ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ツメナガセキレイ

2012年01月13日 | 動物:鳥

 例外なく爪が長い

 私はカラオケが嫌い(けして歌がヘタというわけでは無い)なのでカラオケボックスなどへ自ら進んで行くことは無い。私はまた、スーパーで買えば1000円の泡盛を4000円とか5000円で売りつけるお店も嫌いなので、そういったお店の多いカラオケスナックなどには誘われても断ることがほとんどである、いや、そうであった。
 二年ほど前からお付き合いのある大学の大先輩A氏はカラオケが好きで、なおかつ、カラオケスナックが大好きである。なのでA氏に誘われて飲みに行くと二次会まで付き合わされて、二次会の場所はほとんど例外なくカラオケスナックとなる。
 A氏は隠居の身だが、金持なので飲みに行くとほぼ例外なくA氏の奢りとなる。奢られているし、大先輩だしということで、カラオケもカラオケスナックも二次会も嫌いな私であるが、しょうがなく付いて行って、しばらく付き合うのである。

 カラオケスナックのお嬢さんが隣に座る。若い女性が隣に座って酒を注いでくれる。若い頃、二十代の頃はそんなことよくあった。私もその頃はそういう場所が好きであった。カラオケは当時から嫌いだったが、香水の匂いのする若い女性は大好きだった。
 香水の匂いのする若い女性はほぼ例外なく爪が長かった。仲良くなって、恋人付き合いして、喧嘩して、この爪で引っ掻かれたら痛いだろうな、と妄想しながら注がれた酒を飲んだりしていた。残念ながら、そんな妄想が現実になった試しは無い。

  鳥にも例外なく爪の長い種がいた。いた、というか、そんな鳥はワシタカの種には数多くいるだろうが、爪が長いということがその名になった鳥、ツメナガセキレイ。去年(2011年)9月、与那国島を旅した折、車を運転しながら田舎道で数多く見かけた。
 車にぶつかりそうなほど近くを飛んだり、車に轢かれるのではないかと思うほどに道の真ん中でウロチョロしていた。初め、尾を上下に振るし、大きさもちょうどそのくらいなのでキセキレイかと思った。で、写真を撮る気もなかったのだが、あまりにも多くいて、しかも、すぐ近くまで近寄っても逃げないので写真を撮る。後日調べて、キセキレイでは無くツメナガセキレイと知った。撮っておいて良かったのであった。

 
 ツメナガセキレイ(爪長鶺鴒) 
 スズメ目セキレイ科の旅鳥または冬鳥 分布 方言名:不詳
 名前の由来、資料が無く正確には不明だが、おそらく、「爪が長く、セキレイの仲間なので」だと思われる。爪が長いかどうか、他の鳥と見比べたことが無いので私には不明だが、『沖縄の野鳥』に「足は黒色で爪が長い」とあった。
 方言名も資料が無く不詳としたが、他のセキレイ、ハクセキレイやキセキレイ同様、尾を上下に振る癖があるので、それらと同じジュウフィフィであろうと思われる。沖縄語でジュウとは尾のこと、フィフィは振り振りという意。
 「県内には初秋に渡来し、大部分は通過していくが、一部は越冬する。」、また、「農耕地や河川沿いなどに生息」と『沖縄の野鳥』にあった。9月の与那国では林道に出ているのを多く見た。鳴き声はジッ、ジッ、ジッとある、私は未確認。
 全長17センチ、「夏羽は背面が灰緑色で、下面は黄色」らしいが、「冬羽は背面は灰褐色で下面は黄色味がなく汚白色となる」とあった。私が見たのは冬羽。

 
 マミジロツメナガセキレイ(眉白爪長鶺鴒)
 スズメ目セキレイ科の旅鳥、または冬鳥 方言名:不詳
 全長16センチ。農耕地、河川沿いなどに生息。ツメナガセキレイの亜種で眉班が白色なのでマミジロ(眉白)。沖縄には初秋に渡来し、一部越冬する。

 記:2012.1.9 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行