ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

メジロ

2011年04月08日 | 沖縄の動物:鳥

 喉を詰まらせてお陀仏

 沖縄のサクラ、ヒカンザクラ(緋寒桜)の花は1月中頃から咲き始め、2月の終わり頃には終わる。私の住まいは首里なので、サクラの花は概ね2月の初めから2月いっぱいとなる。サクラ満開の頃、騒がしい鳥がいる。花の蜜を吸いに来るメジロ。

 子供の頃の私は賢い子(と親が言う)ではあったが、勉強しろ勉強しろと四六時中親に言われていたので、かえって、「勉強はこの世で最も嫌なもの、不倶戴天の敵」と思うほどにとーーーっても勉強嫌いになってしまっていた。ために、学校で習うことの多くは頭に入らず、モノの名前も覚えているものが少なかった。知識は主に、遊びから得ていた。猫は鳥の味に似ている、犬は赤犬が美味しい、蝉は食える部分は少ないが甘い味がする、などなどは小学校の同級生に教えてもらった。ナンデーシー、ジューミー、アカマター、ソーミナーなどの名前も友人たちに教わって覚えた。ナンデーシーは木の実、ジューミーはトカゲ、アカマターはヘビ、ソーミナーは鳥のこと。

  鳥のソーミナー、和語で言うとメジロは、よく見かけるという点ではスズメと同じくらいにありふれた鳥ではあるが、ほとんど見向きもされないスズメと違って、何人かの友人たちにとっては獲物であった。いくらかで売れたらしい。友人たちがメジロを捕獲した現場も、売っているところも目撃したことは無いが、メジロは愛好家が多く、そういう人たちが買ってくれるとのことであった。昔も今もメジロ愛好家は多いようだ。
 昔のメジロ愛好家の中の一人に私の祖父もいた。祖父が生きている頃、家には常に竹でできた鳥かごがあり、鳥かごの中にはたいていメジロが飼われていた。祖父は時々私にメジロの世話を頼んだ。主に餌やり。メジロの餌は缶に入った粉(原料はおそらくキナ粉のようなもの)を水で溶いた練り餌が主で、たまに野菜の切れっぱしもやっていた。

  そんなある日、飼っていたメジロが突然死んだ。「窒息死したんだな」と祖父が言う。他所のメジロ愛好家はどうか知らないが、私の祖父は、ハエ叩きで殺したハエもまたメジロに餌としてやっていた。ハエを叩く時いくらか手加減して、ハエを潰さずに殺す。あるいは気絶の状態にする。それをメジロにやる。その手加減さが微妙で難しいのだが、慣れると子供の私にもできた。できると面白いのでしょっちゅうやった。「大きなハエをあげたな、それが喉に詰まったのだ。」と祖父は言い、「庭に埋めとけよ。」と続けた。
 思えば、学校で学ぶよりも多くのことを、遊びだけでなく、祖父との付き合いからも学んだようである。「ハエも一つの命、メジロも一つの命、命のやり取りを面白がってやってはいけない。」などと宗教家のようなことを祖父は言ったのではない。私がメジロを埋めるその後ろから「生まれたもんは死ぬもんさ。しょうがないさあ。」と声がした。

 
 メジロ(目白) 
 スズメ目メジロ科の留鳥 方言名:ソーミナー
 名前の由来、資料が無く不明だが、目が白いのでメジロで間違いないと思う。実際には目が白いのでは無く、目の周りを白い円が囲んでいる。
 県内に多く見られるのは亜種のリュキュウメジロ、冬期には基亜種のメジロも多く渡来すると文献にはある。見た目にちょっとした違いがあると書かれているが、今、桜の蜜を吸っているメジロがメジロなのかリュウキュウメジロなのか私には判らない。大東島には別の亜種ダイトウメジロ、西表島にはイリオモテメジロ、宮古、石垣、与那国にはヨナグニメジロがいて、それぞれ少しずつ違うらしい。学問の厳しさを感じる。
 メジロは鳴き声がきれい。中国にはメジロの鳴き声を競う催し物もあるらしい。私の祖父や父のように、私が子供の頃はメジロを飼う家が多くあった。メジロ用の竹篭を自作する人もいて、売られているのもあちこちでよく見かけた。メジロはしかし、戦後から保護鳥に指定されており、捕獲許可と飼育許可が必要となっているとのこと。
 全長は11.5センチ。鳴き声は『沖縄の野鳥』に「雌はチー、・・・雄はチュウイ、チュルルー」とあった。まあ、そんな感じ。3月頃、雄が囀る。これは煩い。きれいな声だとは思うが、音量が大きく、長く続くので私には煩く感じる。
 
 メジロの雛
 大きさは親鳥とそう変わらない。胸毛がふさふさしている。

 記:ガジ丸 2005.3.25 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行

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