斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

日銀のネガティブインタレストレートの導入

2016年02月05日 23時23分45秒 | 斎藤秀俊の着眼
日本では「マイナス金利」といわれています。グローバル化とか、英語教育が重要などといっている割には、こんなへんてこりんな英語もどきのカタカナを使う文化には霹靂します。英語では、
Bank of Japan Introduces Negative Interest Rates
といいます。ちなみにratesとなり複数形。

日本ではデフレ懸念が強まっている中、なんとか物価上昇2%を実現すべく動いているわけですが、このネガティブインタレストレート、ある現象を生み出しつつあります。ネガティブインタレストレート導入後に円高に進んだり、株価が下落したりしている足元で、金(ゴールド)とかプラチナの貴金属価格が上昇するとかささやかれたりしています。

さて、ここで技術開発との関連の話にもっていきます。
原油価格が安どまり(1バレル20ドルまで下落する?)の中で、プラチナ価格が上昇していくと燃料電池車の開発には不利に動くと予想できます。

現在実用化が進んでいる燃料電池車に搭載されているFCスタックには固体高分子形燃料電池(PEFC)が採用されています。これにはプラチナが1台あたり100g程度使われています。今、プラチナ価格が1gあたり4000円前後ですから、1台あたり40万円。プラチナ価格の上昇がどれくらいのインパクトを与えるか、よくわかります。

逆に原油価格が安どまりのまま、このままさらに円高に進めばガソリン価格はさらに値下がりし、ガソリン車からの脱却が容易ではなくなります。本来は、Negative Interest Ratesにより円安に進むはずだったのですが。もちろん、このタイミングでNegative Interest Ratesを導入していなかったら、ドル暴落(円の暴騰)の危機さえあった(まだある)わけで、いろいろと難しい。

Negative Interest Ratesは、技術開発の方向性すら揺らぎかねないパワーをもっています。一度導入すれば、あとは50歩100歩。マイナス1%にしようか、2%にしようか、心理的なバリアは崩れたことになります。



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