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帯とけの「古今和歌集」
――秘伝となって埋もれた和歌の妖艶なる奥義――
平安時代の紀貫之、藤原公任、清少納言、藤原俊成の歌論と言語観に従って、古今和歌集を解き直している。
歌の表現様式を知り、言の心を心得る人は、歌が恋しくなるであろうと、貫之は言った。
古今和歌集 巻第五 秋歌下 (277)
白菊の花をよめる 凡河内躬恒
心あてにおらばやおらむ初霜の をきまどわせる白菊の花
(白菊をよんだと思われる・歌……白貴具を詠んだらしい・歌) みつね
(心の当て推量に折ろうかな、初霜が降り・皆同じに見え、折り惑わせる白菊の花よ……心のままに折ろうかな、逝こう、初下の白いもの贈り置き惑わせる、清楚な白いおんな花よ)
「折る…逝く…はてる」「しも…下…霜…白いもの」「をき…置き…降り…贈り置き」「白菊…白い女花…清楚な女花…白き具」。
どれがいいかな、初霜が降りて折り惑わせる白菊の花よ――歌の清げな姿。
どうしようかな、初しもの贈り置き惑わせる清楚な女花よ――心におかしきところ。
女性に優しいみつねの歌。
(古今和歌集の原文は、新 日本古典文学大系本による)