恋歌(れんか)

2016年04月10日 | 健康・病気

「恋歌」(朝井まかて著 講談社文庫)を8日の深夜読了した。
仕事のあるときは読めず、休みのときも尺八を削ったり、庭作業をしていてなかなか進まなかった。
半分ほど読んでいたのを、一気に読んでしまった。
正直半分ぐらいまではどちらかというと退屈な展開で中々物語に入れなかった。
ところが、天狗党が筑波山で蜂起したあたりからグングン文章に引き込まれていった。
私は、茨城県に生まれながら天狗党のことをまったく知らなかった。
この小説を機会に勉強してみたいと思った。
それにしても読んでいて、文章を追うことがつらいほどの凄惨なことが続いた。
天狗党の家族を保守党の諸生党が牢に入れ、ひどい仕打ちをする。
こんなことが茨城であったのか、と私は驚くばかりです。
小説の主人公は、登世という女性でのちの中島歌子。
武蔵国入間郡森戸村(現・埼玉県坂戸市)に生まれ、ほどなく江戸に移った。
水戸藩士の武士と結婚して水戸に行く。
しかし、登世の愛した林忠左衛門以徳は、尊皇攘夷の急先鋒たる天狗党の志士だった。
諸生党は、天狗党の家族を捕まえて牢に入れる。
牢に入った登世は、そこで大変な暮らしを体験する。
天狗党の乱が終わって解放された登世は江戸に行き、明治期に一世を風靡した歌人になる。
あまりの残酷な場面があり、読んでいてつらかったです。
同じ茨城の人間が、立場の違いで天狗党の家族に残酷ことをしてしまう。
でもこんなことも人間のしたことなのだと思いながら読みました。
中島歌子としてのことがあまり書いてない。
私としては、歌人になってからのことを読みたかった。

コメント (2)
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