初キツツキ
会ってみたい動物がいる。とても有名だけども日常生活ではなかなか出会えない者、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、ノグチゲラなどの天然記念物達。
そう珍しい者でも天然記念物でも無いけれど有名な動物がいる。ガジ丸HPで動物を紹介するようになる前は、そんなのに会えなくてもどうってことなかったが、HPを始めて以降は会いたいと思い、動物を見たら片っ端から写真を撮ってきた。
お陰さまで、そんな動物達の多くに出会えた。例えを挙げればキリが無いが、オオコウモリ、イノシシ、サシバ、シジュウカラ、タマムシ、ゾウムシ、ナナフシ、ケラなど。ではあるが、そう珍しい者でも天然記念物でも無いけれど有名な動物、その中にはまだ出会えていない者も多くいる。例えを挙げればキリが無いので、挙げない。
一つだけ、バッタの王様とも言えるトノサマバッタに私はまだお目にかかっていない。子供の頃から良く知っていて何度も歌っている唄『手の平を太陽に』に出てくるオケラだって、出会えたのは去年(2011年)の夏になってからだ。
ちなみに今回紹介するコゲラはそのケラの小型の者なんかでは無い。ケラはバッタの仲間の昆虫だが、コゲラは鳥でキツツキの仲間。ずっと会いたいと思っていたキツツキ、コンコンと木を叩くキツツキは漫画やテレビで子供の頃から知っているが、最初に見たのは去年の夏ヤンバルで、その時は写真に撮れなかった。そして二度目は今年の11月、ヤンバル大宜味村で、三度目はその翌日、ヤンバル東村で。いずれも写真を撮れた。
コゲラ(小啄木鳥)
キツツキ目キツツキ科の留鳥 沖縄、石垣、西表、他に分布 方言名:キーチッチャー
コゲラが広辞苑にあり、小啄木鳥と字が充てられてある。啄木鳥はキツツキとも読むがケラとも読む。何故キツツキと言うのか、またケラと言うのかは『動物名の由来』に詳しくあった。「木をつつくからキツツキ」と私は思っていたがそうでは無いようだ。「キツツキの古名はテラツツキで、テラは取(とら)の意で、テラツツキはつついて虫を取る意味。テラツツキがケラツツキになり、下部が省略されてケラ、ケラツツキが略されてケツツキとなり、キツツキと変わった」(要約)とのこと。
方言名のキーチッチャーは「木をつつく者」という意。ちなみに沖縄のヤンバルに生息する有名なノグチゲラはキーチチチャー、キータタチャーと言う。キーチチチャーは同じく「木をつつく者」で、キータタチャーは「木を叩く者」という意味。
全長15センチと国内に生息するキツツキの仲間では最小。木を突いて樹皮下の虫を食べる。沖縄島中北部、石垣島、西表島の森林に生息。沖縄島に生息するのはリュウキュウコゲラ、石垣西表に生息するのはオリイコゲラと亜種に分けられている。
鳴き声は「ギィー、ギィー、ギィー、キッキッキッ」と『沖縄の野鳥』にあったが、私は未確認。コッコッと短く木を叩く。これは何度も確認済み。
記:2012.12.5 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行