兵庫県立美術館で、「森村泰昌 なにものかへのレクイエム―戦場の頂上の芸術」を観てきました。
会期は4月10日(日)まで。3月13日(日)まではコレクション展「その他」のチカラ。―森村泰昌の小宇宙―も併催されています。
森村さんといえば、セルフポートレートの写真作品で国内外で高い評価を得ている美術家です。今回は広い展示室をぜいたくに使った、映像作品もゆっくり鑑賞できます。
傑作ぞろいの中でも、私は「人間は悲しいくらいにむなしい」という映像作品がおもしろかった。もとネタはモスクワ赤の広場で労働者相手に演説するレーニンなのですが、森村さん扮するレーニンの前にいるのは釜ケの労働者です。
「むなしい、むなしい・・・」と、こぶしを振り上げているうちに、労働者ゾロゾロとその場から消えてしまいます。
大阪・鶴橋にアトリエを構える森村さんです。セルフポートレイトのバックの多くは大阪の街角です。
展覧会に出かけたのは1月23日(日)、ミュージアムホールで開催された森村さん自身のレクチャー、「自作を語る/レクイエム、それから」に合わせました。
4作品と、映像「海の幸・戦場の頂上の旗」の制作過程を軽妙に語ってくださいました。
森村作品を観ると、モトになった報道写真がすぐ頭に浮かぶのに、実は全くの別物で、そこに、面白おかしさがひそんでいます。
今回も美術館から自宅のPCに、画像を送れるサービスを利用してみました。