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DNA投手 バウアーのインタヴューにみる 明瞭なヴィジョン発信が教えること

2023-10-27 15:09:03 | 文芸批評
🥎 球界ここだけの話: 希望する契約内容も包み隠さないDeNA・バウアー 明確なビジョンを発信する姿に敬意<サンケイスポーツ> (横山尚杜)
★ バウアー投手の個人的ファンではない私が取り上げた理由、それは横山記者が付けた見出しそのものに同感したからである。(以下は記事の要旨)

  クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ敗戦翌日に取材に応じてくれたバウアーは、球団広報を制してまで約30分間取材に真摯(しんし)に応じてくれた。
  DeNAとの1年契約を終えるバウアーの去就について「日米で契約の金額面に開きがあると思うが、契約内容で何を重視するのか」と投げかけた。
   過去の経験からもこの手の質問はほとんどが濁される。自身の考えを公にする必要もないし、何気なく発した言葉が予期せぬ憶測を呼ぶ可能性もある。
  だが、バウアーはよどみなく言った。
  
  *「優先順位でトップ3をつけていくと、まず1つ目が優勝を狙えるチームかどうか。2点目としては個人タイトルを狙わせてくれるチームであるかどうか。
   最後(3点目)にはどれだけ多くのファンの方を喜ばせることができるか」それぞれに理由を付け加え具体的に説明した。
   メジャー復帰についても「自分のやりたいことリストがあって、メジャーリーグでやりたいことも残っている。逆にNPB、それ以外の国でやり残したこともまだある」
   と正直に打ち明けた。自身のビジョンが明確で、迷いなく発信できる姿は人として魅力を感じる部分で、そして記者としても敬意を表する一面だった。
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 アマではないプロスポーツの選手は文字通り人生を賭けてプレイしているので、発言が契約交渉に不利とならないよう気を付け寡黙になる。バウアーのように包み隠さず思うところを述べる人は、日米問わず、寧ろ少数派かもしれない。 だが、バウアーは明確に言うことで何も失ってはいない。
 その珍しさではなく私が注目しているのは、どの世界であれ<自分の思う事・ヴィジョンを明確に保ち、必要と思えば明解に述べる姿勢>が身についている人は判断と行動に無駄が少ない。至る所に勝負の分かれ目が待ち受ける人生街道で、この姿勢を訓練してきた人は強く、例え敗れても他人のせいにはしない潔さを備える。
今まで米国のMLB(大リーグ)から随分多くの選手が日本でプレイしたが、公私境目なく明瞭な生き様を外部に見せたのは恐らくバウアーが最初ではないか?
 然し、すぐ、アメリカ人はビジネスの世界であれプライベートな空間であれ、バウアーと同じような姿勢を誰もが身に着けていることを思い出した。

 翻ってみれば、バウアーのみせた姿勢は、殆どの日本人が等しく欠いているものであり、それは一般人から政治家まで同じだ。掴みどころのない軟体動物の様に見做され、
誤解され、良いように丸め込まれてしまいがちな日本人・二ホンという国。其の遠因が此処にある。
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