礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

創業当時の「伊藤書店」(「ブック・イトウ」の前身)

2014-12-29 13:14:56 | コラムと名言

◎創業当時の「伊藤書店」(「ブック・イトウ」の前身)

 本年一〇月二〇日に私は、「創業当時の『伊藤書店』(『古書いとう』の前身)」というコラムを書いた。ところが、その後、そこで大変な勘違いをしていたことに気づいた。「伊藤書店」は、「古書いとう」の前身ではなかったのである。つまり、タイトルからして、間違っていたのである。
 早く、訂正しなければと思いながら、つい怠って、とうとう年末になってしまった。このまま、年を越すわけにもいかないので、以下に、書き直した文章を掲げる。もとの文章のほうは、とりあえず本日、内容に間違いがあったという注記を付し、年明けに替りの文章と差し替えたいと思う。

◎創業当時の「伊藤書店」(「ブック・イトウ」の前身)

 本年一〇月ごろに送られてきた「本の散歩展」通巻46号に、「嗚呼 !! いとうさん」という文章が載っていた。筆者は、「古書りぶろ・りべろ」の川口秀彦氏である。その文章によれば、「古書いとう」の伊藤昭久さんが、本年七月一七日に亡くなられたという。
 伊藤昭久さんと面識はなかったが、「古書いとう」というお店の名前は、もちろん知っていた。川口秀彦氏の文章によれば、伊藤昭久さんには、『チリ交列伝』という著書があるという。その後、この本は、入手した。「チリ交」というのは、「チリ紙交換」の略である。伊藤昭久さんは、古書店を始める以前、チリ紙交換業に従事していたという。
「嗚呼 !! いとうさん」を読んだときに思い出したのは、一九八〇年代の前半に、「伊藤書店」という名前の古書店があったことである。その店の近くに住んでいた古書好きのS氏によると、その店は、故紙回収業者が始めた店だという。興味本位で出かけてみた思い出がある。
 この伊藤書店が、「古書いとう」の前身だったのだろうと思いこみ、本年一〇月二〇日に、「創業当時の『伊藤書店』(『古書いとう』の前身)」と題するコラムを書いた。しかしこれは、完全な勘違いで、「古書いとう」は、創業当時から、「古書いとう」だったのである。この店名には、幻の淡水魚「イトウ」の意味も含まれているらしい。このことは、伊藤昭久さんの『チリ交列伝』を読んで知った。
 ただ、一九八〇年代の前半に、「伊藤書店」という名前の古書店があったことは間違いない。その店は、野猿〈ヤエン〉街道沿いの八王子市東中野(旧・南多摩郡由木〈ユギ〉村東中野)という、およそ都会らしくない場所にあった。従来の古本屋と違って、車での来店を想定しているようだった。道路からやや離れたところに、古い倉庫を転用したかのような店舗があった。道路と店舗の間はムキダシの地面で、ここが駐車スペースになっていた。店内には、あらゆる種類の本が大量に並んでいた。しかし、ひとむかし前の通俗書やベストセラーが中心で、特に珍しいものは発見できなかった。
 その後しばらくして、川崎街道沿いの稲城〈イナギ〉市立病院のちょうど向かい、住所でいえば稲城市大丸〈オオマル〉に、「伊藤書店」という看板を掲げた古書店ができた。入ってみたところ、店内の雰囲気は、東中野の伊藤書店とよく似ていた。おそらく、その支店なのだろうと思った。しかし、この「支店」が営業していた期間は、きわめて短期間であったと記憶する。
 その後、さらに何年かたって、稲城市立病院の向かいから東に数百メートルほど離れた、同じく川崎街道沿いに、「ブック・イトウ」というのができた。すでに、かつての「伊藤書店」の面影はなく、ブックオフに近い品揃えになっていた。
 つまり、かつて私が訪ねた野猿街道の伊藤書店は、「ブック・イトウ」の前身だったのであって、「古書いとう」とは何の関係もなかったのである。また、「ブック・イトウ」と「古書いとう」と間にも、何の関係もない(たぶん)。
 さて、稲城市立病院に近い川崎街道沿いにあった「ブック・イトウ」には、何回か通い、メンバーズ・カードも作った。今、それを取り出してみると、「BOOK ITO GROUP MEMBERS CARD」とあって、「9年10月19日」の発行である。平成九年(一九九七)ということだろう。この時点で、「ブック・イトウ」は、すでに、いくつかの店舗を擁するグループになっている。カードによれば、八王子東中野店・相模原星ヶ丘店・日野豊田店・国分寺南町店・立川西砂〈ニシスナ〉店・稲城大丸店・府中分倍河原〈ブバイガワラ〉店・川崎中野島店・川崎稲田堤〈イナダヅツミ〉店・川崎宮前平〈ミヤマエダイラ〉店・川崎黒川店の十一店舗である。
 その後、京王線の聖蹟桜ヶ丘駅の近くにも、「ブック・イトウ」の支店ができた。この支店は、ビルの一階から三階まで三フロアを占めていて、品揃えもよく、二〇〇五年前後から何度となく通った。かなりの掘り出し物を見つけたこともある。しかし、本年一二月初めに訪れてみると、ビルには、すでに別の店がはいっていた。

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