことをやっていないのが今の段階だ。

 (自然災害と原発事故の)複合災害で屋内退避が行われた時に、電気・ガス・水道のどれか一つ止まれば煮炊きはできない。道路の復旧はどうするのか。雪が降っていたら誰が除雪するのか。こうしたことを全く決めていない。大混乱が生じるのは火を見るより明らかだ。

 (広域避難計画策定が義務づけられている)30キロ圏には40万人の住民がいる。何万人もの被災者への対応を自衛隊だけでできるというのは幻想で、民間との役割分担が必要だが、こういうことも考えていない。


◆やるべきことをやらないから「今、意思を問うたところで…」

 —知事が県民の意思を確認するのは、どんな方法が望ましいか。花角英世知事は「『信を問う』」と述べている。

 その議論をしたら一人歩きして、やるべきことがこんなにあるというメッセージが伝わらなくなる。事故になれば何が起きるかを県民に伝えた上で、どんな体制を組むかが先だ。今、意思を問うたところで、分からない人に聞くことになり、賛成する人も反対する人も不利益になる。


 —超党派の地方議員グループが、再稼働の事前同意の対象を、避難計画の策定が義務づけられている30キロ圏内の全自治体に広げるよう求めている。この動きをどう見るか。

 県がやるべきことをやらないで逃げているから、こういう声が出てくる。やるべきことをやった上で、市町村に負荷をかけないようにしていれば、また別の風景が見えるかもしれない。


 —東京電力の原発事業者としての信頼性は。

 ないゼロだ。福島第1原発事故で4号機が爆発して少し落ち着いた後に、柏崎刈羽の幹部に説明に来てもらったが、メルトダウン(炉心溶融)しているんでしょうねと聞いたら、していないと最初から分かっていたはずなのに、原発立地県の知事にこういううそをつく


 —そもそも、柏崎刈羽の再稼働は必要か。

 やるべきことをやっていないのだから、それも議論する段階にない。


 泉田裕彦(いずみだ・ひろひこ) 1962年、新潟県加茂市生まれ。通商産業省(現経済産業省)を経て、2004年10月〜16年10月に新潟県知事。13年2月に有識者会議「原発の安全管理に関する技術委員会」を設置し、東京電力福島第1原発事故について県独自の検証を始めた。17年衆院選に自民党公認で立候補し初当選。現在2期目。


  ◇    ◇


◆前提崩れた「屋内退避」…原発の避難計画の現状は

 原発30キロ圏内の自治体に義務付けられている避難計画には、深刻な事故が起きた際、自治体から住民への情報伝達、甲状腺被ばくを抑えるヨウ素剤の配布方法、避難先までのルートや交通手段、介護が必要な人への対応などが記される。新潟県柏崎市が公表する避難計画はA4判で120ページになる。

 自治体が避難計画を作るに当たっては、原子力規制委員会が示す原子力災害対策指針を参考にしている。

 指針は5キロ圏内は即時避難で、5〜30キロ圏はいったん屋内退避し放射線量を基に段階的に避難すると示す。

 ただ、能登半島地震では、水道や電気が止まり、住宅が倒壊すれば、屋内退避は困難であることが改めて浮き彫りになった。仮に、学校などに避難し屋内退避できたとしても、原発事故で水や食料などが十分に届くのかは分からない。

 規制委は2月、指針の見直しに着手する方針を示したが、「屋内退避できるとの前提で議論することとした。この見直し議論でも1年近くかかるとされる。

 柏崎刈羽でいえば、屋内退避の問題に加え、周辺が豪雪地帯で冬場の避難は困難を極めるとみられる。そうした対応が決まっておらず、内閣府は避難計画を最終的に了承していない。(荒井六貴


【関連記事】核燃料セット、順調アピールするはずが…電源トラブルで16時間中断 柏崎刈羽原発7号機をメディアに公開
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●加藤靖裁判長《「避難が必要になるような事態が起きる危険性は立証されておらず、避難計画の不備については判断するまでもない」と住民の訴え》一蹴

2024年04月24日 00時00分49秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240417[])
3.11の教訓も、能登半島地震の警告も無視する福井地裁加藤靖裁判長。
 《40年超運転認可「合理的」》だそうだ、3.11の教訓や能登半島地震の「警告」を無視する無責任裁判官。能登半島地震から、たった3か月程の判決、「合理的」と判断できる神経を理解できない。

   『●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震
     動は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断

 正気? ← 《基準地震動…は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されている》(東京新聞)。《地震に対する安全性について、加藤裁判長は決定理由で、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されている指摘。「関電の調査と原子力規制委員会の判断の過程に過誤は見当たらないとし、老朽化対策も合理的だとした》そうだ。

 しかも、《避難計画》は地域に丸投げ、杜撰にもかかわらず、ワシャ知らんと仰る加藤裁判長。政府や東電、原子力「寄生」委員会の誰も責任を取らない。誰も責任を持とうとしない。
 東京新聞の【<社説>原発事故対策 避難計画は不要なのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/320784?rct=editorial)。《原発は、どれほど対策を講じても事故の可能性をゼロにはできない。万が一の際、周辺住民の安全確保を左右するのが避難計画だ。それを、まさか裁判所がこうも軽んじるとは驚きを禁じ得ない。住民が関西電力美浜原発3号機と同高浜原発1~4号機の運転差し止めを求めた仮処分申請。このうち美浜3号機と高浜1、2号機は営業運転開始から40年を超えて再稼働した老朽原発」で、3、4号機も来年40になるが、福井地裁は3月末、訴えを退けた。住民側は施設の老朽化に加え、基準地震動(耐震性の目安になる揺れの強さ)が低く見積もられているなど、安全性が確保されていないと主張県の避難計画も実効性に欠けると訴えてきた》。

 ところで、東京電力も、正気なのなのだろうか??
 腹立たしいので、再度、引用します。東京新聞の記事【東電、核燃料装填へ最終確認 柏崎刈羽、事故後初の再稼働向け】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321281)。《東京電力は15日、柏崎刈羽原発(新潟県)の7号機への核燃料装填に向け、最終確認を続けた。原子力規制委員会に15日の装填開始を申請している。再稼働に備えた検査の一環と位置付けており、承認され次第、速やかに作業に着手したいとしている。再稼働時期は未定だが、2011年の福島第1原発事故後、東電として初となる再稼働へ準備を進める。新潟県の花角英世知事は再稼働に同意するかどうかを表明していない。福島事故後に再稼働した全国の原発は、地元が同意した後に燃料を装填しており、地元の同意前は異例。今後に課題を残す可能性がある。同原発は首都圏などに電力を供給する。7号機は17年12月、規制委の審査に合格。21年1月以降、社員によるIDカードの不正利用侵入検知設備の故障などが相次いで発覚し、規制委は事実上の運転禁止を命じたが、改善したとして23年末に解除した。斎藤健経済産業相が3月、花角氏に再稼働への理解を求めた。花角氏は能登半島地震や一昨年の大雪などを踏まえ、原発事故時の避難の在り方に課題があると指摘した》。
 東京電力や原子力「寄生」委員会のメンバーは正気なのだろうか?? 13年前、3.11人災を引き起こした東京電力に、核発電に携わる資格など無い。廃炉作業に特化すべきだ。《東電にその資格はあるのか原子力規制委員会は資格ありと認め、再稼働に前のめりな岸田政権は立地自治体に理解を求め、早期のゴーサインを迫っている》(東京新聞・原発取材班キャップ・荒井六貴記者)、これを狂気と呼ばずして、何を狂気と呼ぶのだろうか。

   『●3.11東京電力核発電所人災から13年、《原状回復》に何の責任も果た
     さない東京電力にアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働する資格など全くない

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/320784?rct=editorial

<社説>原発事故対策 避難計画は不要なの
2024年4月12日 08時23分

 原発は、どれほど対策を講じても事故の可能性をゼロにはできない。万が一の際、周辺住民の安全確保を左右するのが避難計画だ。それを、まさか裁判所がこうも軽んじるとは驚きを禁じ得ない

 住民が関西電力美浜原発3号機と同高浜原発1~4号機の運転差し止めを求めた仮処分申請。このうち美浜3号機と高浜1、2号機は営業運転開始から40年を超えて再稼働した老朽原発」で、3、4号機も来年40年になるが、福井地裁は3月末、訴えを退けた。

 住民側は施設の老朽化に加え、基準地震動(耐震性の目安になる揺れの強さ)が低く見積もられているなど、安全性が確保されていないと主張県の避難計画も実効性に欠けると訴えてきた。

 一層の不安をかきたてたのが能登半島地震だ。北陸電力志賀原発が立地する石川県志賀町で震度7を観測し、原発にさまざまなトラブルが発生した。

 現地で多数の建物倒壊や道路寸断が起きたことを受け、住民側は「地震による原発事故が起きた場合、屋内退避も避難もできず、被曝(ひばく)を強いられることになる」とあらためて書面を出して訴えた。

 これに対し、地裁は「原子力規制委員会において新規制基準への適合が認められ、その審査基準において不合理な点はない」と断じたが、そもそも規制委は、原子炉の状態が国の規制基準に適合しているかを審査するだけで「安全保証するものではない

 しかも福井地裁は「避難が必要になるような事態が起きる危険性は立証されておらず避難計画の不備については判断するまでもない」と住民の訴えを一蹴した。

 しかし「避難が必要になるような事態が起きない安全性が立証されている」という事実がない以上、判断を避ける理由にはなるまい。規制委の「適合」を根拠に深刻な事故は起きないと決め付けているだけではないか。原告側が上訴したのも当然だ。

 国は原発から30キロ圏内の自治体に避難計画の策定を義務付けているが、規制委は避難計画を評価の対象外としており、避難計画に不備があるかを判断するのは、まさに司法の役割であろう。

 避難計画は事故の際、住民を放射能被曝から守る「命綱」とも言うべきものだ。それを軽んじるような司法の姿勢には、強い違和感を覚える
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●3.11東京電力核発電所人災から13年、《原状回復》に何の責任も果たさない東京電力にアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働する資格など全くない

2024年04月22日 00時00分36秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年04月16日[火])
東京電力や原子力「寄生」委員会のメンバーは正気なのだろうか?? 13年前、3.11人災を引き起こした東京電力に、核発電に携わる資格など無い。廃炉作業に特化すべきだ。《東電にその資格はあるのか原子力規制委員会は資格ありと認め、再稼働に前のめりな岸田政権は立地自治体に理解を求め、早期のゴーサインを迫っている》(東京新聞・原発取材班キャップ・荒井六貴記者)、これを狂気と呼ばずして、何を狂気と呼ぶのだろうか。

   『●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を
     起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》
    「欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも
     杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、
     東海村JCO事故を彷彿。」

   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ
     過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●東電《小早川智明社長…「…は『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』
      とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」(蜂須賀礼子氏)…
   『●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動
       は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断

 まず冒頭、言いたいことは、花角英世新潟県知事に何の期待も出来ないということ。投票や、支持した新潟県民は大きなミスを犯したと思っています。《福島事故後に再稼働した全国の原発は、地元が同意した後に燃料を装填しており、地元の同意前は異例》《花角氏は能登半島地震や一昨年の大雪などを踏まえ、原発事故時の避難の在り方に課題があると指摘した》(東京新聞)…どうせ、花角英世新潟県知事は《同意》に流れていくのは自明です。こんな知事を選んではいけなかった。

   『●発言に人格が現れ、呼ばれ方に
          人間性が表れる: 「石原元「ト」知事」と「栄佐久さん」
   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●米山隆一新潟県知事は「県に運転停止の権限」、
           「私は、根拠のない“ケンカ”はしません」と…
   『●「新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時」!
       東京電力に柏崎刈羽核発電所を再稼働させるなんて狂気な凶器
   『●新潟県知事選: 「中央の紐付き忖度官僚候補
      VS再稼働反対の民意に寄り添う県議候補」という与野党激突
   『●花角英世新潟県新知事…「柳瀬氏同様、安倍政権下で
       出世してきた元官僚」…女性差別発言隠蔽は体質の体現
   『●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、
       長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」
   『●新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》なので、再稼働反対派の
            少なからずの方々が…「騙されることの責任」
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
    「新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかったのか? なのに、
     こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になるのは必然。…
     花角英世新潟県知事から検証委トップに指名されたという
     米山隆一さんのエイプリルフールの嘘に騙されたのだけれども、
     《検証委トップが「解任される」》というのは事実でした」

 さて、東京電力の狂気。それを認める「規制」なき、原子力「推進」・核発電「寄生」委員会のデタラメ。
 東京新聞の記事【東電、核燃料装填へ最終確認 柏崎刈羽、事故後初の再稼働向け】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321281)。《東京電力は15日、柏崎刈羽原発(新潟県)の7号機への核燃料装填に向け、最終確認を続けた。原子力規制委員会に15日の装填開始を申請している。再稼働に備えた検査の一環と位置付けており、承認され次第、速やかに作業に着手したいとしている。再稼働時期は未定だが、2011年の福島第1原発事故後、東電として初となる再稼働へ準備を進める。新潟県の花角英世知事は再稼働に同意するかどうかを表明していない。福島事故後に再稼働した全国の原発は、地元が同意した後に燃料を装填しており、地元の同意前は異例。今後に課題を残す可能性がある。同原発は首都圏などに電力を供給する。7号機は17年12月、規制委の審査に合格。21年1月以降、社員によるIDカードの不正利用侵入検知設備の故障などが相次いで発覚し、規制委は事実上の運転禁止を命じたが、改善したとして23年末に解除した。斎藤健経済産業相が3月、花角氏に再稼働への理解を求めた。花角氏は能登半島地震や一昨年の大雪などを踏まえ、原発事故時の避難の在り方に課題があると指摘した》。

 荒井六貴渡辺聖子両記者による、東京新聞の記事【「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321409)。《東京電力は15日、2011年3月の福島第1原発事故後、同社として初の再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)の原子炉内に核燃料を入れる装塡(そうてん)作業を始めたと発表した。再稼働時期は「未定」としている。立地県や自治体から再稼働の同意が得られていない中での核燃料装塡は異例。能登半島地震で避難計画の実効性に不安が高まる中、再稼働への既成事実化が進むことに、周辺自治体からは疑問の声が上がる。(荒井六貴渡辺聖子)》
 渡辺聖子荒井六貴両記者による、東京新聞の記事【「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321417)。《柏崎刈羽原発の再稼働に向け、地元・新潟県の同意が得られる見通しが立たない中、東京電力は15日、7号機の原子炉に核燃料を入れる装塡(そうてん)に着した。能登半島地震で避難計画の実効性が問われ、原発から30キロ圏内の自治体からは同意対象の拡大を求める声も出ている。課題は置き去りのまま、再稼働への地ならしが進む。(渡辺聖子荒井六貴)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/321409

「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
2024年4月15日 21時52分

 東京電力は15日、2011年3月の福島第1原発事故後、同社として初の再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)の原子炉内に核燃料を入れる装塡(そうてん)作業を始めたと発表した。再稼働時期は「未定」としている。立地県や自治体から再稼働の同意が得られていない中での核燃料装塡は異例。能登半島地震で避難計画の実効性に不安が高まる中、再稼働への既成事実化が進むことに、周辺自治体からは疑問の声が上がる。(荒井六貴渡辺聖子


◆今後、臨界抑える「制御棒」の一部を引き抜く

     (15日、東京電力柏崎刈羽原発7号機で始まった原子炉内に
      核燃料を装塡する作業(東京電力提供))

 原子力規制委員会が15日午前、作業を許可した。東電によると、15日午後6時半すぎ、原発構内のプールで保管していた核燃料872体のうち、1体(高さ約4.5メートル、縦横約0.1メートル、重さ約260キロ)を装置で原子炉内に装塡。完了までには半月程度かかるという。その後の検査で設備の作動などを確かめるほか、再稼働となる臨界を抑える制御棒を一部引き抜く。ただ、臨界状態にはしない。

     (柏崎刈羽原発(資料写真))

 柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は「制御棒を(全て)引き抜けるかどうかは地元の了解があってのもの」と説明した。新潟県の花角英世(はなずみひでよ)知事は再稼働について「県民の信を問う」と慎重な姿勢を崩していない。

 福島原発事故後、再稼働した6原発では県や立地自治体の再稼働の同意を取ってから、装塡するのが通例。装塡後の検査で制御棒を引き抜き再稼働させ、そのまま営業運転させてきた。


◆周辺自治体「避難計画に大きな不安や疑念」

 同意なき核燃料装塡を進める東電に、原発が立地する柏崎市や刈羽村は前向きに捉える一方で、避難計画の策定が義務付けられる30キロ圏の自治体の一部からは疑問が投げかけられた。

 東京新聞の取材に、小千谷(おぢや)市の宮崎悦男市長は「能登半島地震を踏まえ、複合災害時の避難計画や屋内退避について大きな不安や疑念が払拭されていない。市民の不安を取り除かない限りは(装塡に)違和感を覚える」とコメントを出した。

 長岡市の磯田達伸市長は東電が装塡の方針を発表した3月28日、「安全と防災対策に市民は不安を覚えている。国や東京電力は不安に応えてもらいたい」とするコメントを公表した。


 ◇ ◇


◆福島事故の責任を果たしていない東電

 <記者解説>13年前に福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東京電力が、再び原発の運転に踏み出そうとしている東電にその資格はあるのか原子力規制委員会は資格ありと認め、再稼働に前のめりな岸田政権は立地自治体に理解を求め、早期のゴーサインを迫っている

 だが、東京電力は福島事故の責任を果たしていない故郷を追われた避難者はいまだに2万6000人以上、放射線量が高く人が住めない区域が残る事故収束作業では汚染水の発生を止められず、原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)は取り出せるかさえ見通せない

 能登半島地震では、原発事故時の避難計画の不備が鮮明となった。課題を積み残す中、再び深刻な事故が起きたら…東京電力が新潟で責任を負えると、どんな根拠を持って言えるのか

 東京電力に原発を運転する資格はあるのか何度でも問う。本紙はこの問いから逃げない。(原発取材班キャップ・荒井六貴)


 東京電力柏崎刈羽原発  1〜7号機があり、総出力は821万2000キロワットと一つの発電所としては世界最大規模。敷地の総面積は東京ドーム約90個分で、首都圏に電力を供給。営業運転は1号機が1985年9月に開始し、各号機が続いた。出力135万6000キロワットの7号機は97年7月から営業運転。東電は1基稼働すれば、年間1100億円の収支が改善すると説明している。


