ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ガラスヒバァ

2011年04月28日 | 沖縄の動物:両性・爬虫類

 知識があれば怖くは無い

 数年前に中一の少年二人を連れて、ヤンバルの玉辻山をハイキングした。その後、暑い盛りだったのでたっぷり汗をかき、まだ時間に余裕もあったということで、泳ぎに行くこととなった。海では無く川、というより泉。タナガーグムイ(注1)という名。
 子供の頃から海には親しんで、川にも親しんで、泳ぎには不安の無い私であるが、泳ぐことの楽しさを理解できずにいるので、大人になってからは泳ぐ機会が減った。目の前には倭人の羨む沖縄の青い海が広がっているというのに、最近10年間で泳いだのは2、3回あったかどうかとなっている。それも、子供の面倒をみるために仕方なく。

 なわけで、その時も私は泳がず、一人で沢登探検をする。沢登りには危険が伴うということは重々承知している。あの恐ろしいハブが、水を飲みにやってくるからだ。で、慎重に歩く。一つ目の沢ではリュウキュウハグロトンボを発見し、写真を撮る。もう一つの、大きな沢を歩いていて、岩の上から50センチほど下に飛び降りた時、足元を素早く何かが動いていくのが見えた。草むらがあったので、それが何かすぐには判らない。が、長いものであることには気付いた。「ハブ!」と、全身から一瞬にして汗が吹き出、その場から飛び退く。ちょっと落ち着いてから、ゆっくり戻り、確認する。
  長いものは岩陰に隠れていた。ヘビには違いないが、ハブかどうかは不明。沖縄にはハブ以外にアカマタ、アオダイショウなどがいるとは聞いているが、その違いが判らない。私には沖縄のヘビに対する知識がその時は無かった。知識が無いものだから、恐れて、その長いものに近付くことができなかった。離れたところからだが、その長いものの写真を撮って、後日調べる。それはガラスヒバァという無毒のヘビであった。そうであるとの知識さえあれば、何も怖くは無い生き物だったのである。
 以来、沖縄の植物だけでなく、動物も勉強しなくては、と思ったのである。

 注1、タナガーグムイ:タナガーはタナゲーという名のエビを指す。タナゲーは手長ということ。つまりテナガエビのことであるが、川エビ全般も言う。グムイはクムイの濁音化したもので、自然にできた池や沼などのこと。「タナゲーの」と所有を表す意味で「タナガー」と変化して、タナガーグムイは「テナガエビの池」、あるいは「テナガエビのいる沼」とかいったことになる。沖縄本島国頭村にある。

 
 ガラスヒバァ(烏蛇)
 ナミヘビ科 体長100センチ内外の無毒のヘビ 方言名:ガラスヒバァ
 奄美諸島、沖縄諸島に分布。宮古諸島にはミヤコヒバァ、八重山諸島にはヤエヤマヒバァなどの亜種がいるが、見た目も生活形態もほとんど一緒のようだ。胴の背面は黒、または黒褐色の地に黄色の細い横帯がある。細長いスマートな体型。低地の水田や山地の渓流などの水辺に生息し、カエル、オタマジャクシ、イモリ、トカゲなどを捕食する。
 どの文献にも方言名の記述が無かった。しかし、ガラスヒバァの最後の小さなァはいかにもウチナーグチ(沖縄口)のようである。カラオケが世界の共通語になったように、ガラスヒバァは日本の共通語になったのかもしれない。広辞苑にはカラスヘビ(烏蛇)の記載があり、「シマヘビの体色の黒化したもの」の他に、「ガラスヒバアのこと」との記述もあった。カラスのことを方言でガラサーと言う。よって、漢字は烏蛇とした。
 
 2010年9月、座間味島で側溝の中を這っていたもの。

 記:ガジ丸 2005.8.5 →沖縄の動物目次
 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行

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