自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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チョン・ミョンフンさんのガッツポーズ

2004-07-11 | コンサート・音楽・宝塚
7月9日、京都コンサートホールへ。
東京フィルハーモニー交響楽団の公演だ。
指揮はチョン・ミュンフンさん。ピアノデュオで小川典子さんとキャサリン・ストットさん。
曲目はワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」“前奏曲と愛の死”、フィトキンの「サーキット~2台のピアノのと管弦楽のための」、シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。

1階席には大分空席がある。私の座ったステージ奥――このホールではポディウムというみたい――の席はほぼ埋まっている。
私の右隣りの女性はチョンさんのファンなのか扉が開き、顔が見えた時点で、大きく拍手、伸び上がるようにして見つめている。指揮者ファンには最高の席だ。左に座った数人は大学オケに所属してそうな男の子たち。ピアノデュオの「サーキット」のあと、「7拍子の曲をよく合わせてるなあ」とか感想を言い合っている。(ふ~ん、そうなんだ)

「サーキット」は日本初演。演奏後、客席からその作曲者が拍手をしながら駆け上がってきた。現代音楽だけど難しくない。JAZZみたい。もともとこの2人のためにつくられた曲で、パワフルなイメージの2人によく合っている。譜めくりのお嬢さんがたとの呼吸もピッタリだった。

「英雄の生涯」は大編成。ハープ2台、管と打がブラバン並みに加わっている。いきおい、フォルテの部分では足元から振動がドドーッと伝わってくる。

「英雄の生涯」の演奏が終わり、余韻が引いて、チョンさんがつぶっていた目を開けた瞬間、拍手がわき起こった。すごくいい間合い。チョンさんが左手でガッツポーズをとる。

京都市営地下鉄・北山駅のホームには楽団員さんが大勢電車を待っていた。オケの人ってほんと着替えが速い。私がホールから帰るときはたいてい楽器をかついだ楽団員さんたちが前を歩いている。舞台のそでに入った瞬間から衣裳を脱ぎ始めてるんじゃないかと思うほど。

若いヴァイオリニストさんに声をかけてみる。
「あの~、「サーキット」は日本初演ということですけど、京都が初めてなんですか?」
「いえ、おとといサントリーホールで今日と同じプログラムで演奏しました」
「チョンさんがガッツポーズしましたけど、いつもとってましたっけ?」
「わりあいとるほうだけど、今日はうまくいったから」
「じゃあ、京都のほうがいい演奏が聴けたんですね?」
「ええ、まあ」

うわ~。すごく得した気分。


コメント
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