落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

アフリカの日曜日

2007年05月13日 | movie
『ラストキング・オブ・スコットランド』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000S5K4TE&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

うーーーん。B級。残念でしたー。
フォレスト・ウィッテカーはこれでアカデミー主演男優賞を穫ったらしーけど、映画そのものはまあハッキリと二流ですわ。ハイ。
アミン大統領(ウィッテカー)のキャラクター造形もそーなんだけど、もう思いっきり「白人から見たアフリカ社会」の表現が完全に紋切り状態にハマっちゃってんのよ。社会構造が未開で、文化程度が低くて、人のタイプは愚鈍かしたたかか冷酷かのどれかしかいない。でもって女はみんなセックス狂い。もういいかげんそういうのはいいでしょう。次行こうよ。ぐりは飽きたよ。
ストーリーそのものはサスペンススリラーとしてうまくまとまってるとは思う。けどあの残虐シーンはちょっと直視でけんかったよ・・・イタすぎッス。すんません根性なしで。
とりあえず観たいとは思ってたから、観て納得はしたけどねー。

原作レビュー:『スコットランドの黒い王様』ジャイルズ・フォーデン著

アフリカの日曜日

2007年05月13日 | movie
『ツォツィ』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000TILW8C&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

南アフリカ/イギリス合作映画。
最近ハリウッドでハヤッてる「白人inアフリカ社会派ドラマ」ではないです。てゆーか白人でてこないし。あ、でてきたわ。刑事がひとり。でもそれだけ。
台詞も登場人物も少ないしストーリーもシンプル、映画というより舞台劇に近いような作品です。
音楽がすごくよくて、ぐりはラップとかヒップホップってぜーんぜんわかんなくてどの曲もいっしょに聞こえちゃうおばーさんなんだけど、この映画の音楽はかっこいいと思ったです。
映像も凝ってる。一部を除いてセピアとブルー系を強調したストイックな色遣い、ローアングルを多用し垂直や水平を強く印象づけるクールなカメラワークなんか、ちょっと北野武映画に似た雰囲気。

主人公(プレスリー・チュエニヤハエ)もまだ20歳前後だしパッと見は若者向けのオシャレな映画にもみえる。けどそれだけじゃない。
アフリカ人による「アフリカの貧困」の叫び。貧しいってお金がないとか食べるものがないとかそういうことじゃないんだよね。愛が足りないのがいちばん貧しい、いちばん不幸なことなんだよね。
ハッキリとは描かれないけど、主人公ツォツィの母親(シンディ・ハンブル)はエイズに感染している。エイズによって破綻する家庭。もしもっと愛があったら、力をあわせて病気を乗りこえることも不可能じゃなかったかもしれないのに、知識がない、意欲がないことで貧しさに負けてしまう。子どもにとっていちばん大事な愛情が足りないことが、人を、社会を荒廃させる。
そのことを、この映画では、寡黙なツォツィの目線と表情だけで表現している。
こういうことは確かに当事国の人間にしかいえないなと思う。にしてもよくできてます。感動しました。アカデミー賞も納得。
監督はギャヴィン・フッド。最新作はジェイク・ギレンホール/リーズ・ウィザースプーン主演『Rendition』。期待してよっと。