◎ようやく報道された菅原文太さんの「遺言」
昨日の毎日新聞夕刊「特集ワイド」欄に、「菅原文太さんの『遺言』」という記事が載った。
本文の冒頭にこうある。
「選挙中とはいえまるで言論統制だ」。同じ東北出身で親交のあった評論家、佐高信〈サタカ・マコト〉さんは切り出した。菅原さんの訃報が伝えられたのは衆院選公示の直前。多くメディアは集団的自衛権行使容認や原発再稼働を進める阿部政権に配慮し、菅原さんが反戦や脱原発を訴えてきた事実を十分に報じなかったのではないかと言うのだ。
佐高信氏の見解を支持したい。おそらく多くの人々が、そのような印象を抱いていたのではないか。私も、このブログで、そういう印象を述べたことがある(今月五日)。
本文に先立って、次のようなリードがある。
「仁義なき戦い」では一本気なアウトロー、「トラック野郎」では人間味あふれる純情者……。そんな銀幕のスターが先月末、81歳で逝った。晩年、菅原文太さんが私たちに伝えようとした「遺言」とは何だったのか。【小国綾子】
菅原文太さんが亡くなったのは、一一月二八日である。それから何日たっているというのか。選挙が終わるまでペンディング扱いにされていたのであろうことは、誰でも想像がつく。この記事の冒頭に、佐高氏の「言論統制」批判発言を引用したということは、記者が、あるいは毎日新聞社が、いわば、そうした「言論統制」を認めたことになるだろう。その意味においても、これは、後世に伝えるにふさわしい記事である。
記事そのものは、よく書けている。味読すべき記事である。しかし、これをネット上で読むには「会員登録」というものをしなければならない。
メディアのあり方を考えさせる重要な記事である。菅原文太さんの「遺言」を紹介した記事である。この記事に限っては、毎日新聞社は、「会員登録」などというハードルを設けず、すぐに読める状態で公開したらどうなのか。
*このブログの人気記事 2014・12・18
- ヘイト(憎悪)はヘイトを呼ぶ
- 小野武夫博士、ハサウェイ女史と出会う
- 菅原文太さんと秩父事件
- 国策を否定した危険なヘイトスピーチ
- 「今こそ 自由民権 菅原文太」
- 『世界犯罪隠語大辞典』の中の気になる隠語
- 憲兵はなぜ渡辺錠太郎教育総監を守らなかったのか
- 古畑種基と冤罪事件
- 心理学者のレヴィンとコフカはユダヤ系
- 菅原文太さんと『獅子の時代』