ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

サーターアンダギー

2011年03月11日 | 沖縄の飲食:果物・菓子

 各家の味

 先日、家賃を払いに行った。玄関の前まで行くと甘い匂いがした。サーターアンダギーの匂いだ。玄関のドアを開けると天ぷらを揚げている音がした。
 家賃を払った後、大家の奥さんが
 「サーターアンダギー作っているから少し持っていって。」と言う。
 「ありがとうございます。でも、1個でいいですよ。」と応えると
 「どうして?いっぱい作ったのよ。たくさん食べてよ。」と奥さんは台所に戻って、キッチンペーパーにサーターアンダギーをいくつも乗せていく。
 「甘いものは、そう食べれないんですよ」と奥さんの背中に向けて言うと、
 「そうなの。でも、小さいから4個ぐらいは大丈夫でしょ。」と4個のサーターアンダギーをくれた。揚げたての4個は、まだほくほくしていた。
  奥さんの作ったサーターアンダギーはゴルフボールよりちょっと大きいくらい。部屋に持って帰って、暖かいのを1個口に入れる。サーターアンダギーは私の好物では無いのだが、これが予想以上に美味しかった。サーターアンダギーを食べるのは数年ぶりくらいだと思うが、こんなに美味しいものだったかと少し驚いた。年取ると酒が弱くなって、甘いものが好きになるらしい。ここ数年来、酔いの回りが速くなったと感じていたので、いよいよ俺もそういう歳なのかと思いつつ、もう1個を口に入れたのだった。
      
 サーターアンダギーは、正確にはサーターアンダアギーと発音する。直訳すれば砂糖油揚げとなる。小麦粉に卵、砂糖などを加えて、練って、丸くして、油で揚げたお菓子。ふくらし粉(って最近聞かないけど、死語か?)を加えないのでドーナツのように軟らかくは無い。大きさは普通テニスボール大。大家の奥さんが作ったような小さいものは、私の母親もよく作っていた。家庭の小さな天ぷら鍋では、その方が揚げやすいのだろう。四角い形のものもある。これはサングヮチグヮーシ(三月菓子)と呼ばれている。

 今年7月、鹿児島の友人Nが、高校生の娘を伴って沖縄旅行をした。帰り、二人を空港まで送って行ったのだが、車内がサーターアンダギーの匂いで満ちていた。見ると、大量の、スーパーの大きな袋いっぱいのサーターアンダギーがあった。
 「いくらなんでもこんないっぱい。いったい誰が食べるの?」と娘に訊くと
 「クラスのみんな」と答える。ミスタードーナツなどに比べればさほど美味しいものでは無かろう。お土産なら他に嵩張らなくて、沖縄らしくて、なおかつ美味しいものがいくらでもあるだろうと不思議に思って、そう訊くと、
 「ダパンプがテレビで紹介していたから」とのこと。なるほど、女子高生にとってはサーターアンダギーがどうこうなのでは無くて、サーターアンダギーを紹介したカッコいい男たちが問題なのであった。彼女たちにとっては、サーターアンダギーが美味しいかどうかよりも、"ダパンプの"という形容詞が付くことが大事なのであった。 

 記:ガジ丸 2004.11.12 →沖縄の飲食目次

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