あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

「超高齢社会の住まい・まちづくり」

2014-03-25 | 国際・政治

地域科学研究会主催 政策情報シリーズ 超高齢社会の住まい・まちづくり[医療・保健・介護・福祉のケア連携]を受講しました。
会場には斎藤範夫議員、菅間進県議も出席。

「高齢者向け住宅の現状と求められる自治体対応」
講師:NPO法人シニアライフ情報センター代表理事 池田敏史子氏

1403251現役を退いた高齢者の老後の暮らし(住まい)のあり方が殊に都市部の行政課題になっているただ今とこれから。
所得水準、資産能力が高い、しかし子供達はあてにならない時代に。
老親は自分達で何とか最後まで暮らしていかなければならない時代。
<問い>・行政で進める地域包括ケアシステムは一人になっても最後まで暮らしていけるのだろうか。
地域包括ケアを支えるサービスである介護保険、在宅医療、自治体、その他民間サービスの現状と課題を解説。
・高齢者世帯の住み替え環境が問われている。いつ、判断できる間に、看取りまで可能か。
・高齢者向け住宅の現状は、制度の多様化により情報がやや混乱。介護と医療のサービス連携の有無。サービス付き高齢者向け住宅は利用料負担の大きさと重度要介護となった場合の課題あり。
・有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を比較。

課題の整理として
・高齢者世帯の経済力に合わせた住宅の整備
  コンパクトな住まいへの住み替え促進。
・要介護、重度化しても住み続けられる住まいの確保。
・自治体による医療、介護サービスのインフラ格差の確認。
・空き家対策も兼ねた高齢者利用住宅への切り替え誘導策。
・身元引き受け人の役割りと人の存在。“公的な伴走者の確保”む
#最後の住み処が確保されていなければ、地域包括ケアも成り立たない。

「空き家活用と生活支援サービスによる低所得高齢者向け住まいの確保方策」
講師:NPO法人 自立支援センターふるさとの会 常務理事 瀧脇憲氏(東京外大大学院卒、精神保健福祉士)
1403252日雇い労働者のまち山谷地域で家族に頼れない高齢者をケアする支援活動を展開。元ホームレスや生活保護者が日常生活支援の仕事に従事する環境を創出した。
これまでの行政発想である施設収容中心からまち中での地域支援事例としての取り組みを説明。
アパートの居住者も様々な地域でその管理が大家も不動産会社もしんどくなっている。それらを自立支援センターが管理を請け負う事業。入居者の生活実態は様々(困窮、引き篭もり、認知症など)であり、入居者の生活支援にも関わっていく。但し、事業としては不採算部門。
“生活支援労働“と言う、新たな雇用と労働のはじまりのこれからを先導中。
都心部の空き家、空きアパートの現況把握をもとに、その地域での有効利用を提言中。地域の互助活動の拠点に再活用する考え方。

かつて戦後の高度経済成長時代に東北や北陸地方から多くの若者

「地域包括ケアの時代におけるケアと住まいと住まい方」
講師:国際医療福祉大学院教授 高橋紘士氏

1403253今後、10年20年で激増する高齢者人口と後期高齢者人口を想定して。
高齢者単身世帯の増加。死亡場所が病院8割となっている日本国
国の経済力の反映としての超高齢大国日本。今後、首都圏の高齢化進行の課題。75才以上2000万人時代の地域、福祉、医療、社会保障問題。
日本の社会保障制度の原型は1970年代モデルのまま。2025年モデルへの転換が急務。

21世紀型のコミュニティの再生。地域互助による支える仕組みとしてのコミュニティづくり。大分県大牟田市に先進事例あり。行政が地域プロデュサーになる心得と人事移動のあり方。
地域包括ケアには、医療・福祉機能の再編があればこそ。連携を強化したサービスの提供。

高齢者住宅の変遷は、昭和62年シルバーハウジング制度から。平成13年高齢者住まい法の制定。同18年住生活基本法の制定、同23年高齢者住まい法の改正、サービス付き高齢者向け住宅制度がスタート。

「超高齢社会における住まい・まちづくりと団地・コミュニティの再生」
講師:独立行政法人 都市再生機構ウェルフェア担当部長(国交省より出向)加藤邦彦氏

1403254公的賃貸住宅の立場での取り組みについて
UR賃貸住宅ストック再生・再生方針について説明。
UR住宅における高齢者支援の取り組みを紹介。 見守りサービスの導入。
平成26~30年第3期中期計画の策定の紹介。今後7年間で全国100団地に地域ケア拠点になるUR賃貸住宅をモデル展開。

高島平団地、多摩団地でのモデル的展開(ルネッサンス実証実験)を紹介。

80分2本、90分2本のセミナーの基本テーマは向こう20年の地域の超高齢化が進行する現実に対してどう自治体として対応していくかであり、地域ケアと住まいのあり方の観点について4点の視座から学びました。
仙台市としては、被災地の母都市という特殊な環境にあるため政令市の中でも類例がないところで、全国の先進的取組みの知恵を参考にしながら“仙台モデル”を築いていかなければならないということを確認しました。

セミナー終了後に、仙台市東京事務所に立ち寄り遠藤所長と小1時間ほど懇談。今井副所長ほか半数が4月より移動。
国連防災会議はもとより仙台経済デザインを軌道に乗せていく為の首都前線基地として東京事務所のフットワークを期待したい。