そのものがアイスクリーム
シマバナナについては、沖縄の草木「バナナ」の頁で少し書いたが、シマバナナそのものを私は長い間目にしたことが無くて、よって、シマバナナがどのような形状をしているのか、しかとは記憶に無かった。シマバナナを食べたことがあるのかどうかさえもあやふやであった。が、先日、職場から帰り道の途中にあるスーパーで、シマバナナを見つけた。「おー、あなたでしたか、シマバナナは。」という感想。
モンキーバナナと似たものであろうと想像していたのだが、見つけたシマバナナは、モンキーよりもずっと小さく、形もずんぐりしている。しかしながら、 これには見覚えがある。子供の頃に何度かお目にかかっている。子供の頃にたぶん何度か食べてもいる。なもんで、「おー、あなたでしたか、シマバナナは。」と懐かしく思ったのであった。
見つけたシマバナナは小さいくせに値段が高い。いつも買って食べているフィリピン産の大きなバナナに比べると、100グラム当たりで言えば10倍くらいの値段。まあ、それでも、懐かしさから一房買った。買って、2日置いて、食べた。
シマバナナを子供の頃に食ったことがあるという確信を得た。食べて、その味に覚えがあったから だ。いつもの大きなバナナよりも味が濃い感じがする。ちょっと癖のある独特の風味がある。美味いと思う。値段がもう少し安ければ、頻繁に食いたいものである。
何十年ぶりかのシマバナナ、その味には覚えがあったが、その食感はまったく忘れていた。子供のことだから食感までは味わうことをしなかったからであろう。シマバナナの食感はクリーミーであった。果肉の繊維が細かいのである。大きなバナナを噛んだ時にはバサッといった感じだが、シマバナナはネトッって感じ。で、パッと閃く。これをこのまま潰して、練り上げればクリームになる。クリームを 冷やせばアイスクリームになる。というわけで、早速試す。結果は予想通り。とても美味しいバナナアイスクリームができあがった。シマバナナは、それだけでアイスクリームになれる果物であった。
記:ガジ丸 2005.10.31 →沖縄の飲食目次