ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

タイワンクツワムシ

2011年06月25日 | 沖縄の動物:昆虫-直翅目(バッタ他)

 錆びた歯車の軋む音

 3週間ほど前から、毎晩7時頃になると、アパートの1階の庭で錆びた歯車の軋むような音が聞こえてくるようになった。虫の声であろうとは思ったのだが、あまりに煩い。それに、去年までは無かった声で、しかも、今まで私が聞いたことの無い声だったので、もしかしたら虫の声では無く、1階の住人が、その家庭菜園に立ててある鳥追い用の風車の音かもしれないと思った。風車(かざぐるま)は1ヶ月ほど前から立ててあった。
  1階の住人は前の住人の友人で、前の住人が越した後に入ってくる予定だった。前の住人が去ったのは8月頃であったが、もうすぐ今年も終わろうかというのに、まだ入居していない。入居はしていないが、8月頃から時々やってきては、畑を耕したり、作物を植えたり、水遣りなんかしている。そして、鳥追い用の風車を畑の角に立てた。
 住んでいないから畑の風車の煩い音に気付かないんだな、私が油など差して、直してやらねばなるまいなと思って先週、夜7時過ぎ、煩い音が始まったのを聞いて、懐中電灯を持ち、1階の庭へ降りた。音は確かに庭の方から聞こえていた。
 
 音源が風車では無いことは下りてすぐに判った。余りにも大きな声は、聞こえてくる場所がはっきり判った。畑の傍のオオバナアリアケカズラの絡みついたフェンスから聞こえていた。そっと近付いて、蔓の入り組んだ中に懐中電灯を掲げる。犯人、発見。
 今まで見たことの無いバッタのような虫。大きい。体が大きいから声も大きいのだ。写真を数枚撮る。カメラのフラッシュに驚いてか鳴き声を止めた。鳴き声はその後、夜遅くまで聞こえなかった。そして、数日後にはいなくなった。悪いことしたかな。

 
 タイワンクツワムシ(台湾轡虫):直翅目の昆虫
 クツワムシ科 静岡県以南、南西諸島、東南アジアなどに分布 方言名:シェー
  名前の由来は「鳴く声が轡の音に似ているから」と広辞苑にあった。タイワンは南方系のという意味。残念ながら、「轡の音」というものを私は聞いたことが、たぶん無い。童謡『秋の虫』で「がちゃがちゃがちゃがちゃクツワムシ」とあるので、ガチャガチャという音なのであろう。タイワンクツワムシはギーギーと私には聞こえる。
 大型のクツワムシで、体長が60~75ミリとある。手を伸ばしたら逃げたので、正確に計ることができなかったが、写真ものは最大級の75ミリはありそうだった。
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』に、「サトウキビの穂が出る頃に鳴き始めるので生物季節のよい観測材料」とあった。そういえば、本種が鳴いている頃、サトウキビの穂が出始めていた。地球環境は破滅の方向に向かっているが、生物季節はまだまだ、概ね正確のようである。数日前から声が聞こえなくなった。彼らの季節は終わったのだろう。
 
 褐色型
 
 褐色型顔

 記:ガジ丸 2004.12.22 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行

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