【関連記事】再稼働原発、能登半島地震で4メートルも隆起したのに想定は最小1センチ 地盤変動で冷却水の取水に影響も
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【関連記事】「ここで事故が起きたら死ぬしかない」…島根原発を抱える衆院島根1区補選で「再稼働」が問われている

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/321417

「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
2024年4月16日 06時00分

 柏崎刈羽原発の再稼働に向け、地元・新潟県の同意が得られる見通しが立たない中、東京電力は15日、7号機の原子炉に核燃料を入れる装塡(そうてん)に着手した。能登半島地震で避難計画の実効性が問われ、原発から30キロ圏内の自治体からは同意対象の拡大を求める声も出ている。課題は置き去りのまま、再稼働への地ならしが進む。(渡辺聖子荒井六貴


◆能登半島地震では大渋滞が発生

 「原発で何か起きたら誰でも一刻も早く逃げたいと思う。うまく避難できるのか」。柏崎刈羽原発が立地する柏崎市の池野里美市議は疑問を投げかける。

     (柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機)

 1月の能登半島地震で、市内の高速道路や主要幹線道路の国道8号が一時通行止めとなり、津波警報が発令されて道路は避難する車で大渋滞した。多くの市民がスムーズに逃げられないという現実に直面した


◆30キロ圏内には9自治体、43万人が

  30キロ圏内には9市町村が入り、避難計画の対象は計約43万2000人。柏崎市は事故時に即時避難する5キロ圏内と、屋内退避し放射線量により段階的に避難する5~30キロ圏内に全域が含まれる。能登半島地震では家屋倒壊で屋内退避が難しいことが浮き彫りになり、避難者が殺到する恐れがある。

 避難計画の基になる原子力災害対策指針を示す原子力規制委員会は、かたくなに屋内退避の方針を崩さないが、3月にあり方について見直しを始めた。議論は1年ほどかかるとされる。


◆豪雪時の対応は見通し立たず

 池野市議は、市内が豪雪地域にあることも懸念する。「冬の大雪の夜間が最悪のパターン。道路を除雪しないと逃げられない」。避難計画の豪雪時を含めた対応がまとまらず、内閣府で最終的に了承される見通しは立っていない。

 30キロ圏内の長岡市の市民らでつくる「さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト」の山田秋夫さん(63)は「計画の実効性が担保されていないのに、東電は再稼働すると言っている私たちの命を無視している」と危惧する。

 避難計画策定が義務付けられている原発30キロ圏自治体だが、東電が再稼働の同意を求めるのは、協定を結ぶ新潟県と立地する柏崎市や刈羽村に限られている。


◆意思表示ができないのは「おかしい」

 2市村を除く7市町には「拒否権」がない。東電との不平等な関係をただそうと地元の超党派の議員が2020年に研究会を設立。同意を求める自治体を30キロ圏に拡大するよう東電や県に働きかけてきた。

     (日本原子力発電の東海第2原発

 会長で自民党員でもある見附市の関三郎市議(74)は「核燃料装塡で再稼働が迫っていると感じている。ただ、研究会は賛成か反対かを示す場ではなく、意思表示ができないのは『おかしい』と言っている。住民の安全安心を守るのは自治体だ。それを実現するためにも、意思を示す機会が必要だ」と強調する。


◆東海第2原発では30キロ圏の6市村が「協定」

 地元同意の対象となる自治体の範囲を定めた法律はなく、国のエネルギー基本計画で「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」と記す程度。同意の対象が拡大すれば再稼働へのハードルが高くなるため、電力会社は及び腰だ。範囲を広げることに、東電の広報担当者は「自治体の意見を聞き、説明会など取り組みをしていきたい」と明確に答えなかった。

 その慣例を破ったのが、日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県)。立地する東海村を含めた30キロ圏の6市村が原電と交渉し、再稼働には6市村の同意が必要とする協定を原電と結んだ。関市議も「画期的なモデルで参考にしていきたい」と話す。


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●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」

2024年03月27日 00時00分29秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240314[])
3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権。
 《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約29千人が避難生活を送る》理由は何ですか? その多くが核発電人災による影響なのではないのですか。さっさと東電と政府が《原状回復》し、周辺に飛び散った全ての放射性物質を3.11以前のように福島第一核発電所の原子炉内に戻して見せてくれればよいだけなのに、キシダメ政権や自公お維コミは全くやる気なし。

 《圓龍寺塚本真如(まこと)住職(78)…「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」》(東洋経済オンライン)。
 沖縄タイムスの【[社説]東日本大震災13年 命守る教訓をつなごう】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1322491)。《原発事故と地震の複合災害への備えは不十分だ。東京電力福島第1原発の事故を受け、原子力規制委員会は災害対策指針を策定。原発からの距離ごとに住民の避難計画を示した。だが、能登半島地震では道路が寸断され、唯一の避難経路が失われた。北陸電力志賀原発でもし事故が発生しても避難できない事態に陥ったのである。今年1~3月に共同通信が実施した原発に関する全国世論調査では、原発事故に備えて自治体が定める避難計画を「見直す必要がある」とした人は94%に達している。原発事故により福島県では今も7市町村で帰還困難区域が残る。第1原発の廃炉の道筋は見えず、除染で出た土などの廃棄物搬出も不透明だ。それにもかかわらず岸田文雄首相は原発回帰に転換した事故の教訓に背を向けているのではないか。…福島の原発事故を受け、各地で避難生活を送る人はいまだに約2万9千人に上る》。

 東洋経済オンラインの記事【能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ 志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの/青木 美希】(https://toyokeizai.net/articles/-/736154)。《日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのかそもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた》。

 琉球新報の【<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html)。《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約29千人が避難生活を送る福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っているかつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ。…日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ》。
 東京新聞のシリーズ記事【雨風が吹き込み、横にもなれない家に「屋内退避」しろと? 原発事故対策の絵空事を能登で見た】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314516)。《<連載・能登から見る 3.11後の原発防災>㊥ …能登半島地震では、2011年の福島原発事故後に見直された避難と事故対策のあり方に致命的な問題が露呈した。原発と共存できるのか、能登の被災地で考える》《◆「危険」を示す赤い紙が貼られた家屋… ◆破れた屋根「外にいるのと何も変わらん」… ◆放射性物質を防ぐはずの施設が機能喪失… ◆肝心の放射線量もデータが取れない… ◆「無計画な避難を避けるため」屋内退避を設定》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ

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https://toyokeizai.net/articles/-/736154

能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ
志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの
青木美希
: ジャーナリスト
2024/02/23 9:00


     (倒壊した圓龍寺(珠洲市)の庫裡(くり)(以下、被災地の
      写真はいずれも1月20~22日、筆者撮影))

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日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのかそもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた。
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■原発建設予定地だった寺では住職の妻が下敷きに

能登半島の先端に位置する石川県珠洲市では1975年に原発立地構想が浮上した。関西電力は135万キロワット級の原発を高屋地区に、中部電力も寺家(じけ)地区に造る、と具体化させていったが、30年近くに及ぶ住民らの強い反対運動で計画は停滞。コスト増もあって2003年に両原発は計画断念に追い込まれた。

     (原発計画を断念した際に中部電力などの発表した
      資料から=2003年12月)

能登半島地震が起きた際、その高屋地区には住民や帰省してきた家族100人ほどがいた。震源地の近くだったこともあり被害は甚大で、山道は複数個所で崩落地区は孤立した。実際、原発立地予定地内だった圓龍寺を筆者が訪れたところ、住職らの住居になっていた庫裡(くり)は大きく崩れていた。

住職の妻は地震で下敷きになった。住職が引っ張りだしたが、妻の足は翌日から紫色に腫れ、「痛い痛い」と訴え続けていたという。

高屋地区の海岸では海底が2メートル近く隆起し、船が近づけない。1月3日になって自衛隊がゴムボートで上陸し、ヘリがけがをした住職の妻や体調の悪い高齢女性、出産間近の女性を金沢市の病院に搬送した。

集落はその後も孤立状態が続く。1月4日になると、起伏が激しい場所でも前進できる自衛隊車両のみが通行できる状態となった。5日には地元の有志が道路への倒木や地割れなどの補修を実施。10日ごろに自衛隊による道路補修用の砂利搬入が始まり、12日になってようやく集落の出口まで道路は開通した。


■現地で目の当たりにした地震の爪痕

筆者が高屋地区に向かったのは、発災から3週間後の1月21日である。

現地に行くまで、「高屋まで行ける」「行けない」と情報は錯綜。高屋とバイクで行き来していた男性の案内で車を走らせたものの、行く手には崩落箇所に鉄板を敷いた仮設道路しかない。道幅も車のすれ違いは困難なほど狭い。

     (高屋地区に続く道)
     (高屋地区の入り江。海辺が隆起し、岩礁が露出した)

細い砂利道を進み、山を越えると、眼下に高屋地区の入り江が広がっていた。しかし、青い海が広がっているはずの場所に海はない。海岸から数メートル先まで土地が隆起し、白い岩礁が露出しているのだ。

高屋漁港には数十センチ程度の段差が何カ所も生じていた。漁船が10数隻係留されていたが、船は岸壁より2メートルほども低い位置にある。はしごを掛けて降りなければ、乗り込めない。地震の前は普通の港と同様、岸壁からひょいと漁船に乗りこめる状況だったという。岸壁側が2メートルほど隆起したのだろう。

     (高屋漁港で並ぶ漁船)

地区を歩くと、屋根の瓦が崩れ落ちた家が多く、土砂崩れにのまれた家もある。住民の多くは避難し、約100人のうち残っているのは9人だった。

集会所に行くと、黄色いジャンパーを着た長靴姿の男性がきびきびと動いている。谷口直生(なおき)さん(38)。「この集落で一番若いので(働いています)」。電気も水道も復旧しておらず、1月1日から3週間も風呂に入っていないという。

けが人がいるのに救助の手がどこからも来ないという状態が発災直後に続き、車中泊を続けた人もいる。仮に珠洲原発の計画が頓挫せずに完成し、そして万が一の事故が起きたら住民らの避難路になっていたはずの道。そこが寸断し、当初は救助も支援もまともに来ない、かといって脱出もできなかった

そして筆者が訪れた3週間後でも水道、電気は回復していなかった。谷口さんも「珠洲原発があったら目も当てられない状態だったと思う」と言葉少なだった。

現地を案内してくれた珠洲市議の小谷内毅さん(63)はこう言った。

珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった


■圓龍寺の住職が語ったこと

珠洲市で原発立地計画が進んでいた当時、反対の声を上げた住民のリーダーの1人は、圓龍寺塚本真如(まこと)住職(78)だった。建物が壊れ、妻が下敷きになったあの寺だ。塚本さんは避難先だった加賀市内のホテルで取材に応じてくれた。

     (塚本真如住職。30代のときに原発の計画を聞いて
      勉強し、反対のリーダーを担った)

原発計画を聞いたとき、塚本さんは30代だったという。原発について知識がなかったため、原発建設の是非を自分で判断しようと、「推進派と反対派の本をそれぞれ100冊ずつ読んだ」そうだ。

福井県の敦賀原発など他の現場にも足を運んだ。敦賀原発は1981年に放射性廃液の大量流出事故もあり、女性たちが健康影響を心配していた。

うそを固めてできたのが原発と思った。どうしても『原発がいい』という結論が自分の中で出なかった

塚本さんらは原発建設予定地に土地を持つ人たちを説得し、そのうち数人の土地を共有化して容易に買収できないようにした。

「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」

筆者は、志賀原発の状況も取材した。原発の入り口には他の原発と同様に検問所のようなゲートがあり、黒っぽい上下の警備員が歩いている。行きかう車の台数は他の原発よりも少ない。時折車両が行き来する程度で、警察官を輸送するバスの行き来のほうが目立つほどだ。

     (志賀原発1号機(右)と、再稼働を申請中の2号機)

北陸電力には内部取材について問い合わせているが、返事はなかった。原発そばにある原発PR館「アリス館志賀」を訪れると、職員2人が中から出てきて「入れません」「休館中です」と繰り返す。


■「北陸電力から情報が出てこない」

能登半島の住民や取材者の間では「北陸電力から情報が出てこない」とよく言われる。ホームページで資料を出してはいるが、東京電力のように記者会見のYouTube公開もない。志賀原発の海水の取水口が耐えられる隆起は20センチ+αとされているが、これも記者会見で質問を浴びた北陸電力が答えたことだ。広く一般には公開していない情報であり、会見に参加した記者たちが報道しない限り、住民も国民も知らされない

志賀原発の周辺も回った。

志賀町富来地区は震度7を記録し、甚大な被害が出た。瓦屋根が地面に接地している家、ブルーシートで入り口が覆われている家……壊滅的な風景が続く。乗用車が屋根に押しつぶされている家もあった。

原発事故が発生したら原発からおおむね5~30キロ圏内の住民は屋内退避するように、との方針を政府は示しているが、志賀町の状況を見ると、「屋内退避の非現実性が実感できる。

     (志賀原発から北に9キロの富来地区。
      屋根が崩れた家が目立った)

志賀町の避難所にいた高齢夫婦に話を聞くと、夫(86)は1988年着工の志賀原発で建設作業に従事していたという。能登半島地震の後でも原発は安全だと言い切る夫。その隣で妻(77)は「地震で揺れるたびに原発が心配です」と首を横に振る。

志賀町議の堂下健一さん(69)は、志賀原発から20キロの地点に自宅がある。地震の後は、周辺の県道51号線が土砂崩れとなり、孤立してしまった。自身を含めた住民は運よく土砂崩れの前に避難できたが、自宅にはその後、近づくことができない。

この県道は、石川県の防災計画で能登半島の北部に避難する「基本的な避難ルート」の1つとされているが、2月18日現在も通れないままだ。

堂下さんは言う。

「これで原発は、地震に対応できないことがはっきりしました。それが一番心配です」


■町人口は1万8000人、防護施設の定員は2500人

放射能を防ぐ防護施設も足りない。志賀町によると、町人口の1万8000人に対し、防護施設の定員は2500人しかない。原子力規制庁や政府、県の原子力災害時の現地対応拠点となる「オフサイトセンター」には今回の地震で1月1~2日の2日間に町民130人が避難に駆け込み、職員が対応する事態になった。避難施設ではないが、放射線防護機能があるためだ。県によると、2日夕方に避難所に移ってもらったという。

志賀町長の稲岡健太郎氏は「万が一の場合、全町民を受け入れる容量はない。施設を何倍も増設する必要がある」とし、志賀原発については「以前のように安全性をアピールすることは難しい」と語っている(東京新聞・2月4日朝刊)。

もっとも、被災地から遠く離れてしまうと、原発への懸念は消えたのか、再稼働による「原発回帰」の声が強くなる。

1月30日には関西経済連合会と、原子力発電所が立地する福井県の4市町(敦賀市、美浜町、高浜町、おおい町)の意見交換会が大阪市内で開かれ、エネルギー安全保障や経済を支える観点から国に原子力政策の推進を求めていくことで見解が一致した。

関経連の金花芳則副会長(川崎重工業会長)は「原発稼働を継続する重要性を再確認した」と発言し、美浜町の金花芳則町長は「今年策定される国の次期エネルギー基本計画に原発推進を明確に位置付けてほしい」と求めている。

翌31日には北陸電力の松田光司社長が「(能登半島地震でトラブルが相次いだ志賀原発は)安全上問題はなかった」「原子力は電力の安定供給や二酸化炭素排出の面から素晴らしい電源には間違いない。重要性は変わらない」と記者会見で語っている。

珠洲市や原発立地自治体の人たちは2月2日、原子力規制委員会に「能登半島地震の知見がまとまるまで、(各地の原発再稼働に関する)審査を凍結してほしい」と要望書を出したが、規制委の山中伸介委員長は2月7日の記者会見でそのような考えはないと拒んだ

     (原子力規制委の山中委員長=2月14日)

先述したように、国の原子力災害対策指針は、原発から5~30キロ圏内は「住民等が比較的容易に採ることができる対策」として屋内退避を掲げている。家屋や公共施設などの建物内にとどまれ、という意味だ。

しかし、今回の能登半島地震では屋内退避ができない場合が存在することが明らかになった。実際、規制委の山中委員長も地震後の会見で、「屋内退避ができないような状況が発生したのは事実だ。その点の知見をきちんと整理したうえで、もし、災害対策指針を見直す必要があれば、見直していきたい」と述べていた。


■発言から1カ月後に態度を一変

ところが、その発言からおよそ1カ月後の2月14日になると、山中委員長は「避難もできない、屋内退避もできないということは今回の検討の中では考えない」と発言。態度を一変させた。

家屋の倒壊が相次ぎ屋内退避もできない、道路が至るところで壊れて避難もできない。そんな状況が現実に起きたのに、規制委のトップが対応を考えない」というのだ。規制委が考えずして、いったい誰が被曝防護を考えるのか

東日本大震災に伴う福島第一原発の事故では、避難区域から餓死状態で見つかった人たちがいた。その教訓から学ばず、能登半島地震の教訓からも学ばないのであれば、また同じことが起きるかもしれない

国内では現在、12基の原発が再稼働しているが、さらに中国電力の島根原発2号機、東北電力の女川原発2号機が今年、8〜9月の再稼働に向けて手続きが進行中だ住民の命に直結する課題を棚上げにしたままで、日本は「原発を最大限活用する」(岸田政権)道を走り続けている


あおき みき / Miki Aoki
札幌市出身。北海タイムス(休刊)、北海道新聞を経て全国紙に勤務。東日本大震災の発生当初から被災地で現場取材を続けている。「警察裏金問題」、原発事故を検証する企画「プロメテウスの罠」、「手抜き除染」報道でそれぞれ取材班で新聞協会賞を受賞した。著書「地図から消される街」(講談社現代新書)で貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞など受賞。近著に「いないことにされる私たち」(朝日新聞出版)
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html

<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう
公開日時 2024年03月11日 05:00

 東日本大震災から今日で13年となった。地震の規模を示すマグニチュードは日本の観測史上最大の9.0を記録し、死者1万5900人、行方不明者2520人、震災関連死は3802人に上った。


 東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約2万9千人が避難生活を送る。福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っているかつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ

 今年元日には能登半島地震が起き、防災や減災に関する課題が多く浮き彫りになった。原発事故や津波などによって甚大な被害をもたらした東日本大震災の教訓を風化させてはならない。再確認し、将来に引き継いでいきたい。

 東日本大震災が残した大きな教訓の一つが原発に頼らないエネルギー政策、すなわち脱原発である。政府は震災後、「原発に依存しない社会」を掲げ、30年代に原発ゼロを目指すと宣言した。しかし現在、政府は原発利用を推進している震災の教訓を忘れたのだろうか。当初目標に立ち返るべきだ。

 日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ。

 今も課題は山積している。使用済み核燃料、いわゆる「核のごみ」の最終処分地再処理工場の完成は不透明だ。建設中を含む国内19原発の30キロ圏にある自治体のうち18道府県計109市町村で、地震など災害時の緊急輸送道路が土砂崩れなどにより寸断される恐れがあることが共同通信社の分析で判明した。避難に不可欠な道路整備への十分な財政措置が求められる。東日本大震災の教訓を伝える語り部が、担い手の高齢化や資金難で継続が難しくなっている。

 能登半島地震では、電気や水道といったライフラインの耐震性の強化や、マンパワーや宿泊場所の確保などの課題が顕著だ。東日本大震災の課題と合わせ、行政と民間が一体となって課題の解決に取り組まねばならない。

 一方、沖縄では、最大クラスの津波発生時に被害が想定される「津波災害警戒区域」に、高齢者や障がい者ら「要配慮者」が使用する施設が少なくても628カ所ある一方、避難確保計画の作成は83カ所にとどまることが琉球新報の調べで分かっている。避難所に女性専用避難室などを設けている自治体は3市町村しかないことも判明した。要配慮者や女性の立場に立った避難計画が必要だ。

 私たち一人一人は、沖縄が強い地震や大きな津波に襲われた場合を想定し、普段から備えたい。避難方法の確認をはじめ、水や食料、燃料の備蓄、通信手段の確保などを実行することが肝要だ。
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コメント
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●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は? 正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?

