[ 2023-08-22建設通信新聞 ]
屏風のようなファサードが特徴的
滋賀県彦根市は、「(仮称)図書館中部館整備工事基本設計委託業務」の公募型プロポーザルを実施した結果、坂茂建築設計を特定した。次点はフジワラボ・山田紗子事務所設計JV、次々点は環境デザイン研究所。プロポーザルには8者が参加した。
坂茂建築設計は、ガラスと木を組み合わせた屏風(びょうぶ)のようなファサードを採用し、隣接するアリーナと一体感を持たせる計画を提案した。プロポーザル審査会の会長を務めた金子尚志滋賀県立大准教授は講評で「彦根屏風をイメージした木製・CLTのルーバーによって既存の施設を大きく包むような構成で、現代の課題でもある木質化を高度に実現している。改修計画でありながら、既存建物の印象を大きく変える力強い提案」と高く評価している。
業務では、2022年3月末に閉館した文化・交流・スポーツ拠点「旧ひこね燦(さん)ぱれす」を改修し、図書館化するための基本設計を行う。
業務内容は、基本設計(意匠、構造、電気設備、機械設備、外構)、建築設計検討委員会の運営支援、実施設計に向けた参考見積書の作成、費用便益分析、デザインビルド方式の検討など。
業務期間は24年6月28日まで。建設地は彦根市小泉町648-3。
旧ひこね燦ぱれすの規模はRC造2階建て延べ2267㎡。1991年に完成した。
基本設計完了後、24年度には実施設計に着手し、埋蔵文化財調査を経て26年ごろの着工、28年度早期の開館を目指している。