BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

人 類 史

2019年03月04日 | 古本
この2冊どちらも面白く読んだ。「人類ー」は500ページもあり時間がかかった。翻訳とカタカナが多いのもある。
一方「絶滅のー」はページ数も半分で文字量も少ない。だがどちらも言っていることは共通していて、およそ700
万年前から人類の先祖がいろんな種類に分かれ我々のいまのホモ・サピエンスが偶然に、あるいは勝ち残ったのだと。
「人類ー」から少々長いが引用する。<しかし、その旅を、逆境に立ち向かう英雄的な戦いのようにとらええたり、
先祖たちが世界中に移住するという目的をもって旅立ったと考えたりするのは、軽率といえるだろう。よく言われる
「人類の旅」とは比喩にすぎず、先祖たちはどこかに行こうとしたわけではなかった。「旅」や「移住」という言葉は、
人類の集団が膨大な年月にわたって地球上を移動した様子を表現するのは便利ではあるが、わたしたちの先祖は積極的
に新天地に進出していったわけではない。たしかに彼らは狩猟採集民で、季節に応じて移動していたが、ほとんどの期
間、ある場所から他の場所へあえて移ることはなかった。人類であれ動物であれ、個体数が増えれば周囲に拡散すると
いう、ただそれだけのことだったのだ。>と。
また「絶滅のー」では約5万年前にホモ・フロレンシエンスが絶滅し、約4万年前にネアンデルタール人が絶滅し、その
前後にデニソワ人が絶滅、結局いまの私たちのホモ・サピエンスだけが残った、と。
で、アタシはBOOK OFFででの売価計1130円でたっぷりの時間を過ごせた。700万年分の20時間分だ。
 「人類20万年 遥かなる旅路」 著者 アリス・ロバーツ  文藝春秋 定価1900円*税
  ( 2013年5月15日 第1刷 ) 訳者 野中 香方子
 「絶滅の人類史」 著者 更科 功  NHK出版新書 定価820円+税
  ( 2018年8月25日 第11刷発行 )