BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

さんどう くにこ

2008年03月16日 | 古本
 その本は少しばかり横長で、棚からはその分はみ出ていて
目についた。白く無垢な表紙は何人もの人の手に渡って読まれた
のであろうか 汚れが多い。それでも、市井の人の名はその場を
立ち去らせない何かを感じさせた。 手にとって読んでみると、18才で亡く
なった方の、子供のころから なにかと書き綴った遺稿を編集したものだった。
清楚で白磁のようなその少女の生命の言葉は、カバーの汚れを洗い流している。
急性骨髄白血病という病気は、若いいのちを 輝くいのちと才能を狙ったかの
ように奪った。
絶筆となった「病室の窓」という題名の、切ない詩を残して 彼女は逝った。

「山藤 久仁子 遺稿集 ひとすじのいのちを」〔安藤修平 編〕 北海道新聞社 
   (定価1300円 昭和57年11月20日 再版)
  

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