ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アオカナヘビ

2011年04月28日 | 動物:両性・爬虫類

 子供たちの残酷の犠牲

 私の実家は那覇市の住宅街にあり、周りに緑は少ない。碁盤目に区画整理された土地の個人の所有は小さくて、アメリカ人からウサギ小屋と揶揄されるような家が並ぶ。近所に庭のある大きな家はほとんど無い。私の子供の頃からそうではあったのだが、まだその頃は、今よりは幾分空地もあり、緑も多少あり、その中に自然は多く残っていた。
  隣の家は老夫婦が住んでおり、小さな畑と庭があった。向かいの家にも玄関前に猫の額ほどの庭があった。ちょっと離れたところには1軒分の空地があり、そこは草地となっていた。そういった庭や草地にはたいていジューミーがいた。子供たち、ほぼ男の子に限るが、その悪ガキたちは、ジューミーを捕まえては、たまに、残酷な遊びをした。

 ジューミーとはアオカナヘビのことで、ヘビと名はつくがヘビでは無く、小さなトカゲの一種。子供たちにとってはよく見かけるごく身近な動物。悪ガキたちは捕まえたジューミーを走ってくる車の、そのタ イヤの下に投げ込む。ブチュっという音がする。その音を聞くためだけの残酷な遊び。「いい音だったなあ」と喜ぶのである。
 ジューミーはまた、2Bという爆発する花火を体にくくりつけられたりもした。哀れに爆死するジューミーを見て、子供たちは笑いあったのであった。今思えば、何とも残酷なことをしたものだと思う。殺戮本能が人間のDNAに潜んでいるとしか思えない。

 アパートの庭で、ジューミーを発見した。おそらく10年以上のご無沙汰。写真を撮りはしたのだが、顔が写っていない。近付くと逃げるし、下手に捕まえるとその尾っぽを切ってしまうので、捕まえることもできずに、みすみす逃がしてしまった。

 
 アオカナヘビ(青金蛇) 
 カナヘビ科のトカゲ トカラ、奄美、沖縄、宮古諸島の固有種 方言名:ジューミー
 北海道から九州にはカナヘビが分布している。そのカナヘビの近縁種で、青い(緑)色をしているから青カナヘビ。カナヘビは金色(褐色)をしているので金蛇。四角い三角定規みたいな言い方だが、名前なので、こういうことが矛盾とはならない。アオカナヘビでも環境によっては褐色になっている固体もあるとのこと。体長20~25センチ。
 見た目はトカゲそのものなのにヘビと付くのは、細長いからだろう。尾の部分が全体の4分の3を占めている。尾を掴むと自切して逃げる。尾は再生する。
 追記(8月25日):職場でアオカナヘビを発見。そっと近付いて写真1、2を撮る。
 
 尻尾の部分が長いのでヘビという名がつく。

 記:ガジ丸 2005.8.5 →沖縄の動物目次
 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行