冬休みです

2000年12月29日 | Weblog

 今日で会社の仕事が終わった。
 待ちに待った冬休みです。7日まで休みだ。
 11、12月は土曜日全部出勤した。うちの会社は祭日関係なく土曜日が休
みの週休2日です。
 疲れました。前の会社は、祭日と土日が休みだったので、それに慣れていた
体は、週休1日は休んだ気がしない。
 この休暇にやりたいことが山ほどあるが、何もしないで終わってしまう予感
がする。
 ほんとうに今したいことは、“だらだらのんびりしたい”ことかな…。
 明日、大宮の芝居仲間と稽古場で“恒例”の麻雀大会がある。まず、この勝
負に勝ちたい。
 31日は、わいわい雑俳塾の投句締め切り。20世紀最後のいい句を作りた
い。いつも駄句ですが…。
 2日には、田舎で中学の同窓会がある。
 田舎に行って、おふくろのいるひだまりの家に行く。12月に風邪を引いて、
おふくろはそうとうひどかったらしい。
 パソコンの大掃除をしたい。ハードディスクをフォーマットしてすべてのソ
フトを入れ直したい。
 もし余力があったら、ホームページを作りたい。
 先日、ホームページのメインはこれまで書いてきた九想話にしよう、と思い、
「九想話」で絞り込み検索してみたら、276あった。これを読み直すだけで
もたいへんな時間になってしまう。投句した俳句のページも作りたいが、これ
まで轟亭さんの句会に出した句はいくつあるんだろう。
 ちょっとホームページ作成はむりなようです。
 そんなことより、おれは小説を書かなければ…。
 やっぱり、だらだら…、のんびり…、かな。

…………………………………………………………………………………………………………………………

12月の九想話

12/14 楽家
12/17 ささやかなボディーブロー
12/24 クリスマス・イブ
12/26 サンタナ
12/29 冬休み



 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サンタナ

2000年12月26日 | 音楽

 朝、今日は定時で帰ってくる、と女房がいったので、おれが帰る頃には家に
いると思っていたが、いなかった。9時になっても帰ってこない。心配する気
持ちと、腹立たしい思いがこころの中に渦巻いていたとき、携帯電話がなった。
おれの着メロは、自分で入力した「コンドルは飛んでいく」なんです。
 女房からで、
「今会社を出るとこなの」
 という。
「おれはいいけど、UとKは食べてない。早く連絡くれればスーパーで買って
きたのに、もう閉まっちゃったよ」
「ゴメン、今度から早く連絡する」
「いいよ。気をつけて帰ってきてくれ」
 UとKにどこかに食べに行ってこいというと、いいという。がまんするとい
う。
 おれは、女房にメールを打った。
「二人になにか食べる物、コンビニで買ってきて。おれは、飲み屋に行く」
 と。
 こういうときに行くのは「楽家」だ。
 客は二人いた。マスターと話しているが、自分のことをかっこつけて話す、
私の嫌いなタイプで、私は黙って飲んでいた。
「**さん、今日は静かね」
 と、ママがいう。
 おれは、仕事中はすべての人に話を合わすが、こういうときにはわがままを
通す。
 古いタイプのテレビでは、ビデオでビートルズのライブをやっていた。それ
が終わってマスターがビデオをかえた。
 画面にあらわれたのは、サンタナだった。おれは、サンタナが好きだ。
高校生の頃よく聴いた。ギターでも真似してメロディーをよく弾いた。
 サンタナのギター弾く姿を見、サウンドを聴いているうちに、さっきまでの
気持ちはどこかへ吹っ飛んだ。
 サンタナはいい。
 じつは最近、昼休みにギターを弾いている。家にあった壊れたエレキギター
を会社に持っていって弾いている。アンプがないので弦だけの小さな音だが、
ネックの弦を左手の指で押さえ、右手のピックで弦をはじくだけでおれは現実
から浮揚できる。
 明日の昼休みは、サンタナ、やるぞう。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマス・イブ

