「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,24 (2024年6月18日発行) 雨の日にゃぁ、こんな曲もどう?

2024-06-18 11:00:01 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週はライブなし!のため『私の一口コラム』だけお届け!

今、この原稿を書いているのは6/17(つまりこれがアップされる前日)なのだけど、どうやら九州や四国では警報級の大雨予報となっている模様。
私の住む関西も朝から電車が止まる可能性ありとのニュースが流れており、通り雨程度の土砂降りなら呑気に「天気が悪いねぇ、♪ア・ハード・レイ〜ン・ア・ゴナフォ〜、ってか?」なんぞと歌っていられるが、まだ梅雨入り前なのにこんな大雨警報が出ると流石に多少不安にもなる(先日、奈良のオーシャンブールバード(ライブハウス)に出た際も、駅に着いてちょっと一服つけていたらいきなりバケツの底が抜けたようなスコールに降られ、店につく頃には歩くたびにぐしょっ……ぐしょっ……と音が鳴る、妖怪ずぶ濡れ男と化していたのであります)

まあ、皆様警報には真面目に気をつけて頂きたいが、それはそれとして、雨が降るとなんやかんやと雨にまつわる曲を思い出してしまうのだからミュージシャンというのも業が深いというかなんというか。
先述の『激しい雨が降る』(ボブ・ディラン)もそうだし、『傘がない』(井上陽水)なんかも頭に浮かぶ。
が、土砂降りの雨を目の前にすると何故か私の頭に流れてくるのは『雨に泣いてる……』(柳ジョージ)なんですな。
「そぼ降る雨の〜」と歌われているのだから、激しい雨に合う歌詞ではないはずなのだけれど、あの激しい曲調と柳ジョージ氏の咽び泣く歌声とギターの音がどうにもこうにも激しく降る雨とマッチして私の心を濡らすのであります。

激しい雨に降られてお天道様に恨み言をいいたくなる気分はよく分かるけれど、そんな雨を背景に自分の好きな雨の歌を脳裏に過ぎらせるのも中々乙なものですぞ。

ってなところで雨音が聴こえてきた中、今回はこんなところでお開き。
Weeping in the rain、Hoo……ってね!

じゃ!また次回!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,23 (2024年6月11日発行) ファズる心 Part2

2024-06-11 09:54:05 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

なぁんだ、みんなファズ好きなんじゃないの!(先週土曜の掲載コラム『メガネの遠吠え』の話であります)
つい筆が走って長々書いてしまったので推敲しながら(書きすぎたか?)とも思ったが、どうやら多くの皆様に読んで頂けたようで良うございました。

ファズってペダルはどれもこれも個性が異なるうえに、前後に繫ぐペダルやアンプとの相性で音が激変するため、好みの音を出すには色々と知識を応用してやらねばならぬ。
私もずーっと「なんでビッグマフは音量が下がって聴こえるんだ?」「ヴードゥーチャイルド(スライト・リターン)の歪みは絶対ファズフェイスだと思うんだけど、ワウを踏むとあんな音にならないのは何故?」「フリップ先生はあの甘いロングトーンとガリガリのヘヴィな音をどうやって瞬時に使い分けてるんだ?」「マッドハニーみたいな音が出るファズってビッグマフじゃないのか?……えっ、『スーパーファズ』ってビッグマフのことじゃなくてそういうファズがあるの!?」
なんてことをギター片手にアンプとペダルと格闘しながらコツコツと理解していったのです。

勿論今はネットに参考音源は山ほどあるし、情報を共有してくれる優しい人達も多い(私もお世話になっております)が、ファズ(まあ、楽器はおしなべて全てそうだけど)ってやつは実際に自分の環境で試さないと全く違う音になることも多く、こればかりはトライアンドエラーを繰り返して己で理解するしかないのです。
雑誌やネットに載っている情報を鵜呑みにせず、身銭を切って実機で試して初めてわかること、出る音ってのがあるんですな(だから機材が溜まっていく……)

なんてことをビッグマフを繋ぎながらクリムゾンを耳コピしながら思った今日でありました。

てなところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年6月15日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)
https://maps.app.goo.gl/VReMVJt7kq9AwdK26
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
きっちー/Lazuli/ぎんちゃんず/ムーヤン/たくみ&すどやん/吟天上/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第31回) 明日は『ロックの日』その前夜祭に『ファズの名器』を徹底解説!

2024-06-08 11:09:00 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ご機嫌よう読者諸賢。ハウリンメガネである。

今回は火曜の予告通り、ファズの話をしよう。
私もファズは好きなので長い話になるが最後まで何卒お付き合い願いたい。

そもそもファズとはなんぞや。

今でこそ歪み系エフェクター1ジャンルという扱いになっているが、ファズというエフェクターが内包するその要素は多岐に渡る。
オーバードライブ的なもの、ディストーション的なもの、はたまた無理やり波形を弄り、シンセ的な音が出るものまで様々である。
唯一共通しているのは『歪ませる為のアタッチメント』という点のみ。

だが、それも当然のこと。
ファズが誕生した当時はオーバードライブという名のペダルも、ディストーションという名のペダルもまだ生まれていなかった。

つまり、ペダル単体で歪みを生み出すエフェクターはこれ全てファズだったのである。

故にファズと呼ばれる幾多のペダルはどこか荒々しさのある歪みという点こそ共通しているが、各々の音の違いはファズという一つの名称で括るのは困難を極める。

ディストーションライクなのか、オーバードライブライクなのか。
トレブリーなのかブーミーなのか。
ゲート感が強くブチブチとサスティンが途切れ途切れになるものなのか、スムーズにサスティンが伸びるものなのか。
ノイジーでドンシャリのジャージャーした歪みなのか、ローやミドルの強いファットな歪みなのか。

上記全ての要素を"ファズ"の一言で括れるか。否である(まあ、そんなことをいうとオーバードライブならTS系とかCentaur系があり、ディストーションならRAT系やガヴァナー系というようにそれぞれ違いがあるのだからオーバードライブやらディストーションやらの一言で括ってくれるな、という話になるのだけどファズの振れ幅と比べればまだましなのではなかろうか)。

さらに恐ろしいことにビンテージになると同じメーカー、同じ名前、同じ見た目のペダルなのに回路のバージョン違いで音が違うし、その逆に違うメーカー、違う名前、違う見た目なのに実際は他社OEMによる同一回路のペダルだったりと、まさに沼としか言いようのない深淵が広がっているのである。

ここにパーツによる個体差まで絡むのだから、そこまでくるとファズマニアの人々のいう、

Q.なんで同じエフェクターを何台も持ってるの?
A.だって全部音が違うんだもん!

