著者の町田宗凰氏による「ありがとう禅」を、私は神戸で一度体験しました。
この本を読んでみて、禅や仏教の手法と心理学や大脳生理学の知見を融合させた瞑想である「ありがとう禅」は、潜在意識の奥にある無意識をクリーニングする事を主眼に置いており、その結果、仏教での「仏性」あるいは「阿摩羅識」が顕在化することをゴールにしていることを理解しました。
特に、「卵の哲学」が興味深かったですね。否定的と考えているものをクリーニングすることは大切ですが、「否定的なものと肯定的なもの、そのどちらも否定せず、結び付けていくことが大切」であることを、卵で説明しています。卵の黄身と白身は別々に分けず、混ぜるからおいしい卵焼きや卵かけごはんが出来るわけです。つまりは、「結びの思想」こそが、自己や環境さえも修復していきます。禅やタオにおける二元共立が瞑想においても大事な考え方になるのですね。
解説もしっかりして、付録CDで簡単に実行できる 「ありがとう禅」を一度お試しください。
『こころと体が軽くなる「ありがとう禅」 潜在意識をクリーニングする瞑想CD付』(町田宗凰著、KADOKAWA、本体価格1,600円)