2000年12月24日 | 家族

 午後、炬燵でテレビの高校生駅伝を観ていたおれのところにKが来て、
「Uの歌聴きに行く」
 という。
 Uの所属するグリークラブがクリスマス・イブに、池袋のホテルメトロポリ
タンのロビーでクリスマスキャロルをうたうことは知っていた。
「正装してないと入れないらしい。ネクタイの締め方教えてくれ」
 という。
 前にも教えたのに、覚えていないらしい。
 女房は、いつものパターンで、テレビの前で眠っている。マラソンとか駅伝
を観るのを楽しみにしているのに、はじまるといつも熟睡している。何度も起
こすが「これがいいのよ」と、寝返りをして、また寝てしまう。
 しばらくして、Kのつきあっているガールフレンドが来た。そして二人は出
かけた。
 おれは、年賀状をパソコンで書いていた。女房は、駅伝が終わってから映画
「卒業」を観ていた。
「えみさん、Uの歌聴きに行かないか?」
「めんどくさいね。来年行くよ」
「日曜日だってのはいいチャンスだよ。これが平日だったら、おれたち行けな
いよ」
「行ってみよっか。でも、正装じゃないとだめなんでしょ」
「そんなことないと思うな。ホテルったって、ロビーでやるんだよ」
「そうよね。行ってみよう」
 こうなると、女房は早い。台所と部屋をざっと片づけはじめた。おれは、イ
ンターネットでまず立教のグリークラブのホームページを見てみた。今日のコ
ンサートのことなにか書いてあるかな、と思ったのだ。定演のことなどが書い
てあったが、今日のことは書いてなかった。ヤフーのホームページに行って、
「メトロポリタンホテル」と打ち込み検索した。場所を知りたかったのだ。し
かし、宿泊予約なんてことはあったが、肝心の場所の案内がなかった。電話番
号をメモし、かけてみた。駅の西口のすぐ近くといわれた。グリークラブの演
奏時間を訊き、正装じゃなくてもいいですよね、と確認した。
「えみさん、6時半からだって、普段着でいいってよ。そうだよな。Kは、し
っかりしているようで、どこか抜けてるときがあるんだよな」
 6時15分に池袋に着いた。西武線の改札口の前のコンコースでは、クリス
マスケーキを売っていて、沢山の人がそれを買っていた。歩いている人たちは、
みな華やいでいるように見えた。おれだって、ちょびっとこころが浮いていた。
女房も口数が多かった。ほんの1時間ほど前までは、クリスマスなんてどこ吹
く風、と思っていたのに、息子の歌声を聴きに行くというだけで、こころはク
リスマス・イブだ。
 電話で場所を訊いたのに、迷った。もうすっかり埼玉の田舎者です。
 6時半に、ホテルメトロポリタンにたどり着いた。
 階段に女性が並び、男性は2階だった。Uの姿が見えない。後ろの列にいる
ようだ。「ホワイトクリスマス」がはじまった。
 おれと女房は、エスカレーターで2階に行った。うたっているグリーメンの
後ろに行った。Uのうたっている姿を見つけた。歌は、「ジングルベル」にな
った。
 おれは、デジカメのシャッターを切る。女房とグリーメンの後ろ姿を一緒に
して写す。女房にカメラを渡し、おれも被写体になった。
 女房が、涙を拭いている。おれも、それが出てきそうだった。
 だめなんです、おれたちは。息子のことになると、なんでも感激してしまう
のです。
 ジョン・レノンの歌になった。
 場所をまた移動する。斜め前から見えるところに行った。
「Uがこっち見たよ。わかっちゃったな。怒られるかな」
 女房がうれしそうにいう。
「怒るわけないよ。よろこんでるよ」
 最後は、「聖夜」だった。
 グリーンクラブが引き上げるのを見送って、
「終わっちゃったね」
 と女房がいったときに、向こうから、Kとガールフレンドが歩いてきた。K
は両手に白いビニール袋を下げていた。あれはきっとクリスマスケーキだろう。
鼻の下をだらしなく伸ばしていた。
「あれ、来ていたの?」
 Kがいう。
「親だもんね」
 と女房。
 こんなところに家族が4人そろった。グリークラブに入ったUのおかげだ。
 昨日仕事をしているときに、まさか、こんな素敵なクリスマス・イブを迎え
られるとは想像もしなかった。
「金はないけど、あんないい息子たちがいる。幸せだよね」
 ホテルの近くのドトールコーヒーで180円のコーヒーを飲みながら、女房
がつぶやいた。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ささやかなボディーブロー

