『兵器の発達が変える、バランス・オブ・パワーと、今そこにある危機』
―開戦・反撃のために、矛先を向けさせた真珠湾の戦艦群? 今東シナ海では-
バランス・オブ・パワーの緊張と世界終末戦争への恐怖が戦争抑止力・回避になっていると言われますが、敵の矛先を変えさせるために、三軍の展開を変えさせることもあり、局地戦も辞さない危険がいつもそこにあります。
20世紀には、水素爆弾弾頭装備の大陸間弾道ミサイルICBMが、兵器の極限の絶対兵器と呼ばれていた。 今では、音速の八倍以上の極超音速ミサイルが開発・発射実験が成功し、これが潜水艦発射ミサイルSLBMとして出現・搭載されると究極兵器となりそうです。
昔、日本海軍の真珠湾攻撃時に、太平洋配備の米海軍3空母は、航空機の輸送任務に2隻、1隻は整備中で真珠湾からは出港していた。

ウエブ情報から引用
手前が爆沈したアリゾナ、その奥にテネシーとウェストバージニアが見える。
一部には『開戦・反撃のために、真珠湾の戦艦群にまずは日本海軍の矛先を向けさせた』と言われますが、真実はこれだったようです。
『12月6日の夜には「日本軍の2個船団をカンボジア沖で発見した」というイギリス軍からもたらされた情報がキンメルとショートにも届いた。 キンメルは太平洋艦隊幕僚と、真珠湾にある艦船をどうするかについて協議したが、空母を全て出港させてしまったため、艦隊を空母の援護なしで外洋に出すのは危険という意見で一致したのと、週末に多くの艦船を出港させると市民に不安を抱かせると判断し、艦隊をそのまま在港させることとした。 しかし、これは真珠湾の攻撃を予測していたのではなく、あくまでもワシントン当局の警告通り、日本軍が攻撃してくるのは東南アジアだと考えていた。 ショートにはさらにFBIが盗聴したホノルル東京間の新聞特派員の国際電話通話記録の情報が報告された。 その通話記録では、特派員が東京とオアフ島上空の天候などを頻繁に話し合うなど、航空攻撃を示唆するような情報であったが、ショートも幕僚もこの情報の重要性に気が付くことはなかった。 真珠湾攻撃前夜となったこの夜は、キンメルもショートももたらされる重要情報に気を配ることもなく、どちらもパーティに出席し飲酒している。 ショートは帰路の車中で妻に真珠湾の夜景を見ながら「何とも美しい眺めだね」「でも恰好の攻撃目標になりそうだ」と話しかけたが、奇しくもこの予言はこの約11時間後に実現することとなってしまった。』
その裏付けです。
「エンタープライズ」
「真珠湾攻撃」の前の1941年11月28日 ウェーク島への航空機輸送任務の為に真珠湾から出港しました。 当初は12月6日夜に真珠湾に帰港する予定でした。 しかし途中の悪天候により帰港が遅れていたのです。
「レキシントン」
「真珠湾攻撃」直前の1941年12月4日に陸軍機を満載してミッドウェイに向けて真珠湾を出港していました。 12月7日(アメリカ日時)の「真珠湾攻撃」時点でミッドウェイへの輸送任務中でした。
「サラトガ」
12月7日(アメリカ日時)の「真珠湾攻撃」時点でアメリカ西海岸のカルフォルニア州のサンディエゴ港内で整備中であり出撃不能状態でした。
最近では、世界の様子は一変していますので、米海軍は空母2隻(ニミッツとレーガン)を中心した艦隊を、東シナ海に派遣、演習をしていますが、これは真珠湾攻撃のころとは、時代も変わり、この空母派遣はどんな効果を期待できるのでしょうか
今ではテレビのドラマで流行りの『やられたらやり返す』ですが、日本が経験した戦争は『やられたら・・・・』はありませんでした。 古代・中世・近世と振り返ると分かります。 反対に、米国は日米開戦が、まさかの『やられたら・・・・』、でしたが、それ以降は世界の警察としての参戦でした。
そこで、空母機動部隊に対する相手側の戦術の変化ですが『小型兵器の質より量』から更に、デジタル時代の『小型兵器の質も量も』の時代です。 小型兵器は、巡航ミサイル・ドローン・無人機等です。 特に、これらを小型兵器を大量に同時コントロールが可能になっています。 残念ながら戦争には『矛と楯、いわゆる矛盾』はなく、『盾・防衛』には、お金がかかるように、浅学菲才のずぶ素人には、見えます。
米国の仮想敵国は皆が十分知っています。 米国の空母機動部隊を『小型兵器の質も量も』で叩いたら、『潜水艦発射ミサイルSLBMとして搭載された、音速の八倍以上の極超音速ミサイルの究極兵器』で反撃されることなりそうです。
ウエブ情報から引用
米海軍第七艦隊空母USS Ronald Reagan(CVN 76)の空母艦隊
兵器は小型化・高性能化が不断なく進むばかりですが、世界の為政者と科学者の皆様!人間の叡智で、なんとか解決してほしいと祈っています。
(20201111纏め ♯243)