瓶詰めのお菓子
学生の頃、東京に5年間住んでいて、また、沖縄に帰ってからも年に2回は旅行(まれに外国もあるが、概ね国内)に行っている私の、そうたいした経験では無い範囲内での結論なので確かなものでは無いが、酒瓶に入ったお菓子を沖縄以外で見たことは無い。
沖縄以外のどこでも、瓶詰めのお菓子というと、広口のしゃれたガラス瓶にクッキーやらドロップやら金平糖などが入ったものはよく見かける。が、沖縄には昔から酒瓶に入ったお菓子があった。それは泡盛の2合瓶に詰められたお菓子。
酒の瓶にお菓子を詰めること自体、いかにも酒呑みの多い、貧乏だけど酒瓶だけはふんだんにある沖縄らしいが、実はそのお菓子、酒の肴にもなるお菓子なのである。だから、むしろ子供より酒呑みに喜ばれる。それは、塩味の効いたピーナッツ。
ピーナッツは和語でいうと落花生、沖縄ではジーマーミという。今では袋入りのものが多いが、昔は、ジーマーミといえば瓶詰めのものが主流であった。
ジーマーミ(地豆):落花生のこと。
落花生はマメ科の一年生作物で、原産地はアンデス地域、といった植物的な詳しいことは別項に譲り、ここでは食物として紹介する。種子は食用になり、油が取れる。
アメリカの落花生といえば先ずピーナッツバターが思い浮かび、沖縄の落花生といえば瓶詰めジーマーミが先ず浮かぶ。子供の頃、落花生といえばこの2つ。ピーナッツバターはパンやクラッカーに塗ってよく食い、瓶詰めジーマーミは祖父や祖母の部屋にいつもあり、子供たちのおやつになった。沖縄では他にジーマーミ豆腐や黒糖ピーナッツなどがあり、ピーナッツバターも料理に使う。ジーマーミは沖縄の飲食で多く用いられている。
倭国では千葉県が産地として有名だが、沖縄では伊江島が名産地。
記:ガジ丸 2005.8.25 →沖縄の飲食目次
参考文献
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行