という結論に落ち着くのだろうが、これでは「オーバードライブやディストーションは持ってるから次はファズが欲しいなぁ」というファズ初心者の方にはちと、とっつきづらかろう。

というわけで前置きが長くなったが今回は私の手持ちのファズを例に、世の中にどのようなファズがあるのかをざっくりと説明してみよう(今回の説明に出てこないファズも世の中には山ほどあるのでその辺りはご寛恕の程よろしくお願い申し上げる)。

私も多くのギタリストのご多分に漏れず、歪み系ペダルは昔からオーバードライブやディストーションも含めて買っちゃ売りを繰り返してきているが、そんな繰り返しの中でいま手元にキープしているのがこの4台。

左から右へ向かって
①Wren&Cuff Garbage Face
②Maxon Fuzz Elements Air
③MXR Super Baddas Variac Fuzz
④Dunlop FFM3 Fuzz Face Mini Hendrix
である。

順番は前後するが、まずは④Dunlop FFM3 Fuzz Face Mini Hendrixからいこう。

これはいわゆるファズフェイスというファズ(ジミヘンが使っていたことで有名)
よく「ファズは手元のボリュームで激歪からクリーンまで変えられる」という話が出るが、そういうことがしたいなら使うべきは間違いなくこの手のファズフェイス系のペダルだ。
ファズフェイス自体のコントロールはファズ(ゲイン)もボリュームもほぼマックスにしておいて、手元をフルにすればローの強いムワッとした暑苦しいファズトーン。そこから手元を1目盛りほど絞るとファットなドライヴトーン、そこからさらにもう1目盛り絞るといなたいクランチ、さらに絞れば枯れたクリーンへ、グラデーションのように歪みが変化してくれる。

もちろんアンプの歪みでも同じことはできるのだが、ファズフェイスを挟むとアンプのクリーン〜歪みの範囲が拡張されるというか、歪みはより激しい領域まで、クリーンはより枯れた領域まで使えるようになる、というのが私の印象。

ただ問題がいくつかあり、ファズフェイス系のペダルは前段にワウを置くとワウの効きが悪くなる(というかほぼ効かなくなるうえにピーピー発振までする)。

これを解消するにはワウとファズフェイスの間にバッファ(ないしオンでインピーダンスが下がるペダル、オーバードライブとか)を挟んでやればいいのだが、ファズフェイスは前段にバッファが入ると(つまりファズフェイスに入る信号がローインピーダンスになると)全体のゲインが上がり、ローが出すぎたり、手元のボリュームを4〜3辺りまで下げてもゲインが落ちきらず、直で差したときのようなクリーンは出なくなってしまう(これはこの手のボリュームによく反応するファズ全般にいえる)。
もちろん前段にワウがあっても問題なく使えるファズフェイスもあるのだが、これは個体差もあるので、私はこれについてはワウをファズフェイスの後ろに持ってくることで対応している(なのでファズの後ろに持ってきてもピーキーにならないワウが必要になり、その為にアイバニーズのWH10v3を買った訳です。ファズとの相性を考えると他のペダルまで変える必要に迫られるからファズは業が深い……)。
とまあ、多少の問題はあるが、ブルースロックやジミヘンごっこがしたいなら間違いなく選択肢に入れるべきファズがファズフェイスである。

次。
①Wren&Cuff Garbage Face

これはダイナソーjr.のJ・マスシスが所有するビッグマフ(ラムズヘッド期)のクローンペダル私、J・マスシスのファンなんです……)。

私は昔からビッグマフが好きで、初めて買ったエフェクターはビッグマフのロシアン(黒)だったほどなのだが、ビッグマフもまたバージョンが大変多い。
ざっくり分けると
・トライアングル(1stバージョン)
・ラムズヘッド(2ndバージョン)
・3rdバージョン
・ロシアン(アーミーグリーン)
・ロシアン(黒)
と、色々あるのだが、全体的に言えるのはディストーション寄りのファズ、ということ。
先程のファズフェイスのようにボリュームを絞ったらクリーンが〜というような応答性はほぼなく、手元を下げていようが、ソフトにピッキングしようがこいつをオンすれば「私がファズディストーションでございますがなにか?」と言わんばかりの歪みが溢れてくる。
ゲート感のない伸びやかなサスティンもビッグマフの魅力の一つで(ゲインノブの名前がサスティンとなっているだけある)デヴィッド・ボウイのヒーローズフリップ先生が披露している超ロングサスティンのディストーションギターもトライアングルビッグマフ(正確にはエレハモがギルドにOEMで卸していたフォクシーレディ)を使って、フィードバックさせながら弾いたものだそう。

私の使っているこのペダルはどこかブラウンサウンドにも似たサウンドで、フルゲインでコードを弾いてもコード感が崩れず、m7や9thを弾いてもコードとして聴き取れるのが大変良い(ただし、これはラムズヘッド期の特徴なので、3rdやロシアンだとコード感はあまり出ないので注意されたし)。

そしてビッグマフの問題は音量
まず、アンプ自体が歪んでいるとファズの歪みとアンプの歪みでアンプが飽和するため音量が頭打ちしてしまい、オンした瞬間に音量が下がったように聴こえてしまう。
が、これは極力クリーンなアンプを使えばOK。
で、問題はそのあと。
こいつをオンした状態でリードが弾きたい、と思って後段にブースターを置いても何故か音量が上がらない
これも先述の歪みによる飽和とそれに伴う音量の頭打ちが原因。
これを回避するにはマフの後段にボリュームペダルなどを置いて、バッキングとリードで音量を調整する(これはフリップ先生方式)か、もしくはマフの前段にオーバードライブなどのボリューム調整ができるペダルを置いて、バッキングの時はそちらをオンし、音量を下げる(これはJ・マスシス方式)、というのが有効。

