『さらば愛しき女よ』レイモンド・チャンドラー著 清水俊二訳
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=415070452X&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
先日読んだ『長いお別れ』が一般にチャンドラーの最高傑作といわれているのに対して、チャンドラーファンの中には『大いなる眠り』や『さらば愛しき女よ』の方が優れていると評価する人もいるそうだ。
というわけで読んでみました。
うん、ぐりは『長い〜』の方が好き(爆)。ストーリーの完成度は似たり寄ったりなんだけど、もうひとつ「印象的」という感じがしない。世界観が散漫な気もする。
物語を牽引していくはずの軸の部分─主人公マーロウが事件にこだわる理由─になかなかうまく共感できない。『長い〜』では読んでいて自然にテリー・レノックスの不思議な魅力が伝わってきたんだけど、『さらば〜』のマロイはインパクトはあってもさほどチャーミングとは思えないし、彼も含めリンゼイ・マリオやグレイル 夫人にしても登場シーンが少なすぎる。読み手が愛着を感じるほど出てこない。
それを思えば、第二次世界大戦という人類共通の傷の存在もさりながら、死んだはずのレノックス会いたさにページをめくらせるという奇妙な吸引力(「不在の存在感」てやつ)をもった『長い〜』は、やっぱりけっこういい小説だったのかもしれない。
これから『大いなる眠り』も読みます。
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先日読んだ『長いお別れ』が一般にチャンドラーの最高傑作といわれているのに対して、チャンドラーファンの中には『大いなる眠り』や『さらば愛しき女よ』の方が優れていると評価する人もいるそうだ。
というわけで読んでみました。
うん、ぐりは『長い〜』の方が好き(爆)。ストーリーの完成度は似たり寄ったりなんだけど、もうひとつ「印象的」という感じがしない。世界観が散漫な気もする。
物語を牽引していくはずの軸の部分─主人公マーロウが事件にこだわる理由─になかなかうまく共感できない。『長い〜』では読んでいて自然にテリー・レノックスの不思議な魅力が伝わってきたんだけど、『さらば〜』のマロイはインパクトはあってもさほどチャーミングとは思えないし、彼も含めリンゼイ・マリオやグレイル 夫人にしても登場シーンが少なすぎる。読み手が愛着を感じるほど出てこない。
それを思えば、第二次世界大戦という人類共通の傷の存在もさりながら、死んだはずのレノックス会いたさにページをめくらせるという奇妙な吸引力(「不在の存在感」てやつ)をもった『長い〜』は、やっぱりけっこういい小説だったのかもしれない。
これから『大いなる眠り』も読みます。