ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ミドリグンバイウンカ

2014年09月05日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 爽やか色の小さな虫

 今(9月1日)、沖縄はまだまだ夏、9月一杯は「熱いぜ!」と怒鳴りたくなる夏が続く。梅雨明けして1週間から10日ほど過ぎて、本格的な夏になって、春にわんさかいたゾウムシ類、サルハムシ、テントウムシ類は少なくなったが、バッタ類がそれをカバーするかのようにぐんと増えた。私が知っているもので、一番に目立つものはタイワンツチイナゴ、これは大きいので目立つ、その他、クルマバッタ、マダラバッタ、ショウリョウバッタなどはその数の多さで目立つ。他にも多くのバッタ類がいるが、何者か不明。

  ミドリグンバイウンカ、淡い緑色をした小さな虫だが、形に特徴があり、体の色が見た目爽やかで、顔に着いたとしてもちっとも気にならない虫で、梅雨の頃よく目にした。参考文献には「成虫の出現は6~10月」とあるので、今も畑のどこかに生息しているかもしれないが、ところが、梅雨明けして暑くなってからは目にしていない。
 あんまりわんさかいるバッタ類に住処を追われているのだろうか?あるいはまた、彼らはオジサン(私のこと)同様、暑いのが苦手な体質かもしれない。ひょっとしたら、「いやいやいや、沖縄の夏って、俺の遺伝子記憶によると、昔はこれほど暑くはなかったぜ、ご先祖様たちは夏の間も畑のあちこちで元気に動き回っていたぜ」かもしれない。
 オジサンも感じている、年々夏の暑さが増していることを。「あんた、それは違うぜ、あんたが暑いって感じているのは年取ったせいもあるぜ」なのかもしれないが。

 
 ミドリグンバイウンカ(緑軍配浮塵子):半翅目の昆虫
 グンバイウンカ科 本州~南西諸島、台湾、中国などに分布 方言名:不詳
 漢字表記の浮塵子は広辞苑にあった。それから想像すると、「宙に浮かぶ塵のように小さなもの」となる。ミドリグンバイの由来については資料が無く不明だが、翅の形が軍配形をしているのでグンバイ、体が淡緑色をしているのでミドリなのであろう。
 体長は6~7ミリ。本州~南西諸島に分布するが、南西諸島での分布の詳細があり、奄美大島、沖縄島、南北大東島、宮古島、八重山諸島とのこと。南西諸島の他に、小笠原にも分布するとのこと。「沖縄では数は少ない、大東島には多い」と文献にあったが、私の畑では5月下旬から6月上旬にかけて数度目にした。成虫の出現は6~10月。
 体は淡緑色をしていて、翅は透明でその淡緑色が透けて見える。翅も淡緑色を帯びており、前翅の脈は緑色をしている。見た目爽やかで、農夫の害にもならない。
 寄主は、「本土ではクワにつくと言われている」とあり、沖縄では「シマグワ?」と?マークがついており、はっきりしていないようだ。畑ではハマイヌビワの葉上にいた。

 記:2014.9.1 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行