2024年03月12日 00時00分47秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240228[])
10年前、(2014年2月26日)《いま、東電で起きていること、原子力規制委員会の危うい動き》(鈴木耕さん、マガジン9)を思い出す。原子力〝推進〟委員会、原子力〝寄生〟委員会、昔から酷かったが、ここ数年、あまりに酷い。全く「規制」する気のない委員会。委員会そのものに核発電について「適格性がある」かどうかを判断する「適格性がある」のか?
 《能登半島地震は、複数の断層が連動して大きな揺れを起こしたと立石さんはみる一方、柏崎刈羽原発の周辺で断層が連動する事態が十分に検証できていないとし、こう唱える。「現状ではどれほどの揺れや津波が原発を襲うのかは分からない。能登半島地震を機にさらに議論すべきだ」》《◆デスクメモ 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)》(東京新聞)。

   『●原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会(1/2)
   『●鈴木耕さん《一度、活断層だと判断したものを電力会社が独自調査で
     否定したら、それを受けて規制委が再調査するというのであれば…》

 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【「何が言いたいのか分からない」敦賀原発2号機の再開審査で規制委を呆れさせた、原電の支離滅裂な説明】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/293775)。《地質データの不適切な書き換えで中断していた日本原子力発電原電敦賀原発2号機(福井県)について、原子力規制委員会は新規制基準に適合するかどうかの審査を再開したが、またも滞り始めた。原電の説明が科学的根拠に乏しく、肝心の断層を巡る議論では自らの主張にほころびが出る事態に陥った。(渡辺聖子)》。

 はぁ? 全く「規制」しない原子力「寄生」委は正気か??
 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【柏崎刈羽原発の「運転禁止」解除、原子力規制委は甘くないか 書類確認3カ月、現場調査10日間、議論1時間】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294448)。《東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の運転禁止命令解除に道筋を付けた6日の原子力規制委員会の対応は、東電に対する甘い姿勢が浮き彫りとなった。テロ対策不備の再発防止の取り組みを、改善途中にもかかわらず是正したと判断原発を運転する適格性については表面的な確認作業でお墨付きを与えた。世界最悪レベルの原発事故と重大なテロ対策不備の当事者への厳しい姿勢は感じられない。(渡辺聖子)》。

 3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
 東京新聞の記事【柏崎刈羽原発、「運転禁止」命令を解除 東京電力のテロ対策は改善と判断 原子力規制委員会】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/298081)。《原子力規制委員会は27日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に出している事実上の運転禁止命令の解除を正式に決めた。2021年4月の命令から2年8カ月余り、福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東電再び原発の運転に向けた準備に入る。定例会合では、東電に対する特別な検査態勢を解くことに対し、委員5人全員が賛成。これにより、運転禁止命令の解除が決まった。27日午後に東電に通知する》。

 そもそも東電に資格はあるのか? 未だ《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 柏崎刈羽? バッカじゃないのか!
 山田祐一郎西田直晃両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/301911)。《犠牲者が200人を超えた能登半島地震。阪神大震災を上回るマグニチュード(M)7.6を記録し、日本海側でも巨大地震が起きると改めて浮き彫りになった。やはり心配なのが原発だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県刈羽村では、安全面を危ぶむ声が強まっている。原発があっても本当に大丈夫か。検証は尽くされているのか。(山田祐一郎西田直晃)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/293775

「何が言いたいのか分からない」敦賀原発2号機の再開審査で規制委を呆れさせた、原電の支離滅裂な説明
2023年12月4日 06時00分

 地質データの不適切な書き換えで中断していた日本原子力発電原電敦賀原発2号機(福井県)について、原子力規制委員会は新規制基準に適合するかどうかの審査を再開したが、またも滞り始めた。原電の説明が科学的根拠に乏しく、肝心の断層を巡る議論では自らの主張にほころびが出る事態に陥った。(渡辺聖子


 敦賀原発2号機の審査 2015年11月、日本原子力発電(原電)が原子力規制委員会に新規制基準への適合性審査を申請。20年に規制委側の指摘で地質データの書き換えが発覚した。活断層の可能性につながる記載を、否定につながる記載に無断で書き換えるなどした。修正後の資料でも、地層の観察場所を間違えた。審査は2度にわたり中断。原電が今年8月、修正した申請書を再提出し、9月に再開した。


◆建屋近くのK断層、活動時期は?

 審査の一つ目の焦点は、原子炉建屋近くにある「K断層」が活断層かどうか。新規制基準は、約12万~13万年前の後期更新世以降の活動を否定できない断層を、活断層と定義。活動時期がキーポイントになる。
 この点を議論した11月10日の規制委の会合で、原電が矛盾した説明を展開し、規制委事務局の担当者を困惑させた。
 原電は、K断層が活動した形跡のある地層の年代を「12万4000~14万2000年前」とした分析結果について、K断層の活動時期は後期更新世よりも古く、活断層ではないと主張した。

 だが数値の一部は後期更新世に含まれており、原電の説明はつじつまが合わない。規制委事務局が繰り返し矛盾を指摘しても「総合的に判断した」と不明確な回答に終始。規制委側が念押しのように「後期更新世に入っているという認識でいいのか」と問いただすと、原電の担当者は「(後期更新世に)かかるのはそうなる」と認めた。
 このやりとりを見れば、原電が活断層の可能性を認めた格好だ。


◆申請書に必要なデータがない?

 原電の審査は、再提出された申請書に必要な説明やデータが漏れなく盛り込まれたことを「前提」として、今年9月に再開した。
 ところが、この日の審査会合では、原電の要領を得ない説明が続いた。規制委事務局の質問に対し、原電は「あらためて整理する」「持ち帰り検討する」などと繰り返すばかり。質問の意味が理解できない原電の担当者が、沈黙する場面もあった
 いら立った規制委事務局の幹部が「これからデータを取る話なのか」と、審査再開の前提が守られているのかを確認しても、原電の剣田裕史副社長は「根拠となるデータを整理して再度示したい」としか答えられなかった。規制委と約束した前提はほぼ崩れている。
 K断層が活断層と判断された場合、審査はK断層が2号機直下にある別の断層につながるかどうかの議論に移る。K断層が活断層であり、なおかつ2号機直下の断層につながると判断されれば、「2号機直下に活断層あり」という結論になる。


◆2号機廃炉の可能性があるのに

 2号機直下の断層を巡っては、2012年に規制委の専門家チームが「活断層の可能性が否定できない」と指摘。新規制基準は活断層の上に原子炉など重要施設の設置を認めていない。原電が今回の審査で、活断層の可能性はないことを立証できなければ、2号機の廃炉は免れない
 再開した審査も、根拠が足りない説明で始まり、踏み込んだ議論に入れないまま。能力不足を露呈した原電に対し、規制委事務局の幹部は疲れた様子でこぼした。「質問と答えがかみ合わない。何が言いたいのか分からない


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/294448

柏崎刈羽原発の「運転禁止」解除、原子力規制委は甘くないか 書類確認3カ月、現場調査10日間、議論1時間
2023年12月7日 06時00分

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の運転禁止命令解除に道筋を付けた6日の原子力規制委員会の対応は、東電に対する甘い姿勢が浮き彫りとなった。テロ対策不備の再発防止の取り組みを、改善途中にもかかわらず是正したと判断原発を運転する適格性については表面的な確認作業でお墨付きを与えた。世界最悪レベルの原発事故と重大なテロ対策不備の当事者への厳しい姿勢は感じられない。(渡辺聖子


 柏崎刈羽原発 新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって立地。東電福島第1原発と同じ沸騰水型という軽水炉が計7基あり、総出力は821万2000キロワットと世界最大規模。東電は新しく、出力が大きい6、7号機の再稼働を優先し、2013年に原子力規制委員会に新規制基準の審査を申請。17年に適合した。新基準に沿った事故対策では、工事の未完了や溶接の施工不良などの不備が続いた。

     (柏崎刈羽原発の検査について説明する原子力規制委員会の
      山中伸介委員長=6日、東京都港区で)


◆規制委で追及の場面なく、議論は1時間足らず

 「追加することはない」。6日の定例会合で、山中伸介委員長が検査結果が妥当かどうかを4人の委員に確かめると、いずれも同じ返事を繰り返した。山中委員長も事務局の報告をすんなりと受け入れた。
 委員らは、現地調査や東電社長への聴取をしないと最終的な判断はできないとの意見で一致したが、伴信彦委員が「明らかに改善が図られている」と発言するなど、東電の取り組みを前向きにとらえる見方が続いた。問題点を追及する場面はなく、1時間足らずで委員間の議論を終えた。
 テロ対策の検査は荒天時の監視体制や、IDカードの不正利用など不備再発防止の取り組みを一過性にしないなど、4項目が最後まで残った。報告書案は、これらすべてについて「自らミスを見つけて改善できる仕組みが定着しつつある」とした。


◆検査中もあったテロ対策の違反

 「しつつある」という改善の途中段階と受け取れる表現は、検査官19人全員の一致した認識という。山中委員長は記者会見で「規制当局が介入して改善を促す状況は脱した」と繰り返した。東電内で自律的な改善を担う社長直轄の部署は発足から半年余りと日が浅く、事務局は取り組みの定着までは確認していない。
 テロ対策の違反は検査中もなくならなかった。東電が4項目の是正完了を規制委に報告した後の11月にも、薬物検査で陽性反応が出た社員を誤って防護区域に入れていたことが発覚。しかし規制委は「軽微な事案と取り合わなかった。「ミスが起きても、自ら見つけて改善できれば良い」と事務局担当者。山中委員長も「報告書に影響はしなかった」と強調した。
 命令解除の判断材料となる適格性の再確認は、うわべだけの確認作業で引き続き「あり」と判断した。
 6年前に適格性が「ある」と判断した際に規制委が確認した7項目には、福島第1原発の廃炉への責任も含まれる。


◆「正確な情報発信」は適格性と関係ない?

 ところが今回は「正確な情報発信を通じて関係者の理解を得ながら廃炉に取り組む」という部分が「規制に直接関係しない」との理由で確認の対象外に。漁業関係者らの反対を押し切って始めた処理水の海洋放出目標が達成された」とする項目に入った。

     (テロ対策についての検査報告書案などを議論した
      原子力規制委員会=6日、東京都港区で)

 10月に浄化処理設備で起きた作業員の被ばく事故は「現在検査中としただけで考慮されなかった。始まる見通しのない原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しをはじめ難航する作業ばかりだが、確認結果は「廃炉は総じて進捗(しんちょく)している」とした。
 事務局が報告までにかけた期間は8月から約3カ月。主に書類で確かめる作業だった。内容の確認や聞き取りのため職員が現地や本社に出向いたのは計10日間。山中委員長は「時間的に不十分だとは思っていない」と言い切った。


【関連記事】柏崎刈羽原発「問題ない」規制委が今年中にも運転禁止命令解除へ 東電の再発防止策を評価
【関連記事】「飛散しない」自己判断でカッパ着ず、廃液が飛散して被ばく
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/298081

柏崎刈羽原発、「運転禁止」命令を解除 東京電力のテロ対策は改善と判断 原子力規制委員会
2023年12月27日 11時10分

 原子力規制委員会は27日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に出している事実上の運転禁止命令の解除を正式に決めた。2021年4月の命令から2年8カ月余り、福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東電が再び原発の運転に向けた準備に入る
 定例会合では、東電に対する特別な検査態勢を解くことに対し、委員5人全員が賛成。これにより、運転禁止命令の解除が決まった。27日午後に東電に通知する。


◆命令の後も続いた違反

 柏崎刈羽原発では、2021年1月以降、東電社員によるIDカードの不正利用や、侵入検知装置が多数壊れた上に代わりの対策も不十分なまま放置したテロ対策の不備が相次いで発覚。規制委はこの年の4月に核燃料の移動禁止を命じ、東電の再発防止策に対する検査を続けてきた。

     (東京電力柏崎刈羽原発の6号機、7号機(右から))

 しかし、規制委の検査中も東電のテロ対策不備は相次いだ。2022年6月には監視用の照明設備が非常用電源に接続されていなかったことが発覚。これを是正したものの、翌年の2023年6月に別の照明設備に電源が接続されていないことが発覚した。

 ほかにも、手荷物検査が不十分で未許可の携帯電話やスマートフォンが持ち込まれた違反が、2023年1月以降で少なくとも3回起きた。今から2カ月まえの2023年10月には、薬物検査で陽性反応が出た社員を防護が必要な区域に一時入域させるなど、違反は後を絶たない。


◆規制委は「影響は軽微」と判断

 規制委はこれらの違反について、いずれも「影響は軽微」として再発防止策の検査には影響しないと判断。今月(2023年12月)6日の定例会合で、すべての再発防止策は妥当とする事務局の検査報告を大筋で了承した。
 また、柏崎刈羽原発の新規制基準適合性審査では、東電が2013年に6、7号機の審査を規制委に申請。規制委は東電が福島第1原発事故の当事者であることを考慮し、東電に原発を運転する適格性があるかも確かめた。2017年9月に「適格性がある」と判断し、その上で同年12月に事故対策が新規制基準に適合するとの審査書を決定した。
 今回の命令解除の手続きでは、規制委は今月(2023年12月)20日、東京電力の小早川智明社長を呼び、テロ対策の再発防止策と原発を運転する資格(適格性)があるかどうかを判断するために説明を聴いた。この日の委員5人による話し合いでは、小早川社長の説明に大きな問題はない、との意見で一致していた。
 今後、東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働するには新潟県などの立地自治体の同意が必要となる。花角英世知事は同意の是非を巡って「県民の信を問う」と述べている。


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/301911

こちら特報部
「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声
2024年1月11日 12時00分

 犠牲者が200人を超えた能登半島地震。阪神大震災を上回るマグニチュード(M)7.6を記録し、日本海側でも巨大地震が起きると改めて浮き彫りになった。やはり心配なのが原発だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県刈羽村では、安全面を危ぶむ声が強まっている。原発があっても本当に大丈夫か。検証は尽くされているのか。(山田祐一郎西田直晃


◆震源地から百数十km離れてても震度5強の揺れ

 10日午前、「こちら特報部」は雪がちらつく刈羽村に入った。前日夕には、佐渡付近を震源とするM6.0の地震があったばかり。村では震度3を観測した。
 JR刈羽駅から南に1キロ離れた村役場に徒歩で向かう。道路には真新しいひび割れが無数に見られた。役場近くの国道116号は片側3車線から歩道までひびが斜めに伸び、中央分離帯部分が盛り上がっていた

     (国道に広がる路面のひび=新潟県刈羽村で)

 「元日の地震でできたひびですね」。説明してくれたのは歩道橋工事の交通誘導員をしていた男性。1日の能登半島地震では、震源地から東に百数十キロ離れた刈羽村は震度5強の揺れに襲われた。ひびは既に応急処置されたというが「交差点の脇に立っていると、大型車両が通るたびに歩道が揺れる」と男性は話す。


◆もし原発で事故が起きたら、避難できる?

 「海岸部を中心に液状化の被害が多数報告されている」。村議の武本和幸さん(74)は、数日前に村内で撮影した写真を見せながら説明する。「昨年、整備したばかりの村道も地盤が液状化してアスファルトの路面がひび割れている」
 1日は外出先から帰宅したところに地震が起きた。「2007年の中越沖地震を思い起こさせる揺れ。原発は大丈夫なのかというのが最初に脳裏によぎった」。中越沖地震はM6.8で、最大震度6強。柏崎刈羽原発の屋外変圧器で火災が起き、微量の放射性物質を含む水が海に流出した。

     (村内の被害について説明する武本和幸さん=新潟県刈羽村で)

 今回は燃料プールの水があふれたが、大きな異常は確認されていない。それでも武本さんが問題視するのは、大地震により柏崎刈羽原発で事故が起きた際の対応、特に避難のあり方だ。懸念を強めるのは1日の経験から。地震直後、国道や高速道路は通行止めとなった。「避難しようとした住民が渋滞に巻き込まれたという話が多く寄せられた」


◆道路は見渡す限り車、高台への避難を断念

 原発の南西約3キロに住む無職宮崎孝司さん(79)は1日に避難を試みた一人。「防災無線で津波警報が出たことを知り、家族3人で車で高台へ避難しようとしたが、道路は見渡す限り車で埋まっていた。Uターンして当初とは別の場所に避難した」と振り返る。

     (1日の地震の影響で路面がひび割れた道路
      =6日、新潟県刈羽村で(武本和幸さん提供))

 付近の国道では2022年12月に記録的な大雪で多くの車が立ち往生した。大雪の際に原子力災害が発生した場合、政府は原発の5キロ圏について「避難経路の除雪が完了するまで屋内退避を継続」との方針案を示している。宮崎さんは「津波も起き、避難が必要な場合はどうすればいいのか」と危惧し、避難するにしても「道路は地震で寸断され、雪で立ち往生する複合災害もあり得る」と訴える。


◆想定外の揺れ、海底隆起…もし原発が稼働中だったら?

