ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

シロジュウジホシカメムシ

2011年06月03日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 ほんの些細な違い

 このガジ丸HPに掲載している記事の数は、ちゃんと数えてはいないが、おそらく500はゆうに超えていると思う。書いたものはアップしたその日か、翌日には確認して、誤字脱字があれば訂正するようにしているが、それが終わると、もうほとんど読み返すということが無い。早い時期に書いてあるものは、その記載内容に間違いがありそうで、いつかは読み返して、内容確認し、間違いは訂正しようと思ってはいるのだが、その時間が取れずにいる。間違いだけで無く、別の項目で似たような内容のことを書いているのもありそうなのだが、それらも今のところは放ったらかしとなっている。

 「昆虫はほんの些細な違いで違う種類のものが多く、判別するのが面倒である。」なんてことも前にどこかできっと書いているだろう。だから、今回はこれ以上、それについては言及しない。とにかく、今回紹介する昆虫もまったく些細な違いなのであった。

  写真を撮って文献の写真と照らし合わせる。見た目の特徴が顕著だったので、すぐに名前が判明する。クロジュウジホシカメムシ。きれいな模様のカメムシである。名前の由来を調べる。ジュウジもホシも判ったが、クロが判らない。別の文献を調べる。そこにはシロジュウジカメムシという名前があった。その隣のページにクロジュウジカメムシがあった。見た目はほとんど一緒。老眼の目には両者の違いがすぐには把握できない。
 「何だ、何だ、何だ、何が違うんだ。」と虫眼鏡で覗く。クロは頭部の色が黒色であったが、シロは頭部が体の色と同じ赤色であった。他はほとんど一緒である。少なくとも私の目には何の違いも見えない。小さな頭の色が黒か赤かの違いしかない。ホント、虫眼鏡で見なきゃ判らないほどの、ほんの些細な違いなのであった。
 ところで、頭部が赤色ならアカジュウジホシカメムシという名でいいじゃないかと思うのだが、何故かシロジュウジ。アカジュウジだと漢字が赤十字となって、赤十字(セキジュウジ)と間違うからということだろうか。詳細は不明。

 
 シロジュウジホシカメムシ(白十字星亀虫):半翅目の昆虫
 ホシカメムシ科 九州以南、南西諸島、台湾、東南アジア、他に分布 方言名:不詳
 ホシカメムシという名は、体に星(点)模様があるからだと思うが、本種の体に点模様は無い。でも、その他の特徴が同じなのでホシカメムシと同属。そして、体にX字型の模様があるのでバツと付けてバツホシカメムシ。・・・としたいところだが、バツは縁起が悪いからか知らないが、X字型はバツでは無くジュウジ(十字)となる。さらに、近縁種に頭部の色が黒いクロジュウジホシカメムシがいて、本種の頭部は赤い(黒く無いということ)から黒に相対した白という名がついたものと思われる。
 体長15ミリ内外。成虫の出現時期は5月~2月。寄主はオオハマボウ、ハイビスカスなど。沖縄各地に生息し、クロジュウジホシカメムシより個体数は少ないらしい。
 
 群れ

 記:ガジ丸 2006.1.18 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行