ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

座禅は脳と心のエクササイズー4

2009-07-24 07:24:31 | 座禅
 座禅は何故、脳と心のエクササイズと言えるのでしょうか。 口を閉じ鼻だけで息をし、吐く息を出来るだけゆっくりと吐くことによって、吐く息をイメージで体の中へ吐くことによって、眠っていた経絡(気の通る道)の通りがよくなり、体中を気が循環し始め、経絡と絡み合うよう網羅されている神経の線を、刺激していくのです。

 禅宗では、舌を上の歯の付け根に付けて、呼吸法を行い座禅をしなさいといいます。 どういうわけか禅宗では、宇宙の気の記述は一切ありません。 舌を上の歯にそっとつけておくのは、体の中を流れる気の上半身の主要な気の流れのなかで、下腹にある臍下丹田から発した気が、体の後ろ側の督脈を上昇し、百会を通り体の前面の任脈へと流れるときに、舌を通して体の前面に流れていくのです。

 したがって胸式肺呼吸→逆腹式呼吸を行ないながら座禅を行うときには、とても大切なことなのです。 禅宗では舌をつけるとともに、上の歯と下の歯を、軽くつけるとの記述もありますが、これはつけないほうがよいのです。

 舌を通してだけでなく、歯を通しても気は流れて行きます。 顔面が硬直化しやすくなり、また意識が集中できなくなりやすいのです。 決して歯はつけないようにしましょう。

 深くゆっくりと体の中へ息を吐くことによって、イメージで息を吐いているのですが、深化の過程で息が体の中へ入っていくのではなく、気が体の中の経絡のなかを入っていくのです。 したがって深く息を吐くほどに、その到達長さが長くなっていきます。 

 微細な神経が一番集中する脳へも到達し、脳をも刺激し始めます。 座禅に集中し深まれば深まるほど、脳への刺激も滑らかになってきます。 はじめ堅かった刺激も次第に優しくなってきます。 その時間が45分から1時間なのです。 1時間の座禅時間が必要な理由は、ここにあるのです。

 30分ほどの座禅ですと、野球で言えば肩慣らしでしかないのです。 本格的な練習をこれからしようというときに、やめてしまうのと同じなのです。 

 肩の力を抜きリラックスし、静かに座禅を行っていますと、体の中を流れる気の動きを感じるようになるのです。 分からないまでも、気の動きが微妙に体に変化を与えるのは、感じるはずです。