グランジ・オルタナティブロックで聴けるディストーションサウンドが欲しい人なら間違いなくビッグマフは気に入るだろうし、フリップ先生のディストーションサウンドが好きな人にもマッチするのは間違いない。
(なお余談になるが、実はこのペダル、レンジマスター(トレブルブースター)クローンとビッグマフの2in1ペダルで、このレンジマスター部がとても良い。レンジマスターはある意味ファズの親戚といえるところがあるので気になる人は調べてみてほしい)

さあ次は②Maxon Fuzz Elements Air

これはユニヴァイブでおなじみ、shin-ei(もしくはそのOEM先であるunivox)のsuperfuzzのクローンペダル(公式にはアナウンスされていないが、音とコントローラの名前からいくとsuperfuzz以外ないはず。MaxonのFuzz Elementsシリーズは過去のFuzzの名器の再発がテーマらしく、良さげなペダルがラインナップされている。店頭で全く見ないのがネックだけど)

superfuzzといえばピート・タウンゼントも使っていた名器(ただ彼は歪みというよりフィードバックさせる為だけに使っていた模様)だが、意外なことに日本製ファズなのである。

日本製ファズというと他にはローランドのBeebaaや、ELKのビッグマフサスティナーなどが有名だが、面白いことにどれも鬼のようにドジャー!と歪むペダルで、当時のエンジニアの方々がどういう感性でこれらを開発していたのか……永遠の謎である。

それはさておき、このsuperfuzz、実はオクターブファズである。
オクターブファズといえばジミヘンが使っていたオクタヴィアが有名どころだが、このsuperfuzzもかなり面白い。
オクターブファズというのは電子回路で無理やり実音に対するオクターブ下、もしくは上の周波数を作り出すのだが、その回路構成上、コードを弾くと音がグシャグシャになり、カオティックな音になる。
メジャートライアドやマイナートライアド程度ならなんとか聴き取れるが、7thコードやテンションコードを弾こうものならルート音すら分からなくなるカオス。
だが、その破壊力は抜群で、こいつを踏んでリフやパワーコードを弾けば、全てが吹っ飛ぶようなロックサウンドを展開できる(実を言えば『太陽と戦慄part.1』で聴ける破壊的なディストーションサウンドが欲しくて、ファズを探し回っている時に見つけたのがこれだったのだ)
上下のオクターブの混じったドジャー!とバケツを引っくり返したような雨にも似たディストーショナルな歪みの洪水はこれにしか出せない魅力に満ち溢れている。
欠点はこれまた歪み過ぎによる音抜けの悪さなのだが、こいつについては「音量を上げて使え!以上!」と言い切りたい。そんなディストーショナルなファズである(意外なことにボリュームへの反応はすこぶる良く、手元の操作でクリーンまで下げられる。ただし、手元を下げてもオクターブが混ざるためコードの分離はよろしくない)

さあ、これで最後。③MXR Super Baddas Variac Fuzz!

これが手持ちのファズでは一番の新参者。
買った理由は……ジョン・フルシアンテが導入しているからである!
もともとジェフ・ベックのペダルボードにこいつが入っていたのを見ていた私は、レッチリ復帰後の彼のペダルボードにこれが乗っているのを見つけ、(うーん、ジェフもジョンも使ってるならいいファズっぽいなぁ、試してみたいなぁ)と急ぎ楽器屋を歩き回ったのだが、そこはジョン効果、私と同じような人が沢山いたのであろう。それまで楽器屋で何度か見たことがあったはずなのにどこに行っても在庫がない!(私も人のことはいえないが、人気のあるギタリストが使ってるエフェクターの記事が出ると市場から在庫が消える現象、どうにかならんかね)

そんなこんなで暫く入手を諦めていたのだが、ある日ふらふら楽器屋を廻っていた際に、現品特価で売られていたのを見つけ、無事入手したのであります。

試した第一印象は「便利なファズ」の一言。
ファズとしてはオーソドックスな歪み方だし、手元のボリュームを下げればそれなりにクリーンまで持っていける(ただファズフェイスのようないなたさはない)
ゲインをゼロにすればファジーなブースターとしても使えるし、電圧可変ノブがついているので、そこでファズらしさを強調することもできる。
手前にワウを持ってきてもちゃんと掛かるし、手元を下げた時のクリーンに色気がないことを除けばかなりバーサタイルなファズ、という印象であった。

で、このペダル、製品紹介にシリコンファズをベースに電圧可変回路を追加と紹介されているのでファズフェイス系かと思っていたのだけど、先日の「ファズで歪ませた〜い!」気分の際に取っ替え引っ替えファズを繋ぎ替えていた時のこと。
ファズフェイスの後ろにこいつを繋ぎ、両者をオンしたところ、Variac Fuzz単独では聴いたことのない音が出てきたのである。

ジャミジャミとでも表現したらいいだろうか、いつもより明らかに上の帯域の倍音が聴こえるのである。
(なにかで聴いたことがある音なんだが……)
とそのまま弾き続けていたのだが、ふと気付いた。
「これジミヘンのオクタヴィアっぽくねぇか?」

そう、調べてわかったのだが、このファズ、オクタヴィアからオクターブ回路を抜いてトーンと電圧可変回路を足したものらしいのである。

単独だと気づかなかったが、前段にファズフェイスを挿して使うと確かにオクターブ抜きのオクタヴィア、といった風情の音なのである(オクターブ抜きのオクタヴィアってなんだ、って話だが、まあ蕎麦でいう天抜き、うどんでいう肉吸いみたいなもんだと思えばまあまあ……納得できるか!)

