ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

念願のライブ いとうたかお1

2007年02月23日 | 通信-音楽・映画

 高校生の頃に、「これはいいよ」と2枚のLPレコードを先輩が貸してくれた。聴いて、2枚共に感動した。高田渡の『系図』と友部正人の『にんじん』であった。それらはカセットテープにダビングして、以降、何度も聴くお気に入りの音楽となる。
 感動したのであれば普通、彼らの別の歌をもっと聴きたくなるはず。よくは覚えていないが、当時、高田渡も友部正人も他にアルバムがあったに違いない。でも、私はダビングしたテープを繰り返し聴くだけで、他のアルバムを買うことは無かった。当時パチンコ屋通いを趣味としていた私は、レコードに2000円を費やすなど思いも及ばなかったのである。2000円あれば、パチンコに使い、負けて、後悔する日々であった。
 大学生になって、友人が1枚のLPレコード貸してくれた。聴いて、感動した。レコードは”いとうたかお”のファーストアルバムであった。これもカセットテープにダビングして、以降、何度も聴く3つ目のお気に入り音楽となる。

 お気に入りベスト3のうち、友部正人のライブは、学生の頃に吉祥寺で何度か経験している。沖縄に帰ってからも、そのライブやコンサートに何度か出かけている。
 高田渡はずっと機会が無かったが、3年前やっと、その生歌を聴くことができた。沖縄でライブがあったのだ。亡くなる1年ほど前のことであった。
 いとうたかおもずっと機会が無かった。友部正人や高田渡は後年、そのCDを手に入れたが、いとうたかおはCDも無い。ダビングしたカセットテープは、何度も聴いたためにヨレヨレとなり、10年ほど前から聴けなくなっていた。CD、手に入れようと思えばできないことは無い。だけど、いつか旅先でそのライブに出会うことがあろう。その時に、その場でCDは買うことにしようと決めていた。

 そして先日、日曜日(2月18日)、ついに、念願のライブに出かける機会を得る。旅先では無く、沖縄のライブハウスで。最初に彼のレコードを聴いて、いつかライブを聴きに行こうと思ってから30年近くの月日が流れていた。
 模合(正当な理由のある飲み会)仲間のIさんと、Tを誘った。

  ライブハウスは”生活の柄”という名前。ちらしに、住所が栄町と書かれてあったが、栄町のどの辺りにあるかを知らなかった私は、近くにあるスーパーの前で、私が密かに愛人3号と呼んでいる美人妻Iさんと待ち合わせた。
 私の大好きないとうたかおだが、おそらく沖縄では知っている人は少なかろう。会場が混むということは無かろう。というわけで、待ち合わせ時間は開演の10分前、彼女がちょっと遅れ、店をちょっと探したせいもあって、着いた頃には開演時間となっていた。
 ところが、ライブの始まりそうな気配が無い。訊けば、開演は8時とのこと。「えっ、ちらしには確か開場6時、開演7時とあったぜ。勝手に予定変更かよ!」と私は心の中で文句を言うが、しょうがないので、そこで飲み食いし、時間を待つことにした。
 ビールを一口飲んで、壁に貼られているライブのちらしを見る。そこには、開場7時、開演8時とあった。バッグの中から、自分が持っていたちらしを出し、確認する。そこにもやはり、開場7時、開演8時とあった。30年近く待った念願のライブなので、私の気が早って、開場7時を開演7時と見間違ったようである。
 「勝手に予定変更かよ!」と文句を口に出さなくて良かった。 
          

 記:2007.2.20 ガジ丸