 刈羽村と同様、柏崎刈羽原発が立地する柏崎市在住で医師の本間保さん(73)は「能登半島の北陸電力志賀原発も柏崎刈羽原発も運転停止中のため、これだけの被害で済んだのでは」とみる。「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」共同代表でもある本間さんは「原発を動かすのは無理だともう一度、声を上げる時期に来ている」と続ける。

     (地震で海底が隆起したとみられる石川県輪島市
      門前町の深見漁港周辺=本社ヘリ「あさづる」から)

 今回の地震では、能登半島の海底が隆起し、従来は海だった場所が陸になったことが確認された。先の武本さんは柏崎刈羽原発周辺でこうした地盤の隆起が生じることを危ぶむ。「外部から冷却水を取ることが困難になる可能性もある
 さらに「中越沖地震では想定外の揺れが、東日本大震災では津波が問題となった。今回、原発周辺の地盤が変動するリスクも明らかになった。再稼働の議論の前にリスクについて改めて評価すべきだ」と訴える。


◆日本海側でも巨大地震が起きると実証

 日本で大地震といえば太平洋側を思い浮かべがちだが、過去には日本海側でも起きた。ともに津波で多数の死者が出た1983年の日本海中部地震(M7.7)、93年の北海道南西沖地震(M7.8)などがある。

     (1日の地震の影響で路面がひび割れた道路
      =6日、新潟県刈羽村で(武本和幸さん提供))

 政府の地震調査研究推進本部は、日本海側の一部の海域活断層について、地震発生の確率の評価を公表してきたが、能登半島沖を含む大部分は未公表だ。金沢大の平松良浩教授(地震学)は「太平洋側に比べ、日本海側の評価は後回しになっている」と説明する。
 再来周期が数十年〜数百年のプレート境界型地震を想定する太平洋側に比べ、日本海側で起きる活断層型地震の再来周期は数千年〜数万年程度とされる。「予算や人員が限られる中、活動性の違いから日本海側は二の次にされている」
 そう語る平松さんは「個々の再来周期は長くても、多数の活断層があるため、平均的に考えればどこかしらで地震は起きてしまう。津波を伴う大地震もあり、日本海側でも調査を進めるべきだ」と指摘する。


◆原発設計時の想定上回る揺れも

 地震の被害は丁寧な検証が不可欠だ。想定を上回る場合があるからだ。能登半島地震では、石川県地域防災計画で想定されたM7.0を超えた。先に触れた中越沖地震では、柏崎刈羽原発の設計時に想定した最大の揺れを上回ったほか、建屋地下にある鉄筋コンクリート製のくいの損傷が、地震発生から14年を経て発覚する事態も起きた。

     (新潟県の東京電力柏崎刈羽原発=2021年4月撮影)

 そんな不安があっても政府は原発再稼働に躍起になる。柏崎刈羽原発も例に漏れず、2017年末に6号機、7号機が原子力規制委員会の適合性審査を通り、テロ対策の不備で21年に出された事実上の運転禁止命令も23年末に解除された
 再稼働の判断に関わる新潟県が安全面の砦(とりで)になるはずだが、厳しい視線を向ける研究者が近年、「排除」を思わせる扱いを受けた
 11年の東電福島第1原発事故を受け、県は柏崎刈羽原発の再稼働判断のため、三つの検証委で議論を深めたが、技術面を扱う委員会に名を連ねた新潟大の立石雅昭名誉教授は21年、高齢を理由に再任が見送られた。三つの検証を総括する委員会のトップ、名古屋大の池内了名誉教授も23年、任期が更新されなかった


◆「今回の地震を機に議論深めるべき」

 厳しい検証が遠のく中、改めて浮かび上がったのが日本海側の巨大地震リスクだ。地質学者の立石さんは「県は再稼働に前のめりにならず、従来の考え方を改める必要がある」と語る。
 能登半島地震は、複数の断層が連動して大きな揺れを起こしたと立石さんはみる一方、柏崎刈羽原発の周辺で断層が連動する事態が十分に検証できていないとし、こう唱える。「現状ではどれほどの揺れや津波が原発を襲うのかは分からない。能登半島地震を機にさらに議論すべきだ」


◆デスクメモ

 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)


【関連記事】海底が隆起? 防波堤の外まで陸になり、海ははるか先に… 能登半島地震で一帯の漁港に異変
【関連記事】志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
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コメント
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●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》

2024年02月14日 00時00分17秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


/ (2024年02月03日[土])
(長周新聞)《能登町や珠洲市は30㌔圏外だが、半島の先端にあるため、原発災害のさいは原発に向かって逃げることをよぎなくされる》、《さらに地震直後、珠洲市長は「市内の6000世帯のうち9割が全壊またはほぼ全壊だ」と災害対策本部会議で窮状を訴えた。この時点で防災指針にある「屋内退避は机上の空論であり、このような原発事故の防災指針・「避難計画」は現実とかけ離れていることが浮き彫りになっている。自治体が膨大な時間と労力をかける計画策定や避難訓練などもアリバイに過ぎず、「安全神話」醸成のためのパフォーマンスに過ぎなかった》。
 核発電「麻薬中毒」患者・「原発ゾンビ」の皆さん、「想定外」と言う勿れ…能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結断層の上に建つ志賀核発電所。これまでの教訓は何処に? 今回も、志賀原発が再稼働していなかったという幸運が重なったに過ぎない。大島堅一さん《「日本は世界にも稀(まれ)な地震、自然災害大国現行の規制基準に重大な欠陥があり、避難態勢にも実効性がない現在稼働する全ての原発をただちに停止させるべきだ」と語った》…この常識が、3.11東京電力福島核発電所人災、そして、2024年1月1日以降も根付かない、狂気なニッポン。次も幸運に恵まれるとは思えないのだが…。

 そして、珠洲核発電所建設計画の凍結、本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年》。本当に頭の下がる思いだ。《今回の能登半島地震で珠洲原発の予定地だった高屋地区の海岸線は数メートル隆起した。もし原発があったら大打撃を受けた可能性もあった。前出の井上さんは「原発事故が起きたら、能登はなくなっとったかもしれんね」。塚本さんは淡々と語る。「言葉を尽くすより、あの様子を見て想像がつくでしょうやっぱり日本に原発を造れるところなんてどこにもないね、と」》(こちら特報部)。
 岸本拓也記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/304462?rct=tokuhou)。《能登半島地震の震源地近くに建設が計画されていた「珠洲(すず)原発」。建設予定地だった石川県珠洲市高屋町は、今回の地震で住宅の大半が壊れ、陸路も海路も閉ざされて孤立状態に陥った。もし原発が実現していたら、重大事故が起きて住民の避難がより困難になった可能性もあった建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった。どのような思いで止めたのか。(岸本拓也)》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/304462?rct=tokuhou

こちら特報部
珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨
2024年1月23日 12時00分

 能登半島地震の震源地近くに建設が計画されていた「珠洲(すず)原発」。建設予定地だった石川県珠洲市高屋町は、今回の地震で住宅の大半が壊れ、陸路も海路も閉ざされて孤立状態に陥った。もし原発が実現していたら、重大事故が起きて住民の避難がより困難になった可能性もあった建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった。どのような思いで止めたのか。(岸本拓也


◆あと1年続いてたら僕らがつぶれていた

 「どこで何があるか分からん。本当に珠洲原発を止めて良かった

     (珠洲原発の反対運動のリーダー的な存在だった
      塚本真如さん=17日、石川県加賀市で)

 今回の地震で被災した高屋地区にある円龍寺の住職・塚本真如さん(78)は今月中旬、同県加賀市にある2次避難先のホテルで「こちら特報部」の取材にほっとした様子で語った。

 珠洲原発計画の反対運動で中心的な存在だった塚本さん。1975年に持ち上がった計画は、住民の反対運動と、それを切り崩す電力会社側との28年に及ぶ「闘争」の末、2003年12月に凍結された。塚本さんは「あと1年粘られたら、つぶれとったのは僕らの方やった」とかつての日々を振り返る。


◆関電は飲食や視察旅行で懐柔を図る

 関西、中部、北陸の3電力は1976年に正式に原発計画を公表した。しかし、関電が建設計画を進めた高屋地区では当初、住民のほとんどが反対していたという。そこへ関電側が住民の懐柔に動いた。「タダで飲み食いさせたり、原発視察名目の接待旅行に何度も招いたり芸能人を呼んだ住民向けのコンサートも開かれた。僕は一度も行かなかったけど、最後は住民が飽きて視察に参加しなくなるほどだった」

     (かつて珠洲原発反対派の拠点となった円龍寺も、地震で
      大きな被害を受けた=石川県珠洲市で(塚本さん提供))

 関電から、地域の祭りで使う奉灯「キリコ」の収納庫や農作物の保冷庫などを建てるための多額の寄付もあった。原発予定地の土地を貸して、億単位の賃貸料を得た住民もいたという。「カネ力の前に、一人また一人と賛成に回り地域は分断されていった


◆「安全はウソ」 学ぶほど疑念は確信に

 計画が持ち上がった当初、塚本さんは原発に賛成でも反対でもなかった。しかし、「推進、反対の本を100冊は読んだ。学ぶほど、安全はウソで固められていると疑うようになった。放射能と人間は共存できんなと」。米スリーマイル島旧ソ連チェルノブイリでの原発事故もあり、疑念は確信に。反対運動へ深く関与していった。

     (珠洲市役所で座り込みをした反対住民らの動きを
      報じる1989年5月23日付の北陸中日新聞記事)

 転機となったのが、関電が高屋地区での原発建設に向けた現地調査に乗り出した89年5月。塚本さんを含めた住民たちは調査に入ろうとする関電の車列を阻止し、市役所で約40日間にわたる座り込み抗議を始めた。円龍寺は反対運動の拠点となった。

 「それまで表に出ないようにしていたが、このときは大声を上げた。行動しないと何もならんと。知らん間にリーダー的な存在に祭り上げられていた」と塚本さん。住民らは念仏を唱えて道路に座り込んだ。調査を中断に追い込んだ


◆「絶対に推進派の個人攻撃だけはするな」

 この頃から原発を巡る対立は激しくなっていく。高屋地区では住民の賛否が分かれる中で、毎年秋の住民運動会が中止された。生活雑貨店を営み、原発に反対した井上伸造さん(76)は「『反対派の店で物を買うな不買運動も起きた」と明かす。

 塚本さんへの圧力も強まった。自宅では連日、無言電話が鳴り、電話が盗聴されたとしか思えない内容が書かれた手紙などが届いた嫌がらせは、計画が凍結されるまで10年以上続いた推進派に包丁を突きつけられたこともあった。しかし、「絶対に推進派の個人攻撃だけはするなと周囲に何度も言い続けた


◆住民のわだかまりは「もう過去のこと」

 反対派で建設予定地の土地を共有化したり、関電株を買って計画撤回の株主提案をするなどして手を尽くした。原発に反対する政治家を増やそうと、県議選や市長選などにも関わった。「強い者の味方をしたら坊主じゃない」という父の教えが行動を後押しした。

     (珠洲原発反対派の会合で、「凍結」に涙を浮かべる
      女性たち=2003年12月5日、石川県珠洲市で)

 塚本さんらの反対もあり、3電力側は2003年12月ついに計画凍結を発表した。11年の東京電力福島第1原発事故の後には「珠洲に原発はなくて良かったと、推進派だった住民が塚本さんに話しかけてきたことも。だが、今では原発が住民の話題に上ることもない。住民同士のわだかまりは「もう過去のこと」だという。

 今回の能登半島地震で珠洲原発の予定地だった高屋地区の海岸線は数メートル隆起した。もし原発があったら大打撃を受けた可能性もあった。前出の井上さんは「原発事故が起きたら、能登はなくなっとったかもしれんね」。塚本さんは淡々と語る。「言葉を尽くすより、あの様子を見て想像がつくでしょうやっぱり日本に原発を造れるところなんてどこにもないね、と」


   


◆事業者による活断層評価は「明らかに過小」

     (高屋地区につながる峠道は激しく損傷し、車の通行が
      困難になった=石川県珠洲市で(吉田華子さん提供))

 東京電力福島第1原発事故後、市民の立場で脱原発を求める発信・提言を続けている「原子力市民委員会」は、今回の能登半島地震で、地震や津波が頻発する日本の原発の危険性があらためて浮き彫りになったとして、18日にオンラインシンポジウムを開いた。

 「事業者による活断層評価は明らかに過小評価だった。数メートルに及ぶ地盤の隆起や変異原発の安全設計に組み込むことはできない」「社会インフラが機能不全に陥った原発事故発生時に避難や機材、人員の増強は不可能だと分かった」

 座長を務める龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)が、今回の震災で浮き彫りになった、志賀原発の問題点を列挙した。


◆地割れが隆起が起きたら、原発は持たない

 「原発にとって脅威なのは、想定していない揺れが起こること」と「想定外」の地震の怖さをあらためて訴えたのは、元東芝原発設計技術者の後藤政志氏。志賀原発1号機の直下には活断層が走っていると一時は評価されたが昨年、覆った。「この断層を元に地震が起きると強く主張するわけではない。他で大きな地震が起きた時に連動して揺れ、原発に影響を与えるんじゃないか、という心配をしている」。その上で、「地割れや隆起が起きれば、原発は持たない。原発を断層のない安定した地盤の上に設置することは最低限必要能登半島地震は原発の危険性を突きつけている」と訴えた。

 原子力資料情報室松久保肇事務局長は使用済み核燃料(SF)について言及した。北陸電は仮に全電源が喪失した場合、SF冷却プールが100度に達するのは1号機で17日間、2号機で29日間と推定している。だが、松久保氏は「志賀原発は長時間停止しており、SFの発熱量がかなり下がっているからこれだけ時間がかかる。停止直後ならこんなに余裕はなかった、ということになるだろう」と話す。津波についても「今回は原発に3メートルの津波が来たとされているが、3メートル以上来たらどうなるか海水ポンプも壊れていたのではないか」と危惧する。


◆徒歩も自動車も、屋内退避もままならない

     (地盤の隆起で海底がむき出しになった
      珠洲市の沿岸=9日)

 一方、環境経済研究所の上岡直見代表は、石川県が策定した避難計画で指定する道路の多くが寸断されたとし、「原発避難は30キロ、数十キロ移動する。徒歩は考えられない。自動車で移動するのかといったら駄目ということ」と断じた。

 今回は、多くの家屋が倒壊しており、屋内退避もままならない。上岡氏は「仮に倒壊しなくても、ライフラインが途絶すれば屋内退避はできない」とする。さらに、避難時に放射性物質が衣服や体に付着していないか調べる場所「スクリーニングポイントの開設や、ヨウ素剤の配布も困難だと指摘した。

 大島氏は「日本は世界にも稀(まれ)な地震、自然災害大国現行の規制基準に重大な欠陥があり、避難態勢にも実効性がない現在稼働する全ての原発をただちに停止させるべきだ」と語った。(宮畑譲


◆デスクメモ

 10年前、大飯原発の運転差し止め命令を出した樋口英明元福井地裁裁判長は13日、「当時の人たちのおかげと、珠洲原発を止めた塚本さんらに感謝した(16日東京新聞茨城版)。その感謝の輪に、関電も加わるべきだ。珠洲原発が実現していたら、何が起きたか想像もつかないのだから。(歩)


【関連記事】「珠洲原発があったら…もっと悲惨だった」 能登半島地震で孤立した集落、原発反対を訴えた僧侶の実感
【関連記事】志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
【関連記事】かつて原発計画、能登地震の震源 「珠洲」凍結 住民に感謝 元裁判長・樋口さん、つくばで講演
【関連記事】石川県「能登でM8.1」試算を知りながら防災計画は「M7.0」想定 知事は「震災少ない」と企業誘致に熱
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●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所

2024年02月10日 00時00分56秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月03日[土])
核発電「麻薬中毒」「原発ゾンビ」の皆さん、「想定外」と言う勿れ…能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結断層の上に建つ志賀核発電所。これまでの教訓は何処に? 今回も、再稼働していなかったという幸運が重なったに過ぎない。低層階で変圧器の故障や油漏れ事故を起こしたということは、上部では相当な揺れだったはずで建屋や原子炉、核燃料プールがマトモだったと考えるのは難しいのでは?
 dot.の記事【能登半島地震「想定外」ではなかった 日本海側にも活断層が多数存在/川口穣】(https://dot.asahi.com/articles/-/211469)。《元日の家族団らんを容赦なく襲った能登半島地震。東日本大震災以降の報道や対策の 議論は太平洋岸が中心だったが、日本海側の地震リスクが低いわけではないという。…今回の震源域に活断層があることは、従来知られていた。東日本大震災を受けて2013年から14年にかけて開かれた国土交通省の「日本海における大規模地震に関する調査検討会」では、津波を伴った大地震を起こしうる断層モデルとして今回の地震とほぼ同じ震源域を想定し、最大でM7.6の地震が起こる可能性があるとしている。今回の地震の要因となったのがその断層だったのか、あるいは未知の断層だったのかは今のところはっきりしないものの、地域の地震リスクとしては想定外ではなかったという。東京大学名誉教授で、政府の地震調査委員会委員長を務める平田直(なおし)さんはこう説明する》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…

 3.11東京電力福島核発電所人災の教訓もどこに? …「想定外」と言う勿れ。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「孤立」「原発」…生かされなかった阪神・淡路大震災、東日本大震災の教訓】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202401170000102.html)によると、《それに対して、道路が寸断された半島の特性が避難所への水や食べ物、物資の搬入が遅れた理由と言われるが、それらは十分、阪神・淡路大震災、東日本大震災の経験があれば想定でき、リスク回避は自治体レベルで可能だったはずだ。人災という言葉は使いたくないが、あまりに2つの震災の教訓が北陸の自治体で検討され、訓練されていなかったことがわかる。自衛隊の逐次投入が批判されるが、それよりも自治体からの出動要請がまず必要だったのではないか。 ★また、被災地の北陸電力志賀原発(停止中)は設備の故障で外部電源の一部から電気を受けられなく、空間放射線量を測るモニタリングポストも万全とは言えないのに北陸電力は情報公開に消極的だここでも教訓は生かされたとは言えない》。

