斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

プールにおける監視のコスト

2019年08月18日 09時08分20秒 | 水難・ういてまて
今年もプールにおける溺水事故が続きました。警察庁の発表によれば全国のプールで溺れてなくなる人の数は10名前後。多いといえば多いですが、少ないと言えば少ないです。そもそもプールは管理された遊泳施設ですから、当然事故が起こってはいけません。

その事故を未然に防いだり、万が一の事故のときに被害を最小限に抑えるのが監視員です。その監視員の時給はピンからキリまであって、時給最低賃金から数千円まであります。公営プールで一年中営業しているところは概して安く、季節営業でも夏休みの学生バイトだと安いです。

指定管理者の考え方によっては救助員有資格者には時給に上乗せして手当があったりします。背の立たないプールでの救助には相当な救助技術がもとめられるためです。溺水は呼吸停止後数分以内であれば人工呼吸だけでも蘇生する可能性が高く、水面に出して直ちに蘇生法を開始する技術が必要です。

当然、監視体制がしっかりしていて安全なプールではコストがかかります。従ってそれは入場料金に反映されます。ざっくり言えば入場料金の高いプールはそれだけ安全が担保されてなければならないということです。

スイミングスクールでは家族が子供から目が離れても安全が確保されます。コーチが子供に寄り添い、常に管理しているからです。更に全体を見渡す監視も行われています。

水も漏らさぬ監視網、昔の学生監視員は時給が安くても物凄い使命を架せられて、事故ゼロを目指し真っ黒になって頑張ったものです。今でも受け継がれていると信じています。