ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

チキナー

2011年03月31日 | 飲食:食べ物(料理)

 沖縄の漬物

 沖縄料理をメインとした居酒屋の中には、そのメニューの中にチキナーチャンプルーを置いてある店がある。チキナーチャンプルーは私の好物なので、そういう店に行って、機会があれば注文して、食べる。「機会があれば」というのは、私は居酒屋に行っても小食なので、他のメンバーがいろいろと注文しているとそれだけで十分となる。他のメンバーがまだ注文していない機会があれば、ということである。
 元々、居酒屋を含め、外で食事をすること自体、年に20回も無い。その内、チキナーチャンプルーを置いてある店に遭遇するのは数回で、他のメンバーがあれこれ注文する前となると、2、3年に1回くらいではないかと思う。というわけで、ここ2、3年、私は好物であるチキナーチャンプルーを食べていない。

  チキナーチャンプルーは、子供の頃から好きである。母が時々作ってくれた。チキナーとは漬け菜という意味のウチナーグチ(沖縄口)で、チャンプルーはごちゃまぜという意味だが、料理用語としては炒め物となり、漬け菜の炒めものとなる。ちなみに、チャンプルーは比較的新しい言葉のようで、私の母はチキナータシヤーと言っていた。
 私は料理に興味があったので、料理する母の手元を良く見ている。「男が台所に立つもんじゃない!」と父に怒鳴られたが、母は私の味方をし、いろいろと教えてくれた。
 チキナーに用いる菜っ葉は概ねシマナー(島菜=カラシナ)、それ以外の葉野菜によるチキナーは、あるかもしれないが、私は見たことが無い。夕食が終わって、台所の片付け物も終わった後、根の部分を切り落とし、水洗いしたシマナーを、母は流しの上にひらいて、並べて、塩をふって、そのまま一晩置いた。その後どうしたかは見ていないが、おそらく、水で洗って、塩を落として、固く絞ったと思われる。
 
 
 
  そうやって出来たものがチキナー。そのチキナーは冷蔵庫に保管された後、チキナータシヤーとなって、夕食に出された。その作り方は見て、概ね知っている。
 豚肉、またはポークランチョンミート(スパムとかチューリップとかいった缶詰)と豆腐と共にフライパンで炒める。味付けは、母は砂糖と醤油だけであった。チキナーに塩分が含まれているので、砂糖は、その塩辛さを中和し、味に深みを与える。醤油は香り付け程度だったと思うが、砂糖や醤油の量はよく覚えていない。

  さて、そんなチキナーチャンプルー、私の好物だが、しばらく食っていない。すると、昨年末、「畑にナンクルミー(自然発生)のシマナーがいっぱい出来ているよ。」と従姉が言う。シマナーと聞いてチキナーがすぐに思い浮かんだ私は、「くれ。」となって、大きめのものを3株ほど頂く。「私もチキナー作ったけど、要る?」との従姉の申し出も断ることなく、彼女の手作りのチキナーも2株分ほど頂く。
 その夜、早速、従姉のチキナーをチキナータシヤーにする。従姉のチキナーは冷凍されてあった。そのせいか、柔らかくなって食感が物足りない。母のとは違う。2日後、貰ったシマナー3株をチキナーにする。母とは少々違った方法で作るが、ちゃんとチキナーになっていた。チキナタシヤーは1月3日に第一回のチャレンジ、これは、使う豆腐の種類を間違えて、ちょっと失敗。第二回目は1月7日(風邪を引いたせいで間が空いた)、この時は味付け方も母のやり方と少し変えたが、しかし、これは大成功となった。
 
 
 
 

 記:ガジ丸 2009.1.10 →沖縄の飲食目次