 樋口英明さん、そもそも《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》。
 長周新聞の記事【地震列島と原発は共存できず 未知も含め全国に6000もの断層 「安全」といえる場所ないと専門家指摘】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28770)。《石川県能登地方で1日、最大震度7(マグニチュード=M7・6)を記録する「令和6年能登半島地震」が発生した。県内での死者は200人以上を数え、交通網が壊滅的打撃を受けるなか、今も被害の全容は明らかになっていない。東日本大震災以後、日本列島は地震活動期に入っているといわれており、全国に2000あるとされる活断層がいつどこで動いてもおかしくないとの指摘を多くの専門家たちがくり返しおこなっている。加えて、南海トラフ地震も今後40年間の発生確率は90%といわれており、迫り来る地震被害への備えは急務となっている。列島直下で何が起きているのかについて専門家の指摘や警鐘に耳を傾け、日本列島が直面している現状を直視することが求められている》。

 さらに、樋口英明さん、《「被害が大きくてかつ事故発生確率も高いという2つが揃ったパーフェクトな危険》であり、「安全」な核発電所など形容矛盾。
 長周新聞の記事【すべての原発を即時停止せよ 安全の根拠ない再稼働基準 情報の後出しと隠蔽が体質化 原発列島に自然からの警告】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28804)。《元日に発生した能登半島地震では、北陸電力・志賀原発が立地する石川県志賀町でも最大震度7の揺れを観測し、あわや福島原発事故の再現かと思わせる原発立地町直撃の地震となった。マグニチュード7・6の地震発生直後、志賀原発原子炉建屋下では震度5強を観測。北陸電力も政府もすぐに異常なしと発表したが、後から変圧器の故障、大量の油漏れ、外部電源の一部喪失などの「異常が次々に小出しで発表されている。北陸電力によれば、現在までに放射能漏れなどの事象は発生していないとされるが、多重防護の一部を欠いた状態のなかで群発地震が継続しており、予断を許さない。地震想定や、原発再稼働の前提となる安全基準の信頼性は根底から崩れており、志賀原発の再稼働撤回のみならず全国の原発を即座に停止し、次なる大規模地震に備えることが急務となっている》。

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28804

すべての原発を即時停止せよ 安全の根拠ない再稼働基準 情報の後出しと隠蔽が体質化 原発列島に自然からの警告
2024年1月16日

再稼働に向け動き出していた志賀原発

 元日に発生した能登半島地震では、北陸電力・志賀原発が立地する石川県志賀町でも最大震度7の揺れを観測し、あわや福島原発事故の再現かと思わせる原発立地町直撃の地震となった。マグニチュード7・6の地震発生直後、志賀原発原子炉建屋下では震度5強を観測。北陸電力も政府もすぐに異常なしと発表したが、後から変圧器の故障、大量の油漏れ、外部電源の一部喪失などの「異常が次々に小出しで発表されている。北陸電力によれば、現在までに放射能漏れなどの事象は発生していないとされるが、多重防護の一部を欠いた状態のなかで群発地震が継続しており、予断を許さない。地震想定や、原発再稼働の前提となる安全基準の信頼性は根底から崩れており、志賀原発の再稼働撤回のみならず全国の原発を即座に停止し、次なる大規模地震に備えることが急務となっている。


「異常なし」でも「実は…」が続々と

 1月1日午後4時10分の地震発生直後、NHKをはじめとするテレビ各局は志賀原発は異常なしとする電力会社の発表を速報で流した。しかし、志賀町の最大震度7は、2011年3月11日の東日本大震災で福島県を襲った震度(6強)を上回っており、「原発が無傷で済むレベルではない」と誰もが直感する揺れだ。さらに能登半島北部では、海底が数㍍隆起して陸地化する現象が海岸線の85㌔にわたって発生【地図参照】。国土地理院が示したデータでは、海岸線の隆起は志賀原発の北7㌔地点にまで迫っていた

 志賀原発は、福島第1原発と同じ沸騰水型BWR)の1号機、改良沸騰水型ABWR)の2号機の2基がある。1号機は1993年7月、2号機は2006年3月に運転を開始した比較的若い原発だが、2011年の福島原発事故後の全原発停止によって稼働を停止。2号機については、2014年から再稼働に向けた新規制基準の適性審査が進んでいた。福島第1原発と違い地震時に原子炉は動いていなかったが、使用済み核燃料貯蔵プールには計1657体の核燃料が保管されていると推定される。

 原発が稼働していなくても、貯蔵プールに常時水を送り核燃料を冷却しつづけなければならない冷却機能が止まれば、数時間で燃料棒が損傷し、放射能漏れを起こす恐れがある。また、電源喪失で冷却水が供給できなくなったり、海岸線隆起で海水がとり込めなくなれば冷却機能が失われる可能性があった。

 当初は「異常なし」とした北陸電力だが、その後の発表・訂正で徐々に実態が明るみに出ている。

 1日、記者会見した林芳正官房長官は、「現時点では(志賀原発に)異常は確認されてない」としながら、記者の追加質問に対して「変圧器に火災が発生したが、すでに消火済み」とのべた。

 さらに同日、原子力規制庁の会見では、地震の影響で外部から原発に電気を送る一部系統が使用不能になっていること、2号機で外部から電気を受けとる変圧器付近で爆発したような音と焦げ臭いにおいがあった」と報告があったが、それは火災ではなく、地震の揺れで変圧器内部の圧力が高まったため消火設備が起動したものと公表。

 さらに1号機でも変圧器周辺で油漏れが確認され、電源の一系統が使用不能となり復旧のメドは立っていないが、他の系統から電力を供給しているため問題なしとした。

 また、核燃料貯蔵プールで地震の揺れによって冷却水放射能を含む1号機では95㍑、2号機では326㍑が飛散して床面にこぼれ冷却水を供給するポンプが一時的に停止したが、午後4時49分に復旧し、核燃料を貯蔵している使用済み燃料プールの冷却に問題はないとした。

 翌2日には、高さ4㍍の防潮壁が数㌢傾いたこと、1、2号機の廃棄物処理建屋の接続部分のカバー約15㍍が脱落していたこと、2号機の使用済み燃料貯蔵プールに2・5㍍のケーブルカバーなどが落下していたことが公表された。


油漏れは当初の6倍 揺れも想定上回る

 当初は「発生しなかった」(1日)、「水位計に有意な変動は確認されなかった」(2日)と説明していた志賀原発への津波到達については、3日に「3㍍の水位上昇が観測された」に変わり、10日には、地震発生後1~3㍍の津波が複数回到達していたことが明らかになった。北陸電力は、津波ではなく水位上昇」と表現している。

 変圧器損傷による油漏れについても、当初は漏れ出した油は「約3500㍑」と発表していたが、5日には漏洩量は約六倍の2万㍑にのぼっていたと訂正した。2万㍑といえばドラム缶(200㍑)100本分に相当する量だ。また北陸電力は「全量を回収済み」としていたが、10日にも新たに海面に油が漏洩していることが発覚した。10日までに2万3000㍑余りの油が漏れ出たことになる。今も全貌は明らかではないが、北陸電力は油に放射能は含まれていないとしている。

     (1日の地震で油漏れを起こした志賀原発の変圧器
      (撮影:北陸電力))

 さらに志賀原発で観測された揺れの加速度が、一部で想定を上回っていたことが10日に開かれた原子力規制委員会の定例会合で明らかになった。原発には施設や設備ごとに揺れやすい周期が異なり、あらかじめ各構造物ごとに揺れの大きさを示す加速度(ガル)を想定する。福島原発後の原発再稼働に向けて設定された新規制基準では、耐震設計に用いる地震動の加速度をおよそ1000ガル(大規模地震の目安)前後に設定している。

 だが、今回の能登半島地震では、志賀原発がある志賀町の観測点での最大加速度は、東日本大震災に匹敵する2828ガルにのぼった。1000ガル以上も計7地点で確認された。志賀原発1、2号機の原子炉建屋の基礎部分でも揺れが想定を上回り、1号機では東西方向の0・47秒の周期で918ガルの想定に対して957ガルを観測したという。規制庁は原子炉建屋などに異常はないと説明しているが、北陸電力が規制庁に報告したのは9日で、みずから公表はせず、関係自治体に説明もしていなかった

 また規制庁は、原発の約30㌔圏内に約120カ所あるモニタリングポスト(空間放射線量の測定器)のうち、輪島市や穴水町など原発の北側20~30㌔付近にある15カ所で、地震発生以降、測定不能の状態にあると発表。空間線量の実測値は、原発事故時に住民避難の判断根拠となるものであり、計測できなければ避難時期やルートも決められない。このモニタリングポストの欠測(故障)も20カ所にのぼることが10日になって明らかになった。道路が寸断されているため、原因の特定ができず、一部では復旧の見通しが立っていないという。

 北陸電力からの重要情報の後出しや訂正があいつぐため、経産省は10日までに、北陸電力に対して正確な情報発信をおこなうよう指示するという事態にもなった。

 現在までのところ、原子炉が停止中だったこともあり、福島原発のような過酷事故には至っていないが、地震そのものが想定を大きく上回る規模で発生し、断層による地割れ、海面隆起、交通網寸断、停電などの多重災害において原発情報はすべて後出しになり、「異常なし異常がないのではなく、パニックを防ぐための政治的アナウンスに過ぎないといえる。

 一部では、主電源が喪失し、核燃料プールから水が漏れ続けているとの報道もあり、今後どのような重大事象が明るみに出るのか、予断を許さない状況が続いている

 いくつもの断層が集中する能登半島周辺では、1700年以降、何度も大地震に見舞われており、そのような地域に原発を立地する無謀さを自然が警告しているとみなさなければならない。


過去に臨界事故隠蔽も 原子炉下には断層

 志賀原発での重大事故と情報隠蔽には、有り余る前科がある。1999年6月の定期検査中に一号機で臨界事故意図せずに核分裂反応を起こし、大量の放射線や熱を発生させる事故)を引き起こしたが、北陸電力は「発表すると2号機(建設)の工程が遅れるなどの理由でデータを改ざんし、必要な記録を隠滅対外的な報告を一切せず、8年後の2007年3月に明るみに出るまでひた隠しにしていた

 事故が発覚したのは、全国の電力会社でデータ改ざんが明らかになったことを契機に原子力安全・保安院が一斉点検を命じ、北陸電力の全社員アンケートで1人の社員が告白したからだった。このときすでに志賀原発2号機は稼働を始めていた

 このような情報隠蔽は、原発建設を推進する電力会社、原発メーカー、立地自治体、政府を含む“原子力ムラ”の常套手段であり、「原発安全神話」を流布する側にとっては体質化して久しい。重大事故では、浜岡原発(中部電力)、女川原発(東北電力)、東京電力の福島第2原発、柏崎刈羽原発では核燃料の制御棒が脱落する事故が起き、福島第1原発(東京電力)でも7時間半にわたる臨界事故が発生していたが、電力会社は30年近くも隠ぺいしていた。また、2007年の新潟県中越沖地震で震度7相当の揺れに襲われた東電柏崎刈羽原発では、基礎杭に損傷が見つかったと東京電力が公表したのは地震から14年後のことである。

 今回の能登半島地震を受け、原子力規制委員会山中伸介委員長)は、再稼働に向けた審査が進む志賀原発二号機について「(今回の地震が)新知見かどうかを確定させるまでに年単位の時間がかかる。審査はそれ以上かかると思う」との見通しを示している。この期に及んで再稼働を前提にした審査を続ける姿勢を崩してはいない

 志賀原発では、2014年に北陸電力が2号機の再稼働を目指して原子力規制委員会に適合性審査を申請。2016年3月には原子力規制委員会の専門家チームが、原子炉建屋直下にある断層【図参照】を「活断層である可能性は否定できない」と評価した。新規制基準では、重要施設の直下に活断層がないことを求めている。断層にずれが生じれば事故につながりかねないため、12万~13万年前以降に活動したことが否定できなければ再稼働はできず、廃炉を迫られることになる

 だが、政府や財界が経済的利害から既存原発の再稼働を熱望するなかで、昨年(2023年)3月、原子力規制委員会は専門家チームの報告を覆して敷地内に活断層はない」とする北陸電力の主張を妥当とし、「活断層問題はクリアとのお墨付きを与えた。委員の1人は「(北陸電が示した)膨大なデータに基づいて評価し直したところ、活断層ではないと判断できる非常に説得力のある証拠がたくさん得られた」とのべていた。

 これが弾みとなり、昨年11月、経団連の十倉雅和会長(住友化学)が志賀原発を視察して「一刻も早く再稼働できるよう心から願っていると訴えるなど、政財界が総力を挙げて再稼働に向けて動き出していた矢先に迎えたのが今回の能登半島地震だ。

 すでに周知のように、能登半島には先端にも根元にも巨大な断層が幾重にも走っており、志賀原発だけでなく、隣接する福井県には日本原電の敦賀原発(1基停止中)、関西電力の美浜原発(1基稼働中)、大飯原発(2基稼働中)、高浜原発(2基停止中、2基稼働中)が林立し、全国で最も原発が集中する「原発銀座」と呼ばれる地域だ。この地域全体にも何本もの断層が連なっており、75年前の1948年6月の福井地震(マグニチュード7・1、最大震度6、死者3769人、負傷者2万2000人以上)をはじめ、近年も近隣では2004年の中越地震、07年の中越沖地震、20年には福井県嶺北でもマグニチュード5、最大震度5の地震などが頻発している。

 また今回の能登半島地震では、本震だけでなく、マグニチュード3・5以上の群発地震が連日のように続いており、日本列島で起きた過去の地震と比べてもその回数は抜きん出て多く、今後いつまで続くのかはわかっていない【気象庁作成のグラフ参照】。

 すぐにでも原発を停止し、廃炉を進め、未曾有の地震に備えて核燃料を厳重に防護しなければならないのが常識であり、再稼働を前提にする発想そのものが気狂い沙汰といえる。原子力規制委員会は「原子力推進委員会」と改名しなければならない。

 今回の地震は、地下に断層があるかないか、それが活断層であるか否かなどに関係なく、人間がソロバンをはじいて計算した想定を帳消しにするほどの被害を広範囲にもたらすことを改めて教えた。再稼働という一部の経済的利害を追求する目標に基づいてつくられた新規制基準そのものが、自然を無視した恣意的かつ非科学的なものであることをシビアに突きつけている。

 今や誰も「原発を建てて安全な場所」と責任をもって認定できないのが現実であり、「想定外では済まされない。意図的に見ないことにしている「万が一」のいつ起きてもおかしくない原発災害によって失われるのは途方もない人々の生活と生命である。


絵空事だった避難計画 自治体に責任丸投げ

 さらに、改めてあらわになっているのは、福島原発事故の教訓から自治体に策定が求められてきた「避難計画と被災の現実との大きな乖離だ。

 福島第1原発事故後、発足した原子力規制委員会は、原発再稼働のためにこえるべきハードルとして「新規制基準」と「原子力災害対策指針」(防災指針)の2つを策定した。そのうち防災指針は、事故発生に備えてとるべき被曝対策を定めるもので、原発の周辺地域ごとに策定される「避難計画」がその中核となっている。福島原発事故までは、「事故は絶対に起きないという安全神話に依存して避難計画はまともに策定されていなかった

 ただし、防災指針における避難計画は、原発を管理運営する電力会社ではなく周辺自治体の責任で策定するものとされており、原発の防護措置の一つであるにもかかわらず、規制委員会による安全審査の対象外とされているあくまで国の原子力防災会議による了承手続きがあるだけで、自治体への責任丸投げというのが実態だ。

 新たな防災指針では、避難計画を策定する対象地域を原発30㌔圏内に拡大(それまでは8~10㌔圏だった)しており、能登半島西岸に位置する志賀原発の30㌔圏内は、激震地の輪島市、穴水町、七尾市など八市町に約15万人が暮らしている。能登町や珠洲市は30㌔圏外だが、半島の先端にあるため、原発災害のさいは原発に向かって逃げることをよぎなくされる

 防災指針によると、原発事故発生時には5㌔圏内の住民がまず避難し、5~30㌔圏内の住民は屋内退避を経て、一定の放射線量(毎時20マイクロシーベルト)をこえたら、あらかじめ確保した避難先に向けて避難を始めるとされている。

 だが今回の地震では、まず第一に避難経路を決めるための指標となる空間放射線量を計測するモニタリングポストが20カ所で故障携帯電話も使えなくなり、停電のためテレビ電波も入らず、情報手段が途絶した。これでは放射線量もわからず、避難に関する情報も住民は知ることができない。

     (1日の地震で崩落した道路(石川県志賀町))

 さらに、避難路となる道路は、24路線54カ所の国道、県道、高速道路が通行止めとなった。原発事故時の「基本的な避難ルート」とされていた金沢市と能登半島を結ぶ自動車専用道「のと里山海道」は、複数カ所で陥没し、一時的に全面通行止め。他の一般道でも発災から1週間たっても、崖崩れによる寸断、路面の亀裂や陥没、崩落などが修復できず、10日現在で3000人以上が孤立状態に置かれている。

 現地に物資が供給できないということは、現地住民が域外に避難することも物理的に不可能ということであり、地震と同時に起きる原発事故での住民の陸上避難は絵空事であることが浮き彫りになった。

 さらに地震直後、珠洲市長は「市内の6000世帯のうち9割が全壊またはほぼ全壊だ」と災害対策本部会議で窮状を訴えた。この時点で防災指針にある「屋内退避は机上の空論であり、このような原発事故の防災指針・「避難計画」は現実とかけ離れていることが浮き彫りになっている。自治体が膨大な時間と労力をかける計画策定や避難訓練などもアリバイに過ぎず、「安全神話」醸成のためのパフォーマンスに過ぎなかった

 現在も能登の被災地では、住居の崩壊や大規模火災、道路寸断、通信遮断、水や電気などのライフラインの途絶、燃料や物資不足、さらに豪雪による低体温症、感染症蔓延などの未曾有の被害のなかで、被災者や支援するボランティアたちの極限状態が続いている。国による早急な救援が必要だが、さらに原発災害が加わっていたら果たしてどんな事態を招いていたか――。救援・救助もおろか、住民の自主避難もできず、能登半島全体が孤立と阿鼻叫喚の渦に飲まれていたことは想像に難くない

 この期に及んで「地震に耐えた」と慢心し、とり返しの付かない過酷事故を引き起こすまで再稼働マインドから抜けきれない「原発ゾンビ」を退場させ、地震列島の現実に立った正気を政治にとり戻すことが急務となっている。
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●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」とうたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…

2024年01月30日 00時00分51秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年01月17日[水])
一体何をやっているんだろうか、この国は…。キシダメ政権や「利権」「裏金」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? そして、志賀核発電所の不誠実な情報開示。隠蔽体質と言われても仕方ない。「未知の断層」がまだまだ存在する地震大国で、(おそらく活断層であることは否定できない)断層の上に志賀核発電所を造ってしまったデタラメな「利権」「裏金」党政権。せめて、すぐさま廃炉作業に着手すべきだ。不幸中の幸いであり、今回も幸運が重なったに過ぎない。(dot.)《数多くの原発訴訟に関わる海渡雄一弁護士は、こう言う。「もし志賀原発の再稼働が認められていたら、どんな悲劇に発展したことかこの地震は、地震・火山大国日本への最後の警告だ」》.
 日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/SDGsというカルトの呪縛からの解放を 各地各様の事情が軽んじられすぎている】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/334774)。《昨年5月に能登地方がマグニチュード(M)6.5の大地震に襲われ、珠洲市で震度6強が観測された際、私は本欄で大要こう書いた。珠洲原発計画が凍結されていてよかった日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を国の責務とうたうGXグリーントランスフォーメーション法案にかまけている…》。

 添田孝史記者による、dot.の記事【能登半島地震・志賀原発 避難ルート「のと里山海道」は一時全面通行止め 避難計画は“絵空事”だった/添田孝史】(https://dot.asahi.com/articles/-/210705)。《元日に発生した能登半島地震で、北陸電力志賀原子力発電所については当日中に「異常なし」と発表された(後に訂正)。だが、原発事故があった際の避難ルートのと里山海道は複数カ所で陥没、一時、全面通行止めになった。石川県の激震地・輪島市や穴水町、七尾市原発30キロ圏内だ。地震大国・日本で「原発震災」が再び起これば、近隣住民の避難はやはり困難を極める》。
 古賀茂明さん《普通の人は、国が再稼働を認めるからには、ちゃんとした避難計画があり、その計画は、政府が言うところの世界最高水準の基準に従って規制委が審査していると思うだろう。だが、実際には全く違う規制委は、避難計画にはノータッチなのである。したがって、ほぼ全ての計画が全くいい加減な「なんちゃって避難計画」になっている。信じられないかもしれないが、それが真実だ》…。今回、それをまざまざと見せつけられた。

 能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという、キシダメ首相や自公お維コミ議員、原子力「寄生」委員会、電力会社などの核発電〝麻薬〟中毒患者ら。《外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れ核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし」》…火災も起きていた(勘違いって、ホント?)訳で、これでも《大きな異常はなし》って、どういうこと? 《外部電源の一部を喪失》なんて、とんでもない大問題。《変圧器の配管が壊れ、計約7100リットルの油が漏出》も、その後、大きく修正された。
 さらには、核発電〝麻薬〟中毒患者の皆さんは、何やらアノ東京電力のアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいらしいが、ホントに正気なのかね?

