礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

元俳優・菅原文太さんと精神科医・和田秀樹さんの接点

2014-12-23 06:10:51 | コラムと名言

◎元俳優・菅原文太さんと精神科医・和田秀樹さんの接点

 今月三日のコラム「菅原文太さんと『獅子の時代』」では、菅原文太さんが福島県知事選で、熊坂義裕候補者を応援するため、一〇月二三日に郡山市文化センターで開かれた同候補の決起大会に参加していたことを紹介した。
 この日のコラムでは、「et5652さん」のブログにあった「福島県知事選が終盤戦に突入~菅原文太を応援弁士に招いた熊坂陣営」という記事(一〇月二四日)から、その一部を引用させていただいた。引用させていただいた文章のうち、最初の部分だけを、再度、引用してみる。

 続いて、菅原がマイクを握った。司会者が「俳優の菅原文太さんです」と紹介すると、「俳優は引退しました。今は農業をやっています。無農薬の農業を」と言った。

 ここに、「続いて、菅原がマイクを握った」とある。菅原文太さんは、誰に続いて、「マイクを握った」のか。
 その日のコラムでは言及しなかったが、菅原文太さんの前に、マイクを握っていたのは、精神科医の和田秀樹さんである。菅原文太さんと和田秀樹さんという組み合わせは意外だった。また、和田秀樹さんが、共産党と新党改革が推していた熊坂義裕候補者を応援したということも意外だった(保守的な思想傾向の人だという先入観があったので)。
 数日前、「任侠高倉健と実録菅原文太」という記事を読むために、『週刊アサヒ芸能』の一二月二五日号を買った。この記事を読んで、なぜこの日、このお二人が郡山に赴き、熊坂義裕候補者を応援したのかという事情がわかったような気がした。
 同記事から引用してみよう(五四ページ)。

「文太さんはヒーローなんだけど、どこか泥臭く人間臭い感じがある。ボクは圧倒的に文太さんが好きです」
 と、語るのは精神科医で映画監督でもある和田秀樹氏。これまで3本の映画を撮っている和田氏は、この10月に会食の機会を得て映画出演を打診した。文太は「俳優は引退しているから」とやんわり断ったが、脱原発で話が盛り上がり、福島県知事選の応援に行くことになったという。
「福島は中央政府や東京都から植民地のような扱いを受けている。文太さんは原発問題があるのに、緒局、原発を容認しかねない自民党の子分のような侯補が当選するのは看過できないというのがあって、応援演説に出かけたんです。実はその時、かなり病状も深刻だったそうなのですが、演説になると、文太さんは『政治家というのは暗殺(されること)を覚悟でやらないといけない』『この地は自由民権の本場』などと、しんみりとした言い回しで聴衆を魅了するんです。人に訴えかける力は最後まで健在だった」(和田氏)
 白髪を隠すこともなく、病身でボロボロになりながらも、聴衆の前に現れ、「何とかしましょうよ」と訴え続ける文太。
「俳優の菅原文太さんですと紹介されると、『俳優はやめました。今は農業です』と現れ、『何とかしましょうよ』と訴えかける。一方の健さんはずっと役者でいようとした。健さんに憧れる人はロマンチストなのかもしれない。そこが2人の大きな違いです。健さんはイメージとしては、ハリウッド的なスターという感じ。映画という別世界の中に生きた人だと思いますね」(和田氏)

 このお二人には、「映画」という接点があったのである。
 郡山に赴く直前、菅原さんに映画出演を依頼しようとした和田さんが、逆に菅原さんから、福島知事選挙の応援に行こうと誘われたのではなかったか。もちろん、断定はしないが。【この話、続く】

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