ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

あまがし

2015年03月01日 | 沖縄の飲食:果物・菓子

 母の味

 薩摩人Nは、久高島散策の日が沖縄滞在4日目。沖縄の氷ぜんざいが好きな彼は、その日までに既に4回、あちこちでぜんざいを食ったらしい。そしてまた久高島でも、熱々の沖縄ソバを食った後に冷え冷えのぜんざいを注文した。

 久高島の港近くにある食堂は20人ほどで満席になりそうな小さな店。太ったおばさんが一人でやっていた。その時、客は我々二人だけで、十分に暇があったのにも関わらず、彼女はあまり動かなかった。ソバができると調理場から顔を出して、「ソバ、できたよー」と言い、取りに来いと目と顎で合図する。調理場で他に仕事があるのかと思うと、そうではない。Nがソバの乗ったお盆を受取るとすぐに出てきて、どかっと腰を下ろしテレビを観る。ソバを食い終わってNがぜんざいを頼んだら、いかにも面倒臭そうに立ち上がって調理場に入る。そして、ぜんざいもまた取りに来させた。Nはウエイターのようであった。まあ、神の島だし、女の方が偉い地位にある島だし、沖縄だし、空は青いし、風は心地良いし、それでいいのだ、と何となく納得する。

 ぜんざいを食べていたNが、「このぜんざいは普通のと違う。何か変なものが入っている。」と言う。見ると、その変なものというのは麦であった。ということは、彼の食っているものはぜんざいではなく、“あまがし”という食い物なのであった。
      
 子供の頃、母親がたまに“あまがし”を作ってくれた。金時豆だけでなく麦を一緒に入れるのは栄養面を考えてのこと、子の健康を考えてのこと、だろうが、麦の食感が好きでは無くて、私はいつも「麦さえ入れなければ普通のぜんざいになるじゃないか。ぜんざいの方が美味しいじゃないか。」などと文句を言っていた。今でも“あまがし”が食べたいと思うことはないが、私ももう健康を考える歳なので、“あまがし”も、出されれば喜んで食う。「美味しいよ」と言うと、母親も喜んでくれる。家の中も平和になる。“あまがし”は、めでたしめでたしの健康食品なのだ。

 記:2004.12.5 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

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