ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ポークランチョンミート

2011年03月07日 | 沖縄の飲食:缶詰・加工品・他

 お土産にスパム

 数年前のこと、観光で来た友人が、「お土産にスパムを買っていきたいんだけど」と言う。スパムを知らなかった私は、「何だ、それ」と訊いた。「ゴーヤーチャンプルーの中に細長いソーセージみたいなもの入っていたじゃない」と答える。で、判った。

 もう二昔以上も前の話。浪人して、大学受験のため東京へ行く。現役で大学に入り、東京に住んでいた友人のアパートに厄介になる。その友人に、沖縄から何を土産に持っていこうかと尋ねたら、チューリップのポーク缶詰がいいと言う。で、持って行った。持って行って、手渡したその場で彼は缶詰を開け、煮も焼きもせず、そのまま食い始めた。
 「大丈夫か、おい」と言うと、「大丈夫、食べたくて、食べたくてしょうがなかった。1個丸ごと食っても平気だ」と答え、ガツガツと食い続ける。ポークの塊は見る見る小さくなっていく。ところが、三分の一を残したところで、彼は手を止めた。
  しばらくして、「気持ち悪い」と彼は言った。さもあろう。加熱済みの缶詰なので、そのまま食って食えないことは無いが、ポークの缶詰は脂が強い。火を通さないと脂が白い塊のまま胃を襲ってくる。また、塩っ気も強い。三分の二も食えば相当の塩分過多だ。貧乏で、暫くまともな食事を取ってなかった胃には、負担が大きかったのだろう。
 若い頃から日本酒が好きで、味の濃い食い物をあまり好まなかった私は、ポークもたまには食べるが、好物では無い。缶詰から出した塊をスライスした2、3切れで食傷する。友人が塊をガツガツ食うのを見ながら実は、私もいくらか気分が悪くなっていたのだ。久しぶりに会った親友同士は、再会の夜、二人とも静かな夜を過ごしたのだった。
      
 ポークランチョンミート
 ポークランチョンミートの缶詰は、戦後、普及し、すぐに沖縄の食卓には欠かせないものとなった。沖縄ではポークというと豚肉ではなく、多くはポークランチョンミートのことを指す。スパムやチューリップはそのメーカー名、あるいは商品名で、両者が沖縄人の好みを二分しているようだ。主にデンマークから輸入されている。
 その食し方の王道としては、ポーク玉子というメニューを挙げていいだろう。スライスして、ソテーしただけのポーク2、3枚に目玉焼きを添えたもの。ポークそのものの味を堪能できる。最も一般的な料理としてはゴーヤーチャンプルー、トーフチャンプルーなどの炒め物がある。肉の替わりとして混ぜるのだが、肉よりもポークを混ぜたほうが好き、という人も多い。その他、味噌汁に入れたりもする。豚汁のような味になる。

 記:ガジ丸 2004.8.11 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行

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