BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

ナンシーさん

2010年02月19日 | 古本
 うむー、まんまと一杯喰わされた。
どうやらナンシー関さんの自伝は、面白冗談フィクション自伝だったようだ。真相を
確かめたくて、昨年夏刊のまだ新しい本を半額系にもかかわらず買うはめになった。
 オホーック海離島にある紀陰島小学校に入学、その6年生時の修学旅行は北海道へ
2泊3日だったと。出発は村の有志が出した4隻のイカ釣り船に分乗して渡ったと、
念が入ってる。そこで最終見学地「北海道の歴史博物館」で「伝統民芸・米絵」に出会
ったという。これは米粒一つに毛細な筆で画を描くワザで、実は父親が描いたものだった、
というオチだ。その冗談フィクションは本の頭から48ページまで続く。
 アタマだけ立ち読みしたアタシはなんの疑いもなく、はて紀陰島とはオホーックの何処
に在るのだということにばかり気がとられた。
 しかしそれ以後の本の半ば、修学旅行は青函連絡船に乗って北海道に渡ったと書いて
いる。それは1973年の頃のハズだから、冷静に考えればイカ釣り船などありえない
のだ。きっと生れた青森から連絡船で渡り、函館・登別・札幌あたりに行ったのだろう。
 全くとんだ自伝だったが、しかしもうあのナンシー彫りに会うことや、テレビ評コラ
ムを読めないのが、しごく寂しい。

 「ナンシー関 リターンズ」 著者 ナンシー 関 世界文化社 定価1200円+税
  ( 2009年6月30日 初版第1刷発行 )

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