ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

瓦版053 マミガジの絵本3

2008年03月21日 | ユクレー瓦版

 この頃、春らしい気持ちの良い日が続いている。島のあちらこちらに咲いているユリの花が、甘い匂いを漂わせている。その匂いに浸りながら村の中を一回り散歩して、いつもより早い時間にユクレー屋に向かった。散歩の、ほど好い疲れにはビールが合う。

 道の途中でマナとケダマンに会った。
 「おっ、どこかへ行くの?それとも、どこかからの帰り?」と訊く。
 「うん、天気良いからね、ちょっと山を散歩してきた。」とマナ。
 「それじゃあ、もう帰るんだ。良かったよ。ビールが欲しかったんだ。」
 「おう、俺も同じだ。山歩きで疲れた体がビールを欲しがってるぜ。」

 そして、ほどなくしてユクレー屋に着いた。店に入る前からケダマンが連呼する。
 「ビール、ビール、ビール、・・・」私もそれに乗って、合唱する。ドアを開け、中へ入り、カウンターに座ってからも連呼は続いた。
 「ビール、ビール、ビール、・・・」
 「煩いねぇ、止めな、子供じゃあるまいし。」と言いつつ、マナはジョッキを出してくれた。幸せな女は他人にも優しくなるようである。

 グビグビグビとビールを三口四口飲んで、プハーっと息を吐いた。
 「いやー、気候も良いし、運動の後のビールは格別だなあ。」(私)
 「運動って、何かやってきたの?」(マナ)
 「君らと同じ散歩だよ。村をブラブラしてきた。」
 「村か、そういえば、マミナ先生に会わなかったか?」
 「いや、何で?」
 「前にマミナと話をした時にな、未来から来た虎形ロボットのトラエモンって物語はどうだ?って言ったらな、そんな盗作みたいな話は書けないよって答えだったんだが、だけど、『そのトラエモンって名前は頂き。今書いている絵本の主人公の名前にするよ。』って言ってたんだ。その絵本、もうできたかな、と思ってさ。」
     

 噂をすれば影である。そのすぐ後にマミナ先生がやってきた。その手には新作の絵本があった。タイトルは『すまとらとらとらいだー』で、いつものように絵はガジ丸。ただ今回は、唄は無し。落語みたいな物語なので、唄が思いつかなかったらしい。
 まあ、それはともかく、今回はマミガジの絵本その3の紹介。
 
 記:ゑんちゅ小僧 2008.3.21 →絵本『すまとらとらとらいだー』


少数派にも五分の魂

2008年03月21日 | 通信-政治・経済

 大阪の、恥元弁誤士知事の発言が何かと問題になっている。仕事柄、言葉には敏感であろうと思うのだが、5人も子供がいて、人に対する思いやりもあると思うのだが、少々傲慢だと私も思う。若さから、発言の慎重さを欠いているのかもしれない。

 5、6年前、「来月からは皆、定時の10分前に出勤してくれ、その時間にミーティングをする。」と社長から突然の命令があった。社員は皆驚く。一人が控えめに反対意見を述べた。もちろん、確かめるまでも無く、その一人だけで無く、私も含めて皆が反対である。しかし、社長には怒鳴り癖があって、あまり強く反対すると怒鳴られる。で、他の社員は特に意見を述べず、一人の、控えめな意見も、控えめなままで終わった。
 その日の昼休みに、私は意見書を書き、社長に提出した。
 就業時間とは拘束時間です。午前8時から午後5時半までが拘束されている時間です。それでも、会社の利益は社員の利益にも繋がるので、仕事が上手く運ぶための必要な残業は、社長に言われずとも、我々は自主的にやっています。
 しかし、時間外就業の「強制」は不合理です。強制しなくても10分前に出勤している社員もいますが、その10分は彼の時間です。自分の仕事が上手くできるよう道具の手入れをしたり、または、一服したりするのは彼の自由です。
 というようなことを書いた。翌日、社長に呼ばれた。「来月から出勤は9時でいいですよ。」となった。そして、私を除く社員は皆、10分前出勤となった。
 そんな社長だが、恥元弁誤士知事に比べたらずっと思いやりがある。10時休み、3時休みを無くせとは言わない。夏場は、1時間ごとの休憩も認めてくれている。
 一服する時間の代わりに始業前出勤を求めるなんて、恥元知事は「もっと働け!お前たちに休みは要らない!」と言っているみたいだ。労働者は奴隷じゃ無い。

  恥元知事が共産党議員に言った「多数派になってから発言して欲しい」はもっと大きな問題である。にもかかわらず、報道番組のコメンテーターなどからあまり突っ込まれていない。皆、「若気のいたり」と認識しているのかもしれない。「しょうがない知事だ。経験不足ということだな。」などと思っているのかもしれない。
 多数決は民主主義のルールだが、しかし、「少数派は黙っとけ!」というのは民主主義の否定である。少数派に発言する機会が無かったら議会は要らない。

 一寸の虫にも五分の魂という言葉があ る。「小さく弱いものにもそれ相応の意地があるから侮りがたいの意」(広辞苑)とのこと。恥元知事は、人生は戦いだ、勝たなければ意味が無いといった信条をお持ちなのであろう。そして、選挙に勝って、地位と名誉を手に入れた勝者は、労働者や少数派といった弱者を侮っているのだと思われる。
 大阪府職員の「どれだけサービス残業をしていると思うのですか!」という発言はあっぱれであった。そうだぞ、労働者にも五分の魂があるぞ。また、共産党は、私の支持する党では無いが、今回は「負けるな!」と応援したい。少数派にも五分の魂があるぞ。
 しかし驚いたことに、知事に楯突く職員や議員に苦情殺到らしい。正しいと思うことを発言できない社会は恐ろしい、と私は思うが、大阪人はそう思わないのだろうか。
          
          

 記:2008.3.28 島乃ガジ丸