山田太一ドラマスペシャル

2005年12月03日 | 健康・病気
先週だったか、山田太一のドラマが
12/3 にあると知って楽しみにしていた。
むかしから大好きな山田太一だ。
今日の日が待ち遠しかった。

今日は仕事から午後8時に帰ってきた。
送迎から戻って、作業所を出たのは7時半過ぎてしまった。
ドラマは8時からだったかな、と焦った。
始まってたら、風呂は諦めようと思った。
帰って女房のパソコンで調べると9時からだった。

「終りに見た街」というドラマだった。
子どもの頃からの友人と酒を飲んだ2日後、
朝目覚めると、昭和19年にタイムスリップした主人公とその家族。
それに友人とその息子が中心的登場人物だった。

主人公(中井貴一)の家族が家ごとタイムスリップする。
突然の出来事に戸惑う主人公たち。
そんなとき友人(柳沢慎吾)から電話がかかってくる。
彼は、引きこもりになった息子と語り合おうと、
釣り船で海に出た。港に帰ると、昭和19年になっていた。

戦時中の東京で彼らは生き抜くために苦労する。
平成17年の豊かな生活から、
何もない昭和19年の暮らしに突き落とされたのだ。
持っている歴史の本の通りになる現実、
生きるためにおとなしく“世の中”に合わせていた彼らは、
3月10日の東京大空襲を知らせて、
一人でも犠牲者を少なくしたいと思った。
手書きのビラを郵便受けに投げ込むが、
一人として逃げ出してくれない。
私はどんどんストーリー展開に引き込まれていった。

ある日、彼らの住む街が空襲にあう。
それは“歴史”にないものだった。
主人公が倒れている。右腕が吹っ飛んでいた。
遠くに新宿の超高層ビルの残骸のようなものがある。
東京タワーも上のほうが破壊されていた。
そばに横たわっている人に、
「今は、西暦何年か?」と訊くと、
「二千……」といって息を引き取った。
西暦2***年に原爆が落ちたということでドラマが終わった。

私は、最後の終わり方が腑に落ちない。
せっかくあそこまで私の気持ちを引き込んでくれたのに、
あのエンディングはちょっと安易すぎると思った。
一緒に観ていた女房も納得がいかないようだ。
「まるで『猿の惑星』の真似したみたい」
それには私も同感だ。
「終りに見た街」という題名だから、
おそらく山田太一はここのシーンを書きたかったのか?
でも、私は好きじゃない。
もっと戦争中の彼らを書いて欲しかったし、
現在に戻ってもいいなと思う。
ドラマが終わりとても残念な気持ちが残った。
コメント
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