BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

漢(おとこ)たらん

2022年03月03日 | 新刊と古本
本田靖春さんが書いた本は古本屋さんにはもうほぼ無い。だが本田さんを書いた本が1冊在った。これはシメシメだ。
昔は本田さんの様なブン屋がごまんといたが、いまは滅多にいない。これは後藤さんが書いた本田靖春という評伝記。
有名大学を優秀にして卒業して、国家を誤らせる輩より、小中高大をビリケツで出た人間の方がいい仕事を残す。これは
本田自身の言やよしだ。少々ハメを外した人生だったがこれもよし。本田さん享年71才。属した新聞社の社筆はまだ生
きとる。そしていまはまるで自民党の機関紙だな。
 「拗ねものたらん」 著者 後藤 正治  講談社 定価2400円+税
  ( 2018年11月27日 第1刷発行 )

永遠にして最大の、謎「人はなぜ冒険するのか」。これは帯のコピーだがそれと同等なのは人はなぜ「結婚」するのかだ(笑)
成り行きで結婚した角幡さん、これは「事態」なのだと喝破する。合コンで知り合った女性を引っかけたのだから角さんも
隅に置けずスケベなのが嬉しい。そして娘さんまで生まれた。そして何より「結婚」という冒険がまだ続いている傑作。
 「そこにある山」 著者 角幡 唯介  中央公論新社 定価1400円+税
  ( 2020年10月25日 初版発行))