◆【南シナ海情勢(1)】フィリピン元下院議員に聞く 中国の領有権の主張には一切根拠がない
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【南シナ海情勢(1)】フィリピン元下院議員に聞く 中国の領有権の主張には一切根拠がない
プロフィール
(Roilo Golez)1947年1月9日フィリピン・ロンブロン州生まれ。政治家。海軍士官、フィリピン赤十字代表などを経て、フィリピンの産業都市パラニャーケシティで下院議員として選出され、6期15年務めた。郵政大臣、国家安全保障担当補佐官などを歴任。フィリピン下院には連続して当選できないため、現在は一政治家として活動。
南シナ海でのベトナム船と中国船の衝突は記憶に新しい。中国は一方的に南シナ海に線を引き、「九段線」と名付けて、ベトナムやフィリピンの排他的経済水域(EEZ)も含む領域の領有権を主張している。ベトナムと並び、中国に対する抗議の姿勢を明確にしているフィリピンで、10年以上前から中国の脅威を訴えてきた元下院議員のロイロ・ゴレス氏に話を聞いた。全3回に渡ってお届けする。(取材協力:幸福の科学国際本部)
――中国政府は、南シナ海は中国領だと主張していますがどうお考えですか?
ロイロ・ゴレス氏(以下、ゴレス): 私は一連の出来事を全て調べました。中国の主張は、1947年、蒋介石の中国国民党政府が、フィリピン、インドネシアまで、南シナ海の約8割を領海だと言ったのが始まりです。ただ、その根拠は不明で、中国人の船乗りがそこを訪れていたことなどを引用しています。
しかし、当然のことですが、「行ったことがある」からといってその場所が自分のものにはなりません。私は日本に行ったことがありますが、日本は私の領地ではありません。それと同じことです。
フィリピンは、ポルトガル人が支配したことがあります。スペイン人が支配したこともあります。ですが、ここはもう彼らのものではありません。例えばメキシコの一部は、今はアメリカ領になっていますが、メキシコ人はそこが自分たちの領土だと主張しません。
アラスカもロシア領だったことがありますが、今、ロシアはアラスカがロシア領だとは言いません。同じことです。
中国が南シナ海を自国領だというのは、何の根拠もないのです。
また、私たちは地図でそれを示すこともできます。13世紀から15世紀ごろの南シナ海や中国を含むアジアの地図によれば、中国の南方の領土は海南島までだったことがわかります。それは、フィリピンよりもだいぶ北です。
また、中国は、南シナ海に勝手に「九段線」という線を引き、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ベトナムの排他的経済水域(EEZ)と重なる海域の領有を主張しています。ところが彼らは、「九段線」の座標さえ述べることはできません。普通は領有権を主張する際には、緯度や経度などの座標で正確な位置を特定して、認定し、主張するのですが、彼らにはそういう感覚がないのです。
――中国と、フィリピンやベトナムとの間に、近いうちに戦争が起きると思いますか?
ゴレス: いいえ、そうは思いません。私たちは平和的な方法で紛争を解決すべきです。2002年の「南シナ海行動宣言」において、「軍事力を行使しない、あるいは軍事的な脅威を使わない」と記載されています。ですから私たちは、国際司法裁判所に提訴したのです。
私たちは、法というルールに従い、自分たちの主権を守る用意があります。同時に、中国が法を破ることのないよう望みますし、そう期待しています。
彼らは、元朝の時代にスカボロー礁に代表団を送ったと主張しています。
しかし、なぜそんな昔に人々がスカボロー礁に行くのでしょう。あそこはずっとただの岩です。住めるようなところはありませんでした。
また、彼らは元の時代の地図を根拠にすることもありますが、元はモンゴルの王朝です。つまり、モンゴル王朝の命令でスカボロー礁に行ったことになります。そうすると、「ここは中国の一部」という主張はなおさらできません。彼らは、その時代はモンゴル王朝の支配下にあったのです。
私たちの国もアメリカの支配下にありましたが、例えばその時代に、アメリカがどこかの国の領土を占領していたとしましょう。その土地を、現代のフィリピン人が自分たちの領土だと主張することができるでしょうか。
中国の論理で言うと、「モンゴルが中国を所有している」と主張できてしまうのです。
――米軍が22年ぶりにフィリピンへ戻ってくる予定です。何を米軍に期待しますか?
ゴレス: この地域における米軍のプレゼンスを考えれば、彼らは撤退すべきではなかった。米軍の第7艦隊は、アメリカ西海岸からインド洋まで太平洋を広くカバーしています。この広大な太平洋で、兵士たちが休んだり、補給したりできる場所が必要だからです。
ですから今、新軍事協定(EDCA)によって、米軍が巡回するようになります。これは恒久的な基地ではありません。私はそれに賛成です。彼らは一時的に船舶や航空機、および人員を配備することができます。
――米軍はどこに戻ってくるのでしょうか?
ゴレス: おそらくスービック湾でしょう。まだ確定していませんが、スービックやクラーク軍事基地やパラワン島にあるウルガン湾でしょう。
数カ月前に行った調査で、フィリピン人はこの件について非常に好意的です。約8割が賛成しています。
【(2)に続く】
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