先述のファズフェイスのインプットインピーダンスもそうだが、ペダルにせよアンプにせよ、美味しいところが出やすいインプットレベル(インピーダンス含む)、というのはあるようで、このVariac Fuzzはインプットレベルを結構突っ込んでやるとオクタヴィア的な上の倍音がとても気持ちよく、今まで「便利なファズだなぁ」としか思っていなかった己を束の間恥じつつ、ひたすらジミ的フレーズを弾き倒した私であった。

斯様にファズというのは幅広く、他との組み合わせでその音色が変化するものなのである。

何故我々はファズに心惹かれるのか。
ファズというペダル自体の面白さもある。
だがそれ以上にロックの創成期、ギタリストの傍らには常にファズがあったという浪漫が我々を惹きつけて離さない。
ジミヘンのファズフェイスとオクタヴィア。
ジミー・ペイジやジェフ・ベック、ミック・ロンソンのトーンベンダー。
フリップ先生のバズアラウンド、トライアングルビッグマフ。
デヴィッド・ギルモアが使っていたファズフェイスとビッグマフ……等々、ファズの歴史はロックギターの歴史とイコールなのである。

さあ、ここまで読み進めてくれたギタリスト諸君、浪漫に触れたくなったんじゃないかね?
ファズを踏もう!そして浪漫に触れてみようではないか!

……ついでに大勢がファズの沼に足を突っ込んでくれることを願いつつ……ハウリンメガネでした!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,22 (2024年6月4日発行) ファズる心

2024-06-04 10:09:48 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』!

今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け……しません!

 

今週はライブなし。

先週が土日ともライブだったので今週はスケジュールを空けたのであります。

 

が、こうしょっちゅうあっちこっちで演奏していると体が週1でライブをやるペースに慣れてきているのか、「あ〜別に今週も1本入れといてもよかったかもなぁ」と思ったりもするのだから人間というのは不思議なものです。

 

とはいえライブがないからといってやることが大して変わるわけでもなし。

相変わらず鍵盤との格闘は続いているし、鍵盤のおかげか、ギターの指板上の音が以前より視えてきたこともあり、あ、あのフレーズはこの音階で弾きゃいいのかと、ついギターにも手を伸ばし、鍵盤と竿を行ったり来たりの平常運転でございます。

 

ここ数日もまた性懲りもなく「ギターを歪ませた〜い!歪ませた音で『21世紀の精神異常者』が弾きた〜い!」という欲求に駆られ、手持ちのファズを取っ替え引っ替え、配列を入れ替えては、あ〜でもないこ〜でもないと一人唸り、セッティングを変えているうちに、あれっ、こんな音も出るファズだったのかっ!?ややっ、こっちのファズとあっちのファズをこう組み合わせると……おお、こんな使い方が!と頭を抱えておったのです。

 

というわけで、是非ファズの話を書こうと思ったのだけど、今週は土曜コラム、『メガネの遠吠え』も掲載予定ゆえ、今回はこの辺りで筆を置き、ファズの話は土曜版でさせて頂く。乞うご期待!

 

じゃ、また土曜!さあ、あっちのファズとこっちのファズをまた入れ替えてみねば……

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,21 (2024年5月28日発行)コレが本当の『大人のおもちゃ』

2024-05-28 11:06:25 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』!
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どうやら土曜コラムで書いた鍵盤ド素人によるキーボード入門がご好評頂けたようでなにより。
私自身ここまでハマってしまうとは思わなんだ。なにせポロポロ適当に白鍵をコードを弾いているだけで、「ややっ、これはニール・ヤングの『ライク・ア・ハリケーン』ではないか!」やら、「むむっ!単純な横移動だけでボブ(・ディラン)の『見張り塔からずっと』が弾けるぞ!」やらと気づけてしまうのだから楽しくて仕方ない(世の中の名曲がいかにダイアトニックコードで作られているかよく分かりますな)

これだけ面白いのだから是非読者諸賢も始めてみては如何か、ということで今回は私が買ったキーボードのご紹介(メーカーの回し者じゃないよ!)

こちら、YAMAHAの「PSS-A50」という37鍵盤のミニキーボード(鍵盤もミニサイズ)
サイズ的にはCASIOなどが出している子ども向けの教育用キーボードを一回り大きくしたぐらいのもので、片手でもひょいと持てるお気軽キーボードである。

通常この手のサイズの初心者向けキーボードは初心者向けに「デモソングと一緒に学ぼう!光る!ナビゲーション機能!」やら「音感を鍛えよう!音当てクイズ機能!」やらついているものが多いのだが、これはその手の機能は一切載っていない
その代わりにリアルタイムでプレイを録音し、ループ再生できるループレコーディング機能や、シンセ弾きにはお馴染み、アルペジエイター(鍵盤を押さえるだけで押さえた音階に沿ったフレーズを自動で鳴らす機能。ドラムの音色を選べばドラムのビートも鳴らせる)が載っており、価格こそ初心者向け(1万2〜3千円ぐらい)だが、機能は中々玄人好みなのである。

鍵盤もミニサイズながらYAMAHAが出しているrefaceシリーズ(エレピやらFMシンセやらに特化したミニキーボード)に搭載していた機構を流用しているらしく、弾き心地も良い(初心者が何をぬかすかと思われるだろうが、そう感じたのだからしょうがない)し、本体にモノラルスピーカーが載っているからこれ単体で気軽に音も出せる(ヘッドフォンアウトからスピーカーに繋げば中々に音もよい。私はこいつをオルガンの音色にした上でギターのエフェクターをつないで「おお!俺は今ジョン・ロードだ!」などと一人悦に入ったりしとります)

キーボード始めてみたいなぁという人は勿論、私のように音楽はやっているが鍵盤初心者、という人間や、鍵盤は持っているけど、軽くて気軽に弾けるキーボードが欲しい、という人にもジャストフィットないいキーボードであります。

そのうちギターとこいつを持ち出してフリップ先生の如くギターと鍵盤の二刀流ライブ……なんて夢想もしてみるが、まぁた荷物が増えるかと思うと……腰が重いですなぁ。

というわけで今週のライブインフォ!今週は土日ともライブ!

土曜日は大阪の八尾!

【日時】
2024年6月1日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
八尾X1(大阪府八尾市西山本町6-6-15喜多ビル2F 近鉄大阪線河内山本駅より徒歩8分)
https://maps.app.goo.gl/iq4wjJm4BBjp7gZK8
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
さとみん/すーきゃん/南澤達也/ポジメ/師匠/ハウリンメガネ

日曜日は奈良!