 元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き

     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)

 古賀茂明さんに言わせると、核発電所の運転を停止することは簡単だそうだ ――― 《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には審査されていないからだ》。ニッポンの裁判官は、そういうデタラメを理解しようとしていない。

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《実は、私はかねてより、「原発を動かせと言いながら廃炉にする方法
     を提唱している》
    《原発を動かすための議論なら社長たちは拒否できない
     そこで、最初に、安全性について質問する》
    《次に、万一事故が起きた時に損害をすべて賠償するために
     民間の保険に入ってくださいと要求する》
    《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の
     審査を受けろと要求する》
    《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、
     と社長に聞く》
    《これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる

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https://dot.asahi.com/articles/-/210705

能登半島地震・志賀原発 避難ルート「のと里山海道」は一時全面通行止め 避難計画は“絵空事”だった
2024/01/07/ 10:00

     (複数カ所で陥没が確認された基本的な避難ルート
      「のと里山海道」。=2024年1月2日午後2時31分、
      石川県穴水町)

 元日に発生した能登半島地震で、北陸電力志賀原子力発電所については当日中に「異常なし」と発表された(後に訂正)。だが、原発事故があった際の避難ルートのと里山海道は複数カ所で陥没、一時、全面通行止めになった。石川県の激震地・輪島市や穴水町、七尾市原発30キロ圏内だ。地震大国・日本で「原発震災」が再び起これば、近隣住民の避難はやはり困難を極める

     (【写真7枚】避難計画とは一体何か。空から見た「のと里山海道」


*  *  *


「志賀原子力発電所をはじめ、原子力発電所については現時点で異常がないことが確認をされております」

 1月1日の地震後、最初の会見。林芳正官房長官は現地の被害状況より前に、原発の様子に言及した。地震が起きるたびに、日本、いや世界中の関心が集まってしまうからだろう。


■激震地が30キロ圏内

 能登半島西岸の石川県志賀町に北陸電力志賀原発がある。原発から約9キロ離れた同町内の観測点では震度7、原発では震度5強を記録した。激震地の輪島市や、穴水町、七尾市などは30キロ圏内になる。

 志賀原発には、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型で、1号機(54万kW、1993年営業運転開始)、2号機(135.8万kW、2006年営業運転開始)の2基がある。2011年の東電の事故後、運転は止まったままだ。2号機は、2014年から再稼働に向けて新規制基準の審査が進んでいたが、まだ合格していなかった。

 使用済み燃料プールには1657体の核燃料を保管している。13年近く冷やされ続けているので、すぐに心配になる事態は起きなさそうだ。

 ただし、北陸電力によると、一部の変圧器で配管が壊れて油漏れが発生し、外部電源の一部が使えなくなっているという。多重の安全策の一部を欠き、安全のレベルは下がっている

 2007年に震度7相当の揺れに襲われた東電柏崎刈羽原発で、基礎の杭に損傷が見つかったと同社が公表したのは、地震から14年後のことだった。その後、建屋の建て替えへと追い込まれた。志賀原発も、今後の調査でまだ損傷が見つかるかもしれない。


■避難訓練は「絵空事」だった

 あらためてわかったのは、地震と原発事故が同時に起きる「原発震災」では、避難するのはとても困難だということだ。

 避難経路を決めたりするのに重要な、放射線量を測るモニタリングポストは、能登半島の北部を中心に10カ所でデータを測れなくなっている(5日21時時点)。原子力規制庁監視情報課によると、一部は通信障害によるものだが、それ以外の原因は確認できていないという。

 これでは、放射線レベルは今どんな状況なのか、どの方向が安全なのか、いつ逃げるのか、判断することができない。

 東電事故の当時、福島県はモニタリングポストを26カ所に設置していたが、1台を除いて使えなくなった。地震による停電でデータが送れなくなったり、津波で機械が流されたりしたためだ。その結果、放射線量が高い地域がわからず、住民がより被曝の多い方向に逃げる事態も引き起こした

 原子力規制庁は、東電事故以降、通信手段の多重化や、電源の強化はしていたというが、教訓は生かされていないようだ。

 携帯電話も、能登半島北部では使えない地域が多い。固定電話やテレビ電波さえも、停電でダウンしたところがある。これでは情報が入らない


■「基本的な避難ルート」が複数カ所で陥没

 原発事故があった際の「基本的な避難ルート」とされていた、金沢と能登半島を結ぶ自動車専用道「のと里山海道は複数カ所で陥没が確認され、一時、全面通行止めになった他の道路も寸断され、孤立した集落も数多く残されている。

 昨年11月に、石川県は志賀原発が震度6強で事故を起こしたと想定し、住民が避難する訓練をしていた。その時の想定では、道路損壊は1カ所だけとしていた

「実際には多くの家屋が倒壊し、下敷きになった住民もいるかもしれない。死傷者も複数発生し、火災発生もありうる。道路の損壊も広範囲に、複数個所に及ぶ。津波被害も発生しているかもしれない」

「周辺市町は地震の災害対策本部を設置しているはずである。消防や警察はこうした事態への対応で奔走している。こうした中での複合災害発生である。原子力災害への対応がどこまで可能か

「重大事故が起こっても、あたかも住民が皆安全に避難できるかのような、まやかしの訓練

 今回の地震の40日ほど前に、「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」などの市民団体は、そんな声明を出していたが、その危惧は的を射ていたようだ。


■東海第二は避難計画不備で運転差し止め

 原発のリスクを最小限にするために、さまざまな安全対策について国際的な基準に従って国内法でも定められている。

 その柱が深層防護だ。全5層の防護レベルで安全を確保する仕組みで、最後の層となる5層目では、住民が安全に逃げられるように、計画や手順を整備しておくことを求めている。

「実現可能な避難計画及びこれを実行し得る体制が整えられているというにはほど遠い状況

 こんな理由で、水戸地裁は2021年3月に、茨城県東海村にある日本原子力発電東海第二原発運転差し止めを命じている(東京高裁で係争中)。

 判決は、避難計画の現状についてこう批判している。

「住宅が損壊し、道路が寸断することをも想定すべきところ、住宅が損壊した場合の屋内退避については具体的にふれるところがない

「道路の寸断がある場合は、通行不能となった道路等の情報を迅速に提供するとしているが、具体的な提供手段は今後の課題とされている

モニタリング機能の維持は今後の課題としている」

 今後の課題として棚上げされていた点が、まったく実現されないままであることが、今回の地震で証明された形だ。


■“大揺れ”に襲われる原発

 最近、原発は不思議なぐらい大地震に揺さぶられ続け、そのたびに住民は肝を冷やしている

・2005年8月 宮城県沖地震(M7.2 最大震度6弱) 東北電力女川原発で、設計時に想定していた地震の揺れより大きな揺れ。

・2007年3月 能登半島地震(M6.9 最大震度6強) 志賀原発で想定を超える揺れ。

・2007年7月 新潟県中越沖地震(M6.8 最大震度6強) 柏崎刈羽原発では震度7相当の揺れを観測。想定より3.8倍も大きな揺れ

・2009年8月 駿河湾地震(M6.5 最大震度6弱) 中部電力浜岡原発で想定を超える揺れ。

・2011年3月 東北地方太平洋沖地震(M9 最大震度7) 女川原発福島第一原発東海第二原発で想定を超える揺れ。福島第一では津波による電源喪失で3つの原子炉が炉心溶融。国会の事故調査委員会は「地震による損傷の可能性は否定できない」としている。

 これを見ると、今後も原発は“大きな揺れ”に見舞われ続けるだろう、と想像できる。


■地震はこれで終わりではない

 地震のたびに、想定が不十分だったことが判明する。老朽化も進んでいる。そのうち揺れで大事故を起こす原発が出てきても不思議はない。

 現在、再稼働している原発は12基で、うち7基が集中する福井県の若狭湾は、活断層が密集しており、地震の起こりやすいひずみ集中帯にも入っている

 原発を今後も使い続けるのならば、今回の地震被害と照らし合わせて、避難計画は万全なのか、再検討が必要だろう。原発周辺の道路や通信網、電源、住宅や避難所を、抜本的に強化する必要がありそうだが、それには相当の費用がかかる。しかし、住民の命や健康を守る費用をケチってはいけない

それでは発電コストが上がりすぎて割に合わないというなら、すでに原発のコストを下回りつつある再生可能エネルギーに早く切り替えた方がいい

 数多くの原発訴訟に関わる海渡雄一弁護士は、こう言う。

もし志賀原発の再稼働が認められていたら、どんな悲劇に発展したことかこの地震は、地震・火山大国日本への最後の警告だ

 地震はこれで終わりではないのだ

     (北陸電力志賀原発2号機の原子炉格納容器内
      に入り、非常時の機器などについて説明を受ける
      経団連の十倉雅和会長(左から3人目)ら
      =2023年11月28日午前、石川県志賀町)

     (能登地方が大規模な地震に見舞われた翌日の
      志賀原発=2024年1月2日午前9時46分、石川県志賀町)

     (北陸電力志賀原発=石川県志賀町)


(科学ジャーナリスト・添田孝史
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●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)

2024年01月29日 00時00分42秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年01月16日[火])
能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという、キシダメ首相や自公お維コミ議員、原子力「寄生」委員会、電力会社などの核発電〝麻薬〟中毒患者ら。《外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れ核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし》…火災も起きていた(勘違いって、ホント?)訳で、これでも《大きな異常はなし》って、どういうこと? 《外部電源の一部を喪失》なんて、とんでもない大問題。《変圧器の配管が壊れ、計約7100リットルの油が漏出》も、その後、大きく修正された。
 さらには、核発電〝麻薬〟中毒患者の皆さんは、何やらアノ東京電力のアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいらしいが、ホントに正気なのかね?

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》

 dot.の記事【能登半島地震で露呈した原発の「不都合な真実」 政府が志賀原発を“異常なし”と強弁した理由 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/210770)。《やはり原発はやめるべきだ。能登半島地震を見てそう思った方はどれくらいいるのだろうか。あの大地震でも志賀原発は事故を起こさなかった!」「やはり日本の原発は安全だ!」という原発推進論者の声も聞こえてきそうだが、そんな声に騙されてはいけない》。
 同所の記事【能登半島地震でマスコミが映さない原発の「不都合な真実」 ずさんな避難計画を隠そうとする政府と電力会社 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/211236)。《先週に続いて、あまり知られていない原発の不都合な真実」をもう一つ紹介しよう。それは、原発周辺住民などのために作られている原発災害避難計画は原子力規制委員会の「審査を受けていないということだ。普通の人は、国が再稼働を認めるからには、ちゃんとした避難計画があり、その計画は、政府が言うところの世界最高水準の基準に従って規制委が審査していると思うだろう。だが、実際には全く違う規制委は、避難計画にはノータッチなのである。したがって、ほぼ全ての計画が全くいい加減な「なんちゃって避難計画」になっている。信じられないかもしれないが、それが真実だ。今回の能登半島地震では、地震と津波、火災による家屋の被害とともに、広範囲に及ぶ道路が、土砂崩れ、亀裂、陥没、隆起などで寸断された。津波で港が被害を受け、海岸が隆起した地域もあった》。
 古賀茂明さんに言わせると、核発電所の運転を停止することは簡単だそうだ ――― 《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には審査されていないからだ》。ニッポンの裁判官は、そういうデタラメを理解しようとしていない。

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《実は、私はかねてより、「原発を動かせと言いながら廃炉にする方法
     を提唱している》
    《原発を動かすための議論なら社長たちは拒否できない
     そこで、最初に、安全性について質問する》
    《次に、万一事故が起きた時に損害をすべて賠償するために
     民間の保険に入ってくださいと要求する》
    《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の
     審査を受けろと要求する》
    《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、
     と社長に聞く》
    《これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる

 元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。

 古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。
 今頃、「想定外」などと口にしていいのか? そんなに〝想定外〟のことがまだ起こり得るのならば、《新規制基準の適合性を審査》など、即座に、中止すべきだ。今回の志賀核発電所、様々な配管や、耐震設計されてない部品や施設が多数あるはずで、本当に地震で何の損傷もしていないのか? 日本全体・地球規模での壊滅的な核発電所の事故は、3.11に続き、今回も、大変な幸運にも、回避されたのではないか。再びの幸運だったに過ぎないのではないか。3度目はあるのか? ブログ主は、3.11東京電力福島核発電所人災でも、津波よりもむしろ、地震により激しく施設が損傷したと思っている。
 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/302420)。《能登半島地震は、東京電力福島第1原発事故後に進められていた原子力災害への備えに、想定外の事態を突きつけた。停止中の北陸電力志賀原発(石川県)は設備の故障で外部電源の一部から電気を受けられなくなり完全復旧には半年かかる見通し。道路の寸断や家屋の倒壊も激しく、深刻な原発事故が起きていたら計画通りの避難は困難だった。だが、今回浮かび上がった課題に対し、原発の事故対策や避難指針の策定を担う原子力規制委員会の動きは鈍い。(渡辺聖子)》、《北陸電力志賀原発 1、2号機のうち2号機が再稼働の前提となる新規制基準の適合性を審査中。1日の能登半島地震では、1号機地下で震度5強を観測。地震の揺れの強さを示す加速度は、1号機で最大957ガルを観測し、旧原子力安全・保安院時代に設定した想定値を39ガル上回った。2号機も25ガル上回る871ガルだった。揺れで壊れた変圧器から約2万リットル以上の油が漏れ、一部は海に漏えいした》。
 驚くことに、「想定外」と言いつつ「大丈夫」だと言い、さらには、この東京新聞の記事によると、《山中伸介委員長…新たな地震想定の規模によっては稼働中の原発が停止する可能性も出てくるが、山中委員長は「他の原発にも影響あるかどうかは分析次第。一定の時間がかかる」と述べるにとどめた》そうだ。分析中は、核発電所の稼働を続ける気らしい…。

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https://dot.asahi.com/articles/-/210770

能登半島地震で露呈した原発の「不都合な真実」 政府が志賀原発を“異常なし”と強弁した理由 古賀茂明
政官財の罪と罰
2024/01/09/ 06:00

 やはり原発はやめるべきだ

     【写真】「原発に異常なし」と木で鼻を括ったように
         発言した政権幹部はこの人

 能登半島地震を見てそう思った方はどれくらいいるのだろうか。

 「あの大地震でも志賀原発は事故を起こさなかった!」「やはり日本の原発は安全だ!」という原発推進論者の声も聞こえてきそうだが、そんな声に騙されてはいけない

 2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きるまで、日本では、「原発は安くて安全でクリーン」だという原発神話が存在した。事故でその神話が一旦崩壊した後、急速に発展する再生可能エネルギーとの比較からも、今では「原発は高い」「原発は汚い」という事実はかなり広く理解されるようになった。

 しかし、「原発は危ない」という点については、少し状況が異なる。

 福島第一原発の事故で原発の危険性を思い知らされ、「原発はいらない!」と強く思った多くの国民は、事故から12年を経て、あの想像を絶する原発事故の痛みと恐怖を忘れてしまったかのようだ

 原発推進論者が、「原発が動かないから電気料金が上がる」とか、(夏や冬のほんの一時期だけなのだが)「需給が逼迫して停電のリスクがある」とか叫ぶと、いとも簡単に、「それなら原発を動かしてもいいか」という反応を示すようになったのだ。

 実は、今回の地震の結果を見るまでもなく、日本の原発は危ないから止めるべきだと考える十分な根拠がある。

 私は、これを「原発の不都合な真実」と呼んでいる。意外と知らない人が多いのだが、今回の地震と併せて考えていただけば、理解が深まると思うので、この機会に一つだけその話を紹介したい。

 「原発の不都合な真実」の中で、もっとも重要なのは、原発の耐震性に関する事実だ。

 当たり前の話だが、原発の事故が起きても良いと考える人はほとんどいない。多くの人は、政府が、「世界最高水準の規制基準を満たしています」と言うのを聞いて、「福島の事故を経験しているのだから、さすがに動かして良いという原発は安全なものに決まっている」と信じているようだ。