2000年12月17日 | 家族

 11時前、このところ毎晩しているお灸を、女房にしてもらった。
 おれにはお灸が合うようで、腰痛がずいぶん良くなった。
 そのとき、なにげなく女房がいった。
「結婚したの後悔してるんだ」
「おれと?」
「もっと金持ちとすればよかった」
「………」
 夕方から、女房は明日会社に行くことに憂鬱になっていた。「もっと楽な仕
事したいな。2、3時間のパートがいいな」なんて呟いていた。
「すいませんね。収入が少なくて」
 お灸が終わり、立ち上がりながらおれはいった。
「いいのよ。私が自分で決めて結婚したんだから、しょうがないよ。嫌みなこ
といってゴメンね」
 そういって、女房は寝た。
 おれは、会社の仕事をExcelでやりながら、まいったな、と思った。
(そりゃ、こんな低い収入しかとれないおれが悪い。おれだって、一所懸命や
ってんだけどな。まいったな)
 彼女だって分かっている。分かっているけど、明日会社に行くことを考える
と憂鬱になり、そんなこといってしまったのだろう。
 朝、女房は電話で実家の母と話したとき、弟のボーナスが百万円ぐらいだっ
た、と聞いた。そうだろうな、複写機の一流メーカーだ、そのぐらいもらえる
だろう。おれなんか、その三分の一だ。以前の会社のときはおれだってそこそ
こもらっていた。
 おれの収入は安い。分かり切ってることなので、それほど落ち込まないが、
あれから2時間ほどたち、じわじわと自分が情けなくなってきた。
 昼間、女房と所沢の西武デパートに行き、宝くじを20枚買った。おれは、
ロト6というのも買った。
 しみじみ、当たらないかな、と思う。
 当たるはずないだろうな。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽家

2000年12月14日 | 暮らし

 「らくや」は飲み屋です。
 カウンターに9人、奥のテーブルに4人、座敷に6人ほど坐ると満員という
居酒屋です。
 初めてその店に行ったのは、5月20日(おれの誕生日)だった。
 所沢で友人たちと飲み、新所沢に帰ってきて、そのまま家に帰るのが寂しく
飲み足りない感じで、駅のまわりを徘徊したあげくにたどり着いた飲み屋だっ
た。
 そのとき、テレビでは井上陽水のライブ(ビデオ)をやっていた。テレビの
ハコは、60年代のもので、おそらくブラウン管を新しく入れ替えたものだろ
うと思う。
 そのときのおれのこころに陽水はぴったりだった。なんといっても、陽水は、
おれの一番好きな“歌うたい芸人”だ。「歌手」とか「アーティスト」とかい
いたくない。陽水は、歌をうたう芸人だ。
 楽家のマスターというのかおやじは、おもしろい人だ。おれとおなじかちょ
っと年上という感じです。長い間、新宿で水商売をしていて、昨年、新所沢に
店を開いた。
 この飲み屋ができたのは知っていたが、なかなか入る気がしなかった。しか
し、こうして入ってみるとよかった。
 それから週に1度ぐらい行くようになった。
 なにしろ一番気に入っているのが料理だ。すべての料理がうまい。
 おれは、女房がフラメンコの練習日か残業で遅くなるときに、楽家に行く。
残業して家に帰ってきて、晩飯を自分で作りたくないときに行く。おとといも
女房のフラメンコの練習日だった。
 家に8時頃帰ってから、楽家に行った。カウンターが満席で、奥のトイレの
横のテーブルに案内された。そのときのおれにはちょうどよかった。ちょっと
人と話したくないこころ持ちだった。おれは、ボトルキープしておいた日本酒
の柏露をちびりちびりやりながら、文庫本を読んだ。大沢在昌の「冬の保安官」
(角川文庫)だ。その中の「カモ」という短編を昼休みに途中まで読んでいて、
続きが読みたかったのだ。
 その小説を読み終えた頃、カウンターの席が空いて、ママが「こっちにきて
話そうよ」という。おれは、その夜はこのまま本を読んでいたい気分だったが、
カウンターの空いた席に行った。
 坐った席の隣の男が、すぐ話しかけてきた。話をまとめると、2回離婚をし
ていて、今は、晩飯を食うために毎晩ここに来ているという。2度目に別れた
女性とのあいだに生まれた子供とスキーに行くのが楽しみだ、といっていた。
最初の女性とのあいだには、子供が3人いるという。双子もいるのだそうだが、
離婚してからその子たちとは会ってないという。
 彼が帰ってからおれの隣に坐った人がよかった。小説の話になり、誰が好き
か、ということになった。おれは、山本周五郎だというと、「おれもそうだ」
とその人がいった。
 さあーそれからが楽しかった。周五郎の小説のことを一つひとつ話し始まっ
た。あれがどうのこれがどうの、今月曜日の夜NHKでやっている「柳橋慕情」
の話になり、あんなのはダメだ、やはり小説を読まなくてはつまらない、なん
てことになった。
 ふたりの結論は、「青べか物語」はいい、ということだった。「蒸気河岸の
先生」「ちょう」なんてこと大声で話し、周五郎のエッセイで、何年かたって
小説のモデルの浦安に行ったことを書いているが、そのエッセイでも盛り上が
った。
 周五郎以外では誰がいい、なんてことになり、太宰、安吾、檀、なんていう
人から始まり、三島、吉行淳之介、池波正太郎、藤沢周平、…。そのうち、輪
をかけて周五郎の好きな老人が文庫本片手にやってきて、収拾がつかなくなっ
た。
 おれは、すっかり酩酊した。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽家