【日時】
2024年6月2日(日)
OPEN16:30/START17:00
【会場】
Ocean Boulvard オーシャンブールバード
奈良市大宮町7丁目2-23 三和佐保川ビル1F104(近鉄新大宮駅より徒歩5分)
https://maps.app.goo.gl/6yanCAbetW4U64CA8
【チャージ】
¥1,500(要別途1ドリンク)
【出演(※出演順とは異なります)】
とみぃ/わっは/SNAPY/チープス/ハウリンメガネ
※ハウリンメガネは18時半頃出演予定

ご来場お待ちしております!じゃまた来週!

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第30回) メガネの「鍵盤(ピアノ)初歩の初歩講座」

2024-05-25 10:55:01 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

御機嫌よう読者諸賢、ハウリンメガネである。

火曜コラム『今週のハウリンメガネ』で書いた通り、キーボードにお熱真っ只中の私。

今回は実際に触ることで気付いた鍵盤の利便性についてツラツラと書かせていただく(以下、キーボードのことをピアノと記す。ピアニストの方には怒られそうだが……)

まずピアノの白鍵はCメジャーダイアトニックスケール及びその平行調のAナチュラルマイナーダイアトニックスケール)に特化された並びとなっている。

こう書くとややこしそうに見えるが、要は白鍵だけ弾けばドレミファソラシドが鳴るように並んでいるということ。
これ「何を今さら、当たり前じゃないか」と思わないで頂きたい。
この配列こそがピアノをシステマチックな楽器として成り立たせているのである。

C(ド)を基準とすると、白鍵の並びは左から右に
C(ド)、D(レ)、E(ミ)、F(ファ)、G(ソ)、A(ラ)、B(シ)
となる。

Cメジャーダイアトニックコードはこの7音だけで構成されている。

3和音でいうと、
C△(メジャー)ならC(ド)、E(ミ)、G(ソ)。
DmならD(レ)、F(ファ)、A(ラ)。
EmならE(ミ)、G(ソ)、B(シ)。
以下同様に、F△、G△、Am、Bdim、と続く。

そしてこの積み重ね方を白鍵上に並べると、綺麗に一つ飛ばしで並んでいることが分かる。

つまりピアノという楽器は白鍵だけを同じ指の形(同じ間隔)で押さえればC△、Dm、Em、F△、G△、Am、Bdimの7つのコードが弾けるように出来ているのである(なお、4和音のコードも同様の法則なので、CM7ならC、E、G、B。Dm7であればD、F、A、Cと同じように一つ飛ばしで積み重ねればよい)

この7つのコードと並びはキーこそ違えど大変多くの曲で使われているので、この7つが鳴らせれば曲が弾けるのである(例えばみんな大好き「Let it be」もこのCメジャーダイアトニックで構成されているし、CメジャーキーでブルースをやるならC△、F△、G△が弾ければバッキングはできるのである)

更に便利なことにこの基本形、C△でいうとC、E、Gの並びだが、これ、指をひとつふたつずらすだけで別のコードにできるのである。
Gだけ右に一つずらすとC、E、Aとなるが、これをAから並べるとA、C、Eとなり、これはAmコードである。
EとGを右に一つずらすとC、F、Aとなるが、これをFから並べるとF、A、Cとなり、これはF△コードである。
Cだけ左に一つずらすとB、E、Gとなり、これはEから並べるとE、G、BでEm。CとEを左に一つずらすとB、D、GでG△
これ、要するにギターでもお馴染みのオンコード(A/CやF△/C)、転回形コードなのだが、ピアノだとこの転回形を積極的に使うことで手のポジション移動を少なく、かつ、音のつながりをスムーズにコードチェンジができるのである(以前編集長と鍵盤の話になった際に「鍵盤弾きの書く曲ってコードチェンジが多いんだよなぁ」という話題になったが、この指一つでコードチェンジできるという利便性の為ではないかと弾いていて気付いた)

というように触れば触るほど鍵盤ならではの利点は多いことに気付かされたが、鍵盤で理解したことをギターに持ち込めば、さらに理解が深まるであろう予感をひしひしと感じている今日この頃なのであります。

というわけでまだしばらく鍵盤と格闘する日々は続く!

じゃまた次回!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,20 (2024年5月21日発行)私が今ハマッテイル楽器とは?

2024-05-21 10:55:02 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け!

スターマン★アルチ「ギターを弾け!」という情熱的名曲を取り上げたところに誠に申し訳ないのだが、私、ここ2週間ほどギターにまともに触れていない。

こう書くと、「怪我でもしたのか」「ついに情熱を喪ったか」「レッチリが観られないから不貞腐れているのか」等々の憶測を招きそうだがそういうことではない。

実はこのところ、奴の十八番でもあるキーボードばかり弾いているのである。

ゴールデンウィークの後半。
「時間もあることだしここは一つ腰を据えて音楽理論の勉強でもするべえか」と思いたち、片手にギター、片手にペンという出で立ちで「ここが短3度だからもう短3度重ねたらディミニッシュ……」なんぞとやっていたのだが、しばらくやっているうちにどこが何度だか分からなくなり(ギターってのはなんでこう度数が分かりにくいんだ。もっと簡単に分かりやすい楽器があっても良かろうが)とブツブツ独りごちる私に天啓が降った。

(メガネよ……ハウリンメガネよ……世間にはピアノというものがあることをお忘れですか……)

oh!そうだ!古今東西、音楽教育の定番楽器といえばピアノ!
思えば子供の頃からあの白黒鍵盤配列の意味が分からず、ピアノは疎か鍵盤ハーモニカもまともに弾けなかった私。
だが今なら!音と度数というものを理解した今ならあの白黒鍵盤を通じて音楽を学べるのではないのか!

そんな天啓に導かれ、ゴールデンウィークに神戸は三宮の某楽器店で買ったのがこのヤマハのミニキーボード!

最初は「ここがCだからCメジャーはこことここと……」と覚束ない手元でふにゃふにゃと鍵盤を触っていたのだが、2時間もすると「あ、ここが7度だからこう押さえれば……あ、そうするとここが転回形になって……なるほど!もの凄くなるほど!」と、ものは試しと買ってみたキーボードのおかげで猛スピードでお勉強が捗ってしまっているのである。

ギターだと物理的に押さえるのが難しいコードもキーボードなら簡単に押さえられる上に、この白黒鍵盤のおかげでそのコードがどんな度数で構成されているのか、他のどのコードと近似なのかが視覚的に分かりやすいという便利さで、思わずギターも弾かず「こうか!?こういうことか!?」とついつい鍵盤と向き合っていた、というここ2週間の私だったのである。

色々と理解したことについては長くなるので別途今週土曜のコラム「メガネの遠吠え」で述べさせて頂きたいと思うので今回のコラムはここまで!
そして今週のライブインフォ!

【日時】
2024年5月25日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F、大阪メトロ中央線深江橋駅より徒歩3分)
https://maps.app.goo.gl/Dt5Yaf8Nr1muKzYU6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
O.A.マスター/岡根正純/seiji/じょ〜じ/組橋泉/Nobu-hey!/ハウリンメガネ

じゃ!また土曜!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,19 (2024年5月14日発行)いよいよ今週!レッチリの来日公演だ!

2024-05-14 11:06:34 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け!

と見せかけて今週はライブなしでございます。
……勘のよい方はお気づきでありましょう。
敢えて空けていたのです。
週末に予定が入るはずだったのです。
18日(土)に予定を入れたかったけれど入れられなかったのです。

チケットが取れなかったのです。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ東京ドーム公演のチケットが取れなかったのです!

流石レッチリ、前回の来日から1年経たずの再来日でも余裕の完売……(正確には20日(月)の公演はまだチケットがあるようですが平日東京は地方のサラリーマンにはちと都合がつかぬ)
今回の公演はオールタイムベストな選曲でやるということなので前回観た人もチケット争奪戦に参加していたに違いない。観たいもの、そりゃ。

しかし、前回は東京、大阪の2都市、今回は東京のみ。レッチリクラスのバンドとなると動員キャパシティ的に主要都市のドームクラスでまとめて集客するのがベストというのはよく分かるのだけど、この辺り、もう少しどうにかならんかなぁ……チケットがまあ取れんこと取れんこと。
23年のボブの来日のように回数が多すぎて空席が目立つのも当然よろしくないのだけど、今回のレッチリのように少ない日数に人が集中すると私のようにチケット争奪戦に敗れる人間も出るわけで……まあみんな同じような事を多々経験しているはずだけど、ショウビジネスってのはこと難しいものでありますなぁ……

と、愚痴ってみたところで仕方無し。
チケットが取れた方!思う存分楽しんできてくだされ!

以上、「あの葡萄は酸っぱいのさ!」と嘯くキツネの気分なハウリンメガネでした。

また来週!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,18 (2024年5月7日発行)『ジェリーズ・ギター』実店舗再開の意義とは?

2024-05-07 12:49:00 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

祝!ジェリーズ・ギター実店舗再開店!
いやぁ、実に喜ばしいことであります。
思い起こせば25年近く前、高校の同級生から情報を聞き、湘南は六会、どう見ても楽器屋なんぞありそうにない田んぼのど真ん中を訪ね、(本当にこんなところに楽器屋が?)と訝しげな顔でそれらしき店のドアを開けた私を「いらっしゃい!」と明るい笑顔で迎え入れてくれたのがうちの編集長その人でありました。

サン・ハウスやらマディやらウルフやらの話が通じるお兄さんに会えたことに嬉しくなった私は以来足繁く店に遊びに行くようになり、齢40を数える今に至るまで編集長との付き合いが続いているわけであります。

時に藤沢、時に江の島、時に鎌倉と場所を移したジェリーズギター
コロナ騒ぎが広まりかけたタイミングで実店舗を閉めることを決定し、
「いやぁ、もう実店舗はいいよ。この騒ぎがおさまってもちょっとやる気しないなぁ。色々やりたいこともあるし」
と曰う編集長。
「いやいや、絶対実店舗のほうがあなたに合ってますって」
「実店舗って大変なんだぜ?俺の歳も考えてごらんよ。キミと会って何年経った?」
「そりゃそうかもしれませんが俺ぁ、あなたは店に立った方がいいと思うなぁ」
「大丈夫大丈夫、会員制みたいな形でフェイス・トゥ・フェイスの仕事は続けるしさ。まあ、しばらく店はいいよ」
「ふーん……」
なんぞというやり取りもあったが、いやぁ、こうして編集長が再び店に立つというのは嬉しいことであります。改めておめでとうございます。

ついでに私の思いも吐露しておこう。
私が嬉しいのはジェリーズギターが復活することではない。懐かしい店が復活することが嬉しいのではない。編集長が再び若人に音楽を伝える気になったのが嬉しいのだ。
あの頃の私や、あの場にいた面子がかつてのジェリーズで音楽とギターの深遠を学ばせてもらったように、今の若人が本気の音楽に触れられる場所が出来ることが只々嬉しい。

過去を懐かしがる必要などない!
ハッピーバースデー!ブランニュー・ジェリーズ!
そこには本気で音楽を伝えてくれる人がいるぞ!

というところで私も私で音楽を伝えねば!
今週のライブインフォ!

【日時】
2024年5月12日(日)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
月岡翔/きっちー/タイショークタイショーク/HARU/ゆみちゃん/nalu/ぎんちゃんず/ハウリンメガネ

ではまた来週!

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第29回) GWのミュージシャン生活(Part2)

2024-05-04 10:00:25 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

皆様方、ゴールデンウィーク、いかがお過ごしか。
ハウリンメガネである。

私?人様のバックバンド仕事が先週の日曜に終わり、色々と自身の方法論を考え直している真っ最中であります。
久々のバンド演奏、それも普段デルタスタイルでひとり舞台で演っている人間がバックに回るとやはり色々と発見があるもの。
今回はそんな気づきをつらつらと上げてみよう。


1.歪みエフェクターってのは小音量でも歪ませられるから便利なんだなぁ

思わず文末に「みつを」とつけたくなるがそれは置いておこう。
いやまあ当たり前のことなのだけど、ちょっと当たり前過ぎて忘れていた。
私は基本的にアンプのナチュラルクランチが好きで、いつもはある程度アンプに気合いが入り始めるところまで音量を上げて音を作っている。
が、この方法だと当然音量がデカくなるので、ロックバンドならともかく、歌ものでこれをやるとギターの音が歌をスポイルしてしまいアンサンブルとしてよろしくない。
アンプの音量は上げたくないが、アンプの音量を上げた時の歪みが欲しい……そこが歪みエフェクターの出番である!……いや、当たり前なんですけどね!
アンプのナチュラルドライヴが好きな人間は歪みエフェクターをアンプをブーストするものとして使いがちで「エフェクターで歪ませる」という方法を忘れがちなもの。
勿論私もサウンドとしては前者の方が好きなのだけど、音量を上げられない状況での歪みペダルの利便性というのを改めて実感した次第でありました。

2.バッキングは歌いながら弾いた方がノリが出るんだなぁ

なぜだか今日は「みつを」風にしたくなる気分。
まあそれはそれとして、これは結構重要なポイントでは?
私自身がボーカリストというのもあるかもしれぬが、歌のバッキングをする際、ギターだけ弾いているとどうも勘が狂うというか、歌いながら弾くほうが弾きやすく感じるのである。
本番でも小さな声で口ずさみながら弾いていたのだけど、こちらのほうがバッキングのノリが歌と馴染むように思った。
もし歌に対してギターのノリが合わない、とお悩みの方がおられたら、自分で歌いながら弾く、というのが解決の糸口になるかもしれませんぞ。

3.ギターは弾かないのも仕事のうちなんだなぁ

はいこれが最後にして最大の気付き
特に今回は鍵盤を含んだ編成だったので尚更のことだったのだけど、鍵盤ありの歌ものバンドでのリズムギターの役割というのはコードに色を添えるとか、リズム隊の一員としてリズムを補強するとかそういうポジションであり、極論すればマストなパートではないのである。
こういうポジションにいる場合、弾くこと以上に重要なのが弾かないという選択肢である。
ギターが入ることでアンサンブルが過剰になるなら弾かない。フルコードで弾くとピアノとぶつかるならトップノートだけを弾く。ピアノが上を弾いているならボトムラインだけでバッキングするなど、知識として知っていても実際にそのシチュエーションに放り込まれると身体というのはパッと動かないもの。やはり普段からこういう状況を意識した練習をせにゃいかんのでしょうな。

以上、久々のバンド演奏で気付いたことでございました。

う〜ん、やはりこうして振り返るとまだまだ修行が足らんなぁ……ようし、残りのゴールデンウィークをギターで塗りつぶそう!G.W.はゴールデンウィークの略に非ず!ギターウィークの略である!と強弁したところで今回はここまで!また次回!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,17 (2024年4月30日発行)GWのミュージシャン生活とは?

2024-04-30 10:29:24 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け……しない!

今週はライブなし!
懸念材料だった人様のバックも先日日曜で完了!
そして世間はゴールデンウィーク!
こうなればもう全てを忘れてゆっくりと風呂にでもつかって一杯引っ掛けたらゆったりと身体を休めるだけ!

……と思っていたのだけど、ゴロ寝に飽きてくるとギターに手が伸びるのだから結局私にとって最大の暇つぶしはギターということなのだろう。
ゴールデンウィークとはいえ土曜にはまた「メガネの遠吠え」の掲載もあるし、なんだかんだとやることとタスクは山積みである。

本当は日曜のライブで気付いたことでも書こうと思っていたのだが、書いているうちに長くなる気配がしてきたので、それについては土曜の「メガネの遠吠え」きっちり書くので今日のところはこの辺で勘弁してくれい。
あ〜、一杯引っ掛けたら眠くなってきた……

じゃ!また土曜!

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第28回) ギターストラップ、君は長い派?短い派?

2024-04-27 08:52:01 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

あな忙し……天丼はもういいな。

ご機嫌よう読者諸賢。
毎週火曜のコラム『今週のハウリンメガネ』でも触れている通り、人様のバックというやり慣れないイベントを日曜に控えている為、大急ぎで曲を体に叩き込んでいる真っ最中のハウリンメガネである。

久々のバンド編成ということもあり、お伝え続けている通り音作りも含めて色々と調整真っ只中なのだが、ふと思うところがあった。

普段の私はジョン・リー御大フリップ先生にあやかり、着席スタイルでプレイしているのだけれど、今回はバンド編成なのでスタンディングでプレイするつもりである(別に座ったっていいのだけど、スペースの都合もあるのである)

で、立奏の時、いつもいつも思うことなのだけど……

私、ギターの位置が高い!
冒頭の写真を見ていただければ分かるが、ストラップを最短に縮めた状態が私のデフォルトである。

思い起こせばレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロに憧れてこの短さにしたのがきっかけだったのだが、やはりだいぶ高いのは確かである(ギターを始めた中学生の頃、この高さでギターを構えた私を見た父に「お前はバタヤンか」と突っ込まれたのは懐かしい思い出である)

ま、今となってはこれが一番しっくりくるのだから仕方がない。
問題はこの高さで構えたときにどう格好をつけてみせるかである。

ギターというのは基本的に低い位置で構えたほうが格好がつくものであり、高い位置で構えて格好をつけるにはコツがいるのである(といっても大したことではないが、できていない人が多いのもまた事実)

高い位置でギターを構えて格好がつく方法。

それは『背筋を伸ばして立つ』ということである。

簡単だと思うでしょ?これが意外とできていないんですな。
ギターを前に構えるというのは3kg〜4kg程度の重量を前に抱えるということであり、意識しないと自然と猫背になってしまうものである。
低く構えている場合は多少猫背になってもそれなりに見えるのだが、高く構えて猫背はもう格好悪いことこの上なし!
ジョン・レノンジョージ・ハリスントム・モレロバタヤンと、高い位置でギターを構える人は皆姿勢がいい!

私も先達に習い、ピシっとした立ち姿でステージに望まねばと背筋を正す今日この頃であります。

じゃ練習に戻らればならないので今回はここまで!
また次回!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,16 (2024年4月23日発行)あな忙しや!

2024-04-23 08:32:02 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け!

あな忙しや!

てめぇ先週から書き出しが変わってねえじゃねえかこのヤロウ!とお怒りの読者もおられようが致し方なし。

忙しいのである!

先週書いた通り、今週のライブでは自身の出番と別途、人様のバックを務めることに相成っている私。
ある程度曲の構成やコードは覚えたものの、やはり普段馴染みがない曲が多く、「あれ、ここサビに上手く繋がらんな……あ!ケツはコードが違うじゃねぇか!」やら「こっちからEフラットに飛ぶんだからここは……あ〜頭で考えてるようじゃディグリーが身体に入っとらん証拠じゃあ!」やらと我ながら己の物覚えの悪さに夜な夜な咆哮しつつ練習真っ最中(締切間際にならんとエンジンのかからん己にもほとほと呆れるばかりである)
普段一人で誰かの曲を弾く分には自分の好みでトライアドからテトラッドにコードを変えようが、コード進行自体大幅にアレンジしたっていいのだが、人様のバック、それもバンド編成でリハの時間もほぼなしとなると手前勝手にアレンジする訳にもいかず、生真面目に原曲の進行を覚えないといかんのです(覚えたうえでその場で崩す崩さんは現場での判断次第だけど)

というわけでまたこれから練習せにゃいかんので短いが今週はここまで!
そして人様のバックでプレイする珍しいハウリンメガネが観られる今週のライブインフォ!

【日時】
2024年4月28日(日)
OPEN12:00/START13:00
※フライヤーの日付が間違っておりますが、4月28日が正となります
【会場】
深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F、大阪メトロ中央線深江橋駅より徒歩3分)
https://maps.app.goo.gl/Dt5Yaf8Nr1muKzYU6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
pinky fly band(vo.pinky fly/ba.ワイルドジミー/dr.CoRo/key.マスター/gt.ハウリンメガネ)
O.A.マスター/てんちょー/まっちゃん/サッシー/トオル/たまご温泉/たかやん/みさえ/mahiro/井関謙治/ハウリンメガネ

じゃ!是非ご来場のほど!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,15 (2024年4月16日発行)他人のバック演奏は大変なのだ!

2024-04-16 10:13:14 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』!
今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け!

あな忙しや!

冒頭から何を雅に嘆いているのだ貴様は、と訝しんだ読者諸氏もおられようがもう一回。

あな忙しや!

実は来週出演するイベントで自身の出番と別に人様のバックバンドを務めることになり、演る曲を急いで頭に叩き込んでいる真っ最中なのである。
てめえの曲なら体に染み付いているので多少酔っていようがどうとでもなるが、他人様の曲、それも普段馴染のないJ-POPや歌謡曲の類だと流石にちょいと気を入れて頭と体に覚えさせねばすぐとっ散らかることうけあい。そんなわけで珍しく気の向くまま弾くいつもの私ではなく、ちょっとお仕事ギタリストモードの私なのである。

お仕事モードになるのもたまには目線が変わって面白いもので、チョイスするエフェクトペダルも「これも要らん、あれも要らん」で見事に簡素化されていき、最終的にオーバードライブとチューナーだけありゃいいや、と、普段やれディレイだやれワウだと云っている己が嘘のようなシンプルボード(勿論曲によりけりだが、歌もののバックならこれで十分である)。

演る曲のコード進行を確認して「これはブルース進行だからいつものやり方でいける。むむっ、こっちは4度進行か。コードポジションどう捌こうか……しかしやっぱり基本のダイアトニックコードで書かれてる曲ってのは多いんだなぁ、」やら、「これカポ使ったほうが楽だな。あ〜Fキーの曲なんか自分じゃ書かねえから慣れねえなぁ(笑)」など考えるのもたまには面白いものであります。

と、来週の話をしてしまったが今週は今週でライブはあるのだ!今週のライブインフォ!

【日時】
2024年4月20日(土)
OPEN18:00/START18:30
【会場】
Ocean Boulvard オーシャンブールバード
奈良市大宮町7丁目2-23 三和佐保川ビル1F104(近鉄新大宮駅より徒歩5分)
https://maps.app.goo.gl/6yanCAbetW4U64CA8
【チャージ】
¥1,500(要1ドリンク)
【出演(※出演順とは異なります)】
内田了治/JUN/NOV/ぽー/やまぜん/ハウリンメガネ
※ハウリンメガネは19時頃出演予定

というわけではまた来週!……あな忙しや!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,14 (2024年4月9日発行)春はやっぱり『桜』がイイ!

2024-04-09 10:18:01 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け!

いやぁ、つい2週間程前に春はまだか、春はまだ来んのか、と寒さにぷるぷる震えていたのが嘘のような暖かさ!
筆者の近所の公園もいい枝ぶりの桜があるので花のあるうちに眺めに行こうかしらんなどと思っていたら、春の陽気とともに低気圧も訪れてしまったようで、荒れ気味な空模様を眺め、今年は大して見られぬうちに花も散ってしまうかもなぁ、とアンニュイな気分になっていたのが先週のこと。

そして土曜日。
いつもの如くライブの為に電車で大阪は八尾へ。
途中、JR環状線桜ノ宮駅付近で車窓から見事に満開の桜が目に入り、「おう、桜ノ宮とはよくぞ名付けたものよ。一目満開の桜が見られただけで十分というものよ」と隆慶一郎先生チックなモノローグを独りごちつつ、目的地である近鉄大阪線の河内山本駅へ。

駅を降り、ふと大通りへ目を向けると、おや、あちらにも桜が咲いている。
せっかくなら少しでも花を見ながら行こうか、と足を踏み出したところで目に入ったのは、

見事な満開の桜並木!

いや、私が不勉強だっただけなのだけど、河内山本駅の大通り、川沿いの道は『玉串川の桜並木』として有名な桜の名所なんですな。

いやぁ、思わぬところで大変な眼福をした。関西の方、いい景色ですぞ。花のあるうちに是非。
(なお、あまりにいい景色だったので「このままライブをフケて花見に洒落込むってのも乙だねぇ……」という考えが頭をよぎったのはX1のスタッフには内緒だ!)

というところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年4月13日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
きっちー/ター坊/taka/えっちゃん/ミノル/きのしたあきら/ハウリンメガネ

ではまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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