 日本の国土は世界のわずか0.25%しかないのに、2011年~2020年でみると全世界のマグニチュード6.0以上の地震の17.9%が日本周辺で発生するという、世界で最も危険な地震大国だと言って良いだろう。その日本で世界最高水準の規制に適合していると聞けば、「原発は、ちょっとやそっとの地震ではびくともしない」と誰もが思っているだろう。

 しかし、真実は全く違う日本の原発は地震に極めて弱い。それをわかりやすく説明したのが、関西電力大飯原発を止めたことで有名な樋口英明元福井地裁裁判長だ。

 私も樋口氏から直接話を聞いて知ったのだが、日本の原発は、民間のハウスメーカーが販売する耐震住宅よりもはるかに耐震性が低い。たとえば、三井ホーム、住友林業の耐震性は、各々最大約5100ガル(ガルは加速度の単位、大きいほど強い揺れを示す)、約3400ガルに耐える設計になっている。

 一方、たとえば、四国電力の伊方原発の耐震基準は650ガル、高浜原発は700ガルと、日本の原発の耐震性は民間住宅の数分の1し

かない。北陸電力志賀原発も建設当時は490ガル、その後600ガルに引き上げられ、現在は1000ガルということで安全審査を申請している。なぜ、耐震性が上がっているかというと、さすがに3桁では信用されないということで、いくつかのマイナーな耐震対策を施して耐震性がすごく上がったと説明しているのだ。

 日本では2000年から20年までの間に、1000ガル以上の地震が17回、700ガル以上は30回起きていた。つまり、原発の耐震基準を超える地震はごく普通に起きるのである。ちなみに、日本で記録された最大加速度は2008年の岩手・宮城内陸地震の4022ガルである。2番目が2011年の東日本大震災の時の2933ガル

 この事実を知れば、原発の耐震性はこれらよりも強くして欲しいと思う。しかし、日本の原発の耐震基準の大半は1000ガル以下である(詳しくは、樋口氏の著書『私が原発を止めた理由』『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』〈いずれも旬報社〉を参照のこと)。

 このような事実を知る人が増えれば、そんなに危ない原発が動いていたのかと驚き、今すぐ止めてくれということになるだろう。

 今回の能登半島地震の最大加速度は、原発のある石川県志賀町の観測点で、東日本大震災に匹敵する2828ガルだったことがわかった。1000ガル以上も計7地点で確認されている。

 だが、たまたま運が良かったのかどうか、あるいは計測に異常があったのかもしれないが、北陸電力の発表を鵜呑みにすると、志賀原発1号機原子炉建屋地下2階で399.3ガルだったということだ(それ以外の観測点でどうだったのかはわからない)。近隣に比べて何故かずいぶん小さな揺れだったということになる。

 1000ガルの基準地震動から見れば余裕というところなのだろうが、その割には、かなり深刻な被害が出たのが驚きだ。使用済み燃料プールの水が大量に溢れる冷却ポンプが一時停止する複数の変圧器付近で配管の破損による大量の油漏れがあり、その影響で外部電源の一部系統が使用不能になるなどかなりの異常が発生した。これらの結果、放射能が外部に漏れたかどうかが気になるところだが、当初、モニタリングポストでは放射能漏れは観測されていないと発表されて胸を撫で下ろした。だが、なぜか4日になって、原発の北15キロ以上離れたところにあるモニタリングポスト14カ所でデータが確認できていないことが発表された。他のモニターの値が信用できるのか、また、より近くのモニタリングポストで計測不能になっていたらどうなったのかということも不安材料となった。

 これらの異常の他に何があったかはまだ明らかにされていない。特に、敷地内で建物や道路に亀裂が入ったり、隆起や陥没があったりしたかなどはすぐにわかりそうなものだが、発表があったのは5日になってから。それも、1号機の原子炉建屋付近や海側エリアなどで最大35センチの段差やコンクリートの沈下などがあったという程度の簡単な情報提供だけだった。道路に段差があれば、消防隊などの活動に支障が生じたりするので実は深刻は事態だが、そのようなことを連想させたくないのだろう。

 そして、何よりも気になるのが、北陸電力や政府の情報の出し方である。地震の発生後最初に伝えられた「志賀町で最大震度7」という情報を聞いた私は、真っ先に、これは大変だと思った。志賀町といえば原発だ。それがどうなっているのか、住民はすぐに避難しなくて良いのかということが気になった。しかし、テレビを見ていても、出てくる話は、津波のことばかり。もちろん、それが最も重要な情報であることはわかる。それを繰り返し流すことは必要だ。

 しかし、原発の状況についても、万一のことを考えれば、決して後回しで良いという話ではない。ところが、原発の状況について政府が具体的に触れたのは事故から2時間以上経過した後だった。林芳正官房長官が会見で、「現時点で異常なし」と木で鼻を括ったような発言をしたのだ。だが、記者の質問が飛ぶと、突然、変圧器で火災が発生と驚くような話をして、すでに消火と言い添えた。変圧器で火災なら重大事故なのではないかと心配になる。現に、外部電源が一部断たれたわけだから、「異常事態」であるのは疑いようがない(火災については、のちに北陸電力が否定したが、官房長官は訂正せずに放置した。この官房長官発言が原因で、原発で火災という情報が拡散して混乱を生じさせた。ちなみに、北陸電力は、爆発音と焦げ臭いにおいがしたことやスプリンクラーが作動して水浸しになったことは認めたが、それでも火災はなかったと主張している)。

 では、原発で火災があったという前提で、「異常なし」と涼しげに語った林氏の意図はどこにあったのか。何か特別の意図があったのではないかとどうしても勘ぐりたくなる。

 志賀原発については、元々その敷地内に活断層があるのではないかということがずっと疑われてきた。もし、今回の地震で「異常」があったということになれば、あらためて活断層への疑念が深まる。それがなくても、基準地震動の見直しとそれに基づく対策の実施が求められる可能性も出てくる。コストの問題もありまた再稼働までの時間が延びることも必至なので、それは北陸電力としてはどうしても避けたい。だから、「異常」はなかったと言いたくなる。

 むしろ、今回の地震を奇貨として、これほど大きな地震でも「何の問題もなかった」と言えれば、いかに志賀原発が安全かを示していると言えるとさえ計算していたのではないか。そんな疑いをかけたくなる林氏の対応だった。

 疑念はこれだけにとどまらない。政府にとって、実はもっと大事なことがある。それは東電柏崎刈羽原発の再稼働だ。

 東電は事故後倒産寸前に陥り、福島事故の後始末も自力ではできなかった。このため、政府は巨額の出資で資金を注入し、東電を政府の「子会社」とした。その資金を回収するためには、政府保有の東電株を高く売らなければならない。だが、東電は経営が苦しく株価が低迷している。柏崎刈羽原発が動けば、発電コストが下がり、利益が大幅に増える。その結果株価が上がり、政府も資金回収できるというシナリオを実現するために、何としても原発を動かしたい。

 しかし、志賀原発で、耐震性に問題があったとなれば、同じ日本海側の近県に立地する柏崎刈羽にも影響が及ぶ可能性がある。それだけは何としても避けたいというのが東電のみならず、政府の強い願いだ。特に、嶋田隆首相秘書官は、次期東電会長とまで言われた経済産業省の元事務次官でもある。柏崎刈羽再稼働は、官邸にとっても最優先課題となっていた。それに水を差すことなどありえないのだ。

 こうした裏の理由により、志賀原発は、何が起きても「異常なし」で通すしかないのである。

 能登半島地震で、深刻な原発事故が起きなかったことは不幸中の幸いだった。

 しかし、今回の原発での異常事態や周辺地域の壮絶な被害状況を見れば、日本のような地震大国で原発を動かす、いや、保有するだけでもいかに大きなリスクになるのかがはっきりわかる。

 3.11から12年経って、事故の記憶が風化し、脱原発どころか、原発新増設にまで踏み込む原発推進策に舵を切ろうとしていた日本にとって、これは天啓ではないのか。これだけのわかりやすい材料を与えられて、なお、金に目が眩んで原発推進の方針を撤回できないことなどありえないと信じたいところだ。

 しかし、それは楽観的すぎるのかもしれない。

 原発事故の被害を想像する能力を失い、驕りと強欲の塊となった日本が過ちに気づくには、原発事故を待つしかない――それこそが「不都合な真実」ということなのだろうか。

 国民は、与えられたこの機会に真剣に考え直して、政府に対して原発をやめろと迫るべきである。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/302420

震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?
2024年1月13日 06時00分

 能登半島地震は、東京電力福島第1原発事故後に進められていた原子力災害への備えに、想定外の事態を突きつけた。停止中の北陸電力志賀原発(石川県)は設備の故障で外部電源の一部から電気を受けられなくなり完全復旧には半年かかる見通し。道路の寸断や家屋の倒壊も激しく、深刻な原発事故が起きていたら計画通りの避難は困難だった。だが、今回浮かび上がった課題に対し、原発の事故対策や避難指針の策定を担う原子力規制委員会の動きは鈍い。(渡辺聖子

 北陸電力志賀原発 1、2号機のうち2号機が再稼働の前提となる新規制基準の適合性を審査中。1日の能登半島地震では、1号機地下で震度5強を観測。地震の揺れの強さを示す加速度は、1号機で最大957ガルを観測し、旧原子力安全・保安院時代に設定した想定値を39ガル上回った。2号機も25ガル上回る871ガルだった。揺れで壊れた変圧器から約2万リットル以上の油が漏れ、一部は海に漏えいした。


◆特別な耐震性を求めていなかった「変圧器」が故障した

 「原発内の施設の不具合で受電できないことは想定していないのではないか。考えを整理する必要がある」。10日の規制委の定例会合で、志賀原発で起きたトラブルについて伴信彦委員が議論を提起した。

     (能登半島地震の対応を議論した原子力規制委員会の
      定例会合=10日、東京都港区で)

 志賀原発では1、2号機の変圧器の配管が壊れて油漏れが発生し、外部電源とつながる最も規模の大きい送電線が使えなくなった。別の回線に切り替え、使用済み核燃料の冷却などの必要な機能を保っている。

 外部電源の喪失が要因となった福島第1原発事故後、原発構内の非常用電源を複数確保することなどが新規制基準に盛り込まれた。ただ、対策は原子炉建屋などの重要設備に集中している。放射性物質を扱わない変圧器に特別な耐震性は求めていない。敷地外の電線や鉄塔が地震で損壊すれば外部電源を失うため、建屋外の電気設備には期待しない、との考えが背景にある。

     (地震による揺れで油漏れを起こした北陸電力
      志賀原発1号機の変圧器=1日(北陸電力提供))

 今回の地震では、敷地外の送電網は断たれなかったが、原発の外部電源の一部を失った。規制委の山中伸介委員長は記者会見で、変圧器の故障原因の究明は必要としたが「安全上の影響が及ぶとは考えていない」と従来の考え方を見直そうとはしなかった。


◆「適合済み」原発にも「想定外」起きては困るが

 志賀原発は、新規制基準の適合性が審査されている。事故対策に向けて想定する地震の大きさについて、今後の分析結果を踏まえた審査が進められる見通しだ。これまでに把握されていなかった断層が地震を引き起こした可能性も指摘され、想定の大幅な見直しも視野に入る。

 一方で、既に新規制基準に適合済みの原発への対応は見えない。

 新規制基準に最新の知見を取り入れた場合、審査に適合済みの原発にも反映させる仕組みがある。この仕組みが適用されれば、新たな地震想定の規模によっては稼働中の原発が停止する可能性も出てくるが、山中委員長は「他の原発にも影響あるかどうかは分析次第。一定の時間がかかる」と述べるにとどめた。


◆国の指針に沿った避難ができない状況が実際起きたのに

 志賀原発の30キロ圏内で空間放射線量を測るモニタリングポストは、約120カ所のうち最大18カ所で一時測定ができなくなった。地震発生から11日たっても、1カ所で測定できていない。通信回線の不具合が原因とみられる。

 国の原子力災害対策指針は、原発事故が起きた場合、放射線量の実測値に基づき屋内退避や避難すると定める。今回、実測値が把握できず、石川県内では600戸以上の家屋が全壊し、道路は各地で寸断。原発事故が起きれば、指針通りに避難できない状況だった。

 山中委員長は、自動車やドローンなどで線量を測る手段もあると強調。「木造家屋が多く、屋内退避できない状況が発生したのは事実」と指針の前提が崩れたことは認めながらも、見直しについて具体的に言及することはなかった。


【関連記事】志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
【関連記事】「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声
【関連記事】志賀原発の周辺15カ所で放射線量を測定不能 モニタリングポストが「壊れているのか、埋まっているのか…」
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●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」

2018年12月03日 00時00分51秒 | Weblog


東京新聞の社説【伊方原発容認 安全神話の復活なのか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018111702000137.html)。

 《噴火も地震も取るに足らない、避難計画は不完全でもいいと言うのだろうか。四国電力 伊方原発の運転差し止めを求める住民の訴えを司法はまたもや退けた安全神話の亡霊を見る思いである》

 司法も核発電「麻薬」中毒…「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」というのに。高松高裁の神山隆一裁判長は、《日本一避難しにくい原発》に、再稼働をお墨付き。

   『●「原発さえなければ…」:  
       それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」

   『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ 
      いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?
   『●熊本大分大地震の最中、
      伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ
   『●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが
           胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長
    「東京新聞の記事【伊方3号機の差し止め認めず 広島地裁決定】…と、
     社説【伊方仮処分却下 何をそんなに急ぐのか】」

   『●核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」
              …その先には腐敗した司法の大きな壁が…
    《国の原発政策に一石を投じるか――。13日、広島高裁が四国電力
     伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止める命令を出した。
     高裁レベルでの運転差し止め判断は初めてだ》
    「核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…
     その先には最「低」裁を頂点とした司法の大きな壁が待ち受けている
     《脱原発ドミノが始まるのか》どうかは、まだまだ未定」

   『●アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…
          捏造された「社会通念」で核発電所再稼働を容認

 アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…捏造された「社会通念」で核発電所再稼働を容認。2017年12月、折角の広島高裁・野々上友之裁判長の「司法判断」だったのですが、2018年10月、1年を待たずして同じ広島高裁・三木昌之裁判長の「政治判断」で、あの伊方原発の再稼働に向けてのデタラメ判決が下されていました。

 それに追い打ちをかけるように…高松高裁でも、またしても「政治判断」。
 東京新聞の記事【伊方3号機 停止認めず 「破局的噴火 根拠不十分」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018111502000272.html)によると、《四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、愛媛県の住民が申し立てた仮処分の即時抗告審で、高松高裁は十五日、申し立てを退けた松山地裁決定を支持し、運転を認める決定をした。四国電は十月二十七日に3号機を再稼働させており、運転を継続する。神山隆一裁判長…一方で避難計画について「住民の輸送能力や放射線防護施設の規模が不十分」と指摘し、改善を求めた》。
 神山隆一裁判長はよくもこんなデタラメな判決を出せるよなぁ、まさにアベ様らに忖度した「政治判断」。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018111702000137.html

【社説】
伊方原発容認 安全神話の復活なのか
2018年11月17日

 噴火も地震も取るに足らない、避難計画は不完全でもいいと言うのだろうか。四国電力 伊方原発の運転差し止めを求める住民の訴えを司法はまたもや退けた安全神話の亡霊を見る思いである。

 「原子力規制委員会の審査には合理性があり、四国電力が策定した最大の地震の揺れや噴火の影響についての評価も妥当」-。

 高松高裁は、四国電力が示したデータに基づいて、規制委がくだした新規制基準への「適合判断を丸ごと受け入れたかのように、住民側の訴えを退けた

 破局的噴火は予知できない、地震の揺れの評価方法に問題がある-という専門家の指摘も顧みず、九月の広島高裁、大分地裁、そして今回と、繰り返される判断だ

 一方で高松高裁は、原発周辺の自治体が策定を義務づけられた避難計画に関しては、陸路も海路も輸送手段に懸念があって、屋内退避施設も不足しており、「不十分だと認めている

 再三指摘してきたように、日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”との声もある。

 実際に事故が起きたとき、原発の西側で暮らす約四千七百人の住民は、船で九州・大分側へ逃れる以外にないのである。

 海が荒れれば船は出せない。地震で港湾施設が被害を受けたらどうなるか。避難者を港へ運ぶバスなども、確保できる保証はないその上、屋内退避場所さえ、足りていないというのである。

 現状では、多くの住民が避難も屋内退避もできず、放射線の危険にさらされる恐れが強い。そのような認識がありながら、司法はまたも住民の訴えを退けた。避難計画の軽視が過ぎる。

 規制委が基準に「適合」すると認めた以上、福島のような過酷事故は起こり得ない、との大前提に立つからだろう。

 これでは、安全神話の復活と言うしかないではないか。

 規制委は、原発のシステムが規制基準に「適合」すると認めただけで、安全の保証はしていない。規制委自身も認めていることだ。避難計画の評価もしないそれなのに規制委の審査結果を司法は追認するだけだ。こんなことでいいのだろうか。

 責任は棚上げにしたままで、原発の稼働が次々許される

 「安全神話」が前提にある限り、福島の悲劇はいつかまた、繰り返される
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●玄海原発再稼働へ…正気の沙汰じゃなく、もはや「宗教」…「核信者」「核燃料サイクル教信者」

2017年01月26日 00時00分10秒 | Weblog


東京新聞の社説【玄海原発 離島に橋も架けないで】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011902000127.html)。

 《九州電力 玄海原発が再稼働に向かう。重大事故に備えた避難計画をつくれといいながら、離島には逃げ場がない。橋を架ける前になぜ、原発を動かせるのか。人の命が何より大切だとするならば》。

 核発電「麻薬」中毒患者達のやりたい放題。もはや「宗教」=「核発電教」。「核信者」、「核燃料サイクル教信者」達。
 その「安全」に対する自信は一体どこから? 《原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)》や原子力「ムラ寄生」委員会を信じ、つき従う「地元」にもイワシのアタマ的信心ににも呆れる。

   『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
       インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」
   『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…
   『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は 
       「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??
   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
                核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
     九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」
   『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
     3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』
    「『猿の惑星シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
     ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
     宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
     「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011902000127.html

【社説】
玄海原発 離島に橋も架けないで
2017年1月19日

 九州電力 玄海原発が再稼働に向かう。重大事故に備えた避難計画をつくれといいながら、離島には逃げ場がない。橋を架ける前になぜ、原発を動かせるのか。人の命が何より大切だとするならば。