2000年12月14日 | Weblog

「らくや」は飲み屋です。
 カウンターに9人、奥のテーブルに4人、座敷に6人ほど坐ると満員という
居酒屋です。
 初めてその店に行ったのは、5月20日(おれの誕生日)だった。
 所沢で友人たちと飲み、新所沢に帰ってきて、そのまま家に帰るのが寂しく
飲み足りない感じで、駅のまわりを徘徊したあげくにたどり着いた飲み屋だっ
た。
 そのとき、テレビでは井上陽水のライブ(ビデオ)をやっていた。テレビの
ハコは、60年代のもので、おそらくブラウン管を新しく入れ替えたものだろ
うと思う。
 そのときのおれのこころに陽水はぴったりだった。なんといっても、陽水は、
おれの一番好きな“歌うたい芸人”だ。「歌手」とか「アーティスト」とかい
いたくない。陽水は、歌をうたう芸人だ。
 楽家のマスターというのかおやじは、おもしろい人だ。おれとおなじかちょ
っと年上という感じです。長い間、新宿で水商売をしていて、昨年、新所沢に
店を開いた。
 この飲み屋ができたのは知っていたが、なかなか入る気がしなかった。しか
し、こうして入ってみるとよかった。
 それから週に1度ぐらい行くようになった。
 なにしろ一番気に入っているのが料理だ。すべての料理がうまい。
 おれは、女房がフラメンコの練習日か残業で遅くなるときに、楽家に行く。
残業して家に帰ってきて、晩飯を自分で作りたくないときに行く。おとといも
女房のフラメンコの練習日だった。
 家に8時頃帰ってから、楽家に行った。カウンターが満席で、奥のトイレの
横のテーブルに案内された。そのときのおれにはちょうどよかった。ちょっと
人と話したくないこころ持ちだった。おれは、ボトルキープしておいた日本酒
の柏露をちびりちびりやりながら、文庫本を読んだ。大沢在昌の「冬の保安官」
(角川文庫)だ。その中の「カモ」という短編を昼休みに途中まで読んでいて、
続きが読みたかったのだ。
 その小説を読み終えた頃、カウンターの席が空いて、ママが「こっちにきて
話そうよ」という。おれは、その夜はこのまま本を読んでいたい気分だったが、
カウンターの空いた席に行った。
 坐った席の隣の男が、すぐ話しかけてきた。話をまとめると、2回離婚をし
ていて、今は、晩飯を食うために毎晩ここに来ているという。2度目に別れた
女性とのあいだに生まれた子供とスキーに行くのが楽しみだ、といっていた。
最初の女性とのあいだには、子供が3人いるという。双子もいるのだそうだが、
離婚してからその子たちとは会ってないという。
 彼が帰ってからおれの隣に坐った人がよかった。小説の話になり、誰が好き
か、ということになった。おれは、山本周五郎だというと、「おれもそうだ」
とその人がいった。
 さあーそれからが楽しかった。周五郎の小説のことを一つひとつ話し始まっ
た。あれがどうのこれがどうの、今月曜日の夜NHKでやっている「柳橋慕情」
の話になり、あんなのはダメだ、やはり小説を読まなくてはつまらない、なん
てことになった。
 ふたりの結論は、「青べか物語」はいい、ということだった。「蒸気河岸の
先生」「ちょう」なんてこと大声で話し、周五郎のエッセイで、何年かたって
小説のモデルの浦安に行ったことを書いているが、そのエッセイでも盛り上が
った。
 周五郎以外では誰がいい、なんてことになり、太宰、安吾、檀、なんていう
人から始まり、三島、吉行淳之介、池波正太郎、藤沢周平、…。そのうち、輪
をかけて周五郎の好きな老人が文庫本片手にやってきて、収拾がつかなくなっ
た。
 おれは、すっかり酩酊した。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする