ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ストゥー

2011年03月21日 | 飲食:加工品・薬草・他

 シチューの缶詰

 1945年から1972年までの永きに渡って、沖縄はアメリカ合衆国の統治下にあった。その間、米軍基地があることの弊害(土地の強制収用、騒音、事故、犯罪など)に苦しみ、また、ウチナーンチュに対する人種差別にも深く苦しんできた。日本国に復帰して今年で33年になるが、今なお、基地があることの重圧は厳しい。
 しかしながら、アメリカ合衆国統治下のお陰で良い事もたくさんあった。・・・なんて言うと、反戦反基地運動に尽力している方々には申し訳ないのだが、私も反戦反基地運動を支持する平和主義者なのであるが、「それでも、地球は回っている」のである。
 平和主義者らしいことを先に言っておくと、私が思う「アメリカ合衆国統治下における良い事」を、たとえば、その全てを集めたとしても、当時の不幸を補えるものではけして無いのである。千円出すからレイプさせろ、と言っているようなものである。
 と、私の平和主義振りを披露したところで、「アメリカ合衆国統治下における良い事」の一つを述べる。それは、ストゥーである。ストゥー?・・・って何?

  ウチナーンチュならほとんどの人が知っているストゥーを、倭人の多くは知らないと思う。ストゥーとはアメリカからやってきた缶詰のこと。食い物である。ポークランチョンミートのスパムやチューリップは倭人にも有名になっているが、じつは私は、スパムもチューリップも、子供の頃からあまり好きでは無かった。しかし、このストゥーは私の大好物であった。他の缶詰に比べて値段が高かったので、子供の頃はそう頻繁には食えなかったが、今はいくらでも食える。が、ほんのたまにしか食わない。子供の頃あんなに好きだったのに、金があったら毎日でも食いたいと思っていたのに・・・である。オ ジサンという年齢になって、肉の脂っこい、お腹に重い食い物がきつくなっているのだ。

 ストゥーとはビーフシチュー(Beef stew)のこと。アメリカ人がストゥー(stew)と発音していたので、沖縄では、シチューはストゥーとなった。野菜も、牛肉も、牛肉の脂もたっぷり入った栄養満点、カロリーたっぷりの缶詰。
 子供の頃、私の母は、この缶詰1缶にキャベツや白菜を混ぜて一家6~7人分のおかずにしていた。高かったのである。一人一缶なんてとんでもなかったのである。
 現在でも当時と同じ缶詰がどこのスーパーにも置いてある。値段はだいたい220円くらい。安売りの時で200円弱。今はそう高いものでは無い。
      
      
 記:ガジ丸 2005.12.20 →沖縄の飲食目次