 玄海原発に併設されるPR館、玄海エネルギーパークの展望室からは、四基の原子炉建屋とともに、玄界灘の島々が見渡せる。

 馬渡島(まだらしま)、そして「島の宝百景」にも選ばれた加唐島(かからしま)、松島…、壱岐島もはっきり見えた。

 原発三十キロ圏内の自治体には、原発事故を想定した避難計画の策定が義務付けられている。暮らしや命が危険にさらされているということだ。

 玄海原発の三十キロ圏には二十の離島があり、二万六千二百人が暮らしている。このうち九州本土と結ぶ橋があるのは、長崎県側の三島だけ。四国電力 伊方原発のある、日本一細長い佐田岬半島の先端部に住む人同様ほとんどの島では海が荒れれば逃げ場がない

 荒波で名高い玄界灘、海路による避難訓練が高波のため中止になったこともある。

 それでも国の原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)は先月、三十キロ圏内の広域避難計画を「合理的」とした。

 例えば、本土との間に橋のない長崎県の壱岐島は、南部が三十キロ圏内だ。計画の中に全島避難は含まれず、約一万五千人が、島の北部に移動することになっている。屋内退避施設は未整備のままで、風が北へ向いた場合の対策は定かでない

 放射性物質は風に乗って遠方まで飛散する。福島第一原発事故が証明済みだこれほど多くの人々の安全が保証されないまま原発再稼働を許すのが、どこが合理的だと言えるのだろう。

 壱岐市の白川博一市長は「100%安全と言えない」、ほぼ全域が三十キロ圏内に含まれる佐賀県伊万里市塚部芳和市長は「避難道路や防災無線の整備が不十分」として、再稼働には明確に反対の立場を取ってきた。

 理にかなうとは、こういうことだ。そもそも、避難計画が実行されるようなことが起きてからでは遅いのだ。

 政府が避難計画を了承しても、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると書いても、それが安全を意味するものでないのは、すでに明らかだ。

 再稼働の“お墨付き”が出せるとすれば、そのことで危険にさらされる住民をおいてほかにない。
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●川内原発を稼働させてはダメ:重大事故は無く「避難計画を実行することはないだろ~」的な楽観的避難計画

2016年09月08日 00時00分12秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事。山川剛史記者による【川内原発の即時停止応じず 九電、鹿児島知事の要請拒否】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016090590135743.html)、
荒井六貴記者による【川内原発の停止拒否 鹿児島県知事が「遺憾」 地元の同意拡大など課題】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016090602000120.html)。

 《回答書を受け取った三反園知事は「(即時停止要請に応じてもらえず)極めて遺憾だ。必要なら安心・安全対策をあらためて要請する」と強い口調で述べた。知事に原発を停止する法的権限はないが、三反園氏が再度停止を要請するかどうかが注目される。…◆検査、停止後の対応焦点》。
 《三反園氏は「極めて遺憾」と述べた。川内原発には避難計画の実効性のほか、立地する薩摩川内市しか再稼働協議に参加できないなどの問題がある。三反園氏が今後、どんな手を打つかが焦点になる》。

   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                  原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」

   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は
      電力会社側にあり…原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「数少ない朗報だった、《原発のない社会をつくる》という公約を掲げた
     三反園訓鹿児島県知事の誕生。今後、県議会とどう対決していくのか、
     注目。川内原発《1、2号機…運転開始後三十年を過ぎた両機の
     “六十年運転”の必要性を示唆》していた伊藤祐一郎元知事にようやく
     鹿児島県民の方々もウンザリしたのかな?」

   『●四国電力「瀬戸内海に津波は来ない」と津波対策無し
               …「想定外」「想定不適当事故」という悪夢
    《川内1号機の再稼働から一年たち政府は原発活用を加速させたい
     考えだが、伊方原発近くには長大な活断層「中央構造線断層帯」が通り、
     熊本地震を機に活発化する懸念や、事故時の避難計画の実効性に
     不安も根強い》。
    《「新規制基準を満たせば、事故はある程度で止まる」。
     そんな危うい仮定の上で、伊方原発の「安全」は成り立っている》
    「三反園訓鹿児島県知事は《原発のない社会をつくる》を標榜しています。
     しかし、先代の知事や九電、原子力「ムラ寄生」委員会、アベ様らによる
     究極の無責任、悪しき「川内方式」を踏襲し、
     プルサーマル伊方原発3号機が再稼働してしまいました。再稼働してから
     考えましょ、方式。「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先…経済性についても怪しく、かつ、
     電力は余っている。内海の滅亡のリスクを高める無駄な再稼働」

   『●誰が為に核発電所は再稼働?…
      この酷暑、「電力各社が供給力に余裕をもって乗り切った」
   『●九州電力に「普通の社会通念」が通じるか?:
      三反園訓鹿児島県知事が川内原発を「直ちに一時停止」要望

 三反園訓さんは、是非、何度でも再要請ををすべきだ! 核発電「麻薬」中毒患者な皆さんは、いろんな手で直ぐに誤魔化すので、中毒でない皆さんに繰り返し訴えるしかない。
 ポイントは、定期検査後、三反園さんが踏ん張れるか。《再稼働の地元同意では、県と薩摩川内市だけが協議に加われる》。

 九電のいい加減さ…《原発から五キロ圏内の山間部に住む高齢者の避難支援》《新たに避難用福祉車両十数台を追加配備》って、熊本大分大地震の際に落橋まで起きたことを知らないのかな? 幹線がズタズタになったことを知らんのかね? 《事故時には社員らが駆け付け、山間部などの高齢者避難を助ける方針》って、どこにいる社員? 福岡? 川内原発?? 空港や新幹線は機能しているの? 川内原発に居る社員に時間的にも人員的にもそんな余裕はあるの?
 そもそも避難計画の責任者って誰? 鹿児島県? 薩摩川内市? 九電? 熊本大分大地震級の地震が川内原発近辺で起こった時に、あるいは、火山の大噴火が発生した時に、現状の「避難計画」は機能するのか? 現状の「避難計画」の責任者って誰?

 《知事に期待されるのは主に三点》…《安全協定に基づく立ち入り調査九電には「誠意をもって措置」(安全協定)する責務》を果たさせる、現状のお気楽なものを抜本的に《避難計画の見直し》、再稼働の《地元同意の枠組み》・範囲の見直し。三点目については、《福島の原発事故では、三十キロ圏のほぼ全ての地域で住民が行政の指示で避難を迫られている事故被害の現実と、川内原発周辺の自治体の発言権には大きなずれがあるそのあり方は知事が変えられる》。

 定期検査後の《再稼働への地元同意》に鹿児島県が入っている。三反園訓県知事の踏ん張りに期待している。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016090590135743.html

川内原発の即時停止応じず 九電、鹿児島知事の要請拒否 
2016年9月5日 13時57分

 鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事から川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)の即時一時停止を要請されていた九州電力の瓜生道明社長は五日、県庁で三反園知事と面会し、即時一時停止には応じない意向を回答した。法定の定期検査の中で、三反園知事が求める設備点検などを実施する方針を伝えた。

 回答書を受け取った三反園知事は「(即時停止要請に応じてもらえず)極めて遺憾だ。必要なら安心・安全対策をあらためて要請する」と強い口調で述べた。知事に原発を停止する法的権限はないが、三反園氏が再度停止を要請するかどうかが注目される。

 回答書で九電は、熊本地震の川内原発への影響について「熊本地震直後に、速やかに設備の一斉点検を実施し、損傷・漏洩(ろうえい)等の異常がないことを確認」していると表明。三反園知事の要請を踏まえて、定期検査に合わせて「特別点検」を行うと表明した。

 九電は特別点検に向け、約四十人でつくる「総点検チーム」を設置。定期検査項目に加え水中カメラによる原子炉圧力容器内の点検、使用済み核燃料保管場所の機器に問題がないかの確認などを行うとしている。

 三反園知事が求める活断層調査については、九電は「国の審査で『妥当』との判断を受けている」とした上で、川内原発周辺の地震観測点を十九カ所から三十カ所程度に増設し、詳細な調査・分析を行うと回答した。

 避難支援では、原発から五キロ圏内の山間部に住む高齢者の避難支援を行うほか、原発三十キロ圏内では新たに避難用福祉車両十数台を追加配備するとした。また、迅速で丁寧な情報発信も行い、県民の不安解消につなげたい考えを示した。

 回答書を手渡した瓜生社長は「原発の安全性を持続的・継続的に高めていくことが大事だ」と述べ、回答内容への理解を求めた。


◆検査、停止後の対応焦点

 <解説> 九州電力が五日、鹿児島県の三反園訓知事が求めた川内原発1、2号機の一時停止要請に応じないと回答した。予想通りの結果だが、1号機が十月、2号機が十二月に定期検査で停止してから二、三カ月後には検査を終え、再稼働の是非が問われる。それまでに、知事がどう対応するかが焦点となる。

 知事に期待されるのは主に三点まず県が、九電の言いなりでない形で、どう原発の安全性を判断するのか。停止を命じる権限はなくとも、安全協定に基づく立ち入り調査は可能だ。その結果を基に改善を求めることができ、九電には「誠意をもって措置」(安全協定)する責務がある

 二点目は、避難計画の見直し。前知事は重大事故は起きないことを大前提に「避難計画を実行することはないだろう」と楽観的だった。三反園氏は既に地元を視察し計画見直しの必要性を明言している。三十キロ圏の人口は二十万人を超え、熊本県に避難予定の人もいる。地震でともに被災した場合のことも検討する必要がある。

 三点目再稼働への地元同意が、県と薩摩川内市だけでいいのか再検討することだ。原発三十キロ圏の九市町のうち、薩摩川内市以外は地元同意の枠組みから外されている

 福島の原発事故で放射能汚染は広域と判明し、三十キロ圏の自治体に避難計画の策定が義務づけられた。「被害地元」という当事者なのに、再稼働の協議に加われない重大な矛盾が残っている。 (山川剛史

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016090602000120.html

川内原発の停止拒否 鹿児島県知事が「遺憾」 地元の同意拡大など課題
2016年9月6日 朝刊


【↑(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/images/PK2016090602100036_size0.jpg
  コピペさせて頂きました】

 九州電力は五日、鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が要請した川内(せんだい)原発の即時一時停止には応じないことを、三反園氏に伝えた。十月以降の定期検査で設備点検をし、通常より点検項目も増やすとしたが、三反園氏は「極めて遺憾」と述べた。川内原発には避難計画の実効性のほか、立地する薩摩川内市しか再稼働協議に参加できないなどの問題がある。三反園氏が今後、どんな手を打つかが焦点になる。

 この日、三反園氏は県庁で九電の瓜生(うりう)道明社長から回答書を受け取った。

 九電は熊本地震の影響は既に確認済みだと強調。1号機は十月、2号機は十二月に定期検査に入る予定で、停止中の二、三カ月の間に、検査項目とは別に、圧力容器や使用済み核燃料を収納するラックに問題がないかを水中カメラで確認することで理解を得たい考えを示した。

 三反園氏が要請していた避難計画への支援体制の強化については、三十キロ圏の自治体に避難用車両十数台を追加配備するほか、事故時には社員らが駆け付け、山間部などの高齢者避難を助ける方針を示した。

 九電から若干の回答を引き出した三反園氏。今後は避難計画など山積する問題を、知事としていかに解決できるかが焦点となる。

 原発で冷却機能が失われるなどの事故が起きれば、五キロ圏の住民をいち早く逃がすため、その外側の住民は自宅や避難所で屋内退避するのが原則とされる。しかし、熊本地震では避難所の天井の一部が崩れるなどの被害が発生した。避難指示が五キロ圏外にも及ぶと、避難ルートの確保や渋滞の回避、住民への確実な指示伝達、一部住民に関しては熊本県と受け入れ態勢を整える必要もある。

 再稼働の地元同意では、県と薩摩川内市だけが協議に加われる

 福島第一原発の事故後、薩摩川内市に隣接するいちき串木野阿久根両市は意見を言うことができるようになったが地元同意の枠組みからは外されている。鹿児島、出水(いずみ)日置姶良(あいら)の四市とさつま、長島の二町は、事故時は連絡をもらえるようになったが再稼働には意見すら言えないのが現状だ。

 福島の原発事故では、三十キロ圏のほぼ全ての地域で住民が行政の指示で避難を迫られている事故被害の現実と、川内原発周辺の自治体の発言権には大きなずれがあるそのあり方は知事が変えられる。 (荒井六貴
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●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒトは、いま、熊本大分大地震に際して何をしている?

2016年04月24日 00時00分48秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【オスプレイまで投入…震災を政治利用する安倍政権の悪辣】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179752)。

 《政府の初動対応は後手後手で、とても褒められたものではない。被害を甘く見ていたのか、初日に熊本県側から要請があった激甚災害指定や自衛隊の大量派遣を無視し、対応に遅れが出たことは否めない…物資輸送なら自衛隊のヘリで事足りる。わざわざ危険なオスプレイを投入したのは、災害救援に名を借りた日米同盟の強化アピールに他なりません》。

   『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
                    地震国日本では、これこそ社会通念」
   『●東京電力核発電人災の教訓: 
     次の大地震で川内原発に「異常があってからでは遅い」
   『●地震調査委員会で結論が出ず「議論になっている」…
      原子力「寄生」委員会は「規制」の仕事をすべきでは?

   『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
           いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき
   『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
      川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…
   『●「原子力規制委員会が専門的見地から判断することを 
       尊重するのが」、丸川珠代原子力防災担当相の仕事?
   『●熊本大分大地震の最中、「狂ったゴジラ」=
     関西電力高浜原発1、2号機を野に放つ原子力「規制」委員会

 アベ様の政、酷いものである。《災害時に必要なのは緊急事態条項ではない。政府の危機意識だ》。衆院補選や来る参議院選挙で自公お維大地の議員に投票していていいんですか?

   『●衆院北海道5区の方、補選で選ぶべき候補者は
      誰ですか? 大西英雄氏が応援する候補者で良いの??
   『●アベ様ら「貧しい人」=「ぜいたくな暮らしを際限なく求め、
              欲の奴隷となって」政を行い、人殺しへと誘う
   『●「ネジレ」を取り戻すために重要な
     2016年4月衆院補選: アベ様の政の評価は如何に?

 菅直人元総理には、デマまで使って批難しておきながら、御自分は如何なのか? 福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒトは、いま、熊本大分大地震に際して何をしている?

   『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒト
    《結果は大丈夫だったが、海水注入を中断していれば再臨界が起こる
     可能性があり、このネタが本物なら菅首相はすでに辞任していたかも
     知れない。自民党、安倍元首相の背後には原発を今後も推進したい
     経産省が付いており、この谷垣総裁質問の本質は、菅降ろしのための
     「原発クーデータ」計画
だったといっていいだろう》

   『●「メルマガ事件」東京地裁判決、アベ様の
     「息吐く様に嘘つく」典型例が無罪に、そして、はしゃぐメディア
    《数々の「ニセ情報」を発信して政策を捩じ曲げ、「捏造」によって
     「日本の名誉」を傷つけてきたのは、むしろ安倍首相ご本人》
    《メディア報道や他人の発言を「捏造」「でっち上げ」
     「ウソをばらまいた」と声高に批判する安倍だが、その安倍こそが
     過去に数々のニセ情報を捏造し、発信し、大ウソを拡散させてきた》

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179752

オスプレイまで投入…震災を政治利用する安倍政権の悪辣
2016年4月20日

      (災害支援で初運用されたオスプレイ(右)(C)AP)

 こんな政権に震災対応を任せていいのか。九州の連鎖地震は深刻さを増す一方だが、安倍政権は震災を政治利用することしか考えていない。

 熊本が震度7の“前震”に見舞われた14日夜。カメラの前でぶら下がり会見に応じた安倍首相の顔が真っ赤だったことに違和感を覚えた人もいただろう。

 この日、安倍首相はフジテレビで「ワイドナショー」の収録をした後、代官山の高級フレンチレストランで、稲田朋美政調会長らと優雅なディナーを楽しんでいる最中だった。店から出て、ぶら下がりに応じたのは、地震発生から15分後。わざわざ店の前で会見に応じる必要があったのかどうか。

 酒を飲むなとは言わないが、こんなに酔っぱらっていて適切な危機対応ができるのかと国民に不安を与えては逆効果だろう。

 

 実際、政府の初動対応は後手後手で、とても褒められたものではない。被害を甘く見ていたのか、初日に熊本県側から要請があった激甚災害指定や自衛隊の大量派遣を無視し、対応に遅れが出たことは否めない。16日に現地視察すると表明したと思ったら撤回するなど迷走した。

 真っ先に「全避難者の屋内退避」を指示したこともトンチンカンだった。熊本県の蒲島知事が「余震が怖くて部屋の中にいられないから外に出たんだ」「現場の気持ちが分かっていない」と猛反発したのも当然で、今回の地震では、多くの人が倒壊家屋の下敷きになって亡くなった。現場を無視した指示が家屋倒壊の犠牲者を増やした可能性もある。

   「深刻な災害をパフォーマンスに使うことしか頭にないから、
    不手際だらけの対応になる。震災発生直後も、安倍首相は
    補選の応援で17日に北海道入りすることを最優先で
    考えていたと聞きます。震災対応は、支持率アップのための
    宣伝くらいにしか考えていない。党利党略だけで、国民の命と
    安全を守る気持ちがないのです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 惨事便乗型の“ショック・ドクトリン”は自民党の得意とするところだが、二階総務会長はさっそく、災害復旧を名目にした大型バラマキ補正に言及。菅官房長官は15日の会見で、緊急事態条項を憲法改正で新設することが「極めて重く大切な課題」とか言い出した。この非常時にする話か災害時に必要なのは緊急事態条項ではない。政府の危機意識だ

 安倍首相は17日の非常災害対策本部会議で、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイなどによる輸送支援の受け入れを表明。オスプレイは18日被災地入りした。災害支援のために国内で使用されたのは初めてだ。

   「物資輸送なら自衛隊のヘリで事足りる。わざわざ危険な
    オスプレイを投入したのは、災害救援に名を借りた
    日米同盟の強化アピールに他なりません。高額の
    オスプレイを大量購入したことも正当化できる。
    安倍政権は震災を利用し、悪知恵を働かせて、
    パフォーマンスに明け暮れているだけなのです」
    (本澤二郎氏=前出)

 とことんフザけた政権である。
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