ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

カミナリハムシ

2013年05月24日 | 動物:昆虫-甲虫目

 怖くない雷

 埼玉在の友人Kは秋田出身で、在所に父親は健在で、大きな家もまだ残っている。彼とは大学時代に知り合って、付き合いはもう35年ほどになる。私は彼の田舎を、彼の家を訪ねたことは無いが、彼はたびたび沖縄に遊びに来ている。
  去年だったか一昨年だったかKと飲んで(もちろん沖縄で、どこかの居酒屋で)いる時に肴としての魚の話になって、「ハタハタって食べたことある?」と訊く。
 「飲み屋であるかどうか覚えていないが、スーパーで買って食べたことは何度かあることは覚えている。」
 「どうだった?」
 「美味かったかどうかは記憶に無い、記憶に無いので普通だったんだろう。」
 「いや、美味いんだよ、秋田のはさ。その辺のスーパーで売られているものとはモノが違うんだよ。ずっと大きいしさ。」と故郷の味 自慢をした。

 ハタハタは別名をカミナリウオと言う。それは今回、カミナリハムシを調べている最中に知った。その別名の由来は、広辞苑に「11~12月産卵のため沿岸に群遊する時に漁獲。その季節によく雷鳴があるのでカミナリウオともいう」とあった。
 というわけで、カミナリハムシからKとハタハタの話をしたことを思い出したわけ。カミナリハムシはたぶん食えない。食いたいとも思わない。だけど、カミナリウオはぜひ食ってみたい。いつか、秋田のKの家を訪ね、ハタハタを御馳走になろう。

 
 カミナリハムシ(雷葉虫):甲虫目の昆虫
 ハムシ科 本州以南、南西諸島、台湾、東南アジアなどに分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。雷という字も私の推量、カミナリは神成という字も考えられるが、「雷の多く発生する時期に多く見られるから」、または「大量に発生し煩いから」と推量した。ハムシは広辞苑に「コウチュウ目ハムシ科の昆虫の総称・・・成虫・幼虫ともに植物の葉を食害」とあり、葉に着いているのでハムシ(葉虫)なのであろう。
 成虫の出現は周年で、4月から5月に最も多く見られる。カミナリウオ(ハタハタ)は11月から12月に多く獲れ、「その季節によく雷鳴があるのでカミナリウオともいう」(広辞苑)と名前の由来がある。私の感覚では、雷の発生は夏に多いのだが。
 体長5ミリ内外、成虫、幼虫ともにツルソバの葉を食害する。私は5月に大宜味村でツルソバの葉に大量についているのを見た。
 『沖縄昆虫野外活用図鑑』に「卵を糞で覆う習性がある」とあったが私は未確認。同書にはまた、「日本には多くのカミナリハムシ類が分布しており、外部形態では見分けられない種も多い」ともあった。写真のものが本種(学名Altica cyanea)かどうかも未確認。
 
 群れ

 記:2013.4.25 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行