ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

モロミ酢

2011年03月21日 | 飲食:飲物・嗜好品

 泡盛の副産物

 「発泡酒の次は発泡酢が流行るぞ」って言って、酢の炭酸割り飲料を発明したシバイサー博士であったが、発泡酢が流行っているなんて、未だに噂も聞かない。
 一方、モロミ酢は、健康に良いということで昨今大流行。だが、私はその味があまり好きでは無い。去年、試しにと1本購入したが、全て使い切るのに時間がかかった。不味いのである。まるで、苦い薬を飲むかのような我慢を要した。

  泡盛の造り酒屋の傍を通ると甘い匂いがする。高校の頃、学校の近くにいくつかの造り酒屋があり、通学の途中などでその匂いがした。私はその匂いを嗅ぐのが好きであった。それがたぶん、モロミの匂いなのである。モロミとは、諸味、または醪と書き、「醸造して、まだ粕をこさない酒または醤油」(広辞苑)のことを言う。モロミ酢のモロミはそれと少し違っていて、こした後の酒粕を原料として作られたもの。
 泡盛も米(シャム米)から作られているので、日本酒と同じように酒粕ができる。酒粕のことをウチナーグチではカシジェーと言うが、カシジェーは養豚飼料として使われ、また、カシジェーエーイ(粕を使った和え物)にも利用された。クエン酸が主成分で、アミノ酸及びビタミン類を豊富に含み、健康に良いと言われている。「健康に良い」が昨今の健康ブームに乗り、今大人気のモロミ酢が作られたようである。

 ちなみに、私は食った経験が無く、また、実物を見たことも無いが、カシジェーエーイとは、カシジェー(酒粕)を煮立てて、砂糖、塩、ダシなどで味付けし、キュウリ、モヤシなどの野菜や、煮た魚などと和えたものをカシジェーエーイと言う。エーイと気合を入れて作るものだからエーイと言うのでは無く、「和える」をウチナーグチでエーユンと言い、それが変化してエーイとなると、「和えたもの」という意味になる。モロミ酢は好みで無いが、このカシジェーエーイには興味がある。食ってみたいと思う。
      
 記:ガジ丸 2006.3.28 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行