ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

甘藷

2011年03月21日 | 飲食:食べ物(材料)

 イモといえばイモ

 学生の頃、北海道出身の友人に「イモ食うか?」と訊かれて、「いや、甘いものはあまり・・・」と言って断ったことがある。イモと言うと、ウチナーンチュの私はサツマイモしか頭に浮かばない。ところが、北海道の人がイモと言うと、それはジャガイモのことであった。「田舎から送ってきた」イモを、もちろんその後、美味しく頂いた。

 さて、私はウチナーンチュなので、ここでイモの話をする場合のイモは、当然、サツマイモのことである。琉球から薩摩へ伝えられたのにサツマ(薩摩)という言葉が付くことには釈然としないので、以降、イモ(=サツマイモ)などという表記はしない。
 概ねだが、イモは男より女の方が好む。私も、嫌いでは無いが、好物では無い。ところが、私の父はイモが好きである。父が子供の頃、沖縄の一般家庭は多くが貧乏で、米などという上等な食い物は口にできず、父の家でもイモが主食だったらしい。よって、イモは毎日のように食卓に出されたとのこと。ところがまた、その父より一回り(12歳)若 い従姉の亭主は、イモが嫌いである。彼が子供の頃は戦中戦後の混乱期なので、食生活の環境としては父の子供の頃より悪い。よって、彼もまたイモが主食であった。
  子供の頃から食べ慣れて、嫌と思うほど食べてきたイモを、片方は好きで、もう一方は嫌いという現象は面白い。子供の頃から慣れ親しんだ「食い物」と感じるか、嫌と思うほど食べさせられた「食い物」と感じるかの違いであろうか。

 さて、今回、この記事のためにイモを買ってきた。読谷産紅イモ3個。1個を蒸かしイモにして食ったが、酒の肴にはならない。で、考える。コンロ回りが汚れるので、私はめったに揚げ物料理をしないのだが、天ぷら鍋に油を入れた。確か去年の夏以来、約8~9ヵ月ぶりのこと。イモガリガリを作る。塩味にして、これは酒の肴になった。
 
 
 

 記:ガジ丸 2006.5.15 →沖縄の飲食目次