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帯とけの「古今和歌集」
――秘伝となって埋もれた和歌の妖艶なる奥義――
平安時代の紀貫之、藤原公任、清少納言、藤原俊成の歌論と言語観に従って、古今和歌集を解き直している。
歌の表現様式を知り、言の心w心得る人は、歌が恋しくなるであろうと、貫之は言った。
古今和歌集 巻第五 秋歌下 (276)
世中のはかなきことを思ける折りに、菊の花を見て
よみける 貫之
秋の菊にほふかぎりはかざしてむ 花より先としらぬわがみを
(人の世の中のはかなくも無常なことを思った時に、菊の花を見て詠んだと思われる・歌……女と男の仲のはかいことを思った折りに、詠んだらしい・歌)。 つらゆき
(秋の菊、咲き誇っている限りは、頭髪に挿していよう、花より先に逝くかもしれぬ、はかないわが身よ……厭き心地の貴具の端、咲き匂う限りは、彼、差しておこう、女花より・おとこ花より、先に逝くかも知れぬ、はかないわが身お・よ)
「世中…人の世…男女の仲…夜の仲」。
「菊…言の心は…草花女花…長寿の花…寿命の長い身の端」「きく…浮言綺語の如く戯れる…きぐ…奇具…奇妙な身の具…貴具…貴い身の具」「花…草花…女花…木の花…おとこ花」「を…感嘆・詠嘆の意を表す…お…おとこ」。
世の中や人の命は明日をも知れぬ無常なもの、長寿といわれる菊でも頭飾りにしておこう、花よりはかないかも知れぬわが身よ――歌の清げな姿。
夜の仲のはかないことよ、おとこ花の咲き匂う限りは、あそこ、差しておこう、お花より先に逝くかも知れぬわが身およ――心におかしきところ。
(277)と投稿が前後しました、クリックミスで、他意はありません。
(古今和歌集の原文は、新 日本古典文学大系本による)