映画と本の『たんぽぽ館』

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ボーン・スプレマシー

2016年11月18日 | 映画(は行)
マリーの弔い合戦



* * * * * * * * * *

前作「ボーン・アイデンティティー」で語られたストーリーの2年後。
ボーンはマリーとインドで密やかに暮らしています。
しかし、謎の暗殺者が現れ、マリーが命を落としてしまいます。
私は本作、ここのシーンばかりが印象に残っていて、
結局どんな話だったのか全く覚えていませんでした。
せっかく前作で多くの危機を共に乗り越え、平和に暮らしていたのに・・・。
マリーが冒頭であっさり死んでしまうなんて、あんまりじゃん!!
という、衝撃があまりにも強かったのですね・・・。



この時ボーンはまだ記憶を取り戻してはおらず、
このままCIAなどとは関わらず静かに暮らしたいと、そう思っていたわけです。
でも、それではダメなのですよね。
まずは自分を取り戻す必要がある。
そのために、マリーは犠牲にならずにはいられなかった・・・。
けれども、一つのけじめは必要です。
本作は、ボーンがマリーの弔い合戦を仕掛ける、つまりそういう物語です。
一体何のために、自分は付け狙われるのか、
それをはっきりさせずにはこの先の自分もあり得ない。
そこで彼はあえて「ジェイソン・ボーン」名義のパスポートを使い、
CIAからのなんらかのアクションを待ちます。


ここからは、彼一人の戦いになります。
頼りになるのは自分だけ。
ボーンの孤独なありようは・・・
うーん、しゃくだけれど恋人といるよりもカッコイイ・・・!
さてボーンは、ある機密を盗み殺人をも犯したという濡れ衣を着せられてしまっていました。
いったい誰のどんな意図で仕組まれたことなのか。
そして、ボーンとマリーの命を狙っていたものの意図とは??


ということで、相変わらず幾つもの敵と対峙しながら、
ボーンはCIAの秘密を探っていきます。
ベルリン、アムステルダム、モスクワ・・・。
舞台が次々に入れ替わるスピーディな展開はさすがです。


「ボーン・アイデンティティー」でも気づいたのですが、
使われているパソコンが皆ブラウン管式のやぼったいディスプレイなのです。
ほんの十数年前のことなのに、今はオフィスのみならず家庭でも見なくなりました・・・。
恐ろしい速さで技術が進んでいます。
本作でも、ボーンは見知らぬ街を歩く時、まずは紙の地図を入手します。
今なら、スパイじゃなくても誰でも、スマホ1つで用がたります。
考えてみると、凄いですね。


ラストのほうで、ボーンは命をかけつつ、あえてモスクワへ向かいます。
そこで彼は何をしたかったのか? 
なかなかジーンとさせられます。
そんな彼だから、みんなが彼を好きなのだった!!という肝心なことを再確認した本作。
ちなみにsupremacyは、優位性とか支配権という意味。
誰がどれだけの情報を先に得て、優位に立つことができるのか、
そういう話ということでしょうか?

ボーン・スプレマシー [DVD]
マット・デイモン,フランカ・ポテンテ,ブライアン・コックス,ジュリア・スタイルズ
ジェネオン・ユニバーサル


「ボーン・スプレマシー」
2004年/アメリカ/108分
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、ジョアン・アレン、ジュリア・スタイルズ、カール・アーバン

満足度★★★★☆


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